もくじ

辞めたいけど、何言われるか分からなくて……。
パワハラが原因で退職を選ぶ人も実際にいますし、きちんと考えて行動すれば次につなげられます。

この記事では、辞めるべきかの判断基準から、後悔しない退職・転職の進め方まで解説していきます。
この記事の監修者

岡本啓毅
YouTube「ひろさんチャンネル」運営 / 株式会社UZUZ 代表取締役
北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職をサポート。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる”をミッションに、YouTubeでは「就職・転職で使えるノウハウ」を発信中。X、TikTokなどSNS等の累計フォロワー数は13万人を超える。
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パワハラとは?定義と具体例を知っておこう

具体例も含めて整理していきましょう。
パワハラとは「職場における優位な立場を利用して、相手に精神的・身体的な苦痛を与えたり、働く環境を悪化させたりする行為」のことです。
厚生労働省は、以下の3つの要素を満たすものをパワハラと定義しています。
- 優越的な関係を背景に行われること
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えていること
- 労働者の就業環境を害すること
また、厚生労働省はパワハラを主に6つの類型に分類しています。
| 類型 | 具体的行為 |
|---|---|
| 体的な攻撃 | 暴行・傷害 |
| 精神的な攻撃 | 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言 |
| 人間関係からの切り離し | 隔離・仲間外し・無視 |
| 過大な要求 | 業務上明らかに不要なことなどを要求 |
| 過小な要求 | 仕事を与えない等 |
| 個の侵害 | 私的なことに過度に立ち入ること |
参照:厚生労働省「職場におけるハラスメント対策パンフレット」
「自分が受けているものは本当にパワハラなのだろうか」と悩む方は少なくありません。
しかし、強い苦痛や働きづらさを感じている時点で、1人で抱え込まずに状況を整理することが大切です。
まずは、どのような行為がパワハラに該当するのかを知ることが、今後の判断や行動につながります。
参考:厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告について」
パワハラで退職しても大丈夫?まず知っておきたい考え方


まずは「パワハラとどう向き合うべきか」という考え方から整理していきましょう。
結論|心身に影響が出ているなら退職は正当な選択
パワハラによって強いストレスを感じ、体調不良や気分の落ち込みが続いている場合、退職は決して特別な選択ではありません。
仕事は本来、生活を支えるためのものであり、心や体をすり減らしてまで続けるものではないからです。
無理を重ねれば、回復に時間がかかる可能性も少なくありません。
まずは自分の状態を守ることを最優先に考えることが大切です。
環境を変えることは「逃げ」ではなく、自分を守るための前向きな行動の1つといえるでしょう。
我慢し続けることで起こるリスク
パワハラを受けながら働き続けると、心身への負担が積み重なり、日常生活にも影響が出る可能性があります。
例えば、睡眠の質が下がったり、仕事への意欲が極端に低下したりする場合があります。
また、長期間ストレスの強い環境にいると、自信を失い「自分は何をしてもダメだ」と感じてしまうケースも少なくありません。
こうした状態が続くと、本来発揮できるはずの力も発揮できず、結果としてキャリアの選択肢を狭めてしまう恐れがあります。
だからこそ、無理に耐え続けることには大きなリスクがあるのです。
自分は退職するべき?後悔しないための判断基準


