もくじ
もしかして、電気に関係する仕事をすれば、将来仕事を失う心配がない?
今回は、働きながら資格取得ができて、将来性もある電気設計という仕事について紹介していきます。
私たちの生活に必要不可欠な家電製品や電子機器。
これらを設計・製造する際になくてはならないのが、電気設計という仕事です。
今回は「電気設計」の仕事内容や便利な資格などについて詳しく解説していきます。
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電気設計とは
電気設計とは、簡単にいえば電気回路や配電盤などの設計を行ったり、開発したりする仕事です。
また、すでに動いている電気回路や配電盤に不具合がないか調査・検証したり、問題があればその解決も行います。
日々、私たちが使っている家電製品や電気機器は、必ず内部に電子回路が組み込まれており、電気的な設計がなされています。
実はこれは、小さな電子機器であろうと巨大な施設であろうと同じ。
私たちは家の中で電源をコンセントに挿せば電気を使えますが、それは家という建物に電気設計が行われており、電気網が張り巡らされているからです。
このように、電気設計は電気を使う場所であれば必ず行われている設計業務でもあります。
しかし電気は便利ですが、ひとたび事故が起これば大惨事を招きかねない危険なもの。
そのため、電気設計という専門家が必要なのです。
さらにIoTが導入され生活のあらゆる場面の電化が進んでいることで、ますます電気設計の仕事は重要性を増していると考えられています。
様々な電気設計の仕事がありますが、下記で紹介する3つに分けて確認していきましょう。
- 建築系の電気設計
- メーカー設備系の電気設計
- 家電などの電気設計
建築系の電気設計
建築物やビルなどの配電に関連した電気設計を行うのが、建築系の電気設計です。
主に建物内の電力インフラに関わる設計業務を行います。
照明や空調など、備え付けの設備にも電気を使いますし、電源を取るためのコンセントなどの設置も必要となります。
それらの電気設備の設置を、安全かつ必要十分に、そして建物内での快適さを満たせるように行わなければなりません。
建物レベルになると、家電製品よりもはるかに多くの電力を消費します。
そのため、家電製品などのコンパクトな電気回路や配電盤とは、また違った知見が必要となります。
つまり建築系の電気設計は、それらが問題ないように配電を設計する仕事です。
メーカー設備系の電気設計
製造メーカーの工場など、大量に電気を使用する設備でも電気設計は活躍する仕事です。
より大規模な環境で、機械や装置の電子回路設計や開発、配電盤・制御盤の設計、電力インフラの点検・整備など、ものづくりに欠かせない重要な役割を担います。
また昨今では、工場でのオートメーション化が進んでいることから、より電気設計の専門知識や経験が活きる場面が多々生まれています。
家電などの電気設計
家電製品など、電気機器内部の細かい配線や電気回路の設計と不具合が発生しないかの検証なども電気設計が担っています。
例えばスマートフォンやキッチン家電、掃除機や洗濯機、あるいは自動車など、様々な物の開発・設計の場面で活躍しています。
さらには生活で身近な製品だけでなく工業設備や医療機器にも電気設計の手が必要です。
電気設計の中でも製品に関わる仕事は、一般消費者に近い立ち位置にいるため、自分が行った仕事の成果を身近に感じられるでしょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
私たちの生活になくてはならない仕事
あらゆる物がインターネットを通じてつながり合う『IoT』が進んだ現代。
スマートフォンやスマートスピーカーなどの電化製品はもちろん、お湯を湧かすのも、家のエアコンをつけるのも、鍵を開けることすらも、電子制御で行うことができます。
今後ますますIoTや電気機器が発展するうえで、電気設計はさらに発展し、求められる業務になると考えられています。
多くの仕事がAIに代替されるといわれていますが、機械そのものを設計する仕事は残っていくでしょう。
電気設計の仕事内容を解説
- 使う電気と使用する機器の仕様がどういったものか確認する
- 仕様に従って、条件を満たせるように配線図を設計する
- 配線図に則って、配電盤や制御盤を設計する
- 実際に配線した際に不具合がないかを検証し、問題があれば解決する
- 条件を満たせる既存の機器がない場合、新しい機器を開発する
建築系、メーカー系などによって詳細は異なりますが、使用機器や電線の種類なども細部にわたり決めていく仕事です。
そんなときには、自分たちで新しい配電部品を開発することもあるんです。
電気設計は、製造業なら様々な場面で関わってきます。
製造業において、電気設計は上流から下流まで、いろいろな場面で必要とされると覚えておきましょう!
