
現在の転職市場では一度辞めた会社に戻るという「出戻り転職」も増えているのだとか。
マイナビが行った調査によると、会社を辞めた人のうち3人に1人が転職後に元の会社に戻りたいと思っているとのことです。
この記事では、人材支援会社UZUZの代表、岡本啓毅氏による解説動画を元に、近年の「出戻り採用」や転職市場そのものの変化に関しても解説していきます。
▼この記事の元になった動画はこちら
この記事の監修者

岡本啓毅
株式会社UZUZ 代表取締役
1986年生まれ、北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職サポートを実施してきた。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる。”をミッションに、Twitterで「仕事をウズウズ楽しむ情報」を、YouTubeで「就職・転職で使える面接ノウハウ」を発信。SNSの累計フォロワー数は9万人を超える。
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転職市場の変化|出戻り転職(アルムナイ採用)が増えている

「出戻り採用」とは、転職して辞めた人を再度採用することを意味しており「アルムナイ採用」とも呼ばれています。
実は最近、この採用方式が日本国内でも増えているのです。
現在の転職市場の状況と合わせて、なぜ出戻り採用が増えているか、その理由を解説していきます。
大手企業でも出戻り転職が浸透しつつある
新卒採用や転職サイトを使わない特殊な「出戻り」は、ベンチャー企業で多いというイメージがあるかもしれません。
しかし実は、出戻りしてくる元社員の転職を受け入れることは大手企業でも取り入れられ始めているのです。
ある企業では、内定の選考通知後に内定辞退した人も含めて、採用で接点があった人たちを中長期的に人材プールとして記録しておくという手法が行われています。
このように、人材採用に新しいチャネルを設けている大手企業もあります。
在職社員から紹介してもらった人を採用する「リファラル採用」も、新しい採用チャネルを作るための一貫であるといえます。
日本は人口減少による人手不足が深刻化していくと考えられているため、今後も採用チャネルを増やして人材を確保しようという動きが加速していくと予想できるでしょう。
そのため、まずます大手企業でも出戻り採用が利用されるようになると考えられているのです。
出戻り転職が増えている理由:転職者・会社側の双方にメリットがある
出戻りしてくる元社員を受け入れることが注目されていることの理由の一つとして、転職者にも会社側にもメリットがあるという点が挙げられます。
転職者側にとって、出戻り転職するということはかつて在籍していた会社に戻るということで、仕事や職場環境などをある程度は分かっているという点が大きなメリットです。
企業側も、働いていたときの勤務態度や成果などから転職者側の人となりをある程度理解しているという利点があります。
また、他社を経験して新しい知見を得てきた社員が戻ってくるため、会社にとっては「外部で成長した社員が帰ってきた」というような感覚で接することができます。
出戻り社員としても、一度転職してからそれでも「この会社に戻りたい」と思って帰ってきたなら、愛社精神も少し強くなっているのではないでしょうか。
他社を見たからこそ自社の良い点に気づくことができるようになり、客観的に自社を評価できるようになります。
出戻りができるような辞め方をするのがおすすめ

「自分は出戻り転職をするつもりはないから関係ない」と思う方もいるかもしれませんね。
しかし、前述のマイナビの調査を思い出してください。
転職後、実に1/3の人が「出戻りしたい」と感じているという調査結果でした。
辞める時は誰しもが、出ていく会社に戻ってくることを前提として転職している人はいないのではないでしょうか。
しかし現実は「出戻りしない」つもりで転職しても1/3の人が「出戻りしたい」と思い直すようになっているわけです。
そのため、自分は絶対に出戻りしないと考えるのではなく、出戻り転職をする可能性を考えておくのが重要といえます。
「自分も出戻りするかもしれない」ということを意識しておくだけでも、自分の人生の選択肢を増やすことにもつながるのです。
迷惑をかけない形で退職することが重要
出戻り転職について考える上で重要なのが、迷惑をかけない形で退職し、いつでも出戻り転職できるような退職の仕方をすることです。
計画的に引継ぎをして、チームメンバーや後任がスムーズに引き継いだ仕事ができるようにしましょう。
適当に引継ぎをして残されたメンバーに迷惑がかかると「出戻りしたい」と思ったときに受け入れてもらいにくくなったり、自分からも言い出しにくくなります。
特に出戻り採用を積極的に行っている企業では、過去の退職者などの人材データベースを作っていることもあり、記録として残り続けることがあります。
悪い印象が残ってしまう辞め方をすると、それが原因で戻ってこれなくなってしまうこともあるのです。

