もくじ
面接で比較的よく聞かれる質問として「挫折経験」があります。
挫折経験を聞かれたら、どのように答えればいいのでしょうか。
この記事では、就職支援を行っている株式会社UZUZの代表、岡本啓毅氏による解説動画を元にどんな挫折経験を答えればいいのか考え方を解説していきます。
答え方の例や自分なりの答えを見つけるための参考にしてみてください。
▼この記事の元になった動画はこちら
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そもそも挫折経験とはどんなものか?
そもそも挫折経験とはどんなものなのでしょうか。
ミスや失敗、間違いなどとはどのような違いがあるのでしょうか。
面接における挫折経験の答え方の解説の前に、まずは「挫折経験とは何か」を知っておきましょう。
「挫折」には精神的な諦めと悔しさを伴う
「挫折」は、精神的にどうしようもないと諦めるいわゆる「心が折れた状態」になったり、大きな悔しさや喪失感を伴うことが特徴的です。
中長期的な努力が実らなかったり、それまでの研鑽の成果を発揮すべき場面で失敗してしまうなど、無力感や脱力感を覚えるようなことが「挫折」です。
どうしようもない事故や外的要因で諦めざるを得ない場合もやり場のない悔しさを感じるものであり、一種の挫折といえます
- 資格試験に合格するために長期的な計画を立てて努力したが、届かなかった。
- 高校で部活のレギュラーになれず、大学ではそのスポーツを続けることを諦めた。
- 目指した大学に入学できなかった。浪人は避けたかったため滑り止めに行くことにしたが、どうしようもない無力感があった。
- 新型コロナウイルスの流行で、目標にしていた大会そのものが中止となってしまった。
上記のような「精一杯がんばったが、結果的にダメだったこと」が挫折経験といえるでしょう。
「ミス」や「失敗」よりも後を引くことが多い
挫折と似た言葉に「ミス」や「失敗」があります。
ミスや失敗は、恥ずかしさや悔しさを感じますが、いずれ忘れることができる程度のものです。
失敗の原因を改善すれば、次回にはミスや失敗を挽回することもできるでしょう。
しかし、前述のような「中長期的な計画の失敗」は挽回することが難しく、その後悔は長く持ち続けることになります。
挫折経験は心に深く刻まれ、後悔し、人格を形成する要素の一つにもなりえるものなのです。
面接官が挫折経験を聞く意味
面接の場で、なぜ挫折経験を聞かれるのでしょうか。
うまく答えられない人は、もしかすると「自分が一番挫折した経験とは何か」を人生の全ての失敗の中から思い出そうとしてしまい、なかなか答えられないのかもしれませんね。
自分視点ではなく、面接官の視点で「なぜ聞かれるのか」を考えることで、どのような挫折経験を答えればいいか分かるようになります。
ここで、挫折経験を聞かれる理由を確認しておきましょう。
今までどのようなことに力を入れてきたか知りたい
簡単なミスや失敗には挫折を感じず、それまで力を入れて取り組んできたことが失敗してしまったときなどに挫折を感じるものです。
挫折を感じるということは、つまりそれだけ本気で取り組んできた何かがあるということを意味します。
面接官は、挫折経験を聞くことで「今まで何に力を入れてきたのか」を知りたいと思っているのです。
何に挫折を感じる人か知りたい
長期的な計画に失敗したからといって、必ず挫折を感じるとは限りません。
自分が主体的に動き、考えて行動したにも関わらず成果を残せなかったときに挫折を感じます。
面接官は、挫折経験を聞くことで、どのようなことに挫折を感じる人柄なのかを知ろうとしています。
人となりを知り、その気質が社風に合っているかを判断する材料にしようとしています。
どのような方法や考え方で挫折を乗り越えるか知りたい
挫折した後も人生は続いていきますし、その挫折と向き合わなければならないものです。
挫折経験を聞くことで、挫折の後にどのような方法や考え方で乗り越える人なのかを知ろうとしています。
仕事をしていると様々な問題にぶつかりますし、それは決して悪いことではありません。
このときに重要なのは、壁にぶつかったときに折れてしまうことなく、乗り越えることです。
仕事で困難な課題や難しい問題にぶつかったとき、どんな努力や工夫をするのか、対処するための考え方を聞くことで、挫折を乗り越えられる人なのかを知ろうとしています。
長期的に活躍してくれる人材を見極めたい
企業側は、できるだけ長く在籍して活躍してくれる人材を採用したいと思っています。
挫折経験をした人は、本人にとっては満足いく結果ではなかったとはいえ、少なくとも何かに打ち込み、中長期的な努力を積んでいたということです。
