もくじ
本記事では、人事の具体的な仕事内容や未経験でも挑戦しやすい領域、求められるスキル、そして転職を成功させるためのポイントを分かりやすく解説します。
この記事の監修者
岡本啓毅
株式会社UZUZ 代表取締役
1986年生まれ、北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職サポートを実施してきた。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる。”をミッションに、Twitterで「仕事をウズウズ楽しむ情報」を、YouTubeで「就職・転職で使える面接ノウハウ」を発信。SNSの累計フォロワー数は9万人を超える。
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人事の主な仕事内容
未経験で人事を目指す人は、具体的にどのような仕事をしているのかを知ることが第一歩です。
ここでは、人事の主な仕事内容を分野ごとに紹介します。
採用
採用は人事のなかでも特に目立つ仕事です。
新卒採用や中途採用において、求人の企画から応募者対応、面接調整、内定者フォローまでを担います。
企業にとって必要な人材を見極め、適切に採用できるかどうかは、今後の成長を左右する重要な役割です。
人事の中でも、未経験者が最初に担当することが多い分野です。
教育・研修
入社した社員が力を発揮できるようにサポートするのも人事の仕事です。
新入社員研修や階層別研修、スキルアップ研修などを企画・運営します。
単に研修を実施するだけでなく、社員の成長課題を把握し、教育施策を企画する役割も含まれます。
人の成長を支援することにやりがいを感じる人に向いている分野です。
労務管理
労務管理は「社員が安心して働ける環境を整える」ための仕事です。
勤怠管理、給与計算、社会保険の手続き、就業規則の整備など、法律やルールに基づいた対応が求められます。
正確性が求められるため専門的な知識が必要になりますが、会社全体の基盤を支える大切な業務です。
評価・人事制度の運用
評価や人事制度の運用は、社員が安心して働き、成長できる環境を整える重要な役割です。
具体的には、社員の業績や行動を公平に評価するための仕組みを運用したり、昇給・昇格の基準を適切に適用したりします。
評価結果をもとに研修や配置転換に活かすことで、社員のモチベーション向上や組織全体のパフォーマンス向上につながります。
公正さと透明性が求められるため、経験を積んでから担当することが多いですが、経営戦略と直結する重要な仕事です。
組織開発
組織開発とは、企業がより良く成長していくために、人と組織の関わり方を整えたり改善したりする取り組みを指します。
社員同士のコミュニケーションを活性化させたり、部署間の連携をスムーズにしたりすることが含まれます。
また経営方針や組織の課題に合わせた研修を行うなど、社員が働きやすく力を発揮できる環境を作ることも重要な役割です。
未経験でも、現場の声を丁寧に聞きながら改善に取り組む姿勢があれば、活躍のチャンスがあります。
以下の記事でも人事職の業務内容について、まとめていますので、参考に読んでください。
【仕事別】未経験から人事職への転職のしやすさ
やっぱり経験者の方が優遇されるよね。
ここでは、人事職における未経験転職の実態や採用されやすいケースについて解説します。
「採用」担当は未経験から入りやすい
人事の中でも「採用」担当は、比較的未経験者を受け入れやすいポジションです。
理由は、応募者対応や面接日程の調整、求人媒体の運用など、実務を通じて学べる部分が多いためです。
営業や販売職で培ったコミュニケーション力、事務職での調整力など、異業種での経験も十分に活かすことができます。
採用活動を強化したい企業は未経験歓迎求人が多い
人事未経験者を積極的に採用するのは、ベンチャーや中小企業、あるいは急成長中で採用ニーズの高い企業です。
こうした企業では、採用活動を強化するために人員を増やす必要があるため、ポテンシャル重視での採用も行われやすい傾向があります。
スピード感が求められる環境ですが、未経験でも幅広い経験を積めるチャンスがあります。
「労務管理」「評価・人事制度の運用」は経験者が優遇されやすい
給与計算や社会保険の手続き、就業規則の整備、評価・人事制度の設計といった分野は、法律知識や専門スキルが必要とされます。
そのため、完全未経験でいきなり労務管理や評価・人事制度の運用を任されるケースは少ないのが実情です。
