しかし「無理だ」「厳しい」と言う人がいるのも事実です。
この記事では、大学中退の人が正社員になることはできるのか、またなぜ「厳しい」と言われてしまうのか、そしてそれらを乗り越えて正社員になる方法について解説します。
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大学中退でも正社員になることは可能?
結論としては、大学中退でも正社員になることは可能です。
大学中退でも正社員になれないことはありませんが、大卒と比較すると正社員になれる割合は少ないようです。
少し古いデータですが、独立行政法人 労働政策研究・研修機構の発表によると、大卒と大学中退の正社員ではない人の割合は以下のようになっています。
- 正社員移行なし: 19.1%
- 就業形態不明:8.6%
- 未就業または不明:3.3%
- 正社員移行なし:45.7%
- 就業形態不明:6.5%
- 未就業または不明:13.9%
大学中退でも正社員になれるとはいえ、その割合は大卒と比較すると高いとは言えない点は覚えておいてください。
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究 」
大学中退が正社員になるのは厳しいと思われている理由
「大学中退が正社員になるのは厳しい」と思われている理由はいくつかあります。
基本的には以下の3点が組み合わさることで、就職することはできても正社員になるのが難しいケースがあるのです。
- アルバイトや派遣社員などの非正規雇用のほうが正社員雇用よりも採用されやすい
- 大卒中退の最初の就職では、正社員ではなく非正規雇用として働くことが多い
- その後、長く働いても正社員になりにくい
なぜこのような状況に陥りやすいのか、それぞれ理由を見ていきましょう。
「中退」の経歴をネガティブに捉えられて採用につながりにくい
大学を中退したことを「途中で投げ出した」「すぐに諦めてしまうのでは」と思われ、人事からネガティブな評価をされてしまいます。
中退の理由やそれを反省して今後に活かそうとしていることをうまく説明できないと、低い評価を受けて正社員雇用の採用に落ち続ける可能性があります。
何度受けても正社員雇用の採用に落ちてしまうため、しかたなく非正規雇用の採用を内定承諾することになるのです。
経済的な理由ですぐに働かなければならないため非正規雇用になりやすい
「なかなか正社員雇用されないからといって、諦めずに就活を続ければいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、そうできない理由を抱えている方もいるのです。
大卒中退の理由として、経済的な理由で学費が支払えなくなったというものがあります。
家庭環境の変化や親の突然のリストラで収入が激減したなど、経済的に学費を払えなくなってしまったというケースです。
そういった理由で大学を中退する場合、家計を助けるために中退後すぐに働きに出なければならないでしょう。
結果的に、採用されやすいアルバイトなどの非正規雇用の内定を承諾して働き始めることになるのです。
非正規雇用から正社員になりにくい
様々な理由から非正規雇用で働き始めたとき、なかなか正社員になれないという点も、大学中退が正社員になりにくいことに拍車をかけています。
アルバイトから正社員登用ありと謳っていても募集のための方便であり、実際には正社員登用の実績がほぼないという会社もあります。
もしそのような会社で働いているなら、正社員になるチャンスはほとんどないといえるでしょう。
加えて、非正規雇用から転職して正社員になるのは、正社員から正社員に転職するよりも難しいのは明らかです。
そのため、大学中退者は相対的に「一度非正規雇用になると、その後正社員になりにくい」という状況に陥ってしまうのです。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
なぜ正社員になりたいのか、理由も整理しておこう
ここまでは、基本的に正社員雇用は目指すべきものであると仮定してお伝えしてきました。
しかし、まずは一度、なぜ正社員になりたいのか、理由も整理しておくことをおすすめします。
- 福利厚生や有給休暇などの待遇がいいから
- 期間の定めがなく、安定して働き続けられる
- 非正規雇用よりも給与が高いから
上記のように、様々な理由があるはずです。
このとき、考えておくべきことは2点です。
- 本当に自分に正社員の働き方が合っているか
- 自分の希望を実現できそうな会社で正社員になること
正社員になれば、仕事の内容もより高度になりますし、当然ながら責任も大きくなります。
そのような働き方が自分に合っているかを、一度考えておきましょう。
もし正社員の働き方がいいとしても「正社員ならなんでもいい」というわけではなく、何か達成したい目標があるはずです。
例えば、福利厚生や待遇の良さを目指して正社員になろうとしていたとします。
その人が、非正規雇用の現職と比較して、良いとは言えない待遇の会社に転職して正社員になれるとしても、それでは求めるものは得られないですよね。
逆に考えるなら、望む待遇や環境が得られるなら非正規雇用でもいいかもしれません。
なぜ正社員になりたいと考えており、またどんなことを叶えたいのかを整理してから就職先を探すのが特におすすめです。
大学中退から正社員を目指すコツ
なれる人となれない人の違いはなんだろう?
