もくじ
この記事では、ビルメンテナンスは、どのような仕事内容なのか、どんなメリットのある仕事なのか、そして「楽なのか?きついのか?」といった疑問について解説していきます。
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ビルメンテナンスの仕事とは?
ビルメンテナンスとは、オフィスビルや商業施設などのメンテナンス(維持や管理)をする仕事です。
「ビルメン」と略称で呼ばれることもあります。
ビルや施設内の清掃や点検、設備の保守管理、緊急時の設備への復旧対応や設備維持に向けた「施設利用者に影響がない保守業務の計画と運用」といった業務も行います。
ビルメンテナンスは、ビルや施設の維持管理を行うだけでなく、ビルの利用者が快適に過ごせるよう様々な業務を担っているのです。
ビルメンテナンスの具体的な仕事内容
ビルメンテナンスの仕事内容を以下の5つに分けて、もう少し詳しく確認していきます。
- 検査・検針・点検業務
- 清掃や衛生管理
- 空調・消防・給水・配電設備の保守管理
- 施設の監視
- 緊急時のトラブル対応
1.検査・検針・点検業務
ビルメンテナンスの仕事は、問題なく設備が稼働していることを確認し、問題があれば対応するというルーティンワークが基本です。
各種設備に異常がないか調べて回ることが、重要な仕事なのです。
具体的には電気・ガス・水道などの設備に異常が出ていないか、空調や消防設備、昇降機などの装置や設備が正常に動いているか、検査をしたり数値を検針したりしていきます。
また見るだけではなく、数値や状態は必ず記録を取り、異常値が出ていないか数日ごとに確認をして、「なにか設備に問題があるかもしれない」と予測を立てられるよう管理も行っていきます。
2.清掃や衛生管理
外壁掃除や施設内の清掃などもビルメンテナンスの仕事の一つです。
私たちが生活していて目にする機会も多いかもしれませんね。
設備運用に影響がない早朝や営業時間後に行われることも多いです。
また清掃や衛生管理業務は、他の清掃代行業者に委託するケースもあるので、その場合は清掃代行業者とのやり取りや管理も任される場合もあります。
3.空調・消防・給水・配電設備の保守管理
大型のビルや商業施設など、大規模な建築物の場合は施設特有の空調や消防装置、大容量の配電盤などを使用していることがほとんど。
それらの保守運用、必要に応じて部品や機器の交換などを行うのもビルメンテナンスの仕事です。
定期点検を行って異常が見つかったら修理するだけでなく、決められた期間を過ぎたら異常がなくても交換するという定期保守も行われます。
トラブルを起こさないよう、設備の保守運用は重要な役割の一つなのです。
4.施設の監視
トラブルが起こっていないか、施設を監視するのもビルメンテナンスの仕事です。
- 監視カメラや設備モニターでの常時監視
- 定期的に機器から発せられる数値の記録
- 施設内の見回り警備
深夜や早朝など24時間にわたって監視を行うケースも多く、いかなる時でも正常に設備が動いている、人的トラブルが起こっていない、当たり前の日々を守る重要な業務です。
ビルメンテナンスが上記監視を担うこともありますが、一部を警備会社やモニタリングを行う会社に委託する場合もあります。
その際には、外部の委託者と連携を取ったり、スムーズに仕事が進むよう管理する役割を担うことになるでしょう。
自分の目で監視するにしろ、委託者の手を借りて監視するにしろ、ビルメンテナンスは、ビルや施設がトラブルなく運用されることに責任をもつ仕事です。
トラブルが発生した場合には、いち早く気づいて解決できるように監視していなければなりません。
5.緊急時のトラブル対応
どんなに保守管理をしていても、トラブルは起こってしまうもの。
空調がおかしい、トイレの水の流れが悪いなど、施設設備の問題もあれば、施設利用者が何かを壊してしまう、大喧嘩を始めてしまうなどのトラブルが発生することもあります。
そういったトラブルが起こったとき、早急に解決するのもビルメンテナンスの仕事です。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
ビルメンテナンスは将来性がある仕事
日本は少子高齢化と人口減少によって、建築物に関する2つの問題が起こると言われています。
- 人手不足により、新しく建築するための作業者が足りなくなる
- 建物が人口に対して多くなり、住宅をはじめとした様々な建築物が余る
そのため、新しい建造物をどんどん造るよりも、既存の建造物を維持管理していくフェーズに入ると考えられており、その兆しはすでに起こりはじめています。
そのため、ビルメンテナンスのような維持管理を行う仕事は、今後の日本にとっては必要不可欠な存在となる可能性は高いでしょう。
もちろん業務においてはDX進んでいく可能性もありますが、それらの機械やシステムを管理する人材も必ず必要です。
そのためビルメンテナンスは将来的にも重宝される職種となる可能性が大いにあると考えられるでしょう。
そのほか、将来性のある仕事が気になる方は以下の記事もご確認ください。
参考:厚生労働省「将来推計人口(令和5年推計)の概要 – 厚生労働省」
参考:J-STAGE、コンクリート工学「人口減少社会におけるこれからの建築」
ビルメンテナンスの仕事を目指すメリット3つ
- 未経験者もビルメンテナンスの仕事に就きやすい
- 資格取得によってスキルアップ・キャリアアップできる
- 重労働な場面が少なく体力的に楽に働ける職場もある
ここからは、ビルメンテナンスの仕事を目指すメリット3つを紹介していきます。
未経験者もビルメンテナンスの仕事に就きやすい
ビルメンテナンスの仕事は、マニュアル化されたルーティンワークが多く、基本的には問題が起きていないかチェックや監視をするのがメインとなるため、特殊な技能や経験がなくても活躍できます。
未経験からでも挑戦しやすいことは大きなメリットでしょう。
資格取得によってスキルアップ・キャリアアップできる
ビルメンテナンスの仕事をする際、特別な資格は必要ありません。
ですが資格を取得することで自身のスキルアップにつながることはもちろん、キャリアアップすることもできます!