面接官は、挫折経験を聞くことで中長期的に努力しつづけたり、継続して打ち込んだものがあるかを知ろうとしています。
これによって、長期的に社内で活躍してくれる素質がありそうかを確認したいのです。
面接で挫折経験をうまく伝えるポイント
ここまでは、挫折経験とはどんなもので、そしてなぜ面接官が挫折経験を聞くことが多いかの理由を見てきました。
それらを理解できたところで、ここからは面接で挫折経験をうまく伝えるポイントについて確認していきましょう。
努力や工夫して乗り越えた経験を思い出す
面接官は、壁にぶつかったときにどうやって乗り越えるのかを知りたいと考えています。
すなわち、努力や工夫をして乗り越えたことがあるか、それはどのようなことかを聞きたいのです。
困難にぶつかって失敗もしたが、様々な工夫や試行錯誤をして結果的に成功したという経験を伝えてみるようにしましょう。
その際の努力や工夫、試行錯誤したときにどのように予想しながら取り組んだのかを話すことで、面接官が知りたい内容が十分に伝わります。
現在取り組んでいる課題を答える
「明確な成功体験がまだない」という方もいるかもしれません。
その場合は、今取り組んでおり乗り越えている途中の課題について話すのも選択の1つです。
むしろ、すでに乗り越え終わったことよりも今取り組んでいることのほうが話しやすいのではないでしょうか。
どうしても思いつかない方は、今まさに取り組んでいる「就職活動」や「転職活動」について話してみても良いでしょう。
監修者コメント
失敗談ではなく最高の成功体験を話すというテクニックもあり
挫折経験と聞くと失敗したことを聞いているように感じるかもしれませんが、実際は乗り越え方を知りたいケースが多いことはお伝えしてきたとおりです。
何かに成功したときでも、少しも壁にぶつからず、すんなり成功した経験しかない人はそれほどいないのではないでしょうか。
自分の中で強く記憶に残っている成功体験は、試行錯誤の末になんとか成功したことが多いと思います。
- 仲間たちと衝突しながらも、腹を割って話し合って成功させたイベント
- 練習してもずっとベンチだったが、プレー以外の精神的な支えなどになることでチームの勝利に貢献したこと
こういった「がんばって成功した体験=最高の成功体験」を「挫折を乗り越えた体験=挫折体験」であると捉えて話すというテクニックもあります。
面接で挫折経験を伝える際にやってはいけないこと
ここまでは、挫折経験をうまく伝える際のポイントについて見てきました。
では反対に、挫折経験を伝える際にやってはいけないのはどんなことなのでしょうか。
うまく伝えるポイントと合わせてやってはいけないことも確認しておけば、より効果的に挫折経験を伝えられるようになりますよ。
努力や工夫がなく運任せでうまくいった経験を話してしまう
努力や工夫がなく、運だけでうまくいった経験を話してしまうのはよくある失敗です。
しかし、面接官は、挫折したことや成功したことの有無を聞きたいわけではなく、採用した後に仕事で壁にぶつかっても努力や工夫で乗り越えられるかを知りたいのです。
運任せでうまくいったことには再現性がなく、本当に活躍できる人材なのか分からないため、採用の決め手になりません。
解決できていないつらい体験を話してしまう
自分の力ではどうしようもなく、乗り越えることができないことを話してしまうのも失敗しやすいケースです。
これだとただの失敗談や、壁にぶつかっただけの話になってしまい、面接官が知りたい「挫折の乗り越え方」まで到達できません。
このような、ただつらかった体験や乗り越えることができなかった体験は、あえて挫折経験を話すときにチョイスしないようにしましょう。
壁にぶつかったことがないと考えてしまう
「今までどうにか困難なことを乗り越えてきたので、壁にぶつかったことがない」という考え方も、うまく挫折経験を答えられない方に多いです。
人生で生きてきて、1度も壁にぶつからなかったということはないはずです。
にもかかわらず「挫折経験がない」と答えてしまうと、面接官に以下のように思われてしまいます。
- 問題を認識する能力に乏しい人である。
- 解決すべき問題を避けて楽な道ばかり選んできた人である。
壁にぶつかったことがないと感じている人も、実は試行錯誤の末に問題を解決しているはずですが、それが伝わらないのは非常にもったいないことです。
面接で伝わりやすい挫折経験を作るための4STEP
ここからは、面接で伝わりやすい挫折経験を作るための考え方を解説していきます。
