もくじ

理系出身者が就職するイメージが強いIT技術職ですが、文系の学生・卒業者向けに求人を出している企業もあります。
しかし、文系からIT技術職へ就職・転職をするならば、万全の準備をして臨むのがおすすめです。
この記事では、文系の方向けに、IT技術職へ就職・転職するためのポイントを解説します。
技術職の具体的な仕事内容や注意点、準備すべきことなどを紹介していくので、文系からの就職・転職に向けて一緒に学んでいきましょう!
この記事の監修者

岡本啓毅
YouTube「ひろさんチャンネル」運営 / 株式会社UZUZ 代表取締役
北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職をサポート。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる”をミッションに、YouTubeでは「就職・転職で使えるノウハウ」を発信中。X、TikTokなどSNS等の累計フォロワー数は13万人を超える。
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【結論】文系でもIT技術職への就職・転職は可能

文系でもIT技術職に就職することはできますが、理系出身者と比べた場合、多少のビハインドがあるのも事実なんです。
文系からの就職・転職を目指す際には、足りない知識や経験・スキルは、自主的に学習したり(資格取得など)、キャリアを積んでいったりする中で、カバーしていく必要があります。
理系以外(文系)でIT技術職に就職する人は全体の約60%

ヒューマンリソシア株式会社の独自調査によると、2023年のITエンジニアの就職者のうち理系以外の専攻分野だった人は、61.8%にものぼります。
人数にすると理系以外の人は2.38万人、理系出身者は1.47万人ですから、文系出身者にも広く門戸を開いていることが分かります。
画像引用:PRTIMES「~ITエンジニアへの就職動向レポート~」

画像引用:PRTIMES「~ITエンジニアへの就職動向レポート~」
グラフから分かるように、2013年は2.3万人に対し、2023年では4.8万人となっており、10年間で2倍以上になっています。
この増加分の大きな比率を占めるのが、理系以外(文系)の学生ということになるのでしょう。
IT技術職で文系を採用する企業が多い理由

ここでは、IT系の企業が文系出身者を多く採用する背景を見ていきます。
人材不足で積極採用している
少子高齢化によって、あらゆる業界で人材不足が深刻な問題になっています。
中でもIT関連の業界は、DXの進展やAI技術の普及もあり市場規模が拡大し、新たな技術・サービスが日々誕生しています。
こうした中、専門知識を持つ理系学生の採用にこだわっていては、事業運営が成り立たなくなってしまうため、理系以外の学生も積極的に採用する流れが生じているのです。
人柄や適性が重視される
企業によっては専門スキルを重視する場合もありますが、最近では専攻分野にこだわらず採用するところも増えています。
専門知識がなくても、IT技術職としての適性で判断したり、根気強く努力を続けられる性格かなど適性や人柄で採用を決めるケースが増えているようです。
専門分野に精通した人材の採用がままならない中、適性のある人材をまずは採用して、じっくり育成していこうという考え方にシフトしているのでしょう。
入社後の研修体制が整っている
IT系の企業では、未経験人材を積極的に採用するために、入社後の研修体制や教育の仕組みを整備している企業も多いです。
IT関連の専門知識は入社後に身につけてもらうことを前提に、教育体制を整備しているのです。
文系学生を多く採用する企業では、入社後一定期間プログラミングスキルを習得する研修を実施するところも少なくありません。
こうした企業では文系学生を即戦力とは捉えておらず、ポテンシャルに期待して中長期的な視点で育成していく方針を掲げているのでしょう。
文系からの就職・転職におすすめのIT技術職一覧