ビルメンテナンスの業務では、たとえば下記のような資格の取得を目指すことで、スキルやキャリアの向上を目指すことができるでしょう。
- 第二種電気工事士
- 第三種冷凍機械責任者
- 危険物乙種第4類危険物取扱者
- 二級ボイラー技士
会社によっては資格手当を出してくれる場合もあるので、働きながら学べる環境があるのは大きいですよね。
また他の職種へキャリアチェンジするなど、仕事の幅を広げられる可能性もあるので、資格取得は有効な手段の一つでしょう。
重労働な場面が少なく体力的に楽に働ける職場もある
ビルメンテナンスは、楽と言われることもあればきついと言われることもあります。
例えばオフィスビルを担当する場合、商業施設と比べてテナントからのクレームは少ない傾向にあるため、クレーム対応の頻度は多くありません。
また監視時間や待機時間が長く、座ってモニターを見ていることが主要業務なケースも多々あります。
重労働やクレーム処理のために神経をすり減らす機会が少ないため、そういった意味で「楽」と言われることがあるのです。
常に神経を尖らせたり、業務量や納期に追われたり、人に気を遣う場面が少ないという意味では、楽だと感じる人がいるのは間違いありません。
一方で、監視は24時間行うケースが多いので夜勤があったり、早朝勤務があったりする場合は、生活リズムが合わず仕事が「きつい」と感じてしまう人もいるでしょう。
また施設やビルによっては頻繁にお客さんのクレームに対応しなければならなかったり、ずっと監視しているだけの仕事が退屈に感じてしまったりしてしまう人にとっても「きつい」と感じるかもしれません。
ビルメンテナンスの仕事が、「楽なのか」「きついのか」は人によって感じ方が異なるため、一つの答えを出すのは難しいです。
とはいえ、上記のように楽と感じる理由、きついと感じる理由を知ることで、あなたにとって楽なのか、きついのかは想像しやすくなったのではないでしょうか。
ほかの「楽な仕事」と比べて考えてみたいという方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
ビルメンテナンスの仕事で活かせる資格はこれ!
ここからは、ビルメンテナンスの仕事で活かせる資格「ビルメン4点セット」を紹介していきます。
第二種電気工事士
電気を使う設備のうち、一般家庭などの設備向けの比較的扱いやすい電気設備で工事できるようになる資格が第二種電気工事士です。
ビルメンテナンスを行う際に、電気に関連した業務において電気工事士の知識が役立ちます。
電気工事士は国家資格であり、第一種と第二種がありますが、今回紹介するのは第二種電気工事士。
第一種と第二種は扱う範囲が異なり、第一種では最大電力500キロワット未満の工場やビルでの工事に、第二種では600ボルト以下の一般住宅などの工事に従事することが可能です。
第二種電気工事士のほうが範囲は狭いものの、最初は難易度が第一種よりも簡単な第二種電気工事士を目指すのがおすすめ。
これをもっていれば、戸建ての住宅や規模が比較的小さい建築物の電気工事ができるようになります。
そのため、今後第一種を目指したい方もそうでない方も、まずは第二種電気工事士の資格取得を目指すのはおすすめです。
参考:一般財団法人電気技術者試験センター「電気工事士って何だろう?」
第三種冷凍機械責任者
冷凍機械責任者は国家資格であり、高圧ガス製造保安責任者に関わる資格の一つです。
もっていると冷凍設備の責任者になれる資格であり、冷凍機械責任者は扱う施設の冷凍能力によって、以下のような区分がなされています。
- 第一種:冷凍能力に制限がなく、あらゆる冷凍機械の製造施設に携われるようになる。
- 第二種:1日の冷凍能力が300トン未満の製造施設に携われるようになる。
- 第三種:1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設に携われるようになる。
ビルメンテナンスにおいては、空調設備の保安業務を担えるようになるため、応募できる求人が増えたり、キャリアアップが狙えたりするメリットもあるでしょう。
ただしビルメン4点セットといわれる資格のなかでも、かなり難易度は高いとされています。
参考:高圧ガス保安協会「高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍)」
危険物乙種第4類危険物取扱者
危険物取扱者とは、消防法が定めている「危険物」を取り扱うために必要な資格をもった人のこと。
危険物には様々な種類があるため、資格も多岐に渡っています。
ここで紹介する「危険物乙種第4類危険物取扱者」は、危険物取扱責任者の乙種のなかでもガソリンなどの引火性が高い液体の取り扱いに関わるものです。
