もくじ
理系の大学院を卒業するあるいは在籍する学生さんの中には、「推薦枠で就職先は簡単に決まる」と考えている人も多いでしょう。
しかし、推薦のみを当てにするのはとっても危険です!
また学校推薦枠で応募しても、落とされることだってあるんです。
ここでは理系の大学院生のために教授推薦・学校推薦を利用した就職活動について、メリット・デメリットにも触れつつ詳しく解説していきます!
ちなみに以下動画でも「理系の推薦」について解説中。
ぜひこの記事と合わせてチェックしてくださいね!
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理系の就活方法は、「自由応募」「推薦」の2種類
まず始めに、理系の就活方法について解説します。
理系の就活方法には大きく「自由応募」「推薦」の2つに分けられるので、この2つの違いについてきちんと理解しましょう!
自由応募
「自由応募」とは、文系と同じように基本的には誰でも応募可能な求人を指しています。リクナビやマイナビなどを通して、一から選考していくスタイルです。
もちろん応募する職種の中には「~系学科の修士課程を卒業見込みの者」といった条件が定められていることがありますが、その条件さえクリアすれば自由に応募可能です。
推薦
一方で推薦の場合は自由応募とは異なり、企業が大学の専攻ごとに採用枠を設けています。
企業が提示する条件をクリアしたとしても学校や教授が「受けても良いですよ」という許可を出さなければ応募できません。
よって大学での成績や素行が悪かったりすると、推薦してもらえない可能性もあります。
また推薦には、
- 学校推薦
- 大学推薦
- 学科推薦
- 教授推薦
- 後付け推薦
といった、様々な呼び名があります。
教授推薦
教授推薦とは、教授とつながりのある企業から来る求人オファーのこと。
なので大学や学科というよりも、「教授の研究室に在籍する優秀な大学院生を推薦してください」という意味になります。
企業と共同研究している研究室や教授のコネクションが広い研究室には、多くの企業から直接教授の元へ推薦が舞い込みます。
後付け推薦
また後付け推薦は、選考は“自由応募”で進めていくものの、内定を出す前に教授の推薦状が必要になる選考形式になります。
確かに分類が難しいのですが、最終的に教授の推薦が必要になるのでここでは“推薦”に分類しています。
この「後付け推薦」は企業が内定者を確保することを目的としているもの。
そのため、後付け推薦を求める企業の印象はあまり良くないのが現状です。
要注意!理系でも「学校推薦」がもらいにくい学科がある!?
そんな「学校推薦」ですが、理系のすべての学科で豊富な推薦枠があるわけではないんです!
ここでは、推薦枠の多い学科と少ない学科について説明していきます。
学校推薦が多いのはズバリ工学部系!
理系で学校推薦枠が特に多いのはズバリ工学部です。
自動車・電機・機械・化学などに関連するメーカーに始まり、電力・通信産業・建設などの分野でも多くの募集が見られます。
生物系・化学系の学科は学校推薦が少ない
反対に生物系や化学系の学部では、工学部系のように推薦枠をもらえることがほとんどありません。
そのため自由応募、つまり通常の就職活動を行う必要があります。
これは、学校で行う研究の多くが仕事に直結していないことが理由です。
生物系や化学系の学生は、研究内容から直結する職種は、どうしても「研究職」や「開発職」になってしまいます。
残念ながら、「研究職」や「開発職」はそもそもの“求人数”が圧倒的に少ないんです。
「幅広く職種を見たい」という方であれば、IT系企業や食品・化学メーカーなどに就職することも可能ですよ。
とはいえ「研究職に就きたい」などの“職種”に対するこだわりがある場合、就職の難易度は、ぐんと上がってしまいます。
「推薦がないから」といって悲観する必要はありません。
自由応募で希望する職種に挑戦してくださいね!
「学校推薦」「教授推薦」のメリット・デメリット
興味のある企業や職種に推薦で就職できるのであれば、就職活動の負担を大きく減らせますよね。
それぞれのメリット・デメリットをきちんと知った上で推薦を利用することをおすすめします。
推薦を利用するメリット
まずは、推薦を利用するメリットからお伝えします。
就活が早く終了する
2年間しかない修士課程の中で、就職活動に費やす時間は極力減らして学業に専念してほしいというのが教授や学校側としての本心です。
ただ、将来を左右する就職活動を適当に済ませるわけにはいきませんよね。
そんな時、「学校推薦」や「教授推薦」の中にあなたが行きたい企業があればラッキー!
