今の仕事とは違う業界や職種への転職は、葛藤がつきものです。
- スキルもないし、本当にやっていけるのだろうか
- 生活の安定のため、このまま今の仕事を続けるべきなのだろうか
でも、一度きりの人生です。
転職せずに「あの時転職していたら……」とずっと考えてしまうかもしれないなら、思い切って転職してしまうのもアリではないでしょうか。
そこで今回は、そんな葛藤するあなたの背中を後押しすべく、幼稚園教諭から民間企業の事務職に転職した女性(Aさん・24歳)に、就活のことなどお話を伺ってみました。

記事の後半では、体験談から見えてきたポイントも解説します。
- 幼稚園教諭からの転職は、どのくらい不利なのか
- 面接で「辞めた理由」をどう伝えればよいのか
幼稚園教諭から異業界・異業種への転職を考えている方は、ぜひ読んでみてくださいね!
幼稚園教諭からOLに転職したAさんのプロフィール

では早速ですがまずはAさんのプロフィールから教えてください!
Aです、よろしくお願いします!
私のプロフィールですが、ざっくりご紹介するとこんな感じですかね~。
【Aさん経歴】
| 幼少期 神奈川県で生まれ育ち、ピアニストを夢見て日々ピアノの練習に打ち込む 高校卒業後 アメリカの大学に進学し、大学でもピアノを専攻する 大学在学中 米国南部のピアノコンテストで優勝!大学生活があまりにも楽しく、1年半留年してしまうが、大学院に進んでピアニストになると決めていたため、就職活動は全く行わなかった 大学卒業直前 両親から突然「経済的に厳しいので大学院進学は諦めて欲しい」と衝撃的な事実を告げられ、泣く泣く進学を断念する 大学卒業後 就職活動を全く行っていなかったため、内定もないまま帰国 帰国後 日本の就職活動の進め方が全く分からない中、就職活動を始める |

両親から進学を諦めるように言われた時は、そりゃあもう慌てましたね。
なんせ、そのつもりで将来設計をしてずっとやってきてたので……。
でも、両親に必死で掛け合ってもやはり進学は無理だったので、とりあえず帰国はしたんですが、本当の壁はその後にありましたね。

大学生活を海外で過ごしていたので、日本の就職活動の仕方が全く分からなくて。
しかも友人たちはすでに社会人として働き始めていたので、頼ることもできないし、焦る気持ちは膨らむばかりで……。
両親には「ひとまず誰かに相談したら?」と言われたりして、それで、ハローワークに通って求人票とにらめっこしながら、途方に暮れる毎日を送っていました。

就職先に“幼稚園教諭”を選んだ理由

はい、やっぱりこれまでずっとピアノを頑張ってきましたし、海外に留学して英語力にもある程度自信はついていたので、2つの条件は外したくなくて。
- ピアノに触れられる職場
- 英語力を活かせる職場
逆に言うと、私の強みはそこしかないと思っていたので、なんとか自分の強みを活かせる職場を探そうとしたんです。

そうなんです。
なので求人探しも人並み以上に苦戦していたんですが、ある時奇跡的に「英語を教える幼稚園教諭」という求人を見つけたんです!

今思うと本当にそうですよね(笑)。
その幼稚園は英語教育に力を入れていたので、授業は全て英語で、さらに幼稚園なのでピアノを弾く機会も多くて「ここしかない!」と思いました。

はい、幼稚園の仕事は子どもを預かるので責任も大きいですし、小さな子ども相手なので体力勝負で、はっきり言って実際は想像以上に大変な仕事でした。
でも「先生!先生!」って言って子どもたちが懐いてくれるのは本当にかわいかったですし、その幼稚園は教育現場には珍しく激務というわけではなかったんです。
特に残業もなくて毎日定時で帰れますし、たまに休日のイベントで出勤はあっても振替休日もありましたし。
自分の得意なことも活かせて、やりがいもあるし、当時の生活には特に不満もなかったですね。

