どうすればいいの?
確かに「転職の軸」を作るのは重要なことです!
この記事では、成功する「転職の軸」を作る方法を、整理の仕方や要素の絞り方を元にしつつ、4つのステップで解説していきます。
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なぜ転職の軸が大事なのか
そもそも「転職の軸」とは、自分にとって「ゆずれない条件」のことです。
転職の軸を決めるとは、自分にとってどんな要素が重要で、企業や会社組織、ひいては「働くことそのもの」に何を求めているかを言語化することを意味しています。
「転職の軸」を決めること、すなわち「自分にとってのゆずれない条件を言語化すること」がなぜ重要なのか、ここで確認しておきましょう。
相性がいい企業を見極められる
転職の軸を決めておけば、自分と相性がいい企業を見極め、良い企業と出会いやすくなります。
転職サイトや企業ホームページなどに様々な企業情報が書かれていますが、それらの膨大な情報から自分に最適な企業を見つけるのは難しいでしょう。
転職の軸を決めておけば見るべきポイントが絞られるため、相性がいい企業に絞って探しやすくなるのです。
転職を繰り返さないために整理する必要がある
転職の軸を決めておけば、そもそも自分と相性が悪い企業を選択肢から除外できるようになります。
転職したいと思うからには、何か原因や想いがあるはずです。
企業選びを誤ってしまうと、また同じような原因で転職を繰り返してしまいかねません。
転職を繰り返さないためにも、ゆずれない条件を明確化しておけば、同じような原因で転職しそうな企業を、検討の候補から外すことができるようになるのです。
面接で聞かれる場合もある
転職の軸を考えておくことは、実際に転職活動の選考中にも有効に働く場合があります。
転職面接の場なので、どんな軸で転職を考えているかを聞かれることがあり、それに答えられるようになるからです。
面接官側も、自社と相性がよく、活躍してくれそうな人を採用したいと考えています。
そこで、自社と応募者の相性がいいかどうかを見極めるために、単刀直入に転職の軸について聞くのです。
また、このときにはっきりと答えられないと、真剣に転職することと向き合っていないとみなされ、候補から外されてしまう可能性もあります。
このように、転職の軸を考えておくことは選考でも有利に働くことがあるのです。
転職の軸になりえる8つの要素
でも、どうやって作ればいいか分からないよ。
ここでは、仕事をする上で多くの人が気にする8つの要素について解説していきます。
これを知っておけば、転職の軸を作るときに考えやすくなりますよ。
1.仕事内容
1つめは、仕事内容です。
これは、その仕事や業務内容が自分に合っているか、やりがいがあるかなどを示すものです。
仕事内容が難しすぎると嫌になってしまうというのは理解しやすいでしょう。
ですが反対に、簡単すぎてもつまらないと感じ、嫌になってしまう人もいるのです。
やりがいなのか、成長性なのか、自己成長の実感なのか、社会的な承認なのか……自分が仕事内容にどんなものを求めるのかを整理するようにしておきましょう。
2.収入
収入とは、その仕事における給与体系、賞与、昇給の上がり幅などです。
もちろん、多ければいいと感じるかもしれませんが、特定の仕事においては給与の相場があり、相場を大きく超える収入を得るのは難しいでしょう。
その仕事が相場と比べてどの程度なのか、それで満足できるのか、あるいはそもそもその仕事の給与相場では満足できないのか。
その仕事の相場で満足できないなら、満足できる金額はいくらで、どの仕事ならその要求を満たせるのか。
これらを整理しておきましょう。
3.職場環境
職場環境とは、仕事場の環境のことです。
これには、職場の人間関係や部署のカルチャーなども含んでいます。
仲間のような和気あいあいとした雰囲気が好きな人もいれば、必要以上の馴れ合いを嫌う人もいます。
褒めて伸ばす文化かもしれませんし、しっかりと欠点を指摘して成長を促す文化かもしれません。
あるいは、職場が家から遠いかもしれませんし、使っている機材が古い物で少し時代遅れの現場かもしれません。
また、単純に仕事場が「熱すぎる」「寒すぎる」といった環境要因でも、人によっては転職を決意するには十分なのです。
自分が職場環境に何を求めるのかを考えておきましょう。
4.福利厚生
家賃手当や住宅手当、社宅の有無、社員特有の待遇などの福利厚生も気にする人が多い要素です。
給与はそれほどでもないものの家賃手当が毎月5万円まで出る、という会社であれば、それは実質的に5万円分給与が多いのと同じような待遇ですよね。