ブラックな職場の場合は出戻りは考えなくていい
迷惑をかけずに退職したほうがいいのは前述のとおりですが、引継ぎなどを考慮せず、すぐにでも辞めたほうがいい会社も、一部あります。
それが、いわゆる「ブラック企業」の場合です。
法律違反をしていたりパワハラが横行しているなど、すぐに辞めなければ心身ともに不調をきたすなど不利な状況に陥ってしまう職場は、引継ぎなどは考えずにすぐ辞めましょう。
ブラックな職場への出戻り転職は考えなくてもよく、心身を壊してしまったら転職どころではなくなるため、まずは自分の身の安全を優先すべきです。
監修者コメント
意外と業界的に関係がつながっていることも多いと覚えておこう
転職しようとしているということは、現職に何かの不満があるということではないでしょうか。
そんなとき、不満を解消するために「もう辞めるし、どうせなら迷惑をかけて辞めてやろう」と考えてしまう人もいるかもしれませんね。
しかし、そのような刹那的な不満解消のために迷惑をかけながら退職しようとするのはおすすめしません。
「1/3が出戻りしたくなる」とはお伝えしたとおりですが、その他の理由として、辞めたあとも前職の人や組織との関係性が続くことがよくあるためです。
業界的な人や組織のつながりはよくあるもので、転職先と現職が実は取引があるなどで関係性があったりします。
また、迷惑をかけて辞めた後任が転職して、クライアントに就職する、というケースすらも起こりえます。
完全に異なる業界への転職はなかなか難しいため、同業界内で転職したり、関連業界に転職したりすることが多いためこのようなことが起こるのです。
迷惑をかけながら辞めてしまうとキャリアに悪影響を受けることがあるため、しっかりと円満退職するというのが結局は一番無難で、より良い結果につながりやすいといえます。