ですよね~。
でも「あること」がきっかけで、そんな生活に疑問を持つようになってしまったんです……。
友人との“違い”に違和感「私、幼稚園教諭のままでいいの?」

幼稚園で働き始めてから2年くらい経って、仕事にも慣れてきて、その頃から大学時代の友人たちと飲み会に行く機会が増えてきたんです。

はい、それで最初は楽しかったんですけど、だんだん「なんだか私、周りと話が噛み合わない」と感じるようになってきてしまって……。

実は理由は明白で、私以外の友人はみんな企業勤めの俗にいう「OL」だったんです。
だから、友人たちとの話題は“企業に勤めるOLならでは”の話題も多くて、仕事の話から抱える悩みまで全く違っていたんですよね。

そうなんです。
だから私も最初はそいう話を聞いていても「私の職場とは全然違うんだな~」くらいにしか思ってなかったんです……。

みんな、仕事の愚痴を言ったりしながらも、なんだかいきいきしていて、すごく輝いて見えたんです。

はい。
でも、よくよく考えると私は初めから幼稚園教諭を目指していて今の仕事に就いたわけではなかったし、ただ「今の自分にできること」で今の仕事を選んだだけだったんですよね。
それで、疑問を抱くようになって、自分の将来について深く考えるようになったんです。
- このまま幼稚園の先生として働き続ける人生でいいのかな?
- 実はもっと他に挑戦できる仕事があるのでは?

幼稚園教諭から転職を決意できたのは、父のアドバイスがあったから

はい、そんな感じでずっとモヤモヤ考えている状態が続いていたんですが、久しぶりに実家に帰った時に、父に自分のキャリアについて相談したんです。

父の返事は「もちろん幼稚園教諭も素晴らしい仕事だと思う。でも、転職できるチャンスがあるなら、企業に勤めてみるのもいいんじゃない?」というものでした。
そして、父は企業勤めの人だったので「企業勤め」をした場合に身に付くスキルについてもその時に教えてもらったんです。

ありがとうございます。
それで、そんな父のアドバイスも後押しになって、私は幼稚園教諭から転職することを決意したんですが、とはいっても、私は大学卒業時ですでに24歳だったんですよね。
しかも卒業後は幼稚園教諭という経歴だったので、年齢的にも経歴的にも今から企業勤めができるようになるかめちゃくちゃ不安で……。

はい、私は一般的な就活も経験していなかったし、企業への転職活動もどういうふうに進めれば良いのか分からなかったので、プロの力を借りようと思って、UZUZに登録しました。

仕事は辞めずに、日中は幼稚園の仕事を続けて、勤務終了後の夜に就職活動を行うようにしていました!
幼稚園教諭からの転職にいくつも立ちはだかる”壁”

はい。正直、想像以上に大変でしたね(笑)。
私は第二新卒として転職活動をしていたのですが、3つのことが特に大変だと感じていました。
- 時間が確保できないこと
- 幼稚園教諭などの教員がキャリア的に有利でないこと
- 希望が事務職だったので、そもそも求人が少なかったこと
特に「時間の確保」については、企業の面接って基本的に平日に行われることがほとんどなので、私のように平日に休めない仕事では時間調整がかなり大変でした。

そうなんです。
なので、できるだけたくさんの企業に応募するのではなく、企業を絞って就活するというやり方で進めていました。
あとは、やはりキャリアの面でも、有利ではないとは分かっていたものの、想像以上に大変でした。

やっぱり企業側には、職種や職場環境がガラッと変わることに対して身構えられてしまいました。
- 前職と全く職種が違うのに戦力になるのか?
- 前職と全く職場環境が違うのに会社に馴染めるのか?
さらに私は実務経験がないと厳しいと言われる事務職を希望していたので、かなり壁を感じました。

はい、それで、キャリアアドバイザーさんからの勧めもあって、一度落ち着いて自分の強みについて整理してみたんです。
すると、2つの強みが分かったんです。
- 4年制の米国大学に進学していた
- 短期離職することなく働き続けた
それからは、第二新卒の就活の流れもおさえながら、アピールポイントが活かせそうな志望度の高い数社に絞って就活を進めていきました。