IT技術職といっても、様々な職種があります。
文系出身から技術職を目指す場合には、資格の有無ややる気・意欲を評価してもらいやすい職種を選ぶのがポイント。
どうしても理系出身者やIT経験者と比べて専門性が不足してしまうため、その辺りをカバーしながら臨める職種が、文系の人にはおすすめです。
以下に挙げる職種は、文系から就職・転職がしやすいうえ、IT関連の知識や資格を身につければ、より有利に進められる可能性がありますよ。
【文系からの就職・転職におすすめの職種と仕事内容一覧】
| 職種 | 仕事内容 |
|---|---|
| プログラマー | 詳細な設計(プログラミング)など |
| サーバーエンジニア | サーバーの設計・構築・保守運用など |
| ネットワークエンジニア | ネットワークの設計・構築・保守運用など |
| テストエンジニア | 開発・設計した製品やWebアプリのテスト・改善など |
それぞれの職種について、もう少し詳しく見ていきましょう!
プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書をもとに、プログラミング言語を活用して、実際にプログラムを動かすための設計(プログラミング)を主に行う職種です。
何を開発し、どのような仕様にするのかといった要件定義はシステムエンジニアが担う場合が多いです。
そのため、プログラマーはシステムエンジニアとコミュニケーションを取りながら実装し、その過程で発生したバグの改善をする役割を持っています。
プログラマーになるためには、JavaやJavaScript、Swift、Goなどの開発物に合ったプログラミング言語に関する知識が必要不可欠です。
プログラマーに未経験から挑戦する方は特に、ITパスポートなど資格取得から目指してみることをおすすめします。
サーバーエンジニア
インターネットが普及している現代に欠かせないサーバーを、構築・設計するのがサーバーエンジニアの仕事です。
Webサービスを提供するためには、データベースやクラウド、Webサーバーやファイルサーバーなどの「顧客にサービスを提供するコンピュータ」が欠かせません。
サーバーエンジニアが担うサーバーの種類は上記以外にも様々です。
ただ、どのサーバーを扱う場合でもOSやネットワーク、セキュリティの知識は必要不可欠となるため、事前に自己学習してみることをおすすめします。
またサーバーの構築業務だけでなく、サーバーの保守運用業務もあります。
保守運用業務では、サーバーに問題がないか監視するだけでなく、セキュリティチェックやバックアップ作業などの業務もあるので知識をつけておきましょう。
ネットワークエンジニア
サーバーエンジニアと混同されがちですが、サーバーエンジニアがサーバーをメインで扱うのに対し、ネットワークエンジニアは名前の通りネットワークを主に扱います。
主な仕事は、データの送受信を行う環境の構築やサーバー同士をつなぐためのネットワークの設計・構築と、問題なく稼働させるための保守運用業務です。
設計・構築に関しては、どんなサービスを開発するのかによって構築するネットワークは異なります。
そのため、綿密に要件定義を行った後にネットワークの設計、ネットワーク機器の導入(例:ルーター)などを行うのが一般的です。
またネットワークシステム構築後の運用保守、つまり正常に稼働するためのサポートやトラブル改善・対応なども、ネットワークエンジニアの仕事の一環となります。
テストエンジニア
テストエンジニアは、開発したソフトウェアや製品・サービスが正常に動くかどうか、テストを行う役割を担う職種です。
具体的には、テストを実施する計画の策定、動作検証をするための設計、テストの実行、テストによってバグやエラーが発見された場合の報告や改善対応などを行います。
製品やサービスの品質を保つために欠かせない職種がテストエンジニアなのです。
監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
IT技術職といっても幅広く、Pythonなど学びやすいものから学ぶ手も
IT技術職は、職種によって仕事内容や求められる能力などが異なりますが、
どの職種であっても、ITに関する知識が必要です。
文系から就職・転職を考えている方は、まず先にITに関する知識を身につけることからスタートすることをおすすめします。
最近では、有料のプログラミングスクールに通わなくとも、無料のeラーニングで独学できるサービスも増えています。
また未経験から技術職を目指すための指南書も多く出版されているため、興味のある分野の勉強に自ら取り組んでみるのも良いでしょう。
「何から始めたら良いか分からない」という方は、初心者からでもとっつきやすいといわれるPythonという言語から学ぶのがおすすめです。
PythonはAIや機械学習、Webアプリ開発やIoTシステム開発など、幅広い分野で活躍する言語であり、IT技術職の中でも需要の高い言語であるため学んでおいて損はありません。
実際に学ぶことで、技術職への適性を判断する機会にもなるのでおすすめですよ。
文系からIT技術職を目指すべき3つの理由

