もくじ



「専門性が高くて難しそう」と思われがちな製薬業界ですが、若さとポテンシャルを武器にできる第二新卒にとっては、実はキャリアアップの大チャンスです。
この記事では、未経験からでも狙えるおすすめの職種や、選考を有利に進めるための具体的なステップを徹底解説します。
1歩踏み出して、市場価値の高いキャリアを手に入れましょう。
この記事の監修者

岡本啓毅
YouTube「ひろさんチャンネル」運営 / 株式会社UZUZ 代表取締役
北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職をサポート。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる”をミッションに、YouTubeでは「就職・転職で使えるノウハウ」を発信中。X、TikTokなどSNS等の累計フォロワー数は13万人を超える。
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第二新卒の「製薬業界」転職市場のリアル


「未経験だと門前払いされるのでは?」と不安になるかもしれませんが、現在の製薬業界において第二新卒の需要は着実に高まっています。
ここでは、なぜ今、若手人材が求められているのか、その背景と市場のリアルな現状を解説します。
製薬企業が第二新卒を歓迎する理由
製薬企業が第二新卒を求める最大の理由は、教育コストを抑えつつ若手の柔軟性を確保できるからです。
新卒採用とは異なり、基本的なビジネスマナーや社会人としての基礎が身についているため、早期の戦力化が期待できます。
近年の製薬業界はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や多様な医療ニーズへの対応を迫られており、古い業界慣習に染まっていない若手の柔軟な発想が必要です。
素直に知識を吸収できる成長ポテンシャルと、前職で培った行動力を持つ第二新卒は、激変する業界を勝ち抜くための貴重な人材として歓迎されています。
「未経験」と「同業界」それぞれの市場価値
異業種から製薬業界を目指す場合、前職のスキルが強力な武器になります。
例えば、他業界での法人営業経験やITスキルは、医療従事者へのアプローチや業務効率化において高く評価されます。
専門知識は入社後の研修で補えるため、ポテンシャルの高さを示せれば未経験でも不利にはなりません。
一方、同業界(MRや医療機器営業など)からの転職では、即戦力としての価値が重視されます。
基本的な業界知識や医療現場への理解があるため、より条件の良い大手企業や外資系企業へのキャリアアップ、年収交渉が有利に進みやすい点が特徴です。
第二新卒におすすめの製薬業界の職種4選



未経験から挑戦しやすい職種から専門性を活かす職種まで、それぞれの特徴を求められる資質とともに解説します。
1.MR(医薬情報担当者)
MRは、医師や薬剤師などの医療従事者に対して、自社の医薬品に関する品質・有効性・安全性の情報を提供する職種です。
文理不問で募集されるケースも多く、未経験から製薬業界へ挑戦する第二新卒にとって最大の狙い目といえます。
選考では、前職での営業経験や販売・接客で培ったコミュニケーション能力が重視されます。
医療の専門知識は入社後の充実した研修制度や、MR認定試験の対策を通じて習得できるため心配ありません。
成果が数字や待遇に直結しやすく、若くして高い報酬を得られる点も大きな魅力です。
2.臨床開発(CRA/CRCなど)
臨床開発は、新薬の承認を得るために不可欠な「治験(臨床試験)」をサポートし、進行を管理する職種です。
製薬会社側で病院のモニタリングを行うCRA(臨床開発モニター)や、医療機関側で患者を支えるCRC(治験コーディネーター)などがあります。
理系出身者や、看護師・薬剤師・臨床検査技師といった医療資格を持つ第二新卒から特に人気の高いポジションです。
近年は未経験からの採用枠も一定数存在し、高い倫理観やマルチタスク能力、医師と対等にやり取りできる論理的思考力を持つ人材が求められています。
3.研究・開発職
研究・開発職は、新薬の種となる物質を発見し、製品化へ向けて実験や検証を繰り返す職種です。
この職種に関しては、大学や大学院でバイオ、化学、薬学などの専門分野を専攻していた理系出身者に限定されるケースがほとんどです。
即戦力採用が多い職種ですが、第二新卒であれば実務経験が浅くても、大学時代の研究テーマと企業の開発方向性がマッチすればポテンシャル採用のチャンスがあります。
最新の科学技術に対する知的好奇心が旺盛で、地道な実験を粘り強く続けられる忍耐力を持つ人が向いています。
4.管理部門・事務職
管理部門は、人事、経理、総務、法務など、製薬会社の経営基盤を支える職種です。
他業界の事務職と仕事の本質は同じですが、生命に関わる業界特有の厳しい規制や法令(薬機法など)への理解、それらに柔軟に対応する姿勢が求められます。
外資系製薬会社やグローバル展開を進める国内大手企業も多いため、高い英語力(TOEIC等のスコア)や留学経験があると、未経験からでも強力なアピールポイントになります。
前職で事務スキルの基礎を身につけ、より安定した業界でキャリアを築きたい第二新卒におすすめです。
監修者コメント
20代前半なら「MR」からキャリアを始めるのがおすすめ
もしキャリアの方向性に迷っているなら、まずは門戸が広く、ビジネスの基本が全て詰まっている「MR」から挑戦するルートはとてもおすすめできます。
なぜなら、MRとして医療現場の最前線を経験すると、その後のキャリアの選択肢が大きく広がりやすいからです。
医師へのアプローチ経験や医療業界の構造を熟知した人材は、製薬業界内でのキャリアアップにおいて非常に有利です。
さらに近年では、医療機器メーカーや急成長を遂げている医療系ITベンチャーなどからも、ほしがられる存在になります。
20代のうちにMRとして強固な市場価値を築いておく選択は、その後の30代以降のキャリアを非常に有利に進めるための強力な足がかりになります。
以下の記事では、理系出身者の主な就職先として製薬会社が紹介されています。
理系出身の人は学部別の主な就職先も参考にしてください。