自分の強みがはっきりすると企業側としても「どんな人か」が分かってもらいやすいよね!
幼稚園教諭からの転職は本当に不利?データで見る20代女性の転職事情


Aさんのように、異業種・異職種への転職はうまくいくのでしょうか。
ここでは、公的なデータから20代女性の転職の実態を見ていきます。
20代の女性は転職が活発で条件アップも珍しくない
厚生労働省の調査では、女性の年齢別の転職入職率は次の通りです。
| 年齢 | 女性の転職入職率(令和6年) |
|---|---|
| 20〜24歳 | 14.3% |
| 25〜29歳 | 16.8% |
| 30〜34歳 | 13.2% |
参照:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況(転職入職者の状況)」
女性の転職入職率は、20代後半が16.8%と最も高くなっており、20代のうちは、仕事を変えて再スタートする人が多いということが分かります。
また同じ調査では、転職で賃金が「増加」した人が40.5%でした。
「減少」した29.4%を、11.1ポイント上回っており、転職=収入ダウンとは限らないことも、データから分かります。
幼稚園教諭の経験は、事務職でも武器になる
幼稚園教諭の仕事で身につく力は、事務職でもそのまま活かせます。
例えば、次のような力が挙げられます。
- 保護者対応で培った、ていねいなコミュニケーション力
- 行事の準備で身につけた、段取り力とスケジュール管理
- 複数の子どもを見守るなかで鍛えた、同時進行の対応力
面接では「先生の経験が事務でどう役立つか」を言葉にしましょう。
Aさんの場合は「4年生の米大学に進学したこと」と「働き続けた実績」を強みとして整理しました。
面接対策代わりに進めた“自分なりの選考準備”

幼稚園教諭の仕事は残業もほとんどなかったんですが、とにかく平日に休みが取れなかったので、平日にできることって限られていたんです。
UZUZさんでも通常サポートで平日、企業ごとの面接対策が実施されているのですが、私は平日に休みがとれないので、面接対策ってあまりできなくって……。
それで、キャリアアドバイザーさんと相談して、選考を受ける際に質問されそうな次のことについて、毎日少しずつ考えて準備を進めたんです。
- なぜ1社目を選んだのか
- 1社目で学んだことは何か
- なぜ今のタイミングで転職なのか
- なぜOL(事務職)として働きたいのか
- なぜうちの会社なのか

面接ではありがちな質問だとは思うんですが、このことを端的にかつ具体的に話せるように準備するのって、私にはそれはもうすっっっごく大変だったんです!

はい、そうなんです……。
私、これまで自分のキャリアについてそこまで深く考えたことってなくって……。
でも「なんとなく」のぼんやりした考えのまま進めても、企業側は採用してくれないことは分かっていました。
なので「そもそも本当に転職すべきなのか?」ということも常に自分に問いかけながら取り組みましたね。

はい、辛く感じることもありましたが、自分と真剣に向き合ったことで、自分の考えにも確信を持てるようになったのでよかったです!
面接で「なぜ幼稚園教諭を辞めるの?」にどう答える?

異業種への転職面接では「なぜ先生を辞めるの?」は定番の質問です。
Aさんが好印象を残せたのは、園への不満ではなく「これから」を語ったからです。
Aさんの答え方をもとに、伝え方のコツを整理していきます。
辞める理由は「園での経験→気づき→事務職でやりたいこと」の順で話す
「先生を辞める理由」は、話が長くなるほど不満に聞こえてしまいます。
次の3つを、それぞれ簡潔に説明できるように整えておきましょう。
- 園での経験:担任業務や行事の運営など、やってきたことを短く示す
- 気づき:子どもや保護者と関わるなかで見えた、自分の適性を伝える
- 事務職でやりたいこと:先生の経験をどう活かすかにつなげて締める
例えば、次のようなイメージです。
- 園での経験:「幼稚園教諭として、行事の運営や保護者対応に力を注いできました。
- 気づき:そのなかで、人を支える事務の仕事に関心を持つようになりました。
- 事務職でやりたいこと:これからは段取り力を活かし、事務職として成長していきたいです。
体調や園の人間関係が理由の場合も、細かく説明する必要はありません。
「現在は支障なく働ける」と伝わればそれで十分です。
「先生の仕事に疲れた」はNG。印象がよくなる言い換え例
同じ「辞める理由」でも、言葉の選び方で面接官の受け取り方は変わります。
幼稚園教諭の面接でありがちなNGワードと、言い換えの例を確認しましょう。
| ありがちなNGワード | 前向きな言い換え |
|---|---|
| 先生の仕事に疲れて辞めたい | 別の形で人を支える仕事に挑戦したい |
| 幼稚園教諭しかやってこなかった | 先生として培った〇〇が強みです(計画性がある、コミュニケーション力、臨機応変に動けるなど) |
また、答えにくい退職理由をぼかして、経歴をあいまいにするのは避けましょう。
体調や人間関係などが理由の場合でも、事実は簡潔に認めたうえで、これからやりたいことの話に時間を使うのがおすすめです。
ポイントは、園への不満で終わらせず「次にやりたいこと」で締めること。
面接官は、過去よりも「これからどう働くか」を知りたいと考えています。
ついに内定!幼稚園教諭から事務職に転職成功

