転職した直後は、新しい環境に身をおくことになります。
仕事に慣れることはもちろん、企業ならではの雰囲気や人間関係に慣れる必要もあり、気を張ってしまう時間も多いことでしょう。
すぐに職場に馴染むことができればよいですが、その後しばらく気を張ったり気遣ったりする日が続くと、疲れてしまって仕事がイヤになってしまうこともあるかもしれません。
そうなってしまう前に、転職後のしんどい時期を乗り切る方法を知って、実践していきましょう!
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転職後にしんどい時期がある理由
転職後に「しんどい……!」と感じる時期があるのは、事実です。
では、なぜしんどいと感じるのでしょうか。
ここで、転職後にしんどい時期がある理由について深掘りしておきましょう。
理由を知っておけば自分はどんなケースに当てはまっているか、または当てはまりそうかについて理解できるようになります。
人間関係の構築が大変
現代人の悩みの多くが、人間関係の悩みに由来しているともいわれています。
転職後の人間関係は基本的に1から構築しなければならず、なおかつすでにでき上がっている関係性の中へ入っていくのは容易ではありません。
まずは、人の名前と顔を一致させ、続いては役割・役職や性格・性質を覚え、そしてそれらすべてを加味したコミュニケーションを行う必要があるのです。
コミュニケーション能力が高い人であればすぐに慣れるかもしれませんが、そうでない場合は、仕事上の人間関係の再構築が大きなストレスになってしまいます。
仕事の進め方・やり方が前職と異なる
新しい職場では前職で自身が行っていた仕事の進め方ややり方と異なり、戸惑ってしまうこともあるでしょう。
それが原因で、なかなか仕事に慣れることができずしんどい思いをしてしまう場合があります。
同じ業界や職種であっても、仕事への向き合い方や進め方、業務のIT化レベル、また業務の評価基準も違うものです。
前職での経験が長いほど、仕事の進め方の違いに戸惑いやすく、新しいやり方に慣れにくくなってしまうでしょう。
それによってもどかしい思いを抱えてしまったり、うまく成果を上げることができない状況にあったりすると、さらにネガティブな気持ちは強くなってしまいます。
入社前の理想と現実にギャップがある
入社前に思っていた仕事内容、職場での扱い、待遇や給与ではなかった場合、理想と現実にギャップを感じてしんどいと思ってしまいます。
理想と現実とのギャップがあまりにも大きかったとき、または絶対に叶えたいと思っていた理想が叶えられないと分かったとき、特に大きなストレスを感じるでしょう。
ギャップの大きさによっては、再転職を考えてしまうこともあるほどです。
ライフスタイルの変化が思ったよりも辛い
「自分なら大丈夫だ!」と思っていたライフスタイルの変化が、実際にやってみると意外としんどいことが分かったというケースもあります。
例えば通勤時間が長くなった、残業時間が増えた、始業時間が早く早起きが必要になった、引っ越しを行い生活環境が大きく変わったといった変化によって引き起こされる場合が多いです。
これらは転職前に変化を想定したうえで臨んでいるにも関わらず、しんどい思いを感じてしまっている点がポイントです。
前職のときに電車の遅延などで通勤時間が大幅に伸びた経験をしていたとしましょう。
その際、長時間電車に乗っている状態でも平気だったため、転職によって大幅に通勤時間が伸びても大丈夫だろうと判断しました。
ところが長時間電車に乗って通勤することが毎日となると、満員電車に疲れてしまったり、電車に乗っている時間がもったいないと感じるようになったりと「意外と辛い!」ということが、しばらく通勤を続けることで判明する場合があります。
上記のように事前に想定していても実際にやってみないと分からないことは多々あるため、変化に慣れるまでは、しんどいと感じてしまうでしょう。
スキル不足に気づいてしまった
実際に働いてみて、自分の能力に不足があることが分かり仕事がしんどく感じることがあります。
特に、「転職対策」を過剰に行ってしまい、本来とはかけ離れた高評価をされて内定してしまった場合や責任の重い業務に就いた際に起こりがちです。
どちらの場合も、難易度の高い仕事を任されることになるため、精神的に負荷がかかったり、焦ってしまったりして、しんどいと心が根を上げてしまいます。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
転職後のしんどい時期はどのくらいの人が感じている?
