いわゆるブラック企業よりも優良企業に就職したいというのは、当然の欲求です。
ですが、実際に働き始めるまでは本当に優良企業なのか、外部からは分からないというのは当たり前のこと。
この記事では、どうやって「自分にとっての優良企業を見つける」のか、その特徴や見分け方のコツを解説していきます。
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そもそも優良企業の定義とは
そもそも、「優良企業」とは何なのでしょうか。
いきなりですが、優良企業に明確な定義はありません。
例えば会社の働き方を軸に考えると、以下のような「良し悪しの判断軸」があります。
- 労働条件
- 仕事内容
- 労働環境
- 福利厚生
- 社風
- 同僚 / 先輩 / 上司の人柄
- 会社の将来性
- 自分の将来性
これらに対して、どれは良い、どれは悪い、といった良し悪しを決めていくのですが、「どの軸を重要視するか」「どの軸がどうであったら良しとするか」は、すべて個人の主観で決まります。
毎日変化がある刺激的な労働環境に対して、ある人は「考えることが多くて面倒なので労働環境が悪い」「会社として安定性が悪い」と考えるかもしれません。
一方で「退屈せず楽しいので労働環境が良い」「スキルアップできる環境で良い」ととらえる人もいます。
1つの事象を見ても、良し悪しだけでなく判断軸すらも変わることがあります。
つまり万人にとって「優良企業はこれだ」という正解の定義はないのです。
しかし、それを踏まえたうえでなお「この点は押さえておいたほうが良い」という優良企業の判断軸となるポイントは存在します。
それらをピックアップしますので、見ていきましょう。
経営状況が安定している
会社とは事業を行う組織です。
そのため、経営状態が安定しているならば、それは間違いなく良い点となります。
すぐに潰れる心配がなければ、中期的な社員への還元もできますし、ビジネスにおいて過重労働などで社員に無理をさせることもありません。
経営状態に関しては、株式上場しているなら企業ホームページのIR情報で、上場していなくてもある程度の規模がある会社なら決算報告や四季報などで確認できます。
継続的に成長している
前述の「経営状況が安定している」と同様、継続的に成長しているかどうかも重要なポイントです。
こちらも前述したIR情報や決算報告から判断できます。
厳密に「何をもって成長しているとするか」の判断は非常に難しいのですが、基本的には売上が右肩上がりに上がっているかどうかで見れば良いでしょう。
急激に上がっている必要はなく、むしろ長期的な安定企業は横這いに見えるほどじわじわとした成長をしています。
労働環境が整っている
「設備や施設が働きやすい」「仕事の指示が明確である」「過去にコンプライアンスや法律に違反したことがない」といったポイントです。
労働環境は口コミサイトでの評判や、会社説明会などで実際に働いている人から聞くことで調べられます。
過去の違反については、ホームページ上に一定の記載義務があることから、Web上でも調べることできます。
特に大きな問題のあった企業については、インターネット検索で「(企業名) 違反」と入力するだけでも、ある程度は過去の情報がわかるでしょう。
気になる企業があれば、その評判や口コミなどをある程度調べてみることをおすすめします。
収入が安定していて残業代も支払われる
収入が安定しており浮き沈みが少ないこと、そして残業すればその分しっかり残業代が出るというのも重要なポイントです。
基本的にほとんどの人は、給与を得て生活するために働いているはずです。
その基盤となる収入面が安定しているのは優良企業の条件として必須でしょう。
また、残業代がしっかり出るということは、それだけ過重労働や超過労働を是正しようとしている表れでもあります。
ただし、人手不足等により残業時間が長くなるうえで、正しく残業代が支払われる企業も一定存在します。
安定した収入を得られるという条件でみれば優良企業となりますが、労働時間にこだわる場合はこの点を必ず確認しておきましょう。
離職率が低い
離職率が低いということは、総じてその会社で働いている人が「ずっとここで働きたい」と感じていることの表れです。
厚生労働省が、平成31年3月に卒業して働いている新卒の3年以内離職率を計算し、発表しています。
“就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が35.9%(前年度と比較して1.0ポイント低下)、新規大学卒就職者が31.5%(同0.3ポイント上昇)となりました。”
引用:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します」