最終的な判断をするためには、一般論ではなく「自分自身の状況」で考えていくことが大切です。
判断基準に当てはめると、辞めるべきかどうかが見えてくるため、1つずつ確認していきましょう。
日常生活に影響が出ているか
まず確認したいのは、パワハラの影響が仕事以外の生活にも及んでいるかどうかです。
例えば、夜なかなか眠れない、食欲が落ちている、出勤前に強い不安を感じるなどの変化がある場合は、心身に負担がかかっているサインといえます。
特に、一時的な疲れではなく、こうした状態が続いているのであれば注意が必要です。
仕事は生活の一部にすぎません。
日常生活にまで影響が出ている場合は、環境の見直しを考えるタイミングに来ている可能性があります。
状況が改善する見込みはあるか
次に考えたいのは、今の状況に改善の余地があるかどうかです。
上司や会社に相談したときに真摯に対応してもらえるか、異動や配置転換の可能性があるかなどを冷静に見てみましょう。
もし何度相談しても状況が変わらない、あるいは問題が軽視されている場合は、今後も大きな改善は期待しにくいと考えられます。
一方で、環境が変わる可能性がある場合は、もう少し様子を見る選択肢もあります。
現実的に変化を見込めるかどうかが判断のポイントです。
今の環境で働き続けるメリットはあるか
最後に、現在の職場で働き続けると、どのようなメリットがあるのかを整理してみましょう。
スキルが身に付く、将来につながる経験ができる、待遇が良いなど、続ける理由が明確であれば、もう少し踏みとどまる判断も考えられます。
しかし、パワハラによって成長の機会が得られない、やりがいを感じられない状態であれば、その環境にとどまる意味は薄れてしまいます。
将来のキャリアにつながるかという視点で、冷静に見極めることが大切です。
監修者コメント
「パワハラ=個人の問題」と思い込まないことが重要
パワハラに悩んでいる方の多くが「自分にも原因があるのではないか」と感じてしまいます。
しかし実際には、個人ではなく組織構造やマネジメントの未熟さに起因している場合が多いです。
例えば、評価基準が曖昧な職場や、上司への牽制機能が働いていない環境では、同様の問題が繰り返されやすい傾向があります。
自分を責めるのではなく「環境の問題として切り分けて考える」ことが、適切な判断と次の1歩につながります。
こちらの記事では会社の雰囲気が悪いと感じる特徴の1つとして、パワハラを挙げています。
ほかにも会社の雰囲気が悪いと感じる主な理由や、会社の雰囲気が悪い職場で起こりやすい問題、職場でできる対処法についても解説していますので、参考に読んでください。

岡本啓毅
パワハラで退職する前にやるべき準備


あらかじめ準備を整えておくと、不安を減らして次に進めます。
証拠を残しておく
パワハラを受けている場合は、できるだけ客観的な証拠を残しておくことが重要です。
例えば、発言内容を記録したメモや日記、メールやチャットの履歴、可能であれば録音などが該当します。
日時や状況を具体的に残しておくことで、後から第三者に説明しやすくなります。
こうした記録は、会社への相談や万が一のトラブル対応時に自分を守る材料になるため、感情だけでなく、事実として整理しておくことがポイントです。
社内外へ相談する
1人で抱え込まず、信頼できる窓口に相談することも大切です。
社内であれば人事部やコンプライアンス窓口、社外であれば労働基準監督署や相談機関などがあります。
第三者に状況を伝えると、自分では気付けなかった選択肢が見える場合もあります。
また、相談した記録自体が「問題を訴えていた証拠」として残る点も重要です。
すぐに解決しなくても、動いておくと、後の選択肢を広げられるでしょう。
転職活動を先に始める
退職してから転職活動を始めると、収入面や精神面で焦りが生まれやすくなります。
そのため、在職中から少しずつ情報収集や応募を進めておくことがおすすめです。
求人を見て市場感を把握したり、自分に合う職場の条件を整理したりするだけでも不安は軽減されます。
あらかじめ次の選択肢を持っておけば「辞めた後どうしよう」という心配を減らし、落ち着いて退職の判断ができるでしょう。
以下の記事は、パワハラなどが原因で仕事に行きたくない時にどうすればいいか、解決策を含めて解説していきますので、参考にしてください。
パワハラから自分を守るためにできること

