もくじ


ただIT業界の中でも、システムエンジニアやプログラマー・インフラエンジニアといった技術系職種は予期せぬトラブル対応により労働時間が延びたり、夜間に出勤を求められたりと一時的にハードワークになるケースがあります。
もちろん中には離職率の高いIT企業があるのは事実。
とはいえ、「ブラック企業だから」「激務だから」というわけではなく、IT業界独特の事情があるんです。
この記事では、IT業界の中でも特に“技術系職種”に焦点を当てながら離職率について詳しく紐解いていきます!
IT業界の離職率は、ズバリ11.8%
まずはIT業界の離職率について見ていきましょう。
厚生労働省が令和元年に公表しているデータによるとIT業界(情報通信業)の離職率は11.8%です。



最も離職率が高い業界は宿泊業・飲食サービス業の26.9%。次いで生活関連サービス業・娯楽業の23.9%です。
一方、最も離職率の低い業界は複合サービス事業(郵便局や農業協同組合など)の8.1%。
また、全業界の平均離職率は14.6%です。


なので、11.8%のIT業界は決して「離職率が高い」とはいえません。
とはいえこの数値は「情報通信業」の平均であり、IT技術系職種だけではなく営業職や管理職など、さまざまな職種が含まれています。
もちろん職種だけでなく、会社によっても離職率は大きく異なるので注意しましょう。
ただ総合的にみて、 IT業界(情報通信業)の離職率は決して高くないことが分かってもらえたでしょうか。
ちなみに離職率の高い業界・低い業界についてもっと詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてみてくださいね。


離職率が高くないのに、IT業界が“ブラック”と言われる理由


- IT業界特有の“ピラミッド構造”があるから
- 突然のトラブルが発生する可能性もあるから
- 常に人材を募集しているから
それぞれ詳しく解説していきます!
IT業界特有の“ピラミッド構造”があるから
IT業界にブラックなイメージがつきやすい一番の原因は「ピラミッド構造」にあります。
ピラミッド構造とは、受注を受けた会社が部分的あるいは全ての業務を下請け企業に委託していく流れのことです。




例えば、システム開発の大きな案件を受注した場合、大元となる「システム概要の作成」のみ担当し、後の細かい部分は下請けに任せてしまうのです。
具体例を挙げると、家を建てるのに顧客と話し合ってデザインのみ作成し、設計図や実際に家を建てる工程を全て下請けに任せるというイメージ。
もちろん一次請け企業は利益を十分に確保した上で、下請けに委託します。
次に2次請けシステム会社は「システムの仕様書作成」部分まで済ませて、残りの工程を3次請けシステム会社に委託します。
そして実際の開発業務を行うのは3次請けシステム会社以降。
当然利益も少なくなるうえに、案件の中で最も時間のかかる作業を担当することになります。
つまり、下請け企業になるほど賃金が安いのに業務量が多くなり、ブラックな環境が出来上がってしまうのです。


悪いのはこのピラミッド構造よりも、「利益だけ抜いて委託する企業」がいるということ。
それが下請け企業にどんどん流れると、低層で働くエンジニアたちは劣悪な環境での労働を強いられることになります。
とはいえ、ピラミッド構造が成り立つのはそれだけ「利益率の高い仕事だから」という面もありますね。
突然のトラブルが発生する可能性もあるから
IT技術系職種は業務上、どうしてもハードに働かないといけない時期があります。
例えばプログラマーやシステムエンジニアは、プロジェクトの期日が迫ってくると残業時間が増えます。
システム納品時にトラブルが発生すると、「解決するまで帰れない」なんてことも……。
またインフラエンジニアの場合は、夜勤を含むシフト制をとる会社も珍しくありません。
夜勤があるとどうしても生活が不規則になり、ハードワークに感じてしまいますよね。
また、インフラエンジニアはサーバー障害が発生すると夜間でも呼び出されたり、トラブル対応に追われたりします。
トラブルは毎日生じるわけではありませんが、環境に慣れるまでは大変に感じることもあるかもしれませんね。
常に人材を募集しているから
IT業界の求人は多く、常に人材を募集しています。


