「出版業界」は就職先として人気の業界ですよね!雑誌や書籍の編集者、ライターなどのクリエイティブな仕事に憧れている方も多いンじゃないでしょうか。ただ、その一方で、市場の縮小に歯止めがかからず、減収の一途を辿っているのも出版業界に関わる動きではあります。それでも、やはり出版業界に携わっていきたいという気持ちがある方は多いはず!そんな訳で、今回は出版業界の構造に関して、既卒の方にも分かりやすいように解説をしていこうと思います。出版業界を受けるなら、最低限押さえて欲しいいくつかのポイントがあるのです。そこを押さえた上で、自分の業界研究の一助にして欲しいと思います。
これだけは知っておきたい、出版業界のアレコレ
出版業界だけでなく、業界研究をする際にはいくつか大切にして欲しい指標があります。その指標をまずは説明しましょう。
・数字で見る出版業界
・出版業界のもうけの仕組み
・出版業界に登場する人物
・出版業界の今後の流れ
上記の点に視点をおいて、この業界を丸裸にしてみましょうか。企業をみる時には必ずその業界全体を見てくださいね。業界の流れの中で、その企業がどれだけ差別化しているかが注目ポイントになる訳です。つまり、木を見て森を見る。ということですな。
数字で見る出版業界
2013年の出版販売金額は1兆6823億円で前年の数字よりも3.3%減少した数字となりました。この結果は9年連続で前年を下回るという結果になりました。雑誌に関しては前年比4.4%減の8971億円となり16年連続で減少する結果となりました。スマホの普及による若者の雑誌離れが進んだ事や、団塊世代の引退などが要因となっています。また、コンビニエンスストアでの販売も低迷しており、さらに雲行きが怪しくなっています。書籍に関しては、7851億円と前年よりも2.0%減という結果になりました。この結果は7年連続での減少になります。ミリオンセラーとなる書籍があってもそれ以外は売れないという二極化構造がこれまでよりもさらに強まっています。
確認ポイント!!!
・出版販売金額は9年連続で下回ってる
・スマホの普及などにより雑誌離れが進んでいる
・書籍は売れる売れないが二極化していきている
3つの数字
出版業界を語るにはこの3つの数字を覚えないと始まらない!毎年変動する数字を知っておくことで、売り上げ規模と同じように、出版業界の変化を客観的にとらえることが出来るのです。それは「全国の書店数」「全国の出版社数」「出版業界の返品率」の3つです。
書店数と出版社数は年々減少しています。出版業界の売り上げ規模が減少していることからも容易に想像できますが、書店が潰れることで出版社も潰れるというスパイラルが起きているのです。
返品率の上昇についても出版業界では現在、大きな課題となっています。例えば返品率約40%というと、つまり100冊仕入れても、そのうち40冊は返品されてしまうということです。そうすると、どうなるのか。無駄な印刷代が発生する。無駄な梱包コスト、輸送コストがかかる。等が考えられます。そうすると、それを見越した価格設定などを行われ亡ければならず、結果として通常の書籍であっても、コストがかかってしまうなどの懸念が起きるのです。
そんな返品率は、書籍が37.3%、高いと思われがちですが、この数値、0.5%改善されているんです。一方で雑誌は1.2ポイント悪化し38.8%になりました。この結果初めて雑誌と書籍の返品率の数値が逆転した事になります。販売不振に拍車がかかっている状況です。単純に考えて4割近くの商品が根本的に返品されてしまうという構造自体に疑問が抱かれています。雑誌の販売不振の影響により、雑誌の休刊がかなり歯止めがかからない状況になっています。ここ最近は124誌が休刊するような形になりました。
確認ポイント!!!
大事な数字は「全国の書店数」「全国の出版社数」「出版業界の返品率」
返品率の上昇は雑誌が目立つ
出版業界の根本的なモデルが今後の懸念点
今回は導入編でした。次回はさらに出版業界の奥深くまで追求していきましょう!
takahiro