文系からIT技術職を目指す場合、理系よりもビハインドがありそうで、迷う方もいるでしょう。
しかし、多少ビハインドがあろうが、難しそうに感じようが、文系からIT技術職を目指す価値があります。
価値がある理由は、以下の3つです。
- IT関連の市場規模が伸び続けているから
- 売り手市場は続いていくから
- スキル自体が評価されやすいから
一つずつ、解説していきますね!
IT関連の市場規模が伸び続けている
まず、日本国内にある企業がIT投資している金額を見てみましょう。
- 2018年:12兆4930億円
- 2021年:13兆5500億円
2018年〜2021念の3年間で1兆円以上もIT投資が増えています。
2021年以降も伸び続けることが予想されていることから、IT関連企業の将来性の高さが分かるでしょう。
ITにおいては、システムやサービスなどを開発・構築・運用するIT技術職の存在が欠かせないため、技術職の需要も同様に伸び続けていく可能性は高いです。
今からIT技術を身につけておくことで、職に困らずに活躍し続けることができるかもしれません。
参考:矢野経済研究所「国内企業のIT投資に関する調査を実施(2022年)」
売り手市場も続いていく
上述した通り、IT業界の市場規模は、今後も拡大が進むことが予想されています。
業界全体が成長・拡大すれば、人材もさらに必要になります。
つまり、求人市場において、IT産業の核である技術職は売り手市場。
IT技術職を求めている企業が多い、言い換えれば求人数が多くなるということであり、就職・転職も狙いやすくなります。
企業やサービス成長のため、どの企業も技術職の採用に力を入れていることから、文系から就職・転職をするなら今が狙い目といえます。
スキル自体が評価されやすい
IT技術職は、スキルそのものが評価されやすく、努力した分だけ給与が上がりやすい傾向にある職業です。
特に、IT関連企業大手のGAFA(Google/Apple/Facebook-現Meta/Amazon)のエンジニアとなると、年収2000万円以上も夢ではありません。
しかし、GAFAの例に限らず、国内でもエンジニアや技術職の年収は高い傾向にあります。
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、システムエンジニアの全年代の平均年収は約660万円という結果が出ています。
IT技術職は人手不足が慢性的な課題であるため、早いうちから基礎を身につけてキャリアを築いていけば、高い年収を実現しやすい職種といえるでしょう。
未経験からIT技術職になるためのコツはこちらの記事でも解説していますので、ぜひ合わせてお読みください。
参考:levels.fy「GAFAと日本主要企業のレベル比較」
参考:e-Stat「賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査」
文系からIT技術職を目指す際に活かせる強み

ここでは、文系出身者だからこそ活かしてほしい強みを紹介します。
コミュニケーションスキル
文系の人が持つ柔軟なコミュニケーションスキルは、IT系の職種でも価値を発揮します。
クライアント自身も言語化できていない要望を推察することや、難しい専門用語を誰にでも分かる言葉に置き換えて伝えるスキルは、文系出身者が発揮できる強みです。
また、プロジェクトを円滑に進めるためには、周囲の関係者との良好な人間関係を構築することが欠かせません。
柔軟なコミュニケーションスキルは、文系出身者がIT業界で活躍するうえで、強力な武器になるでしょう。
課題発見力
コミュニケーションスキルに関連しますが、共感力を持って相手の話をじっくり聞けることは、顕在化していない課題の発見につながります。
クライアント自らも気が付いていないことを、丁寧にヒアリングして紐解いていくことにより、課題として明確にできるのです。
IT系技術者として活躍するうえで、欠かせない資質であり強みとして活かせるでしょう。
論理的思考力
多くの文系学生は卒論やゼミのレポートで、膨大な資料をまとめ一貫性のある考察のもとに、答えを導く力が身に付いている人が多いです。
この論理的思考力は、IT系の仕事の多くの場面で役に立ちます。
顧客の直感に響くプレゼンや提案書の作成、複雑な案件の本質を誰でも理解できる形で言語化するなど、IT系のビジネスの現場で大きな力を発揮するでしょう。
文系からIT技術職を目指す際の注意点

文系からIT技術職を目指す時の注意点を知ることで、働き始めてからのギャップを減らすことも可能です。
継続的な学習が常に必要
IT技術職の分野では、新しい技術が常に発見・研究され続けています。
そのため働き始めてからも、継続的に学習し、知識や技術をアップデートしなければなりません。
アップデートを怠ると、業務が滞ったり、評価されなかったりしてしまう可能性があります。
継続的な学習を苦に感じない人や楽しめる人は問題ありませんが、学習自体が苦手な人には、難しいでしょう。
自分の頭で考えるケースが多い
個人作業である側面を持つIT技術職は、自分で問題解決できる力が根底に必要です。
IT技術職は黙々と個人作業する場面も多いため、自分の頭で考える力がないとIT技術職として活躍するのは難しいです。
また問題解決能力がないと、要件定義や仕様設計など上流工程を任されるチャンスを逃してしまい、キャリアアップや成長の機会を逃してしまう可能性もあります。
もちろん黙々と作業することが多いとはいえ、プロジェクトごとにチームで業務に臨むケースが多いため、1人で対処できない場合は、チームメンバーの協力を仰ぐようにしましょう。
自社開発、直請け、下請けの違いを知っておく
IT技術職は、自社開発、直請けでの開発、下請けでの開発など、どのフェーズで業務をするかによって働き方が変わる傾向にあります。
自社開発とは、自社のサービスサイトやプロダクトなどの開発、改修に携わることを指しています。
一方、直請けとはクライアントからサービス、プロダクトの開発などの依頼を受け、その開発に携わること。
直請けの場合、仲介する代理店や開発会社がいないため、クライアントと直接やりとりすることで価格交渉やスムーズなコミュニケーションを取れるメリットがあります。
下請け開発は、直請けのようにクライアントの開発に携わるものの、その元請けとなる会社が別にいることが特徴です。
ITの受託ビジネスとなると、下請けの下請けなど、何重にも発注構造が重なることがあり、注意が必要です。
「明日の朝までに急遽対応してほしい」などと、無理なリクエストを受ける場合もあるので、就職・転職する際には、企業がどの立ち位置にいることが多いのか必ず確認しましょう。
また、受託だからダメということではありませんが、受託ビジネスの場合は、過度な労働環境でないかチェックしておくことが大切です。
文系からIT技術職を目指すためにやるべきこと