電気設計の仕事の年収とは
【職業分類:電気・電子・電気通信製造技術者(通信ネットワーク・電気工事技術者を除く)平均年収】 (単位:万円)
年齢 | 職業分類:電気・電子・電気通信製造技術者 (通信ネットワーク・電気工事技術者を除く) |
---|---|
20~24歳 | 349.70 |
25~29歳 | 459.81 |
30~34歳 | 551.32 |
35~39歳 | 653.57 |
40~44歳 | 740.50 |
45~49歳 | 734.37 |
50~54歳 | 830.84 |
55~59歳 | 795.04 |
60~64歳 | 541.20 |
この資料は電気設計技術者だけを抽出したものではありませんが、全体的に年収は高い傾向にあることが見て取れるでしょう。
もちろん建築系・メーカー設備系・家電系、いずれの分野に携わるか、就職先の企業規模によっても開きはあると思います。
しかし専門技術を要する仕事である以上、高い年収が狙えることは間違いなさそうです。
参考:厚生労働省「職業情報提供サイトJobtag:電気技術者」
電気設計で活かせる知識やスキル
電気設計を仕事にするために必要な知識は大きく分けて5つ。
- 電気回路図に関する知識
- 電気や電子工学に関する専門知識
- CADの操作スキル
- 理解力・応用力・提案力
- コミュニケーションスキル
上記5つについて、説明していきます。
電気回路図に関する知識
電気設計を仕事にするうえでまず必須なのが、電気回路図に関する知識です。
配電や配線図の設計が主な業務である、とは前述のとおり。
それを行うためには、電気回路図の知識が不可欠です。
電気回路図とは、紙面や画面上に電気回路の経路を示したもの。
スイッチ、ワイヤーの接続、電源の接続などが、線や記号を用いて描かれています。
ちなみに回路図の書き方は、日本産業企画であるJIS規格や国際規格のIEC規格で決められているので、ルールに則って記述しなければなりません。
なので電気回路図の知識があることは、電気設計を仕事にする際のスタート地点といっても良いでしょう。
電気や電子工学に関する専門知識
電気設計として活躍するためには、電気や電子工学に関する専門的な知識が必要です。
具体的には、電気・電子工学や制御、信号処理などの電気回路に関する深い専門知識が挙げられるでしょう。
これらは電気や抵抗の性質といった、基礎学問の分野にも関わっています。
発展的な応用知識を扱う工学系の学科では、こういった基礎分野はあまり重点的に学ばないため、苦手としている人も多いのです。
応用面と基礎面の両面で深い専門知識を持っていれば、重宝される人材になるでしょう。
CADの操作スキル
実際に設計を行う際には、製図作業が必要になります。
そのため製図作業に使用するCADの操作技術は、必須のスキルとなるでしょう。
CADとは、コンピューターを活用した設計支援ツールのことで、これまで紙面に手書きで起こしていた設計図をコンピューター上で効率よく作成できるものです。
平面上に設計図を起こす2DCAD、立体的な図面を作成する3DCADの2種類があり、いずれの操作スキルも身につける必要があります。