求人情報・転職サイトのdodaが行った転職後1ヶ月~3ヶ月のストレスの有無に関する調査では、実に80.7%の人が「転職後にストレスがあった」と回答しています。
データからも分かる通り、転職後にストレスを抱えることは決しておかしいことではありません。
それにストレスを感じた80%以上の人たちが、すぐさま再転職しているわけでもありません。
ストレスを感じつつも、少しずつ折り合いをつけながら転職先に慣れていく方が多いのです。
転職後、しんどい時期に差し掛かって悩んでいるという方は、その悩みは多くの転職者が経験するものであることを知って、落ち込みすぎずストレスを乗り越える方法を探っていきましょう。
参考:求人情報・転職サイトdoda「転職“3ヶ月の壁”を乗り越えるには? 転職後に感じるストレスと効果的な解消・克服法」
転職後のしんどい時期に絶対にやってはいけないこと
仕事ができない人って思われないように、あまり同僚には質問しない方が良い……よね!?
転職後にしんどい時期があると、ついやってしまうことがいくつかあります。
ですが、その中には、絶対にNGなことがあるんです。
ここからは、転職後のしんどい時期に絶対にやってはいけないことについて見ていきましょう。
- 同僚を侮るような態度を取る
- 前職のやり方に固執してしまう
- 知ったかぶりをしてしまう
いずれも、ストレスが溜まってしまうとついやってしまいそうになることばかり。
ですが、これらをやってしまうと、信頼されて早く職場に慣れるどころか、逆効果となって余計に馴染みにくくなってしまうんです。
反面教師にするために確認して、真似しないようにしてくださいね。
同僚を侮るような態度を取る
基本的に、他人を尊重しない人は浮いてしまうものです。
相手が年下・年上であっても、インターン生やパートなど雇用形態が異なっていても、あなたと相手の間に優劣はありません。
そのため同僚を侮ったり尊重したりしないような言動・行動は慎むべきです。
いくら前職で輝かしい経歴を誇っていたとしても、です。
過去の成果や前職での経歴を笠に着て同僚を侮るような態度を取ってしまうと、その後のコミュニケーションや関係性にも悪影響が及ぶことを肝に銘じておきましょう。
前職のやり方に固執してしまう
専門的なスキルや前職での成果を見込まれて転職してきた場合、転職先のやり方が気に入らなかったり、非効率だと感じたりすることもあるでしょう。
そのような人は、前職のやり方に固執してしまいがちです。
ですが転職先で働く社員たちは、あなたが過去にどんな風に仕事を進めていたのかについて知りません。
そのため業務効率化という点において組織に必要な方法は進言するべきですが、なぜ転職先でその方法が採用されているのかという背景について理解しようとせず頭ごなしに否定するのは良くありません。
事情も知ろうとしない人に、突然これまでの方法を否定されてしまったら、社員たちも快く受け入れることができませんよね。
前職のやり方に固執してしまうと社員との関係性の悪化につながる可能性があるため気をつけましょう。
知ったかぶりをしてしまう
転職先では、転職先ならではの文化やルール、商品やサービスの特性や知識、システムの使い方などがあるため、どれだけ優秀な人であっても知らないことがあって当然です。
そうであるにもかかわらず、分からないことを聞かず、独自解釈で進めてしまうと失敗につながりやすくなります。
分からないことを聞かず、知ったかぶりして仕事を進めるのは絶対にNGです。
転職後のしんどい時期を早く終わらせる7つの方法
ここまでは、転職後のしんどい時期がある理由や、その時期にやってはいけないことを見てきました。
ここからは、転職後のしんどい時期に対処し、早く終わらせるための対策方法を7つご紹介します。
ぜひ取り入れてみてくださいね。
コミュニケーションを大切にする
分け隔てなく、丁寧なコミュニケーションを心掛けましょう。
へりくだる必要はありませんが、決して横柄な態度になることがないようにしてください。
- 話しかけられるのを待つのではなく、自分からコミュニケーションを取る
- 受け入れてもらって当然だ、という態度はとらない
- メンバー同士の距離感を尊重する
上記に気をつけて配属されたチームメンバーとコミュニケーションを取っていけば、次第にコミュニケーションの輪が広がり、良好な人間関係を構築できるでしょう。
その他、人間関係を良好に築くコツを知りたい方は以下の記事も参考にしてみてくださいね。
疑問が生じたら恥ずかしがらずに聞く
分からないことが生じたら、まずは自分で調べてみましょう。
少し調べても分からない場合は、恥ずかしがらずに社員に質問をしてみてください。
転職後は分からないことがあって当然ですし、そもそも分からないという状態は決して恥ずかしいことではありませんよ。
メンバーを尊重する