岡本啓毅
経験者・未経験者別|第二新卒で製薬業界へ転職するメリット


ここからは「未経験者」「経験者」それぞれの視点から、このタイミングで転職する最大のメリットを解説します。
未経験者が製薬会社へ転職する2大メリット
異業種から製薬業界へ飛び込む未経験の第二新卒にとって、この転職はキャリアの土台を大きく底上げするチャンスです。
専門知識が必要な業界だからこそ、ポテンシャルを重視してもらえる第二新卒のタイミングは、未経験者が参入できる貴重な窓口といえるでしょう。
一般的にはハードルが高く見えますが、異業界での経験を武器にしながら新しい知識を柔軟に吸収できる若手は、多くの製薬会社から歓迎される傾向にあります。
未経験から製薬業界へ進むと、具体的にどのようなメリットがあるのか、他業界との違いを交えながら主な2つの視点から解説します。
20代のうちに他業界を圧倒する「高待遇・安定」を獲得できる
製薬業界は、他業界に比べて平均年収や福利厚生の水準が非常に高い点が大きな特徴です。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は約478万円です。
一方、主要な製薬会社の多くは平均年収が800万円〜1,000万円を超えており、全業種の中でもトップクラスの基準を誇ります。
未経験からのスタートであっても基本給が高めに設定されているだけでなく、住宅手当や営業日当といった手厚いサポートを受けられる企業が多数存在します。
これにより、同年代の平均を大きく上回る収入と安定した生活基盤を20代のうちに手に入れられるでしょう。
生活のゆとりは心身の安定に繋がり、腰を据えて長期的なキャリアを築くモチベーションにも直結するはずです。
若いうちから経済的な安定と高い生活水準を両立できる環境は、他業界から製薬業界へ転職する最大の魅力といえます。
参照:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
参照:AnswersNews「製薬会社年収ランキング」(各社有価証券報告書より)
専門性の高いスキルが身に付き市場価値が上がる
製薬会社で働くと、生命に関わる最新の医療知識や、医師をはじめとする医療専門職と対等に渡り合う高度なコミュニケーション能力が自然と身につきます。
これらは他業界では容易に得られない貴重な財産です。
ここで培われる高い営業力や専門性は、ビジネスパーソンとしての強力な武器となり、自分の市場価値を高めます。
専門知識を背景にした提案力は、将来的にどの業界へ進んでも重宝される汎用性の高いスキルです。
20代の早い段階でこの専門性を獲得しておくと、将来的なキャリアの選択肢を大きく広げられます。
経験者が製薬会社へ転職する2大メリット
すでに製薬業界や医療機器営業などのメディカル領域に身を置いている第二新卒の場合、早いタイミングでの転職は現状の閉塞感を打破するきっかけになります。
現在の環境で十分な成果を出せていないと感じていても、企業を変えるだけで一気に才能が開花するケースは珍しくありません。
第二新卒の枠であれば、現職での短い経験であっても業界の基礎知識があるだけで強力なアドバンテージになります。
ここでは、同業界内での転職がもたらす具体的な2つのメリットを解説します。
若いうちから即戦力として実績を残せる
基本的な業界のルールや医療現場の仕組み、医師へのアプローチ方法をすでに理解しているため、転職先での初期研修期間を大幅に短縮できます。
未経験者が基礎を学んでいる間に、一歩リードして現場での実務に取りかかれる点が強みです。
若いうちから即戦力としてスピーディーに実績を残しやすいため、生え抜きの同世代社員よりも早いペースで昇進・昇格を狙うルートが拓けます。
前職での経験をベースにしながら、新しい環境の仕組みを効率よく吸収すれば、20代後半にはリーダー職や管理職へのステップアップも狙えるかもしれません。
大手・外資系企業への転職で年収とキャリアを大幅にアップできる
新卒採用のタイミングでは倍率が高く入社が難しかった国内の大手企業や、インセンティブ設計が魅力的な外資系製薬会社へ、実務経験を武器にリベンジ転職が可能です。
企業規模が大きくなれば、その分だけ扱える予算やプロジェクトの規模も拡大します。
また、担当する医薬品の領域をニーズの高い領域や希少疾患へと広げると、専門性をさらに深められます。
より先進的な医療に携わるキャリアを築きながら、前職以上の大幅な年収アップを同時に実現できるのは、業界経験を持っている第二新卒だからこそ狙える特権です。
第二新卒で製薬業界に転職する際の注意点