理解力・応用力・提案力
電機関連の専門知識はもちろん必要ですが、それだけでは優秀な設計者として活躍することはできません。
優れた設計を行うには、その案件に求められるポイントを判断する理解力や、技術や知識を組み合わせて、より良い設計に活かす応用力も必要です。
また電気設計の視点から、製品の完成度を上げるためのアイデアを提示できる提案力もあるとなお良いでしょう。
コミュニケーションスキル
どんな仕事にも言えることですが、設計者が単独でプロジェクトを進めることはありません。
クライアントをはじめ、様々な分野の関係者と調整や連携を図りながら進めることが必要なため、円滑なコミュニケーションは必須です。
案件によっては電気関連の知識が全くない人に、設計の意図を説明しなくてはならない場面もあるでしょう。
相手の要望や意図を汲み取る力と合わせ、専門知識を分かりやすく説明するスキルも必要になっていきます。
電気設計の仕事に向いている人の特徴
どの分野の仕事でも言えることですが、向上心のある人は成長スピードが早く、長期的に活躍できる人材になれます。
電気関連の分野は技術の進歩も早く、最新の技術に対応しなくてはなりません。
常に学ぶ姿勢を忘れない人は、優秀な設計者として成長できるでしょう。
情報収集に貪欲な人
専門分野はもちろん、関連する分野の最新情報に貪欲であることは、優秀な電気設計技術者に求められる資質です。
常に最新の情報にアンテナを立てている人は、業界の動向をすぐに自分の仕事に取り入れることができます。
また自身の専門分野以外にも興味を持てる人は、視野も広がり話題も豊富です。
クライアントや関係者との意思疎通に役立つため、良い仕事ができるようになるでしょう。
知識を常にアップデートできる人
電気関連の分野は技術革新のスピードが早いため、常に最新の知識をインプットし設計に活かす必要があります。
アップデートを怠ると、古い技術でいつまでも対応しようとする「時代遅れの設計者」になってしまい、やがて淘汰されていきます。
向上心を忘れずに、常に新しい知識を求めて学びを深めることが苦にならない人は、優秀な電気設計者として成長し続けるでしょう。
視野が広く判断力がある人
設計に携わる設備や製品は、ユーザーにとって使いやすく有益なものでなくてはなりません。
プロジェクトにおいては、関係する担当者がそれぞれの分野で、意見を主張してくるでしょう。
こうした場面で自身の専門分野に固執して、ユーザーの視点を欠いた発言に終始することは避けなくてはいけません。
相手の主張に耳を傾け理解を示すには、幅広く物事が見れる視野の広さが必要です。
しかし製品や設備の電気回りの設計は、安全確保のために譲歩できない面もあるでしょう。
こうした判断を正しく下せることも重要な資質です。
電気設計の仕事に就職・転職する方法
ここからは、電気設計の仕事に就職・転職する方法を解説していきます。
ただ設計職として入社したつもりが、違う部署に配属になったという例もあるようです。
詳しくは、以下の動画で解説しています!