つらい思いをしてきた分「このままでいいのか」と思いますよね。

泣き寝入りみたいになるのも嫌で。
ここでは「どのような選択肢があるのか」を知るところから、一緒に整理していきましょう。
パワハラを会社に正式に認めさせる
パワハラの事実を会社に認めさせるには、感情ではなく「客観的な事実」をもとに伝えることが重要です。
社内の相談窓口や人事部、コンプライアンス窓口に対し、具体的な言動や日時を整理して報告しましょう。
その際、毎日のメモやメール、録音などの証拠があると、事実関係の裏付けになります。
記録を残しておくことは、単に問題を伝えるためだけでなく、後の交渉や転職時の説明にも役立ちます。
会社側に正式に認識させることで、状況が改善する可能性や、自分の立場を守ることにもつながるでしょう。
会社都合退職にする
退職には「自己都合退職」と「会社都合退職」があり、会社都合として認められると、失業給付の待機期間が短くなるなど有利になる場合があります。
パワハラが原因で退職する場合でも、一定の条件を満たせば会社都合として扱われる可能性があります。
例えば、以下のようなケースです。
- 継続的な暴言・人格否定を受けていた
- 明らかに達成不可能な業務を強要されていた
- 長期間にわたり無視や孤立状態にされていた
- 相談しても会社が適切に対応しなかった
- 精神的不調により通院や診断を受けている
単に「職場が合わなかった」というだけでは会社都合とは認められにくいため、客観的な証拠が重要です。
メールやチャット、録音、相談履歴、診断書などを整理しておくと、状況を説明しやすくなります。
会社へ伝える際は感情的にならず「いつ・何があったか」を事実ベースで整理することがポイントです。
適切な準備をしておけば、自分に不利にならない形で退職を進めやすくなります。
訴訟・法的対応を検討する
パワハラの内容が深刻で、会社側の対応も不十分な場合には、法的手段を検討するケースもあります。
例えば、長期間にわたる精神的苦痛や明らかな不当行為があった場合などが該当します。
ただし、訴訟には時間や費用がかかるため、全ての人に適した方法とは限りません。
まずは弁護士に相談し、自分の状況でどのような対応が可能かを確認することが現実的です。
無理に進める必要はありませんが、こうした選択肢があることを知っておくと、不利な状況を避けやすくなります。
パワハラ環境から安全に退職するために意識すべきこと


ここでは、安全に、そして確実に退職するための具体的な進め方を整理していきましょう。
退職は冷静に伝える
退職を伝える際は、感情的にならず冷静に伝えることが大切です。
パワハラが原因であっても、その場で強く批判したり対立的な言い方をしたりすると、話がこじれてしまう可能性があります。
基本的には「一身上の都合により退職したい」と簡潔に伝え、詳細は必要以上に話さないのが無難です。
また、直属の上司に伝えるのが原則ですが、関係性によっては人事部に相談する方法もあります。
また、口頭だけでなくメールなど記録に残る形で補足しておくと、後のトラブル防止につながります。
あくまで「安全に辞めること」を優先し、落ち着いた対応を心掛けましょう。
引き止め・圧力を受けても迷いを見せない
退職の意思を伝えた際、引き止めにあったり、強い言い方で圧力をかけられたりするケースもあります。
そのような場合は、その場で曖昧な返答をせず「退職の意思は変わりません」とはっきり伝えることが重要です。
1度迷いを見せると、引き止めが長引く原因になります。
また、やり取りはできるだけ記録に残る形で行い、必要に応じて相談履歴も残しておきましょう。
強い圧力を感じた場合は、無理に1人で対応せず、外部機関や専門家に相談すると安心です。
スムーズに辞めるための流れとスケジュールを確認する
退職は、あらかじめ流れを把握しておくとスムーズに進められます。
一般的には、退職意思の表明後に引き継ぎを行い、有給休暇を消化して退職という流れになります。
出社が難しい場合は、郵送やオンラインでの対応が可能かを確認することも大切です。
また、最低限の引き継ぎ資料を用意しておけば、会社とのトラブルを避けやすくなります。
事前に段取りを理解しておくことで、不安を減らしながら計画的に進められます。
どうしても難しい場合は退職代行も検討する
上司とのやり取りが大きなストレスになったり、直接伝えることが難しい場合は、退職代行サービスの利用も選択肢の1つです。
第三者が間に入ることで、精神的な負担を大きく軽減できます。
ただし、サービスによって対応範囲や費用が異なるため、事前に内容を確認することが重要です。
また、弁護士が対応するサービスであれば、法的にも安心して進められます。
無理をして状況を悪化させるよりも、自分に合った方法で安全に退職することを優先しましょう。
パワハラ退職後の転職で失敗しないためのポイント