面接で実際に話す順番と、逆の順で考えると作りやすいことを覚えておきましょう。
面接で話すときによくいわれるのが「まずは結論、次に詳細」ですよね。
挫折経験は、以下の4つのSTEPに分けて作ると伝わりやすい内容にできます。
- 結果or乗り越えるための決意
- 挫折を乗り越えるための工夫
- 詳細+決意
- 挫折のタイトル
1.結果or乗り越えるための決意
まずは、努力や工夫をしてうまくいった経験を洗い出しましょう。
当初の目標の120%達成したなど数値で表せるものであったり、1位や準優勝など客観的にすごいと思われることを選ぶのがおすすめです。
もしまだ成果が出ていない取り組んでいる最中のものを選ぶのなら、その課題を乗り越えるための決意を伝えるようにしましょう。
「絶対に優勝します」「120%以上の達成を目標にがんばっています」といった言い方です。
2.挫折を乗り越えるための工夫
STEP2では、挫折を乗り越えるためにどんな工夫をしたのかを整理します。
- どんな効果を狙ってその工夫をしようと思ったのか
- 具体的にどんな工夫をしたのか
- 工夫を繰り返したり改善したりした経緯
上記を、時系列か課題を乗り越えてきた順番に沿って3つほど伝えられると良いでしょう。
一つの大きな挫折を乗り越えるためには、小さな課題や問題を少しずつ乗り越えていかなければならないはずです。
上記の順番で伝えれば、大きな挫折を解決するまでの道筋をどのように辿ったのかを話すことができ、聞いている側もスムーズに理解できます。
加えて、このように話すことで人に論理的に伝える能力があることも示せるため、選考対策としても効果的です。
3.詳細+決意
相手に挫折感が伝わるように、その挫折内容の詳細を伝えましょう。
挫折感が伝わらないと「あまり壁にぶつかった感じではないのではないか」と思われてしまいます。
「こんな挫折経験で辛かった、だけどそれを乗り越えようと決意しました」という形で伝えましょう。
諦めや後悔、悩んでいることが伝わるように、当時どんな想いでいたのか、素直に心情を伝えるのが効果的です。
4.挫折のタイトル
最後に、これまで思い出してきた挫折経験に対して、一言で伝えられるようなタイトルをつけます。
「私の挫折経験は〇〇です」と一言で伝えることで、面接官はこれからどんな話がされるのか最初に把握して、聞く姿勢を準備できます。
どんな内容が話されるのかを予測して理解しやすくなってもらうことが狙いのため、分かりやすいタイトルをつけるのが重要です。
面接で挫折経験が伝わりやすい話し方
挫折経験ができたら、それをつなげて話す練習をしてみましょう。
挫折経験を作るための4STEPを、話す順番の逆順で作ってきました。
そのため、先ほどの作った順番を、元に戻す形で話せば大丈夫です。
- 挫折のタイトル
- 詳細+決意
- 挫折を乗り越えるための工夫
- 結果or乗り越えるための決意
話すときのコツは、2.詳細+決意まで話したら少し止めて、面接官の様子を確認することです。
面接官が挫折経験を聞くことの理由として、どういうところに挫折を感じるかを知りたいだけの場合もあるためです。
せっかく作ったのにもったいないと感じるかもしれませんが、詳細だけで面接官が納得したなら、その先は話さなくてもいいでしょう。
その先の乗り越え方を聞かれたら、3番以降も答えるようにしてください。
監修者コメント
挫折経験上級編:完全には乗り越えられない挫折を伝える
少し高度なテクニックですが、完全には乗り越えられない挫折を伝えるという方法もあります。
人生の中には、完全には乗り越えられない挫折や常に向き合い続けなければならない課題があるものです。
それは決して悪いことではありません。
解決したい困難な社会課題や目指している人物像になることなど、簡単には解決できないことについて、どのように取り組んでいるかを合わせて話しましょう。
長期的な課題へ常に向き合っており、実際に行動に移していることを話せれば、「深く考えている人なんだな」ということが伝わります。
これまでお伝えしてきた挫折経験の作り方や伝え方が簡単だと感じ、もし余力があるなら盛り込んでもいいかもしれませんね。
まとめ
面接の挫折経験は、面接官がなぜそれを聞くのかという視点に立って考えることで対策できます。
解説した4STEPの順番で挫折経験の内容を整理して、その逆順で話すと挫折経験が伝わりやすいでしょう。
しかし、こういった面接の対策は一人だけの力ではなかなか進めにくいと感じる方もいるのではないでしょうか。
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