第二新卒が転職する上で気をつけなきゃいけないことってある?

第二新卒という貴重なカードを無駄にしないためにも、あらかじめ押さえておくべき代表的な注意点を整理していきましょう。
継続的な勉強と知識のアップデートが求められる
製薬業界で働く以上、どの職種であっても医療や医薬品に関する学びは終わりません。
特に未経験から転職した場合、入社初期は専門用語や疾患のメカニズムを覚えるために、相応の勉強が求められます。
さらに、医療技術の進歩や新薬の登場、法改正などに伴い、最新情報をキャッチアップし続けなければ業務に対応できなくなります。
「入社すれば終わり」ではなく、自発的に勉強時間を確保して知識を更新し続ける覚悟が必要です。
自立的な学習習慣がない場合、毎日の業務が大きな負担に感じてしまうリスクがあります。
成果主義のプレッシャーがある
特に営業職であるMRは、個人の業績が数字として明確に可視化される実力主義の世界です。
高い年収や手厚いインセンティブが用意されている反面、目標達成に対するプレッシャーは他業界よりも強い傾向にあります。
若手であっても毎日の行動量や成果がシビアに評価されるため、モチベーションを高く維持できる自立心が欠かせません。
結果が出ない時期があっても、課題を分析して次のアプローチへつなげる前向きさと、精神力が求められます。
実力に応じた正当な報酬を望む人には最適な環境ですが、安定だけを求めているとプレッシャーが負担になります。
人間関係にタフさが求められる
主な顧客となる医師や薬剤師は、多忙を極める専門知識のプロフェッショナルです。
限られた時間の中で信頼を得る必要があり、時には面会すら断られるなど、一筋縄ではいかない人間関係に直面します。
医療現場の最前線で働く相手の立場を汲み取り、適切なタイミングで質の高い情報を提供する気配りや粘り強さが不可欠です。
専門性の高い相手と対等に渡り合うための高いコミュニケーション能力はもちろん、厳しい対応をされても落ち込みすぎないタフさが求められます。
顧客との深い信頼関係を構築する難しさと面白さは、製薬業界特有の要素といえます。
厳しいルール遵守が求められる
製薬会社が扱う商品は、人の生命や健康に直結する医薬品です。
そのため、一般的な業界よりもはるかに厳しいコンプライアンス(法令遵守)や高い倫理観が求められます。
例えばMRの場合、医師への情報提供において誇大表現は一切許されず、定められたルールを逸脱したプロモーション活動は厳しく処罰されます。
一歩間違えれば、企業の信用失墜だけでなく、社会的な大問題に発展しかねません。
ルールを厳格に守りながら正確な仕事をやり遂げる、誠実さと責任感を持てない人には不向きな環境といえます。
第二新卒が製薬転職を成功させるためのコツ