自由応募とは異なり、選考期間が短いケースが多いので早く就活が終了する可能性があります。
また合格率が高いのも推薦のありがたいところ。
就職先さえ決まれば後は卒業まで研究に専念できますよね。
教授や研究室のメンバーに気を遣わずに就活を終わらせることができるのは、大きなメリットです。
自由応募にはない求人もある
企業の研究職をはじめとする「専門性の高い職種」は、営業職などに比べると元々の絶対求人数が少ない傾向にあります。
そのため新卒の採用人数が数人の場合、自由応募で募集せずに推薦のみで採用を済ませてしまう企業も存在します。
つまり、推薦には一般的に募集のない求人が含まれていることがあるのです。
推薦を利用するデメリット
それでは、推薦を利用するデメリットをご紹介します。
限られた求人の中から選ばなければならない
推薦を利用する場合は、業界や職種がある程度限られてきます。
そのため「色んな可能性を考慮して仕事を選びたい」という人には向いていません。
内定辞退は基本的に許されない
学校推薦や教授推薦を利用して貰った内定は、基本的に辞退することは許されません。
なぜなら、学校・教授と企業との信頼関係を壊してしまうことになるから。
今後その企業を受けたい後輩にも迷惑をかけることになってしまうんです。厳しいですが、推薦を受ける以上は内定をもらった際はその企業に入社することに……。
また、これは入社してからも同様です。
短期離職や会社とのトラブルは、できるだけ控えるべきといえるでしょう。
「学校推薦」「教授推薦」の就活スケジュールは?
ここからは、推薦を利用した場合の就活スケジュールについて見ていきましょう!
推薦で就活する場合、選考プロセスが少ないため応募してから内定を貰うまでのスピードは自由応募よりも圧倒的に速くなります。
例えば自由応募の場合、
- エントリーシート
- 書類選考
- 筆記試験や適性検査
- グループ面接(1回目)
- 面接(2回目)
- 役員面接(最終面接)
- 内定
などのステップでようやく内定が貰えます。
一方で、学校推薦や教授推薦の場合、
- 書類審査
- 最終面接
- 内定
といった流れであっさり就活が終わってしまうことも珍しくありません。
※選考フローは企業によって異なります。
実際の大学院生がどのように就職活動を進めたかについて体験談を知りたい!という方はこちらの記事をご覧ください。
例えば長い選考期間の間に、
- 自分と向き合う時間
- 業界や企業研究する時間
- 人生設計を考える時間
を設けることができます。
社会人になると更に時間に追われてこのような時間を持つことはできないでしょう。
気をつけて!「推薦」でも、“落ちる可能性”はあります
ここでは、「推薦で落ちるケース」について解説していきます。
大学生時代の成績が悪い
これは推薦を利用する以前の問題になることも多いですが、学部生の時の成績は重要です。
いくら大学院で優れた研究を進めていたとしても「学部生の時の成績上位3割以内」といった“推薦条件”を満たしていなければ推薦を受けることすらできません。
また、そのような条件が設けられていなかったとしても応募してから書類選考で落とされる可能性があります。
学部生時の成績が悪い方は、受ける前に学校サイドによく確認するようにしましょう。
推薦枠でも企業側が内定を出すことを前提としていない
「基本的に採用を前提に推薦オファーを出す企業」もあれば、「推薦で集まった学生の中から採用する学生を選ぶ企業」など、企業によって推薦の位置づけが異なります。
そのため、
- 推薦という枠組みでもほぼ100%内定が貰える企業
- 30%程度しか内定が貰えない企業
などが存在します。
これらは「過去の実績」を調べてみればある程度の傾向が分かるので、しっかりチェックしてくださいね!
面接対策をきちんとしていない
実は、推薦の選考過程で最も重要なのは「面接」です。
しっかり面接対策を行っていないと、たとえ採用を前提とした推薦枠であっても落とされるケースだってあるんです。
特に理系の大学院生の場合によくあるのが、研究内容を聞かれるケース。
このとき心がけたいのが、「人事担当者など“専門知識のない人”でも理解できるようにわかりやすく説明する」という点。
事前にきちんと準備していれば決してハードルが高いわけではないものの、推薦だと高を括って練習をサボってしまうと、痛い目にあうことも……。
その他、「理系の就活で誤りがちな就職活動の進め方」について以下の記事で詳しく紹介しています。
ぜひこちらも確認してみてくださいね。
まとめ
推薦は自由応募とは異なり、
- 短い選考期間で内定を貰える
- 一般には募集のない求人に応募でき、しかも内定率も高い
といった大きなメリットがあります。
一方で、「内定辞退は厳禁」「推薦の求人は限られた職種・業界のみ」といったデメリットも。
また、推薦であっても落ちる可能性は大いにあります。
こういった学生さんの気持ちもすごくよくわかります……。
自己分析や業界・企業研究って片手間にできるものじゃありませんし、研究もしながらって、実際のところかなり大変だと思います。
ですので、そんな時は1人で頑張ろうとせず、就職支援サービスを利用してみてはいかがでしょう?
例えばUZUZなら、20代の就活を専門に行っている就職エージェントなので、現在のあなたの状況も把握した上で、自己分析や業界・企業研究などの就活のサポートをすることが可能ですよ。
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面接は、推薦・自由応募のどちらにとっても非常に重要なものなので、利用してみる価値は大アリかと思います!
ですので、推薦が決まっている方なら、なおさら「美味しいとこどり」かもしれませんね(笑)。
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