専門性の高い知識を学ぶ大学院の専攻のなかでも、職種の幅が広いといわれる機械系。
大手企業では、機械系専攻の修士以上を積極的に採用する傾向が高いようです。
しかし一方で、機械専攻にもかかわらず、就職活動で思うような結果を得られない院卒の方も……。
そこで今回は、機械専攻大学院卒の就職活動のポイントと最前線について探ってみました。
大学院卒の就職先人気ランキングに注目
機械系を専攻する大学院生は、エレクトロニクスや機械、自動車などのメーカーに就職を希望するケースが多くなります。
機械技術の専門知識をいかした職種に人気が集中するのは当然なのかもしれません。
株式会社マイナビが調査した『2016年卒就職企業人気ランキング』によると、理系総合では、トヨタ自動車が1位に輝いています。
実に7年ぶりのトップに返り咲いたとのこと。
2位には、食品メーカー大手の味の素がランク・イン。
上位10位以内に5社の食品メーカーが選ばれる結果となっています。
理系大学院生のランキングでも1位はトヨタ自動車ですが、2位には日立製作所、3位に三菱電機、4位に東芝と続きます。
総合ランキングと違いがみられるのは、以下の理由があげられるようです。
理系大学院生の企業人気ランキングは、選社理由の分布で毎年「技術力が高い」(14.6%)が理系全体(10.4%)より高い傾向があり、研究職志向を強く反映したランキングであると言える。
引用元:2016年卒マイナビ大学生就職企業人気ランキング
ランキングを専攻別にみると、機械・電気・情報系ではトヨタ自動車が1位、2位には三菱電機、3位は本田技研工業が選ばれています。
特に機械専攻の大学院生にとって、世界的な技術力を誇る自動車関連産業は、魅力ある就職先として捉えられているようです。
さらには、近年の自動車産業の好調ぶりも人気の後押しをしているといえますね。
このように、企業人気ランキングをさまざまな方向から分析すると、目指すべき将来の目標が見えてくるのではないでしょうか。
専攻以外の職種にも目を向ける
機械専攻の大学院生の進路は、工学系や機械系、自動車関連などの大手メーカーが大きな割合を占めています。
修士課程を修了している大学院生にとっては、企業側の採用枠も広く、就職先として選択しやすいともいえます。
しかし一方で、応募が集中する分、採用倍率が高いというデメリットも…。
そこで、専攻外ともいえる分野で、能力をいかせる職種が多くあることを知っておきましょう。
たとえば、医薬や食品分野の生産技術職で機械系の人材を求めているとのこと。
電気や機械の技術を専門に行う人材が不足しており、専門職としてのニーズが高まっているそうです。
また、人気の総合商社でも、機械系の技術者を採用する傾向が見られるとのこと。
特に、コミュニケーション能力に優れた人材は、技術営業職で力を発揮できると期待されています。
専門知識が豊富な機械専攻の大学院卒の人材は、さまざまな分野で注目を集めているといえそうです。
視野を広げて、自分の能力をいかせる仕事を探してみてくださいね。
機械専攻を最大限にアピールするには
就職活動に必要なのは、当然ながら自分の魅力を最大限にアピールすることですよね。
大学院での研究活動や成果などはもちろん、失敗した事案なども要素として加えてみてください。
ただし、失敗はしたけれど、どう解決に導いたが重要となります。
つまり、ひとつの事柄を達成するまでのプロセスを重視する傾向が高いといえます。
なぜなら、企業が求めるのは、状況に応じた対応能力に優れている人材だからです。
機械専攻だけでなく理系大学院生の特徴として、論理的思考は高いけれど、対人関係が苦手という人が多いようです。
専門知識や技術力は優れているのに、うまく自分をアピールできないという人も……。
そんな時は、人材会社のキャリアアドバイザーに頼ってみるのもひとつの方法です。
希望する職種や企業とのマッチングはもちろん、アピールポイントのアドバイスなど、細かく対応してくれます。
せっかく身につけた知識を最大限にいかして希望の就職を叶えてください。
大学院卒のメリットとデメリット
大学院で機械専攻の修士課程を修了していても、すぐに就職に直結するわけではありません。
名だたる大企業の門戸は広いようで狭いもの……。
大学院卒ということは、学部卒の人と比べると、2年の遅れととっているのも事実。
職務経験がまったく無しの状態で、就職戦線に加わるデメリットがあるのです。
そこで重要とされるのは、大学院で培った専門知識と研究成果。
どんな2年間を過ごしてきたのかが、最大の武器となりますね。
修士だからこそ、採用される職種も多くあります。
博士であれば、さらに高みを目指す可能性も高まりますね。
収入の面からみると、学部卒と大学院卒では、初任給に違いがあります。
総務省が行った「平成27年賃金構造基本統計調査」によると、技術系の大学卒の初任給は、203,800円(男女計)、大学院修士課程修了初任給は、228,500円(男女計)とのこと。
初任給を受け取る年齢に2年の差があることを考慮するとあまり違いがないように思えます。
しかし、その後の給与増加は大学院卒のほうが割合は高くなるそうです。
理由としては、専門知識を必要とする職種や役職につく可能性があげられます。
まさに、大学院修士課程修了ならではのメリットといえますね。
修士だからといって安心は禁物。
期待に答えられる能力や技術力を発揮できなければ、たとえ就職できても長続きはしません。
就職活動を始める前に、自分のやりたい分野の仕事はなんなのか、どんな技術を達成したいのかを明確にすることが重要です。
その結果、将来を見据えた希望の職種につき、成長していけるのではないでしょうか。
参考元:総務省「平成27年賃金構造基本統計調査」
まとめ
機械専攻大学院卒の人材は、日本の技術力を支えるモノ作りの分野だけでなく幅広い職種で求められています。
ただし、大学院で身につけた研究能力と分析力、専門知識を有することが求められ、就職活動のハードルが高いことも事実です。
そのハードルを超えるだけの力は充分に備えているのですから、その力を自信にかえて就職活動にいかしてくださいね。
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