それによると、高卒では約36%、大卒では約32%が、新卒就職から3年目で離職していることになります。
該当の会社の離職率がこれらよりも低ければ、「離職率が低い会社である」と考えて良いでしょう。
まずは離職率を見て、それが低ければなぜ低いかの理由(=みんながその会社を辞めたくない理由)を探す、という基準に使うことをおすすめします。
年間休日が多い
年間休日が多い会社であれば、休日出勤などが少なく、休日は休日としてゆっくり休んだり遊びに行ったりできるでしょう。
年間休日が多いかどうかを調べる際は、年間休日120日を目安にしてみてください。
年間休日が120日あるということは、土日祝日は完全休みで、それに加えお盆・年末年始を加えた(つまりカレンダー通りの休み)合計が120日前後であるからです。
求人募集に書かれている情報と実際の休日が異なる場合があるので、しっかり確認することをおすすめします。
平日休みではなく土日休みが良い人は、その点も確認した方がいいでしょう。
有休消化率が高い
有休消化率が高い企業では、会社全体が有休消化を奨励しており、上司も部下に対して有給休暇を促す傾向にあります。
会社全体で有給休暇を取得しやすい雰囲気なので、有休消化率が高まるのです。
有休を気兼ねなく消化できることにより、プライベートをより充実させることができます。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
離職率が低い=変化が少ない業界でもある
優良企業を見分ける指標として、離職率の低さがあります。
しかし、離職率が低い会社は一方で変化が少ない傾向にあります。
そうなると、中期的に見て今後も残る会社であるのか、時代の変化に柔軟に対応しているのかなども見ることが大切です。
例えば、離職率の低いその最たるものが地方公務員で、なんと1%程度。
民間企業の場合、ガス・水道・電気などのインフラ事業も普遍的なニーズがあることから、離職率は20%程度に留まっています。
本当の優良企業は離職率が低いものの、将来的な成長のためには変化を恐れず対応している傾向があります。
これは離職率が同じであっても、会社のスタンスとして全く異なりますので、優良企業を見極める際は指標の率だけでなく、会社の中をしっかりみましょう。
優良企業の探し方
次は、実際にどうやって優良企業を探せばいいかお伝えしていきます。
- 優先度をつけてから探す
- 業界単位で探す
- 隠れ優良企業や非公開求人を探す
優先度をつけてから探す
まずは、自分のなかで「優良企業を計る軸の優先度」をもっておきましょう。
これには、前述した「企業の良し悪しの要素」が役立ちます。
- 労働条件
- 仕事内容
- 労働環境
- 福利厚生
- 社風
- 同僚 / 先輩 / 上司の人柄
- 会社の将来性
- 自分の将来性
これらすべてが自分にとって最高の条件である会社は、存在しません。
優良企業探しとは、自分がどの軸を優先するかを決め、自分にとっての「優良企業がどこか」を探す行為でもあります。
おすすめの方法は、3つ程度に軸を絞り、それぞれポイントを割り振って重みづけするという方法。
例えば、自分が重視する軸と重要度が以下のとおりだったとします。
- 1位:給与額
- 2位:労働環境
- 3位:会社の将来性
ある企業が「給与額はすごくいい」「労働環境は劣悪」「将来性はない」だとしましょう。
優先度1位の給与額は優良と判断できますが、ほかがダメなので総じてマイナスポイントとなり、自分にとっては優良企業とは言えません。
もし給与面だけで判断していたら、優良企業だと誤認していた可能性もあります。
一部だけを切り取ると勘違いしてしまうので、総合的に判断するためにも「自分に適しているか」という面でいくつかの軸をもつとよいでしょう。
業界単位で探す
業界によって離職率が異なるというのは前述したとおり。
働き方や「良し悪しの軸」の傾向も異なっています。
自分が優良だと思える企業が多い、あるいは一般的に優良であるとされる企業が多い業界に絞って探してみるのもおすすめです。
まずは、どの業界が自分にとっての優良企業が多い「優良業界」なのかを探し、優良業界が見つかったら個々の企業を見ていく、という方法は効率的に探せます。
例えば、業界や企業を探すうえで「離職率」に着目してみると良いでしょう。
離職率が低い場合は「働き続けやすい」といえるため、優良企業が多いということも考えられます。
厚生労働省が行った「令和4年雇用動向調査」では、離職率が低い産業は以下の通り。
- 鉱業、採石業、砂利採取業 6.3%
- 金融業、保険業 8.3%
- 学術研究、専門・技術サービス業 10.0%
- 製造業 10.2%
- 建設業 10.5%
- 電気・ガス・熱供給・水道業 10.7%