しかし全てが運というわけではありません!
ここからは、大学中退した人が正社員を目指す際のコツをご紹介します。
アルバイト経験を活かす
大学中退から正社員を目指す際に、アルバイト経験を活かすのは有効です。
大学生時代のアルバイト経験を元にすると、以下のように就活を進めることができるようになります。
- アルバイト経験で得た知識を元に自分のやりたいことや適職を探す
- アルバイトで見つけた特技や長所をアピールする
- アルバイトで経験したエピソードを元に自己PRする
いずれも重要なのは、アルバイトを一種の「就労経験」と捉えて、働きながら得られた経験や知識を活かすことです。
中退後は早めに行動を起こす
大学中退後は、中退したことに悩んで何も手につかなくなってしまったり、反対に学業から離れて開放感をもち、羽を伸ばして遊びまわったりしてしまうものです。
しかし、落ち込んだり遊び回ったりすることをこらえ、なるべく早めに就活を行うことをおすすめします。
しばらく何もしなかったり遊びまわっていると、経済的な不安から、アルバイトなどを転々と繰り返す、いわゆるフリーターになる可能性があるためです。
大学を中退した後に行動を起こさないでいると、その状態が普通になってしまいます。
一度フリーターなどの非正規雇用での転職を繰り返すようになると、これまでお伝えしてきたような理由により正社員になることが年々難しくなっていくのです。
厚生労働省の調査によれば、以下のようにフリーター期間が伸びると正社員になれる可能性が減ってしまうというデータもあります。
参照:厚生労働省「フリーターになった理由」
そのため、大学中退からなるべく途切れることなく就活を開始することで、このような状態になるのを防ぎましょう。
大卒中退で正社員になるためにおすすめの5つの方法
ここからは、大学中退で正社員になるための方法として、おすすめの方法を5つご紹介します。
- 学歴に関係なく正社員になりやすい職種を目指す
- 正社員登用を利用する
- エージェントに正社員採用されやすい企業を教えてもらう
- 中長期的な計画で正社員を目指す
- スキルアップや資格取得で実力を示す
重要なのは、なんとかして一度は正社員として働き始めることです。
なぜなら、非正規雇用からの正社員転職よりも正社員から正社員への転職のほうが簡単だからです。
例えその後にまた非正規雇用になったとしても、経歴の中に一度でも正社員採用されて実績があれば、ない人よりも再度正社員雇用される可能性も高まります。
それでは、さっそく確認していきましょう。
1.学歴に関係なく正社員になりやすい職種を目指す
1つ目の方法は、学歴に関係なく正社員になりやすい職種を目指すことです。
以下で紹介する職種は、人手不足などの理由から比較的、学歴関係なく正社員を採用しています。
- ITエンジニア
- Webデザイナー
- 製造・建築
- 介護
- 飲食
また、上記はそれぞれがいわゆる「手に職をつける」タイプの仕事であるため、職種のエキスパートとして業界内の別の企業に転職しながらキャリアアップすることもできます。
人手不足の業界の中には、社員教育やスキルアップに力を入れている企業も多いため、未経験からでも活躍できるようになる点も魅力です。
2.正社員登用を利用する
2つ目は、正社員登用制度を利用することです。
正社員登用の実績がある会社を調べ、アルバイトや契約社員から正社員を目指せば「実際には正社員になれない」という会社を除くことができます。
紹介予定派遣(特定の期間のあとで正社員になれる可能性がある派遣社員)を利用するのもおすすめです。
また、各企業の内情に詳しい就職エージェントに相談して「この会社は本当に正社員登用してくれるか?」という情報を得るのもいいでしょう。
正社員登用の実態についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も確認してみてください。
3.エージェントに正社員採用されやすい企業を教えてもらう
3つ目は就職エージェントに相談する方法です。
エージェントサービスとは、キャリアの悩み相談や相性がいい求人を紹介してもらったり、さらには選考対策をしてもらったりできるサービスのことです。
これらの就職に関するサポートを無料で受けられます。