未経験から挑戦する場合は、まず採用や研修の分野からスタートし、徐々に労務管理や評価・人事制度の運用に関わっていくキャリアステップが現実的です。
未経験から人事を目指す人に求められるスキル
未経験から挑戦する場合でも、これまでの仕事で培った力を活かせれば十分に評価される可能性があります。
ここでは、人事を目指す未経験者に特に求められるスキルを紹介します。
コミュニケーション力
人事は応募者や社員、経営層など多くの人と関わります。
候補者への対応や面接調整、社内での調整業務など、相手の立場を理解して円滑にやり取りできる力が不可欠です。
特に採用担当では、応募者に企業の魅力を伝える力も求められるため、相手に合わせて伝え方を工夫するスキルが重視されます。
調整力
採用活動では、求人媒体とのやり取り、面接官のスケジュール調整、候補者への連絡など複数のタスクが同時進行します。
そのため、期限を意識しながら優先順位をつけ、スムーズに進める調整力が求められます。
営業職や事務職で培った段取り力やスケジュール管理力は、人事の現場でも大きな強みになるでしょう。
分析力
採用人数や応募数、内定承諾率など、人事の仕事には数値を扱う場面も多くあります。
データを集めて分析し、改善策を立てる力があると高く評価されるでしょう。
Excelやスプレッドシートの基本操作ができれば十分活かせるので、未経験者はまず基本的なデータ管理スキルを身につけておくと安心です。
学習意欲
人事は法律改正や社会情勢の影響を受けやすく、常に新しい情報をキャッチアップする必要があります。
未経験から人事職への転職では「これから学び続ける姿勢」や「変化に対応できる柔軟性」が重要です。
面接でも「学びながら成長したい」という前向きな姿勢を示すことが評価につながります。
監修者コメント
自分の強みと挑戦意欲をアピールする
未経験だからと不安になる必要はありません。
採用担当者は、経験だけでなくポテンシャルや意欲も重視しています。
「人と関わるのが得意」「調整やサポートが好き」など、自分の強みを整理し、なぜ人事で活かしたいのか、どう活かすかを具体的に説明できることが重要です。
未経験でも学ぶ意欲や挑戦意欲を示すことは、評価につながります。
準備を整えることで、未経験からでも人事職への挑戦は十分可能といえます。
岡本啓毅
人事の仕事に向いている人の特徴
未経験から転職を考えている人は、自分の適性を理解しておくことが重要。
ここでは、人事に向いている人の特徴を具体的に解説します。
人の成長やサポートにやりがいを感じられる人
人事は採用や教育を通じて、社員一人ひとりの成長に関わる仕事です。
社員の成長は、会社の業績アップや生産性の向上などにもつながり、その企業の未来にも貢献できる仕事といえます。
「人の成長を見届けたい」「人の役に立つことが嬉しい」と感じられる人は、人事の仕事にやりがいを見つけやすいでしょう。
単なる事務作業ではなく、相手のキャリアや人生に関わる責任感も求められます。
人とのコミュニケーションが得意な人
人事は「人と人をつなぐ調整役」としての役割が大きいため、コミュニケーション力が欠かせません。
そのため相手の話を聞き取り、分かりやすく伝える力が重要です。
採用担当や現場部門とスケジュールや条件を調整する機会も多く発生します。
営業や接客の経験で培った対話力や人との関係構築力は、そのまま人事の仕事に直結する強みとして活かせます。
コツコツと正確に業務を進められる人
労務管理や書類対応など、人事には細かい事務作業も多く含まれます。
給与計算や社会保険手続きなどは小さなミスが大きなトラブルにつながるため、地道に正確さを重視できる人が向いています。
「地味な作業でも丁寧に取り組めるかどうか」が適性の1つです。
公平な視点を持てる人
人事は評価や人事制度の運用にも関わるため、誰に対しても公平で中立的な姿勢を持つことが重要です。
個人的な好みや感情に左右されず、客観的な判断ができる人は人事に向いています。
「好みや感情に左右されない」といっても、社員全員を好きになるということではなく、自分の個人的な感情を入れず、適切な基準で判断・評価するということです。
公平性を意識することで、社員から信頼される人事担当者になれるでしょう。
未経験から人事転職を成功させるポイント
未経験から人事を目指す方が意識すべき成功の秘訣を解説します。
自分のスキルを人事業務に関連づける
人事経験がなくても、営業や事務、販売などの業務で培ったスキルを人事に活かすことは可能です。