どのような立場の相手であっても、他のメンバーを決して侮らずに尊重しましょう。
横柄な態度や高圧的な態度を取る人とは、たとえ業務上必要なことであっても、その人がどれだけ優秀であっても一緒に働きたくありませんよね。
常に相手を尊重して接していれば、いずれ上位の立場になったり関係性が変わったときでも、お互いに気持ちよく仕事ができる関係性を維持できるでしょう。
転職先でのやり方に慣れる努力をする
会社によって仕事への価値観や向き合い方・考え方が変わってくることから、仕事のやり方に前職と大きな違いがある可能性は高いです。
その時に「前職はこうだったから」と自分勝手に業務を進めてしまうのは良くありません。
転職先のやり方に慣れるように努力しましょう。
とはいえもしかしたら転職先では、非効率的なやり方を行っていたり、成果につながりにくい方法で仕事を進めているケースもあるかもしれません。
その際には、転職先の組織の事情や実情を知ったうえで、改善策を提案するようにしましょう。
改善の提案は、まず仕事に慣れて、コミュニケーションが十分にできる関係性を築けてから行うと成功しやすいです。
しんどいことは相談する
部署の人間関係にどうしても馴染めないなど、あまりにもしんどいと感じる場合は、人事などに相談してみましょう。
その他、給与額や待遇が「転職時に聞いていたのと違う」という場合も、いきなり転職するのではなくまずは人事などに相談するのがおすすめです。
部署の異動や働き方を変えるなど、解決策を提示してくれる場合もあります。
少なくとも、しんどい状況にあることを伝えることで、何かしらのフォローに動いてくれる可能性が高まります。
社内に理解者や仲間を作る
しんどい時、同期入社の中途入社者、入社時期の近い同僚、メンターなど、自分の境遇を理解しやすい人に相談するのは効果的です。
社内に理解者や仲間がいて相談できる背景があるというのは、非常に心強いものです。
同期転職者や先輩社員が自分よりも会社に慣れている様子であれば、どうやって慣れていけばいいかを聞いて参考にすることもできるでしょう。
転職活動を始める
あまりにもしんどい時期が長かったり、辛さが耐えがたかったりするのであれば、もう一度転職活動をしてみるのも手段の一つです。
場合によっては、転職前の求人票に虚偽があったり、あまりにも想定とのギャップが大きすぎてどうしようもない状況にあったりする場合もあるでしょう。
また、社風として「ルールが厳しすぎる」ならば慣れることができますが、「コンプライアンス意識が低すぎる」のなら、その環境には慣れないほうが安全です。
このように、どうしても再度転職したほうがいいという場合もあるので、絶対に転職先で勤め上げなければならない、と気負う必要はありません。
もし転職活動をしていくうちにより良い会社に内定できれば転職すればいいですし、今の会社の良さが見えてきたのならば残ればいいだけです。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
しんどい時期を乗り切るためには「素直」が一番の近道
結局のところ、しんどい時期を乗り切るためには「素直」に馴染もうとするのが一番の近道です。
認めてもらおうとしたり自分の“デキる”印象を強くしようと思うとき、つい相手を否定してしまったり、高圧的な態度を取ってしまったりすることがあるかもしれません。
ですが仮に、自分より後から入社して来た人が「前職ではこうだった」と頑なにやり方を変えようとせず、教えてくれるOJTメンバーに強く当たっていたらどう感じるでしょうか。
また、そのような転職者がいるという噂を聞いたら、その転職者を気持ちよく受け入れてあげよう、とは思わないですよね。
もし自分が高圧的な態度をとろうとしていることに気づいたら、それは自分の中の余裕のなさがそうさせているのだと自戒して、直していけば大丈夫です。
まずは素直に指摘や指導を受け入れて、相手を尊重するように心掛けましょう。
これを意識するだけで、人間関係やコミュニケーションは劇的に改善できますよ。
まとめ
転職してしばらくは、しんどい時期があるのは当然です。
自分がしんどいと思っている理由を見つけ対策を取り、少しでも早くしんどい時期を抜けられるよう当記事で紹介した対策を行ってみてください。
ですが、あまりにも想定と違って耐えられそうもないときは、以下のような悩みを抱いてしまうかもしれません。
- 転職したばかりなのに、再度転職すべきか?
- 誰に何を、どのように相談すればいいのか?
- 今の転職先のルールは正常なのか?異常・違法ではないのか?
- そもそも自分が人間関係を構築しやすい社風なのか?
こうした疑問がある人は転職エージェントに相談してみましょう。
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