本記事では、高卒と大卒の生涯年収の比較、高卒が大卒より生涯年収が低い理由について解説します。
また、高卒者が生涯年収を上げる方法や、高卒者でも高収入が狙える業種も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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まずは高卒と大卒の生涯年収を比較
同一企業型の生涯年収(60歳まで、退職金を含めない)
同じ企業で、60歳で退職するまでフルタイムの正社員で勤め続ける場合の生涯年収は、高卒と大卒で、それぞれ以下の通りです。
高卒の場合 | 大卒の場合 | |
---|---|---|
男性 | 2億5000万円 | 2億8000万円 |
女性 | 1億8000万円 | 2億4000万円 |
同一企業型の場合の高卒と大卒の生涯年収の差は、男性が約3000万円、女性が約6000万円となっています。
この統計から、学歴が高まるにつれて、就業年数は短くなるが、賃金水準が高くなるため、結果として生涯年収は高くなるということが分かります。
生涯年収(60歳まで、退職金を含めない)
この統計は、転職は平均的にするが、転職の際、途中で職を離れる(失業或いは非労働力化する)ことはないという場合の生涯年収です。
この条件で、学校卒業後フルタイムの正社員を続けた場合、高卒と大卒それぞれの60歳までの生涯賃金(退職金を含めない)は以下の表のとおりです。
高卒の場合 | 大卒の場合 | |
---|---|---|
男性 | 2億1000万円 | 2億6000万円 |
女性 | 1億5000万円 | 2億1000万円 |
このように高卒と大卒の生涯年収は、男性で約5000万円、女性では約6000万円の差があることが分かります。
男性は、転職を平均的にした場合、同一企業で60歳の定年まで働き続けた場合より、大卒と高卒の生涯賃金の差が約2000万円広がっているのです。
一方、女性は定年まで同一企業で働く場合と、平均的に転職をする場合の高卒と大卒の生涯賃金の差はどちらも約6000万円で、大きな差はないといえます。
男性の生涯年収(引退まで、退職金を含む)
次に、男性について、60歳経過時点で定年を支給事由とする退職金を得て、その後平均的な引退年齢まで非正社員で働き続けた場合の生涯賃金は、以下のようになっています。
女性について、この項目の統計はありませんでしたので、ここでは男性のみの紹介です。
高卒の場合 | 大卒の場合 | |
---|---|---|
男性 | 2億5000万円 | 3億3000万円 |
退職金と退職後に非正社員で働いた場合の賃金を含めた生涯賃金は、高卒と大卒で約8000万円の差があることが分かります。
このことから、退職後も非正社員として働いていれば、年齢を重ねるほど高卒と大卒の生涯年収は差が大きくなるということになります。
高卒の初任給や長期的に給与アップする方法について知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。
参考:労働政策研究・研修機構(JILPT)「21 生涯賃金など生涯に関する指標|ユースフル労働統計2022」
高卒が大卒より生涯年収が低い3つの理由
でもどうして、大卒者の賃金は高卒者より高く設定されるの?
- 教育レベルが違う
- 選べる職業が違う
- キャリア成長のチャンスに差がある
それぞれについて詳しく解説します。
1.教育のレベルが違う
1つ目の理由は、大卒者は高卒者よりも高い教育レベルを持っていると評価されるからです。
大学に入学しているということに対して、大学受験を乗り越えたという努力が認められます。
また、大卒者は大学の授業で一般教養だけでなく、専門的な分野についても学んでいます。
専門分野の研究によって、論理的な思考や課題解決力などを身につけており、単位を取得し、卒業論文を書いていることから粘り強さや継続力なども評価されるでしょう。
加えて、日本に根付いている学歴社会の考え方により、大卒者の方がより高く評価されることで、給与水準が高くなると考えられます。
2.選べる職業が違う
高卒者は、建設業や製造業など単純労働や技能職に就くことが多くなっています。
それに対し、大卒者は専門的なスキルや知識を活かすことができる職種に就く傾向にあります。
医師や弁護士など高度な職種や専門職に就くには、大学あるいは大学院を卒業する必要があり、高卒者は選択することができません。
このような高度な職種や専門職は、一般的に収入が高いとされているため、大卒の方が生涯年収が高くなります。
また、給与水準の高い商社や有名なメーカーなどの大企業は、応募者が専門的な知識・能力を身につけていることを前提として、採用活動をしている会社も多くあります。
そのため、募集要項の応募条件に「大卒以上」と記されていることが多いです。
高卒者は給与の高い企業に応募することもできず、選択肢が限られてしまうことになるのです。
参考資料:令和5年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」取りまとめ(9月末現在)
3.キャリア成長のチャンスに差がある
大卒者はより高度で専門性の高い職種に進出しやすいため、企業内での評価も高くなり、昇進の機会が多くなります。
また企業によっては、管理職に昇進するために大学の学位が必要とされることがあります。
さらに、大卒者は同じ大学を卒業した上司などとのネットワークも持っており、それがキャリアの転機に強力なサポートになることもあるでしょう。
このように大卒者は、より多くのキャリアの成長機会に恵まれ、収入を上げることが可能です。
一方、高卒者のキャリアの成長は、専門知識の不足、資格の制約などにより、大卒者に比べ、限定的といえます。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