岡本啓毅
転職自体を考え直したほうがいいケース

出戻り転職がキャリアにおける選択肢に存在するのは、間違いなく良いことです。
出戻り転職で成功しているという方も増えています。
しかし「出戻りしたってことは、結局、転職せずに辞めないほうが良かったのでは?」というケースがあるのも事実です。
結局は戻ってくるなら、転職せずに在籍したままでキャリアを積んでいたほうが昇進・昇給しやすかったという場合があります。
出戻り転職をするべきか否かではなく、そもそも最初の転職を思いとどまったほうがいいケースについて確認していきましょう。
他者の勧めで転職しようとしている
他者の勧めに流されて転職しようとしているなら、その転職はやめたほうがいい可能性が高くなります。
- 親
- 配偶者やパートナー
- 転職エージェント
上記のような他者の話で転職を決断した場合、良くない転職になりやすいのです。
例えば、結婚や出産・育児などライフステージが変わったとき、配偶者やパートナーから「もっと給料が高い会社に転職してほしい」といわれたとしましょう。
仮に転職して給与が増えたとしても仕事内容に満足できず、やりがいを感じられないため「好きだった仕事ができる前職に出戻りしたい」と思うことがあります。
また、転職エージェントは求職者が転職することで紹介先企業から報酬を得られるため、なんとかして求職者に転職してもらいたいと思っています。
転職エージェントの言う通りに転職したものの、働き始めてから条件面で納得できていなかったことに気づいて出戻りしたくなるということも起こり得るでしょう。
もしかすると、転職せずに前職で昇進・昇給を目指していたほうが、結果的に給与も高くなっていたかもしれません。
結局働くのは自分自身であり、自分の仕事を他者の判断に委ねてしまうと良くない転職になってしまうのです。
現職で実現できることを転職して実現しようとしている
転職をするということは、何かの不満を解消したり希望を叶えたりすることが大きな目的なのではないでしょうか。
今の職場の嫌なところをなくすために転職する、本当にやりたいことがあってそれをやるために転職する、といったケースです。
しかし実は、それらの不満解消や希望実現は、現職で働きかければなんとかなることもあります。
<不満が解消されて出戻り転職した例>
仕事内容は好きだったものの長時間労働が嫌で転職を決意。 しかし、転職先も結局は長時間労働が常態化していた。 実は前職での「どんな時でも仕事に打ち込めるタフさ」が評価されて採用されたため、転職先でも長時間労働をせざるを得ない雰囲気があり、結局辛くなってしまった。 前職の元同僚と久しぶりに飲み会をしたら「業務改革が行われて長時間労働がなくなった」とのこと。 前職の仕事や同僚も嫌いではなかったため、結局出戻り転職した。 |
完全に転職を決意して内定承諾するまでは、引き返すことができます。
それまでは、不満解消や希望実現を転職せずにかなえられないか現職に働きかけつづけることをおすすめします。
転職では解決できない問題を転職して解決しようとしている
転職では解決できない問題を解決するために転職しようとしているなら、転職をやめたほうがいい可能性があります。
例えば「人間関係の悩みをなくしたい」というのは難しい問題です。
一人だけではできない仕事をしている以上、人間関係はどこに行ってもついて回ることではないでしょうか。
結局、転職しても相対する人が変わっただけで「人間関係で悩む」のは同じことです。
また「どうしても合わない上司がいたのが嫌で転職したが、あとからその上司が辞めたと聞いて出戻り転職した」という例もあります。
「どの仕事でもついて回る問題」は、転職して解決することではなく、仕事上でどのようにその問題と向き合うかが大切なのです。
監修者コメント
転職に関しては主体的に自分で決めたほうが良い結果になりやすい
「転職したほうが自分にとって良いから、転職しよう」という決断は自分の意志で行うようにしましょう。
たとえ配偶者やパートナー、転職エージェントからの勧めが転職を考えるきっかけであれ、最後は自分で「転職すると決断する」のです。
自分の意志で決めたことなら責任がもてますし、最後までがんばってみようと思うことができます。
逆に言うならば「転職するという決定」が自分の意志ではないと感じるとしたら、転職後にうまくいかなくても人のせいにして投げ出しやすくなるのです。
ぜひ転職などのキャリア上の決定は、主体的に自分で決めるようにしましょう。

岡本啓毅
まとめ
誰もが「新天地でがんばりたい」と思って転職するものですが、そのうち実に1/3が出戻りしたいと思ってしまいます。
元の会社に戻りたいと思った場合でも、近年は「出戻り転職」が活性化しているため、戻ってきやすくなっている状況にあります。
出戻り転職を始めとして様々な方法での転職があるため、転職が気になっているならぜひ調査を始めてみてください。
その際、転職エージェントに話を聞いてみるのもおすすめです。
転職エージェントとは、キャリアの相談や求人紹介を無料で受けられるサービスのこと。
この記事の元になった動画に出演している岡崎氏も、UZUZという会社でエージェントサービスを運営しています。
この記事や動画でお伝えした以上の転職市場やキャリアに関連した情報、そして選考対策をお伝えしてみなさんの転職をサポートできます。
当然のことですが、記事の途中でもお伝えしたように最後は自分の意志で、本当に転職すべきなのかを考えながら決定してくださいね。
UZUZのキャリアアドバイザーもみなさんのキャリアと真剣に向き合ってお話を聞くため、現職に残って続けたほうがいいと判断した場合はそのとおりにお伝えします。
「まずは相談だけ……」という方も、歓迎します。
本当に自分は転職すべきなのかを確認するためにも、ぜひ一度ご連絡ください。
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