離職率1位の「宿泊業、飲食サービス業(26.8%)」や、2位の「サービス業(19.4%)」と比べると、離職率が低いことが分かります。
参照:厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」
ホワイト業界を見極めるコツが気になる方は、下記の動画も参考にしてみてください。
隠れ優良企業や非公開求人を探す
隠れた優良企業を探したり、非公開求人を探すという方法もおすすめ。
私たちが認知している企業の多くは、一般消費者(カスタマー)をビジネスの対象にしているBtoC企業と呼ばれるものがほとんどです。
ですが、企業を対象にビジネスを行っている、BtoB企業という存在もあります。
例えば、一般のホームセンターでは買えないような機材をメーカー向けにのみ販売している企業や、企業の勤怠管理システムを提供しているIT企業などです。
知られていないBtoB企業のなかにも、優れた企業はいくつもあります。
そういった隠れ優良企業は有名企業ほど知名度が高くないため、求人が殺到しないのです。
また、BtoCの有名・大手企業であっても「◯◯の経験を持つ人や特定の職種の人材を探したい」場合もあります。
そういった募集は非公開求人としてエージェントに集まることも少なくありません。
そのため、隠れ優良企業や非公開求人を探したいなら、エージェントの活用が効果的です。
エージェントは、それらの企業に関する情報を教えてくれるだけでなく、キャリア設計や自分の強み、就職活動における軸なども客観的にアドバイスしてくれます。
優良企業に就職したいと考える、第二新卒・既卒・フリーターの方はUZUZの転職エージェントにぜひご相談ください。
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優良企業を選ぶ際のポイント
ここまでは優良企業の探し方を見てきました。
では、いざ実際に企業を受ける際、何を基準にしたら良いのかそのポイントをご紹介します。
- 採用実績がある企業を優先する
- 社風が合うかを確認する
- 優先度が低い要素も平均水準かは見ておく
採用実績がある企業を優先する
優良企業が見つかったとしても、全てに応募できるわけではありません。
加えて、選考通過も場合によっては狭き門となります。
優良企業を見つけた時は、既卒・第二新卒・フリーターの採用実績があるかを調べてみましょう。
「応募可能」と「過去に採用実績があるかどうか」はまったく異なります。
既卒・第二新卒・フリーターでも応募可能としているものの、採用実績がまったくない企業に応募を続けるのはあまり効果的な就職活動ではないためです。
採用される可能性を少しでも上げるため、採用実績調査はおすすめです。
社風が合うかを確認する
応募候補の企業が絞れてきたら、会社説明会などに参加し、社風を確認してみてください。
そして、できるだけその会社で実際に働いている人から話が聞けると良いでしょう。
これらを通じて社風を調査し、違和感があるようならやめたほうがいいサイン。
直感が正しく、意外と「耐えられないほど、自分には合わない社風だった」ということがあり得ます。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
SNSを活用した情報収集もおすすめ
働いている人のリアルな声を聞きたいなら、SNSを活用するのもおすすめです。
Webサイトや採用ページでは語られない、その企業の社員の働き方や考え方に触れることができます。
TwitterやFacebookだけでなく、Linked inやEightといったビジネスシーンに特化し、個人で気軽につながれるツールなども検討してみると良いかもしれません。
企業名や業界名で検索し、その会社に関連している人を見つけたら、ダイレクトメールを送って聞いてみてください。
実際にその会社での働き方や業界、職種について質問してみると良いでしょう。
ダイレクトメールを送るのはハードルが高いような気がしますが、就活用アカウントを作ってそこから送れば自分の実生活には影響がありませんし、意外と答えてくれるものです。
優先度が低い要素も平均水準かは見ておく
「良し悪しの要素」に優先度をつけて自分にとっての優良企業を探す方法をお伝えしましたが、優先度を低く設定した要素についてもある程度のチェックは欠かさずに行いましょう。
いくら優先していない要素であるとはいえ、それらが劣悪である場合に許容すべきではないためです。
これを怠ると、自身の考える働き方が実現できない場合があるかもしれないからです。
特に「法令遵守」という観点は気をつけたほうが良いポイントなので、忘れずに調査するようにしましょう。