例えば、以下のようなスキルとしてアピールできます。
- 営業経験：採用候補者に魅力を伝える力
- 販売経験：多様な人とのコミュニケーション力
- 事務経験：正確な事務処理能力
人事の仕事にどう結び付くのかを意識して、これまでのキャリアを棚卸ししましょう。
基礎知識を事前に習得しておく
人事は法律や労務管理に関わるため、最低限の知識を身につけておくと面接での評価につながります。
「労働基準法」「社会保険制度」「採用フロー」など、基本的な用語や流れを理解しておくと評価につながります。
未経験者が知識不足のまま応募すると「入社後のキャッチアップが遅いのでは」と懸念される可能性があるため、学習姿勢を示すことが大切です。
志望動機を明確に伝える
「なぜ人事を志すのか」という動機が曖昧だと、未経験者に対して採用担当者は不安を感じます。
「人を活かす仕事に携わりたい」「採用を通して企業の成長を支えたい」など、自分の経験と結びつけた動機を言語化しましょう。
熱意と目的意識が伝わることで、未経験でも挑戦する姿勢を評価してもらえます。
未経験可求人を的確に狙う
人事職の募集には“未経験可”としていても、実際には「即戦力を求める求人」と「未経験から育てたい求人」があります。
後者を見極めて応募することが、転職成功への近道です。
特にスタートアップ企業や中小企業では、ポテンシャル採用や幅広い業務を任せるケースが多いため、未経験者にもチャンスがあります。
求人票の応募条件や必須スキルをよく確認し、自分に合った企業を選びましょう。
監修者コメント
キャリア形成視点を持つ
未経験から人事を目指す場合、目先の業務だけでなく長期的なキャリアも意識しましょう。
人事の仕事は採用や研修、労務管理など幅広く経験できるため、将来的には組織戦略や人材育成に関わるチャンスもあります。
入社時から「この業務を通じてどの分野に強みを持たせたいか」を考えて取り組むことで、短期的な経験が将来のキャリアに直結します。
未経験だからと焦らず、コツコツと経験を積むことが、長く活躍する人事キャリアを築くポイントです。
以下の記事では20代の女性が転職する際、おすすめの職種として事務職が紹介され、その中に人事職も含まれています。参考に読んでください。
岡本啓毅
未経験者が人事転職する際の注意点
未経験から人事を目指す人が知っておくべき注意点と、その防ぎ方について解説します。
人事の仕事内容を十分に理解しておく
「人と関わる仕事がしたい」という理由だけで人事を志望すると、入社後に業務の現実とのギャップに直面しやすくなります。
人事には採用の担当以外にも、労務管理、評価・人事制度運用、研修企画など幅広い業務があります。
事前に仕事内容を調べ、自分がどの分野に興味を持ち、どのように貢献できるのかを明確にしておきましょう。
企業文化や社風との相性を軽視しない
人事職は会社の「人」を扱う立場であるため、自分自身がその会社の社風や価値観にフィットしているかどうかは特に重要です。
仕事内容や待遇だけで入社を決めてしまうと「思っていた雰囲気と違う」「自分と企業の方針が合わない」という理由で、早期にモチベーションを失ってしまうリスクがあります。
成果主義でスピード感を重視する社風なのか、チームワークを大切にし堅実に進める文化なのかによって、毎日の働き方は大きく変わります。
人事として働く際には、その社風に共感できるか、長期的にやりがいを持って取り組めるかを見極めることが欠かせません。
まとめ
未経験から人事職を目指す場合、最初は不安や疑問を感じることも多いかもしれません。
しかし、人事の仕事内容や求められるスキルを理解し、自分の経験や強みをどのように活かせるかを整理することで、十分に挑戦可能です。
採用担当や研修運営など、未経験から入りやすい領域もあり、基礎知識を学びつつ、コミュニケーション力や調整力をアピールすることで転職成功の可能性は高まります。
また、企業の社風や自分の適性を意識し、ポテンシャルを評価してくれる求人に応募することも大切です。
この記事で紹介したポイントを参考に準備を進めれば、未経験からでも人事としてキャリアをスタートさせ、将来的に幅広い人事業務に挑戦する道が開けます。
未経験から人事を目指す際は、未経験者の転職支援に強みを持つ UZUZの活用がおすすめです。
未経験からの人事転職では「自分の強みをどうアピールすれば良いか」「どの領域から挑戦すべきか」といった悩みがあります。
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