IT業界は比較的新しく出てきた業界なので、需要と供給が追いついていなく若手の採用を急いでいるという事情も。
そのため未経験からでも応募できる求人が豊富にあります。


【IT業界への転職】“離職率”よりも知っておくべきこと


どんな業界にもブラック企業は存在するので、事前のリサーチは必須。
これから紹介することを参考にして就活を進めてくださいね!
転職するなら、“一次請け”の企業を目指す
IT業界にはピラミッド構造が存在することを説明した通り、三次請け・四次請けのような下請け企業に就職してしまうと、ブラックな環境での労働を強いられる可能性が高くなります。
ですので、転職するなら一次請け企業を目指すようにしてください。
一次請け企業であれば利益を十分に確保できるので、働きやすい労働環境が期待できます。
また、優秀なベテランエンジニアから指導を受けやすいのも大きなメリットですね。


とはいえ「一次請け企業がどこなのか」は、なかなか調べにくいもの。
そういった場合は、就活のプロである人材紹介会社を利用するのも一つの手ですよ!
IT業界は、“転職して当たり前”の世界だと知る
IT業界で働くエンジニアは、経験をある程度積むとスキルアップを目指して転職するのが一般的です。


ベンチャー企業が多く、他の業界に比べると労働者の平均年齢も低いので、転職に対して肯定的なんです。
キャリアアップやライフスタイルの見直しなど、前向きな理由で転職するのは普通のこと。
また、ベンチャー企業では社内で全てのIT技術の工程をカバーするのは難しい傾向にあります。
そのため「他の工程の知識・技術を身につけてキャリアアップしたい」というITエンジニアは積極的に転職します。


一方で、「キャリアアップやスキルアップには興味がなく同じ会社で働き続けたい」「専門分野の勉強はしたくない」という人には IT業界はおすすめできません。
IT業界の技術系職種は、常に勉強が必要です。
一通りのことができるようになってもIT技術は日々進歩しているので、勉強を怠るとすぐに現場についていけなくなります。
ただ、自分のスキルさえきちんと磨いていけば、より良い上流のポジションに就ける企業へ転職したり、フリーランスとして自由に働いたりなど、自分の望むキャリアを歩みやすい業界でもあります。
学び続ける姿勢が苦でない方にとっては、むしろ魅力的な業界と言えるかもしれませんね。
IT業界の離職率は、今後さらに低くなる可能性も
IT業界の離職率は、今後さらに下がると考えられています。
自社でスキルを磨くには限界があると感じて転職するエンジニアが多いと述べましたが、今後はITベンチャー企業の成長に伴って、全てのIT技術工程を一社で行う企業も増えてくることが予想されます。
また優秀な人材を手放さないために、社内のキャリアパス制度を充実させていく企業も増えていくでしょう。
その他、働きやすい環境づくりに力を入れる企業も増えることが期待できます。
例えば在宅勤務を認めたり、フレックス制度を導入したり、副業を解禁したり……。
そうなってくると「会社の居心地がいいから転職の必要は無い」という考えを持つ人が増えて、自然に離職率は下がっていきますよね。
女性の離職率を下げる取組みも
また人材不足が深刻なIT業界では、女性の活躍も大きなテーマです。
結婚している女性、育児中の女性でも働き続けられる会社を目指すために、
- 女性は夜勤にあてない
- 産休・育休を取得しやすくする
- 時短勤務OK
といったIT企業が増えてきています。


まとめ:IT業界への転職はプロに頼るのがおすすめ
IT業界の技術系職種は、離職率の高い職種ではないことが分かってもらえたと思います。
離職理由には「ブラックだから」「激務だったから」という理由を挙げるエンジニアもいますが、スキルアップを目的とした前向きな転職理由も多いのが現状。
ただ今後は、人手不足が続くIT業界では人材確保に力を入れる企業が増えてくるため、働きやすい上に社内で技術を磨ける環境が整えられていくことが予想されます。
そうすれば更に離職率が下がっていくでしょう。
とはいえ残念ながら、それでも「ブラック企業」と呼ばれるような労働環境の会社は存在し続けます。

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