ほかの企業よりも率先して守っているかどうかではなく、「過去に違反をしていないか」という観点で見ることが重要です。
もし違反をしていた過去があったとして、それでもその企業を志望するなら、再発しない取り組みをしているかを確認しましょう。
優良企業に就職したいならやるべきこと
優良企業が見つかっても、就職できなくては意味がありません。
優良企業から内定をもらいたいのならば、やるべきことを知って対策することが大切です。
- 自分にとっての優良企業の定義をはっきりさせる
- 優良企業に就職したらどんな風に活躍できるかを考える
- 面接対策をする
- 就職エージェントに相談をする
自分にとっての優良企業の定義をはっきりさせる
「世間にとっての優良企業=自分にとっての優良企業」ではありません。
優良企業の定義は千差万別なのです。
だからこそ、上述した優良企業の定義を参考にしつつ、企業に求める条件に優先順位をつけましょう。
自分にとっての優良企業の定義が明確になれば、優良企業探しがよりスムーズに進みます。
定義がはっきりしていることにより、転職活動中も軸がぶれずに済みます。
優良企業に就職したらどんな風に活躍できるかを考える
企業側は、「就職後活躍してくれる人物」を求めています。
内定をもらいたいのならば、面接での受け答えではなるべく具体例を挙げて説明できると良いでしょう。
例えば、「就職後に○○で活躍したい」「○○をして会社に貢献したい」など、できるだけ具体例を挙げて、自分が活躍できることをアピールすると良いでしょう。
面接の場で急に聞かれてもいい回答はできないため、しっかりとアピールするためには、事前に考えておくことが大切です。
優良企業に囚われすぎない
優良企業に就職したい気持ちは分かりますが、固執しすぎるのはNGです。
就職の軸が定まっておらず、優良企業ばかり受けている人は、一貫性がありません。
一貫性のなさは、面接などで簡単に見破られてしまうため、採用されるのは難しいでしょう。
就職の軸とは、企業や職種などを選ぶのに譲れない条件のこと。
「大学での学びを活かせる仕事」や「グローバルに活躍できる仕事」「社会に貢献できる仕事」などの軸があると、一貫性のある発言ができます。
優良企業にこだわるのはもちろん問題ありませんが、こだわりすぎず、必ず就職の軸を定めておくようにしましょう。
面接対策をする
合否を大きく左右する面接。
面接で落ち着いて受け答えするためには、面接で聞かれると予想される質問をピックアップし、答えを用意しておくことが大切です。
自分だけで面接練習するよりも、第三者に面接官役をやってもらい、実際に答えてみる方が、より実際の面接に近い状況で練習を行えます。
自分だけでは質問内容を考えたり面接練習をするのが難しいと感じる人は、面接対策を行っている就職エージェントを利用するのがいいでしょう。
UZUZでは、あなたの経歴や強み・弱みを考慮した上で、受ける企業に合わせて面接対策を練っています。
UZUZでは、内定を獲得できる面接テクニックを動画でも解説しています。
就職エージェントに相談をする
就職エージェントに相談をする主なメリットは、以下の通りです。
- 求人を紹介してもらえる
- 経歴だけではわからない自分の強みを見つけてもらえる
- プロだからこその就活情報を提供してもらえる
- 自分だけのオーダーメイドの面接対策を練ってもらえる
- 就職後のサポートをしてもらえる
就職エージェントならば、自分だけの力ではできないこと、知らないこと、気付けないことをカバーしてもらえます。
エージェントによってサービス内容は異なるため、エージェントならどこでもいいわけではなく、内容を吟味することが大切です。
UZUZでは、相談者の気持ちに寄り添いながら、就職先探しや面接対策、入職後のサポートまでを一貫して行っています。
就職に関することなら、何でも相談可能です。
まとめ
優良企業かどうかの定義は個人の価値観によって異なるものの、ある程度の要素をまとめれば「一般的に、優良企業であると判断してもいい企業」を見つけることができます。
それらのなかから、自分が大事にする価値観をもとにして「優良企業のなかでも、自分にとっての優良企業」を探すことでマッチした企業を探すことができるでしょう。
必ずしも大企業だけが優良企業ではありません。
企業の規模にこだわりすぎず、自分に合った企業を探してみてください。
自分で就職先を探す場合、個人の力では探しきれなかったり、探せたとしても応募ができない、というケースもあります。
探し方や応募の仕方、選考通過のテクニックなどで困ったときは、ぜひエージェントへの相談を検討してみてください。
優良企業への就職は、簡単にすぐできるものではありません。
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