1週間に1~2社のペースでしたね。
幼稚園なので、朝は結構早くからスタートしますし、残業はほとんどないにしても、平日に転職活動ができるのは早くても19時以降なんですよね。
なので、正直平日の転職活動は肉体的にも精神的にもかなりハードでしたね……。

はい!
辛かったですけど、自分で決めたことなので、そこは弱音を吐かずに、時間を作っては転職活動を進めましたね。
仕事の都合であまり多く取れない面接対策だったからこそ、面接対策ができる際にはしっかりフィードバックがもらえるようにしたんです。
自分でも回数を重ねるうちに回答の質が上がっていることが実感できてきて、結果としてIT企業から事務職として内定を獲得することができました!

そうなんです!
そのお話を聞いた時はすごくうれしかったですが、正直ほっとした方が大きかったかもしれないですね(笑)
幼稚園教諭から転職し、一年半が経過した今の“リアルな気持ち”

はい、今は人事アシスタント業務をしています。

そうですね、親会社の採用も含めて、新卒採用関連の管理業務を一手に引き受ける部署なので、事務職といえども採用の数字を追いかけることが多いですね。

そうなんです、応募者や社内の方とコミュニケーションとることも多いですし、必要があれば地方での採用のために全国にも出張していますよ!
幼稚園教諭の頃からすると考えられないくらい仕事の幅が広いですね(笑)。

はい、そこはある意味大企業なのでちゃんとしているというか、土日祝日は休みですし、残業があっても平日は遅くとも19時には退社できています!

はい、希望どおりの就職ができて、今は充実した日々が送れていますし、あの時思い切って転職に踏み切って良かったなと思っています。
ただ、やはり大企業ゆえなのか、個人の頑張りが目に留まりづらくて相対評価になってしまうので、なかなか評価されづらい環境というのは少し不満ですかね。
とはいえ、現状に関しては決してネガティブな気持ちを抱えているわけではないので、今は目の前の仕事を着実にこなして、一人前になれるように頑張るのみですね!

まとめ
幼稚園教諭から大企業のOL(事務職)へと、見事転職を果たしたAさん。
仕事を続けながら全く違う業界・業種へ挑戦するのは、簡単ではありません。
Aさんの転職成功のポイントは、大きく次の5つです。
- プロの力(就職エージェント)を借りて就活を進めた
- 自分のアピールポイントの棚卸しを行った
- 第二新卒の就活の流れを押さえながら進めた
- 志望度の高い数社に絞って面接を受けた
- 自宅でもできる面接対策をしっかり行った
限られた時間でも、Aさんは最大限の努力を続けました。
第三者の支えを得て効率よく進めたことが、転職成功の要因といえるでしょう。
全く違うジャンルへの転職は、怖いし不安も多いことですが、挑戦してみないと分からないことがあるのも事実です。
一人で悩むより、Aさんのように第三者に相談することが近道です。
UZUZでは、Aさんも受けたキャリアカウンセリングや面接対策を無料で利用できます。
まずは一歩、踏み出してみてください。

