しかし、事前にポイントを押さえておけば、転職で大きく失敗するリスクは下げられます。

ここでは、転職で後悔しないためのポイントを整理していきます。
パワハラ退職は不利にならないことを理解する
パワハラを理由に退職すること自体が、転職で不利になるケースは多くありません。
企業側も、職場環境が合わなかった結果の転職は珍しくないと理解しています。
ただし、伝え方によって印象は大きく変わります。
前職への不満や批判をそのまま話してしまうと「他責思考」と受け取られるかもしれません。
大切なのは、事実を簡潔に伝えつつ、前向きな理由へとつなげることです。
ポイントを押さえれば、過度に不安を感じる必要はありません。
退職理由は事実と意欲をセットで伝える
面接で退職理由を聞かれた際は、感情ではなく事実と意欲をセットで伝えることが重要です。
例えば「職場環境が合わず退職を決意しました」と簡潔に触れた上で「より○○な環境で力を発揮したいと考えています」と前向きな意図につなげます。
逆に、上司や会社への不満を具体的に話しすぎるのは避けたほうが無難です。
あくまで未来志向で伝えることで「環境を変えて成長したい人材」という印象を与えられます。
企業選びの軸を明確にする
同じような環境を避けるためには、企業選びの基準を明確にしておくことが大切です。
例えば、評価制度が透明か、上司とのコミュニケーションが取りやすいか、離職率が極端に高くないかなど、職場環境に関わるポイントを確認しましょう。
また、求人情報だけで判断せず、面接時に具体的な働き方や社内の雰囲気について質問することも重要です。
事前に基準を持っておくことで、ミスマッチのリスクを減らせます。
ブラック企業を見極める
ブラック企業を見極めるためには、いくつかの共通したサインに注意する必要があります。
「常に大量募集している」「仕事内容が曖昧」「残業や評価制度の説明が不十分」といった点は注意が必要です。
また、面接時の対応が高圧的であったり、質問に対して曖昧な回答が多かったりする場合もあります。
口コミサイトや第三者の情報も参考にしながら、多角的に判断することが大切です。
転職エージェントを活用する
転職活動は1人でも進められますが、情報の偏りや判断の難しさといった課題があります。
特にパワハラを経験した後は、自信を失っていたり、冷静な判断がしづらくなっていたりすることも少なくありません。
また、退職理由の伝え方や企業の見極めなど、慣れていないと迷う場面も多くあるでしょう。
こうした不安や負担を抱えたまま進めるよりも、第三者の視点を取り入れることで、より納得のいく選択をしやすくなります。
転職エージェントを利用すると、職場環境に配慮した求人を紹介してもらえるだけでなく、面接対策や退職理由の整理もサポートしてもらえます。
自分では気付きにくい強みを引き出してもらえる点も、大きなメリットです。
在職中から相談できるため、無理のないペースで転職活動を進められます。
こうしたサービスを活用すれば、安心して次の1歩を踏み出しやすくなります。
監修者コメント
「いい会社かどうか」は入社前の情報で7割見抜ける
転職で同じ失敗を繰り返さないためには、入社前の情報収集の質が非常に重要です。
実は、離職率の高さや求人の内容、面接時の対応などから、その会社の体質はある程度見えてきます。
例えば、常に同じ職種で求人を出している企業や、面接で具体的な業務説明を避ける企業には注意が必要です。
また、面接官の態度や言葉遣いも重要な判断材料です。
「入ってみないと分からない」と考えるのではなく、事前情報から見抜く意識を持つことが、リスク回避につながります。

岡本啓毅
まとめ
パワハラでの退職は、自分の心身を守るための大切な選択の1つです。
本記事では、辞めてもいいと考えられる基準から、退職前の準備、トラブルを避ける進め方、そして転職で失敗しないためのポイントまでを整理しました。
大切なのは、感情だけで判断せず、状況を冷静に見極めた上で行動することです。
正しい知識と準備があれば、不安を減らしながら次の1歩を踏み出すことは十分に可能です。
無理に我慢を続けるのではなく、自分にとってより良い環境を選ぶ視点を持つことが、これからのキャリアを守ることにつながります。
もし「自分に合う環境を見つけられるか不安」「退職理由の伝え方に自信がない」と感じている場合は、UZUZを活用するのがおすすめです。
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