高卒だからこそ持っている力にフォーカスする
学歴がないと就職できない企業もあるし、生涯年収にも差があるとなると「やっぱり大学を出ないと駄目なのかな?」と悲観的な気持ちになってしまうかもしれません。
しかし、高卒だからこそ持っている以下のような強みもあります。
- 実務経験の豊富さ:即戦力となる力
- 高い専門的なスキル:実力主義の現場では必須
- 柔軟性と自立心:早くからの社会人生活で身につけられる
学歴だけで判断しない、実績・経験重視の業種もたくさんあります。
高卒で就職したからこそ持っているアドバンテージを、どう活かすか考えて、キャリアを築くことが大切です。
高卒でも生涯年収を上げるための方法
1.専門性の高いスキルや資格を取得する
職場で必要とされる技術系の資格や、業界で認められるためのスキルを身につけることで、自身の市場価値を高め、収入を増やすことができます。
資格を所有していることで手当が支給される場合もあります。
そうすると、年収を上げることができるため、積極的に資格取得に挑戦しましょう。
2.専門的なスキルや資格を活かして実績を積む
専門的なスキルや資格を活かして、業務を遂行し、会社に貢献していくことでキャリアアップのチャンスをつかむ方法もあります。
会社でしっかりと成果を上げることで評価され、責任のある仕事を任されるようになります。
そうすることで、年ごとに確実に昇給し、キャリアアップすることもあるでしょう。
自分の成果や実績を、しっかりとアピールして、昇給・昇進を追及していくことも大切です。
3.より高収入が期待できる会社への転職
取得した資格や、業務を通して身につけた専門性と実績を活かして、より良いポジションへの転職も視野に入れると良いでしょう。
また、他業種への転職でも、これからの需要が見込まれる業界を見極めることで、収入アップにつなげることができます。
新たな分野で仕事をすることは大変なことですが、諦めずスキルを磨くことで、新たな道に進み、収入アップにつながるでしょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
副業で収入を増やすこともできる
現在では一般企業でも副業ができるところが多くなっています。
時間に余裕がある場合は、アフィリエイトやクラウドソーシングなどで収入を増やしてみることも良いでしょう。
まずは時間に余裕がある時に簡単に挑戦できるものから取り組んでみて、自分に合ったものを探してみてください。
高卒でも高収入の仕事につく方法についてさらに知りたい方は、以下の記事も参考に読んでみてください。
高卒者におすすめ!高収入も期待できる業界4選
ここでは、高卒者におすすめの高収入な業界4選を紹介します。
建設業界
建設業界は、住宅や施設といった建物を作る建築の分野と、道路などのインフラ整備をする土木分野があります。
オフィスワークより現場での仕事が多く、体力が必要となる仕事です。
建設業界は、取得している資格を重視します。
なぜなら、業務の専門性、安全性、品質保証など、建設業特有の要求に対応するためには、資格を保有していなければならないからです。
そのため建設業界では、学歴よりも経験を積み、資格や免許を取得することで、高収入を目指すことができます。
情報通信業界
情報通信業界は、高い需要があり、学歴に関係なく技術やスキルを持った人材には、高い報酬が支払われることが期待できます。
情報通信業は未経験でもはじめられますが、年齢が高くなれば、相応の実務経験が求められるため、若いうちにスキルを磨き、実務を経験するのが望ましいです。
実務経験が豊富であれば、大手企業にエンジニアとして正社員で就職することも可能で、より高収入を目指せます。
運輸業界
運輸業界は、人々の生活に必要な日常品や大型貨物などを運搬するサービス業で、学歴不問のケースが多く、高卒者も多く活躍しています。
運輸業界は経済の基盤となるインフラの一つであり、経済状況に関わらず一定の需要があるため、安定的に収入を得ることができます。
また、人手不足により常に求人が多くなっており、給与水準を押し上げているのが現状です。
特に大型トラックの運転免許を取得していると、大型トラックやタンクローリーなどを運転できるため、通常の運転手よりも給与が高くなります。
また、運輸業界には、多くのキャリアパスがあることも魅力です。
トラックの運転手から始め、資格を取ることで、物流管理者や運行管理者になることも可能です。
経験とスキルを積むことで、より責任のあるポジションへの昇進もでき、それに伴って給与を上げることも期待できます。
エンジニアリング業界
エンジニアリング業界は、高度な技術や専門知識を持った人材には、高い報酬が期待できる業界です。
特に機械工学、電気工学などの仕事は、工業系の高校で学んだことを活かし、高卒者でも就職できます。
機械工学のエンジニアは機械や機械システムの設計、開発、製造、試験、点検などを行う専門職です。
電気工学は電気回路や配線の設計、電気機器や電子部品の選定、回路図の作成、コンピュータや通信機器、家電製品などの回路設計などさまざまな仕事があります。
専門的な資格とスキルが必要な業界で、需要も高いため、実務経験を積むことで高卒者でも高い収入が期待できます。
まとめ
高卒者は、一般的に大卒者より生涯年収が低くなるが、高い専門性のあるスキルや資格を取得することで、高収入を目指せます。
高卒で就職している人ならではの強みである、経験や資格・スキルを活かして実績を積み、キャリアを築いていくことが生涯年収を上げていくためには大切です。
また、豊富な実務経験や専門的なスキル、資格の保有は転職の際にも有利になります。
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