ここでは激戦となる第二新卒の枠を勝ち取り、転職を成功へと導くための具体的なコツを解説します。
「なぜ製薬なのか」を前職の経験と紐づけて言語化する
面接では、異業種から製薬業界を目指す理由について必ず深掘りされます。
その際、単なる憧れや待遇への魅力ではなく、前職の経験や自身の価値観を起点とした明確なストーリーが必要です。
例えば「前職の法人営業で顧客の課題解決にやりがいを感じたが、より人の生命や健康に貢献したい」といった動機が挙げられます。
前職で培ったスキルや失敗から得た学びが、製薬業界のどの仕事(MRや開発職など)に活かせるのか、一貫性と再現性を持たせて説明できるように準備しておきましょう。
製薬業界に必要な強みを具体的に伝える
製薬会社の面接官は、第二新卒に対して「ルールを厳格に守る誠実さ」と「新しい知識を吸収し続けるタフさ」を強く求めています。
これらをアピールする際は、過去の具体的な行動実績をセットで伝えるのが鉄則です。
例えば「前職のミスが許されない環境で、社内規定を徹底して守り抜いたエピソード」や「未経験の業務を任された際、自発的に勉強して成果を出した経験」などを伝えます。
口先だけの熱意ではなく、過去の行動をベースに「入社後も真面目に学び続けるポテンシャル」を証明することが、内定を引き寄せるコツです。
転職によって「何を実現したいか」を明確にする
製薬業界への転職を成功させるためには、自分のキャリアの方向性を定めておく必要があります。
「年収を上げたい」「安定した業界に行きたい」という本音だけでなく、転職を通じて「どのようなビジネスパーソンになりたいか」を言語化することが大切です。
「文系からMRとして営業スキルを極めたいのか」「理系のバックグラウンドを活かして臨床開発のプロを目指したいのか」によって、選ぶべき企業やアピール方法は変わります。
目先の待遇だけに捉われず、5年後・10年後のキャリアを見据えた一貫性のある軸を持てば、面接官に「ブレない覚悟」が伝わり、評価が大きく高まります。
転職エージェントを活用する
製薬業界の採用選考は、企業ごとに求める人物像や面接の質問傾向が大きく異なります。
また、好待遇な求人ほど一般には公開されない「非公開求人」として扱われるため、個人だけの転職活動では限界があります。
業界の動向に精通し、第二新卒の支援実績が豊富な転職エージェントの力を借りるのが賢明です。
求人の紹介だけでなく、製薬特有の複雑な志望動機の添削や、模擬面接を通じた客観的なフィードバックを受けることで、選考の通過率を劇的に高められます。
監修者コメント
「企業文化のマッチング」が合否を大きく左右する
製薬業界の選考で最後の一手となるのは「企業文化への適応力」です。
製薬会社は、歴史ある国内大手、成果主義が明確な外資系、特定の疾患に強いバイオベンチャーなど、企業ごとに社風が大きく異なります。
例えば、チームワークを重視する企業に「個人の成果」ばかりをアピールしても評価されません。
第二新卒の採用では、スキル以上に「自社の風土に馴染み、長く活躍してくれそうか」というカルチャーマッチが厳しく見られます。
志望企業のコーポレートサイトや統合報告書を読み込み、どのような価値観を大切にしている組織なのかを事前に必ずリサーチしておきましょう。
こちらの記事は、第二新卒で異業種への転職を成功させた人の体験談です。
どのように転職活動に取り組んだかについても紹介されているので、読んで参考にしてみてください。

岡本啓毅
まとめ
専門性が高くハードルが高いと思われがちな製薬業界ですが、若さとポテンシャルを兼ね備えた第二新卒には、未経験からでも十分にチャンスがあります。
まずは業界や各職種の特徴を正しく理解し、求められる「誠実さ」や「学習意欲」を自身の経験と紐づけてアピールする準備が大切です。
入社後の勉強量や成果主義といった厳しい側面もある反面、高い待遇やビジネスパーソンとしての高い市場価値を手に入れられる魅力的な環境が整っています。
注意点やリスクも前向きに捉え、事前の対策を徹底して理想のキャリアアップを叶えましょう。
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