大学を卒業後、パートやアルバイトに従事するフリーターでいると、正社員として働いている友人がうらやましく思えたり、劣等感を持つ人もいるのではないでしょうか?
しかし、大卒でフリーターになる人はそれほど少なくありません。
ここでは大卒フリーター人口とその割合や、フリーターとして生活することのメリット・デメリット、そして正社員への就活を成功させる方法をご紹介します。
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大卒でフリーターになる人はどのくらいの割合?
若年層のフリーターの割合
まずは、若年層(15歳~34歳)のフリーターの割合から見ていきましょう。
少し古い資料にはなりますが、労働政策研究・研修機構の実施した調査に、15歳~34歳の学生以外の人口に占める、フリーターの割合を示したものがあります。
【15~34歳の人口から在学中の者を除いた人数(無就業者含む)で、アルバイト・パートで就業している者の割合】 (単位:千人)
2007年 | 2012年 | 2017年 | |
---|---|---|---|
15~34歳人口(在学者除く) | 22,262 | 19,082 | 17,451 |
うちパート・アルバイト人口 | 2760 | 2,709 | 2,201 |
割合 | 12.4% | 14.2% | 12.6% |
参考:労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状 ③」P5 図表1-1
学歴に関係なく学業を終えた後、フリーターとして働いている人は対象となる人口の約1割以上いるようです。
多いか少ないかは、意見が割れるところですが、常に一定数のフリーターがいることが分かります。
大卒フリーターの割合
それでは、学歴別のフリーター率も見ていきましょう。
労働政策研究・研修機構が実施した、同調査による数値です。
【学歴・男女別フリーター率】 (単位:%)
学歴 | 1997年 | 2002年 | 2007年 | 2012年 | 2017年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 中学 | 15.6 | 21.7 | 18.7 | 22.2 | 19.3 |
高校 | 7.2 | 10.7 | 10.6 | 12.4 | 11.6 | |
専門・短大・高専 | 5.1 | 7.6 | 7.8 | 9.6 | 8.3 | |
大学・大学院 | 2.7 | 4.5 | 3.9 | 5.8 | 4.0 | |
男性計 | 6.4 | 9.3 | 8.2 | 9.9 | 8.1 |
学歴 | 1997年 | 2002年 | 2007年 | 2012年 | 2017年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
女性 | 中学 | 42.4 | 50.2 | 47.3 | 50.3 | 47.4 |
高校 | 20.0 | 30.4 | 28.3 | 31.4 | 28.9 | |
専門・短大・高専 | 12.1 | 16.0 | 14.3 | 17.4 | 15.9 | |
大学・大学院 | 9.6 | 9.6 | 8.0 | 9.6 | 6.6 | |
女性計 | 16.3 | 21.9 | 18.1 | 20.1 | 16.6 |
参考:労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状 ③」P57 図表2-26
2017年の集計において、大学・大学院卒のフリーター率は、男性で4.0%、女性で6.6%という結果になっています。
女性については、2012年以前の調査では、1割近い数値です。
大卒のフリーターは少数派ではありますが、一定数いることが分かります。
大卒でフリーターになる原因
では、大学を卒業した後にフリーターになってしまうのか、この問題について考えていきましょう。
大卒でフリーターになる原因として、大きく3つが考えられます。
就活がうまくいかず正社員になれなかった
大学時代に就職活動を行っていたものの、内定が取れずに卒業してしまった人や、内定を取り消されてしまった人です。
その中には大手企業や難関企業ばかりを志望し、就活に失敗したという人もいます。
こういう場合には、まずは就活がうまくいかなかった原因を振り返り、短所を自覚した上で就活を行う必要があります。
公務員試験や資格試験などに落ちてしまった
公務員試験や資格試験を受験するため、就活をせずに勉強を続けてきたが、試験に落ちてしまったという人です。
試験の結果発表時期によっては、受験後に就職活動をする時間が取れない場合もあり、再受験をするか就職かで悩む人も少なくないようです。
資格試験で勉強してきた知識を活かして就活を行うと良いでしょう。
新卒で入った会社を辞めてしまった
- 期待していた業務ではなかった。
- 想像よりも厳しい環境だった。
様々な理由により、新卒で入社した会社を辞めてしまう人も少なくありません。
企業選びがうまくいかなかった原因を見つめなおし、自分に合った仕事を見つけましょう。
大卒フリーターのメリット
フリーターのメリットは、「時間やスケジュールに縛られることなく、自由に生活できること」です。
俳優やミュージシャンなど実現したい夢があり、その活動のための時間を確保したい人には適した働き方ではないでしょうか。
また、正社員として就業していると、長期間に渡って旅行に出かけたり、短期集中で新たなスキルを身につけたりということは、なかなかできません。
その点、パートやアルバイトであれば、比較的スケジュール調整しやすくなります。
海外留学や、資格試験などに挑戦したい人にとってはメリットといえるでしょう。
大卒フリーターのデメリットとは?
フリーターのデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
収入が不安定になりがち
パートやアルバイトは、働いた時間に基づいて給与が支払われる時給制を取っている場合が多く、働く時間が短くなれば、それだけ収入は減ってしまいます。
また、ボーナスや家賃手当などの補助が支給されないことが多いため、収入は少なくなりがちです。
フリーターを続けることによる金銭面のデメリットは、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ、合わせてお読みください。
社会保険の適用外になる場合がある
パート・アルバイト先での雇用条件によっては、社会保険に加入できない場合があることも考慮に入れておくべきでしょう。
社会保険とは、雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金保険・介護保険の5種類のことをいい、法人が社員の生活を守る制度として国に義務付けられているものです。
しかし、健康保険と厚生年金保険については、勤務時間などの条件によっては適用外となる場合があります。
フリーター期間が長いと、正社員としての就業難易度が上がる
独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行った「第3回 若者のワークスタイル調査」では、正社員になることができた人の割合が、フリーターとして働いていた期間別に発表されています。
それによれば、フリーター期間が6か月以内の場合は64.0%、7か月から1年の場合には58.3%の人が正社員になれたようです。
しかし、フリーター期間が3年以上になると、正社員になれた人の割合は48.9%にまで落ち込んでしまいます。
つまり、フリーターの期間が長ければ長いほど、正社員として就業するのは難しくなってしまうのです。
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 「大都市の若者の就業行動と意識の展開ー『第3回 若者のワークスタイル調査』からー」
大卒フリーターが就職する方法
では、大卒フリーターが就職するには、どうすればいいのでしょうか?
デメリットでも触れた通り、フリーターを長く続けるほど、就職が難しくなることは間違いありません。
しかし、しっかりと方針を打ち出し綿密な対策を練った上で動き出さないと、結果がでないままいたずらに時間が過ぎていきます。
ますます焦りがつのり、ブラック企業に就職してしまうといった、良くない結果を招きかねないので注意しなくてはなりません。
大卒フリーターからの就活は、以下のポイントを押さえてから動きましょう。
できるだけ早く行動する
フリーター期間が長引くほど不利になるため、できるだけ早く行動することをおすすめします。
行動を起こすといっても、手当たり次第に企業にアプローチしましょうということではありません。
まずは、すぐにできることから始めましょう。
例えば、情報収集や自己分析などは、今すぐに自宅にいても始められます。
こうしたすぐにできることから始めて、作戦を綿密に練った上で企業にアプローチしていくとよいでしょう。
ただ、だらだらと就活期間を長引かせないためには、いつまでに内定を獲得するか、期限を決めることも大切です。
フリーターになった理由を明確にする
面接では、大卒からフリーターになった理由を必ず聞かれると想定しておきましょう。
「正社員として働く意欲が低い」といったネガティブな印象を与えないように、こうした質問への回答は、しっかり練り上げておく必要があります。
正社員として就職せず、今はフリーターであることは変えられない事実です。
就活がうまくいかなかった反省点から今は気を付けていることや、フリーター経験から得たスキルや仕事に活かせることを、上手にアピールできるように準備しましょう。
既卒枠の求人を狙い撃ちする
応募先を選ぶ時も、大卒フリーターならではの工夫が必要です。
新卒一括採用がメインの大手企業を中心に狙っていては、なかなか結果にはつながりません。
既卒枠の求人を狙っていきましょう。
人手不足が深刻化している業界では若手人材を求めており、採用対象を既卒にまで広げている企業もたくさんあります。
積極的に採用している業種・職種を調べ、既卒枠のある企業にピンポイントでアプローチすることで、結果につながりやすくなるでしょう。
既卒に特化した就職エージェントに登録する
大卒フリーターの就活は、1人で進めるには限界があります。
少しでも有利に就活を進めたいのであれば、専門家の力を借りることが得策です。
既卒に特化したエージェントなら、フリーターからでも就職しやすい求人の情報もたくさん持っていますし、面接・応募書類の対策にも親身に対応してくれます。
まずは、エージェントに登録して話を聞いてみるだけでも、焦る気持ちが少しは落ち着くでしょう。
大卒フリーターの就活は、可能性の高い方法で短期間に終わらせることが理想です。
そのためには「就活のプロによる的確なアドバイスが欠かせない」といっても、過言ではありません。
フリーターの就活については、以下の動画で詳しく解説しています。
ぜひ、合わせてご覧ください。
まとめ
大卒フリーターは珍しくないことや、フリーター期間が短いほうが正社員として就業しやすいことなどをご紹介してきました。
大卒フリーターは高卒・専門卒の人に比べて学歴がある分、就活には有利です。
とはいえ、1人でやみくもに活動していては、思うような結果を得られないこともあります。
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