1.大学・高専・専門学校の電気電子学科に通う
大学・高専・専門学校などで、電気電子学科に通って専門分野を学ぶのが最も確実な方法です。
特に、回路図の読み解き方を教員に質問しながら、じっくりと学ぶ機会があるのは大きなメリットです。
仮に、一度別の職種に就いていたとしても、出身学科が電気電子学科であれば、未経験だったとしても電気設計に就ける可能性は高まります。
一方で文系出身の場合は、未経験からいきなり電子設計に就職・転職するのはかなり難しいため覚悟しておきましょう。
2.役立つ資格を取得する
しっかり勉強して電子回路の知識を身につけるのも手段の一つです。
資格を取得しておけば、選考で有利に働く可能性もあり、実務でも活かせるためおすすめできます。
電気設計の仕事自体は、基本的に資格を持っていなくても業務を行うことができますが、扱う設計の規模によっては、資格が必要となる場合もあるので覚えておきましょう。
電気系の専門分野に就職したい人は、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ、合わせてお読みください。
電気設計に役立つ資格
電気設計に役立つ資格について、代表的な下記4つについて解説していきます。
- 電気工事士
- 電気主任技術者
- 電気通信主任技術者
- 電気工事施工管理技士
電気工事士
電気工事士は国家資格であり、建築系の電気設計を行う場合に必要な資格です。
第一種と第二種があり、それぞれ扱える範囲が異なります。
第二種電気工事士は主に一般的な戸建ての住宅や規模が比較的小さい建築物の電気工事を担当できるようになります。
第一種電気工事士は、第二種の範囲すべてに加えて、大型の施設などでも工事ができるようになる、より上位の資格です。
未経験者も含め、電気設計の仕事をしたいなら、まずは第二種電気工事士の資格取得を目指してみるといいでしょう。
参考:一般財団法人電気技術者試験センター「電気工事士って何だろう?」
電気主任技術者
電気主任技術者は、発電所や変電所など電気設備の保安監督を担当することができるようになる資格です。
電気主任技術者には第一種から第三種まであり、それぞれ扱える電圧の範囲が異なります。
第三種が最も低い電圧で、第一種はすべての電圧の施設を扱えるようになります。
電気施設には必ず電気設備の保安監督の設置が義務付けられているため、非常に重用される資格です。
参考:一般財団法人電気技術者試験センター「電気主任技術者って何だろう?」
電気通信主任技術者
電気通信主任技術者は、電気通信ネットワークに関する工事や維持・運用ができるようになる国家資格です。
電気設計では主に電気回路や配線について扱いますが、電気通信主任技術者はインターネット接続や電話線などの通信ネットワークを扱います。
“電気通信事業者は、その事業用電気通信設備を、総務省令で定める技術基準に適合するよう、自主的に維持するために、電気通信主任技術者を選任し、電気通信設備の工事、維持及び運用の監督にあたらなければなりません。”
引用:電気通信国家試験センター「電気通信主任技術者について」
上記に引用したように、電気通信事業者は、電気通信主任技術者を工事・維持・運用の監督に選任する必要があります。
特定業務の専門家として、業務の幅を広げられる資格です。
参考:電気通信国家試験センター「電気通信主任技術者について」
電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は国家資格の一つで、電気設計の中でも特に建築関係の業界で需要がある資格です。
建物の電気工事を行う際の電気設計に関する技能と知識を問う資格試験であり、特に、建築系の電気設計の業務で活躍します。
ただし、資格取得には実務経験だけでなく電気工学や法的な知識も必要となるため取得難易度は高いでしょう。
その分、1級を取得できるとビルなどの大規模な建築物や商業施設の電気工事を扱えるようになるため、自身のキャリアを広げられる資格です。
参考:株式会社日本建設情報センター「電気工事施工管理技士」
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
電気設計は資格を得ながらキャリアアップできる仕事
資格があったほうが有利ですが、ここで紹介したすべての資格を取得してから就職・転職活動を行うのは現実的ではありません。
特に理系の電気電子学科出身であれば未経験からもチャレンジ可能なので、実務経験を積みながら資格を取得し、キャリアアップしていくと良いでしょう。
電気電子学科出身以外の方で電子設計を目指すのであれば、まずは電子設計の中でも「どの分野」に携わりたいのかを明確にして、挑戦したい分野に有効な資格取得を目指してみると良いかもしれません。
製品の電気設計か、建築か、工場など電気設備かなど、この機会に考えてみましょう!
まとめ
電気設計は、主に、下記3種類に分けられます。
- 建築系の電気設計
- メーカー設備系の電気設計
- 家電などの電気設計
さらに関わる製品や施設は異なるものの、それぞれ重要な業務であり、需要がある仕事です。
- 電気設計を仕事にしたい
- 効果的な資格取得方法が知りたい
- 自分が電気設計の仕事に向いているか確認したい
- 電気設計を目指す際の選考対策がしたい
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