その他、自社株を格安で購入できたり、自社製品を割引で購入できたり、福利厚生サービスに入っていたり、様々なケースがあります。
自分は福利厚生に何をどの程度求めるのかも調べておきましょう。
5.企業の活動内容
扱っている商品や関わっている業界、産業構造的に一次受けなのか二次受けなのかなど、企業の活動内容も重要な要素となりえます。
例えば、エンターテインメント業界の仕事しかしたくないという人もいますし、できれば社会福祉に関わる仕事に就いていたいという人もいます。
あるいは、全く気にしないという人もいるでしょう。
自分が企業活動に何かを求めるのか、求めるとしたらそれが何なのかは深掘りしておく必要があります。
6.企業の方針
企業には必ず、ミッションやビジョン、理念などがあります。
また、企業ごとに社員への向き合い方も違いますし、社会とどう関わっていくかも異なります。
多くの企業はミッション・ビジョン・経営理念のいずれかで社会貢献を掲げていますが、どのような手法や粒度で社会と関わるかの方針は異なっているでしょう。
はっきりと社会貢献に関わる事業を行っている企業もあれば「経済活動を通じて社会を良くしていきます」といった程度の会社まで様々です。
こういった企業の方針やミッション・ビジョンの内容を自分は気にしているのか、気にするならどんな方針が良いのかを明確にしておくと良いでしょう。
7.ワークライフバランス
年間休日の総数や有給休暇の取りやすさ、各種の休暇がどの程度あるかなどのワークライフバランスも重要な要素です。
日本において、土日祝日がカレンダー通りであれば、年間休日は概ね120日になります。
それらに加えて、年末年始や夏期の特別休暇付与があるか、リフレッシュ休暇や育休・産休制度、介護休暇などが設けられているかなどを気にする人がいるでしょう。
年間休日や休暇制度の有無、有給休暇の消化率などでこれらを確認することができます。
自分はどの程度の休日がほしいのか、ライフイベントとキャリアとの関係とどのように向き合いたいのかを想定しておきましょう。
8.将来性
将来性という面も気にする人が多い要素です。
会社の事業やビジネス展開的に将来性があるのか、自分にキャリアに幅を与えられるのか、自分の業務自体に将来性があるのかといった内容が気になるのではないでしょうか。
特に、AIに代替されて将来的に消えると予測されている仕事があるため、自分の今の仕事がなくならないのか気になる方もいるでしょう。
その仕事や職種をどのくらい続けようと思っているのか、その会社にどのくらい在籍するつもりなのか。
キャリアアップするのか、キャリアチェンジするのか、将来的なキャリアプランと照らし合わせてその仕事は適しているのか。
上記のような点が特に気になるなら、将来性を重要視しているといえるでしょう。
なお、AIに代替されない仕事がどんなものかもっと知りたい方は、以下の記事も確認してみてください。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
「就職の軸」とは考え方を変える必要がある
もしかすると、新卒の就職活動の時期に「就職の軸」を考えたことがある方がいるかもしれません。
ですが「転職の軸」の作り方は、「就職の軸」とはまた考え方を変える必要があります。
一度働いて実際に社会を経験したことで、自分の好みや傾向も分かってきているはずです。
「自分が仕事に求めている要素が学生のときの考えとは変わってきた」というケースもあるでしょう。
手探りで軸を決めていた新卒就活期とは異なり、考えるべき要素も見えてきた事実も増えているからこそ、しっかり絞らないと混乱してしまうことになるのです。
今現在、仕事に対して何を求めているのかを考え、転職の軸を明確にしていきましょう。
転職の軸を作るための4ステップ
ここからは、先ほどの8つの要素を元にして、転職の軸を作っていくステップを4つに分けて解説していきます。
ステップ1.転職理由を整理する
まずは現職をなぜ転職しようとしたのか、その理由や原因を整理しましょう。
転職を考えているからには、何か理由があるはずです。
- 何か納得いかないことがあって嫌になって辞めたい
- もっと良い環境にしたい前向きな転職なのか
- 入社当時とは自分の状況や環境が変わったから、それに合わせたい
このように、人によって転職理由は様々です。
これらを整理することによって、自分が本当にゆずれないものが何か見えてくるようになります。
他の人がどんな理由で転職しているのか気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
ステップ2.軸になりえる要素からゆずれない条件を3つに絞る
前述した「転職の軸になりえる8つの要素」から「絶対にゆずれないもの」を選びましょう。