ビルメンテナンスとしては、ビルに備えられている非常用電源の燃料を扱えるようになるという利点があります。
ビルメンテナンス以外でも重宝され役立つ資格であり、冷凍機械責任者より取得難易度が低いため、おすすめです。
参考: 一般財団法人消防試験研究センター「危険物取扱者試験」
二級ボイラー技士
二級ボイラー技士とは、ボイラーを取りえる「ボイラー技士」になるための国家資格です。
ビルには、暖房設備のボイラーが設置されています。
高温高圧になるため取り扱いを間違えると大事故につながるので、ボイラーを扱うにはボイラー技士の資格が必要なのです。
資格には特級、一級、二級があり、それぞれで扱えるボイラーの規模が異なります。
二級ボイラー技士は扱える範囲が狭いものの、小~中規模の建物に設置されているボイラーを管理するには十分といえるため、最初に取得するのにはおすすめでしょう。
参考:公益財団法人安全衛生技術試験協会「二級ボイラー技士」
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
「ビルメン4点セット」から、さらに上位資格も狙える
ビルメン4点セットと呼ばれる「第二種電気工事士」「第三種冷凍機械責任者」「危険物乙種第4類危険物取扱者」「二級ボイラー技士」の資格はビルメンテナンスとして成長するためには欠かせない資格です。
ですが、これらの資格は取得したら終わりではありません。
危険物取扱の資格を増やしたり、電機系の上位資格を狙ったり、ボイラー技士よりもさらに上の資格を狙うこともできます。
ビルメンテナンスでは、資格を取得することで業務範囲が広がっていくので、ビルメンテナンスのプロフェッショナルとして「横に広く」成長していくことが可能です。
または、例えば危険物取扱の資格取得・経験を深めて、危険物取り扱いに関する専門家として「縦に深く」成長していくこともできるでしょう。
ビルメンテナンスの仕事が向いている人の特徴
ここからは、ビルメンテナンスの仕事が向いている人の特徴について確認していきましょう。
ルーティンワークが嫌ではない
点検や監視など、ビルメンテナンスの仕事はルーティンワークが多い特徴があります。
トラブルが起きる頻度が少ないにしても、いつでも対応できるよう緊張感をもって監視・点検を行わなければなりません。
そのため、ルーティンワークが嫌ではなく、与えられた日々の業務をしっかりこなせる姿勢はビルメンテナンスに向いている人の重要な特徴なのです。
瞬発力・トラブル解決力がある
何かトラブルが起こった際には、緊急対応をしなければなりません。
マニュアルを見たり、同僚と協力したり、状況に応じて臨機応変に対応できるトラブル解決力は欠かせないでしょう。
またそれに加えて、ルーティンワークの思考をすぐに切り替えて動ける瞬発力がある人も向いているといえます。
意外と何か問題に直面したときに「日常モード」から「緊急モード」に切り替えるのは難しいものです。
そのため、瞬発力とトラブル解決力の両方を備えている方は特に向いています。
勉強意欲・向上心がある
ビルメンテナンスの仕事は、資格を保持していることで業務範囲を広げられたり、知識があることでトラブル解決能力が向上したり、また責任者などへキャリアアップもできるなど、将来の道も広がっていきます。
会社によっては資格取得にかかる費用補助や資格手当を支給している場合もあるので、勉強することで収入アップにつながるケースもあります。
勉強意欲があり、向上心をもってスキルアップしていける人はビルメンテナンスとして長く活躍していけるでしょう。
まとめ
ビルメンテナンスは、ビルや商業施設などの維持管理を任される仕事です。
業務内容は様々にありますが、基本的にはルーティンワークと緊急時のトラブル対応がメインです。
座って監視をしたり、施設内を見回ったりと、トラブルが発生しない限りは「見守る業務」が主体となるため楽な仕事と感じる方も多い傾向にあるようです。
ただし深夜勤務があったり、突発的なトラブルに瞬時に対応する力が必要だったりと、人によっては「きつい」と感じる面もあるため、あなたにとって働きがいのある仕事なのかどうかをしっかり考えてみましょう!
またビルメンテナンスには、「ビルメン4点セット」と呼ばれるほど定番の資格があります。
- 第二種電気工事士
- 第三種冷凍機械責任者
- 危険物乙種第4類危険物取扱者
- 二級ボイラー技士
これらを取得することでビルメンテナンスとしてよりキャリアアップしていくこともできるので、勉強意欲が高い方にもおすすめできるお仕事ですよ。
- ビルメンテナンスの仕事をしてみたい
- どんなキャリアがあるのか知りたい
- ビルメンテナンスが自分に合っているか知りたい
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