もくじ
昔、同業他社への転職はダメだって聞いたことがあるんだよね。
いくつか注意点があるものの、同業他社への転職も可能ですよ。
同業他社への転職ならではのメリットやデメリットがあるので、しっかり確認しておきましょう。
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同業他社への転職は違法なのか
同業他社への転職は違法ではありません。
日本国憲法には職業選択の自由が明記されており、自由に転職先を選べます。
ただし、競業避止義務は守らなければなりません。
競業避止義務とは、現職のノウハウや機密情報の漏洩などの防止を目的として、従業員へ競業となる活動を禁止するもので、法律により定められています。
退職後において法律の観点からは競業避止義務の対象外となるものの、具体的な競業避止義務の内容や有効期間などを取り決める契約を締結すれば、守らなければなりません。
同業他社への転職が問題とされる理由
同業他社への転職は違法ではないものの、なぜ問題視されるのでしょうか。
同業他社への転職で問題となるのが、情報漏洩リスクです。
競合となる同業他社へ自社の機密情報が漏洩すると、競争力の低下や市場優位性が失われるおそれがあります。
そのため、同業他社への転職は警戒されやすいのです。
同業他社への転職はばれるのか
同業他社への転職は、取引先や関連会社、職場内、SNSなどあらゆる経路から発覚する可能性があります。
また、リファレンスチェックにより発覚するおそれもあります。
リファレンスチェックとは、内定前に書類や面接だけでは分からない人物像を知ることを目的に、転職先の企業が現職の上司や同僚、部下などへヒアリングを行うことです。
以上のことから、同業他社への転職は、転職先へばれるリスクがあるといえます。
同業他社への転職がばれたらどうなるのか
同業他社への転職がばれても、基本的に影響はありませんが、現職から情報漏洩に警戒される可能性はあります。
機密情報を漏洩されては、現職の市場優位性や競争力を低下させることになりかねません。
そのため、同業他社への転職は、現職からするとネガティブに捉えられがちです。
特に、競業避止義務へ違反した場合は、損害賠償請求の訴訟を起こされるおそれがあるので、転職先への情報提供や顧客を取り込むといった行為は控える必要があります。
同業他社へ転職するメリット
同業他社へ転職して何か良いことがあるの?
具体的なメリットを紹介します。
採用されやすい
同業他社への転職は、未経験の業界と比べて採用されやすいです。
業界での経験があれば、一定の知識や技術があるため、即戦力として活躍が期待され、教育コストも少なく済みます。
このように、同業他社への転職だと、即戦力を求めている会社で特に有利です。
業界知識を活かせる
同業他社への転職なら、業界知識をそのまま活かせるため、入社後のインプット量が少なく済みます。
未経験だと業界の情報収集が必要となり、専門知識や技術習得と並行して学習しなければなりません。
同業他社での経験があると、業界の動向や慣習を理解しているため、スムーズに業務を進められます。
業界への理解があるので違和感を覚えることも少なく、ミスマッチが生じにくいこともメリットです。
キャリアアップしやすい
同業他社への転職ならキャリアアップがしやすいです。
スキルと経験を引き継げるため、転職してもキャリアを一から積み直すことにはなりません。
現職での実績を転職先へうまくアピールできれば、実力を認められて年収アップが期待できます。
このように、同業他社への転職によって、業界でのステップアップが望めます。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
同業他社への転職といっても様々なパターンがある
同業への転職だとしても、これまでの職種でそのままスライドで転職する場合もあれば、新しい職種へのチャレンジ、新規事業に挑戦するなど、様々な状況があります。
上司や同僚のキャラクターや社風なども違うかもしれませんし、「単に同業他社への転職だからだ」という単純な話でないこともあります。
そのため、あくまでも自分のキャリア観にあった転職でないと苦労するので、自身に合った方針の企業を選ぶことが大切です。
同業他社へ転職するデメリット
基本的に現職の目線からすると、情報が漏洩しないかなど気になりますから。
具体的なデメリットについて見ていきましょう。
転職活動の相談がしにくい
同業他社への転職だと、就活の相談を周囲にしづらいです。