8つの要素はいずれも重要視する人が多いものです。
3つだけ選ぶのは難しいかもしれませんが、選ばなかった5つは無視するわけではないので、それほど難しく考えなくても大丈夫です。
ステップ1で整理した転職の理由は、ここで大いに参考にしましょう。
また、もし3つに絞ってみても自分自身で納得がいかなかったり、考えるきっかけがほしいという方は、転職エージェントなどのキャリアのプロに頼ることもおすすめです。
ここで決めた3つの要素が、基本的に「転職の軸」となります。
ステップ3.ゆずれない条件3つに優先順位をつける
求める要素の全てを満たす企業に出会うのは、非常に難しいものです。
そこで、実際に企業選びに入る前に、絞った3つの要素に順位付けをしていきましょう。
例えば、3つの要素を「収入」「ワークライフバランス」「職場環境」に絞り込んだとします。
そのままでは、収入が良い企業とワークライフバランスが良い企業と職場環境が良い企業を、同じ指標で比べることはできず、企業選びに迷ってしまいます。
1位:収入、2位:ワークライフバランス、3位:職場環境と順位を決めておきましょう。
そうすれば、まずは収入という軸で比較し、次にワークライフバランスで比較し……と1要素ずつ検討することができます。
魅力的な企業が見つかっても、手間を考えるとすべての企業に応募することはできないため、迷った場合などの判断軸とするためにも優先順位を決めておくのは、有効なのです。
ステップ4.優先順位に従って企業を選んで応募する
最後は、実際に優先順位に従って企業を選んで応募していきましょう。
例えば、1位:収入、2位:ワークライフバランス、3位:職場環境だったとしましょう。
おすすめなのは、ポイント式で評価することです。
例えば、上記の要素について、収入とワークライフバランスが良いが、職場環境はあまり満足できないという企業について考えてみます。
要素と順位 | 持ち点 | 結果 | 加点 |
---|---|---|---|
1位:収入 | 5点満点 | 満足 | +5点 |
2位:ワークライフバランス | 3点満点 | 満足 | +3点 |
3位:職場環境 | 2点満点 | 不満 | -2点 |
この企業は、自分にとって「6点」です。
続いて、収入はそれほど気にならないが、ワークライフバランスと職場環境が良い企業について考えてみます。
要素と順位 | 持ち点 | 結果 | 加点 |
---|---|---|---|
1位:収入 | 5点満点 | 普通 | +2点 |
2位:ワークライフバランス | 3点満点 | 満足 | +3点 |
3位:職場環境 | 2点満点 | 満足 | +2点 |
この企業は自分にとって「7点」の企業であると分かり、前述した企業と比較できるようになりました。
それぞれ加点していけば、自分にとってどの程度の魅力があるかを数値で比較できるようになります。
もちろん、数値がすべてではありませんし「普通のときは加点0点にしよう」「不満のときは2倍のマイナスをしよう」といった考え方もできます。
数値に違和感があるなら上記のような加点方式の調整をしたり、そもそも優先順位を見直すのも良いでしょう。
調整しながら自分にとって最適な「転職の軸を作り続ける」という方法も含めての、転職の軸の作り方なのです。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
絞った3つ以外の条件もチェックは怠らないようにしよう
「ゆずれない条件」として3つに絞ったとして、それ以外の条件がどうでもいいというわけではありません。
3つの条件は満たしているとしても、別の要素が一般的な水準に満たないのであれば、結局は不満につながってしまいますし、あまり良い企業であるとは言えないからです。
例えば、仕事内容、収入、福利厚生が良いとしても、パワハラやセクハラが横行しているような、職場環境が悪い状態だったらどうでしょうか。
「ゆずれない条件」に注目するのは当然ですが、実際に入社を決める際には、それ以外の5つの要素もしっかりと加味する必要があることは覚えておいてください。
まとめ
転職の軸を作る際は、就活して社会経験を積んだからこそ分かる「ゆずれない条件」が重要となります。
意外と自分でも自分の「ゆずれない条件」に気づくのは難しいです。
そのため、就職後にも定期的に自己分析や自己を見つめ直す時間を作って「ゆずれない条件」を見直すようにしましょう。
見つけたゆずれない条件の優先順位の作り方や、その条件に合った企業を探すのが難しい場合は、ぜひ転職エージェントに頼ってみてください。
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