エージェントはキャリアのプロであり、自分だけでは得られないような就職事情や業界の内部事情に詳しいため、様々な悩みを相談可能です。
エージェントに相談すれば、正社員採用されやすい企業や職種を教えてもらったり、正社員登用されやすい企業を紹介してもらうこともできます。
加えて、それらの企業に応募する際にも書類添削や面接練習などの選考対策も受けられるため、内定の可能性を高められるという意味でもおすすめです。
4.中長期的な計画で正社員を目指す
4つ目は、中長期的な計画で正社員を目指すことです。
大学中退してからしばらく経ってアルバイトなどの非正規雇用の期間が長くなってしまった人は、すぐに正社員に転職するのは難しいかもしれません。
そのような方は、今すぐに正社員を目指すのではなく、計画的に正社員になる道を考えるという方法もあります。
例えば、まずは前述した正社員になりやすい職種の周辺職種になり、経験を積んで、その後の転職で正社員になる、といったキャリアプランです。
また、別の夢や目標があるため素直に正社員を目指して就職活動だけする思い切りがつかないという方もいるでしょう。
そのような方は、キャリアプランを進めている途中で夢が叶ってから、正社員ではなく夢の道を選ぶのも方法の1つです。
また、どのようにキャリアプランを立てればいいか分からないという方は、計画の仕方を前述した就職エージェントに聞いてみるのもおすすめです。
5.スキルアップや資格取得で実力を示す
5つ目は、スキルアップや資格取得をしながら正社員を目指すことです。
確かに、同じ年齢で大卒の新卒と大学中退を比べると、大卒が採用されるケースが多いかもしれません。
しかし、学歴よりも成果・経験・スキルで待遇や職位が決まる職種や企業もあります。
非正規雇用であってもスキルを身に付けていれば、重要な仕事を任されるようになり、正社員になれる可能性も高まるでしょう。
以下は、正社員を目指す方にとって特におすすめのスキルや資格です。
- 今の自分の職種の上位職種で求められる資格
- 国家資格
- その資格をもっている人しかできないことが法的に決められている資格
- チームを円滑に運営するコミュニケーションスキル
- マネジメントスキルやリーダーシップ
- 大卒資格
自分のスキルや能力をアピールする方法についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も確認してみてくださいね。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
正社員と非正規雇用の仕事の違いにも注目してみよう
結局のところ、正社員として十分なスキルがあり、チームや会社にとって重要なメンバーだと思われれば、正社員になれます。
会社に貢献してくれる人材は、会社としても利益があるためです。
しかし正社員には、もちろん非正規雇用よりも大きな責任があり、守るべき社内規定が多いのも事実です。
正社員は、以下のような点が非正規雇用よりも厳しく見られています。
- 業務において、数値的な結果を出さなければならない。
- 後進の育成をしなければならない。
- 高度な専門的知識を学び続けなければならない。
- いずれは管理職としてメンバーや部署を管理しなければならない。
正社員と非正規雇用にはどのような仕事の違いがあるのかを知って、その違いを埋められるようにスキルアップしていけば、正社員になれる可能性も上がるでしょう。
まとめ
大学中退でも正社員になることは可能です。
自分がなぜ正社員になりたいのか、どのようなことを叶えたいのかを見極めてから企業や職種を探すようにすれば、望んだ形で正社員になることもできるでしょう。
そのためには、大学中退後に早くから動き、スキルアップしたりしながら正社員を目指していくのがおすすめです。
しかしどの企業なら正社員になりやすいのか、なかなか外部からでは実態は分かりにくいのではないでしょうか。
そのような時には、記事内でも紹介した企業や業界の内情に詳しいエージェントサービスを利用してエージェントに相談するのがおすすめです。
私たちUZUZもエージェントサービスを運営しており、これまで6万人以上の就職や転職をサポートしてきました。
少しでも正社員になることが気になる方は、ぜひ一度ご連絡ください。
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