同業他社への転職は情報漏洩の観点から社内で警戒されるため、自身に情報が回ってこなくなる可能性があります。
重要な会議やプロジェクトから外されてしまうことも考えられます。
これまでと変わらずに仕事がしたいと考えている人にとっては、同業他社への転職を周囲に話すのはデメリットです。
周囲に相談しづらい中での転職活動だと、不安を抱えがちです。
自信を持って転職活動をするためには、転職エージェントや他社の友人など、社外で情報収集や相談をしながら進めるのが良いでしょう。
プレッシャーを感じる
同業他社への転職では即戦力を期待されることが多く、プレッシャーを感じるかもしれません。
重要なポジションに割り当てられたり、プロジェクトへ組み込まれたりすることも考えられます。
プレッシャーに弱い人にとっては不安に感じられ、ストレスでつぶれてしまうことも考えられます。
プレッシャーをポジティブに捉えられると成長の原動力にできるので、活躍するには発想の転換が重要です。
情報漏洩防止への配慮が必要
同業他社への転職では特に情報漏洩のないように、十分注意しなければなりません。
転職先は現職の機密情報の入手を目的に、あなたを採用した可能性もあるため、入社後に前職の情報を提供するように要求されることも想定されます。
しかしながら、機密情報の提供は損害賠償請求される恐れがあり、絶対に応じてはなりません。
転職先から情報提供の要求があっても、契約違反などを理由に断固拒否しましょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
他社への機密情報の提供は賠償責任を負うことも
過去の経験を活かして同業に転職するのは構いませんが、重大な機密事項を他社に提供することは決してないようにしましょう。
というのも、他社への機密情報の提供は、賠償責任を負うことや、刑事罰を受ける恐れがあるためです。
気になるようであれば、転職エージェントに確認してもいいと思いますし、無料の弁護士相談などもあるので、専門家のアドバイスを受けて、慎重に考えるようにしましょう。
同業他社へ転職する際に気を付けるポイント
でも、周りに転職の相談ができないし、就活は大変だろうな。
退職は円満に進める
同業他社への転職の際は、特に円満に退職手続きを済ませるのが望ましいです。
同業他社への転職では、今後も現職の社員と仕事で関わる機会が生じる可能性もあります。
退職がきっかけで関係がこじれると、業界内に悪い噂が広まる可能性もあり、仕事に支障をきたす恐れがあります。
業務を円滑に進めるためにも、人間関係は悪くしないのが得策です。
特に、不平不満を退職理由として伝えるのはトラブルの原因となりやすいので控えましょう。
転職先の情報を共有しない
同業他社への転職がばれるリスクを減らすには、身の回りの人に転職先に関する情報を口外しないことが重要です。
親しい間柄だと油断して、つい転職先の情報を話してしまいがちです。
万が一、話した相手が口を滑らして他言してしまった場合、社内に噂として広がる恐れがあります。
また、SNSでも転職先の情報を発信するのは控えましょう。
匿名アカウントであっても、個人を特定される恐れがあり、知らない内に周知されている可能性もあります。
ネガティブな転職理由を伝えるのは控える
転職先から転職理由を聞かれた際に、ネガティブな内容を伝えるのは控えましょう。
転職先へ現職の不平不満を伝えると「他人の悪口をいう人」というレッテルを貼られて、信用の失墜につながるおそれがあります。
転職先でも陰口を言うのではないかと、不安に感じられかねません。
たとえ現職の悪いところが原因であっても、ストレートに伝えるのは避けるのが無難です。
退職時に競業避止義務誓約書に署名しない
競業禁止義務誓約書への署名や合意をしなければ、退職後に義務を課されることはありません。
競業禁止義務誓約書への署名に強制力はなく、任意の契約であることから拒否できます。
従って、同業他社への転職を控えているなら、競業禁止義務誓約書へ署名しないのが無難です。
特に同業他社への転職を禁止する内容があれば、署名を拒否するか、内容を変更してもらうといった対応が必要です。
ただし、入社時に競業禁止義務誓約書に相当する書面にて合意している可能性があるので見返しておきましょう。
まとめ
新しい業界よりも馴染みがあって、すぐに活躍しやすいですね。
ただし、情報漏洩や競業避止義務に気を付けないと、訴訟問題となるなどのリスクがあるので注意しましょう。
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