準備をせずに就職・転職活動を始めると、失敗したり後からやることが増えて二度手間になったりしてしまうことも。
スムーズに進めるためには、以下の準備が必要不可欠です。
- IT技術とは何かを理解する
- eラーニングなどに挑戦して素質があるか確認する
- 文系出身や未経験OKの企業をリサーチする
リサーチするなら就職・転職エージェントに相談するのもおすすめします!
IT技術とは何かを理解する
IT技術職が、実際にIT企業などで、どのような役割を担い、他の部署とどのように連携し、どんな役に立っているのか知っておきましょう。
そもそも職種を理解していなければ、就職・転職活動もできません。
直接、技術者に話を聞けると良いですが、周囲に話せる人がいない時には、Webで職種名や気になっている企業名で検索してみましょう。
Webサイトに載っている技術者や、その企業の社員のインタビュー記事が参考になります。
具体的な仕事内容はもちろん、記事によってはどんなところに面白みややりがいを感じるのか、どんな働き方をしているのか、といった内容も知ることができますよ。
eラーニングなどに挑戦して素質があるか確認する
事前に、自身にIT技術に関するセンスがあるか確認してみましょう!
確認をすることで、就職・転職した後に「向いてないから辞めよう」となる事態を防ぐことができます。
Web上で無料で受けられる授業やeラーニングなども増えているので、試しにチェックしてみてくださいね。
おすすめは、実際に手を動かすこと。
まずはeラーニングなどを通じて10〜20時間程かけて、学んでみましょう。
実際にやってみて、学習を続けながら仕事に取り組めそうか、考えてみてください。
文系出身や未経験OKの企業をリサーチする
「文系出身歓迎」や「未経験OK」と求人や採用HPに記載をしている企業であれば、文系からIT技術職に就職・転職できる確率がグッと上がります!
まずは応募できそうな企業を、就職・転職サイトや就職・転職エージェントを利用してリサーチしてみましょう。
とはいえ、応募できる企業を見つけたからといってIT技術職について何も分からない状態で臨むのはNG。
eラーニングを受講したり本を読んだりするなど、最低限の知識や経験を身につけてから挑戦するべきです。
監修者コメント
長期インターンシップで実務を経験するのもアリ
時間的な余裕があれば長期インターンシップに参加し、実務を経験するのも適性を把握するためには良い方法です。
インターンの立場とはいえ、実際のビジネスの現場でプロジェクトの一員として加わることは貴重な経験で大きな刺激になるでしょう。
実務を経験し職場の雰囲気を肌で感じることで、自分に合っているか確認できることがインターンの大きなメリットです。
もし自分に適性があると感じられれば、積極的にIT技術者の道を選ぶことをおすすめします。
IT系企業の就活においてインターン経験は、自己PRや志望動機を語る上での大きなアドバンテージになるでしょう。

岡本啓毅
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まとめ
文系からIT技術職を目指すのであれば、IT技術職の職種や仕事内容を理解し、メリット・デメリットも理解した上で、就職・転職活動を進めることが大切です。
IT関連の市場規模は拡大し続けているので、求人が多く、収入も頑張りしだいで増やしやすいため、就職・転職する価値は大いにあります。
ただし、IT技術そのものが苦手な場合は向いていない可能性があるため、あとで自分が苦しまないように、就職・転職活動をスタートする前に素養を確認しておきましょう。
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