この記事では、短期間で転職を繰り返す「ジョブホッパー」について、メリットやデメリット、ジョブホッパーとして成功しやすいキャリアの築き方について解説していきます。
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ジョブホッパーとは?
そもそも、ジョブホッパーとは「短い期間で転職を繰り返す人」のことを示す造語です。
日本よりも転職のハードルが低い英語圏で生まれた言葉で、次から次へと仕事を移る(ジョブホッピングする)人のことを指しています。
日本ではあまり良い意味では使われませんが、本来は「スキルアップ、地位向上、収入増のために短期間で転職する人」という意味で、悪いニュアンスはありません。
ジョブホッパーのメリット
ここでは、ジョブホッパーが得られる代表的なメリットを3つ紹介しましょう。
人脈や経験を広げられる
ジョブホッパーは、複数社を経験することで人脈が広がったり、いろいろな経験やスキルを得たりすることができます。
同じ業種・同じ職種でも会社が違えば、業務内容や仕事への価値観、組織の社風や仕事の役割・進め方も違います。
だからこそ会社ごとに得られる経験は大きく異なりますし、会社に蓄積されているノウハウも異なるので、それらを短期間で、いくつも吸収できる点は大きなメリットです。
同じ業界の会社を渡り歩くだけでも得られる経験は大きく異なるのですから、業界をまたげばさらに豊富な知見を得られて、多角的に成長できます。
そして各会社で構築してきた同僚や取引先などの人脈を維持できれば、人間関係もどんどん幅広くなっていくでしょう。
キャリアアップできる可能性がある
会社を変えることで、どんどんキャリアアップできる可能性があります。
転職するごとに、より上流の業務を手掛けられるようになったり、職位を上げたりできれば、給与面や待遇面でキャリアアップが図れます。
英語圏で使われる本来の意味のジョブホッパーは、「スキルアップ、地位向上、収入増のために短期間で転職する人」といったニュアンスでした。
それと同じメリットを日本でも得られるのです。
自分のこだわりを貫ける
「やりたいことがある」や「興味があることにどんどん挑戦したい」など、自分のこだわりを貫くために転職を繰り返す人もいます。
現代は、変化が大きく未来の予測が困難な時代であるといわれています。
そのため、たとえ会社の理念やミッション・ビジョンに共感して入社したとしても、数年のうちに会社の方針が変わってしまうのもよくあることです。
仕事にこだわりをもっている人の場合、社会の変化に合わせて会社が変わってしまったとき、会社の変化を受け入れるのか、会社を出て自分が変わるか、悩むことでしょう。
そんなとき自分の軸は変えずに、会社を変えるという選択をしたことで結果的にジョブホッパーになる人もいるのです。
すなわちジョブホッパーは会社の変化に合わせず、自分に合う会社を選び続けられる人(「自分のこだわり」を貫ける)ともいえるでしょう。
ジョブホッパーのデメリット
ジョブホッパーになるかどうかは、デメリットを知ってからでも遅くありません。
ここからは、ジョブホッパーが抱えるデメリットを3つ紹介していきます。
転職回数が増えると採用されにくくなる
転職時には、職務経歴書の提出が求められるケースが多いため、会社の人事は必ずあなたの職歴を目にします。
職歴を見れば、転職回数や入社年数が一目で分かるので、その時点で人事は「ジョブホッパーかもしれない」と気づきます。
ジョブホッパーに対して人事は「会社に定着してくれなさそうだ」というイメージを抱いてしまうので、あえて採用しようとしないケースが多いです。
そのため、ジョブホッパーは経験やスキルがあっても「採用されにくい」という点がデメリットとして挙げられます。
しかも、2回目より3回目、3回目より4回目と、転職を繰り返すごとにだんだんと採用されにくさも上がっていきます。
年齢と転職回数について、もう少し詳しく知りたい方は下記記事をご確認ください。
職務経験が一貫していないとキャリアを積み上げられない
ジョブホッパーには、スキルや人脈を築きやすいというメリットがあります。
ですがそれは、明確な目標をもって、「〇〇をするには△△のスキルがいるから、この職種に転職しよう」といったように方針を定めて転職できる場合です。
計画的に転職しないと、せっかく会社で得た経験やスキルを次の会社で活かすことができず、毎回0からキャリアを築いていくことになってしまいます。
考えなしに転職をしてしまうと、一貫したキャリアを積み上げられないデメリットがあるので気をつけておきましょう。
それに、自分が何をしたいか明確になっていなかったり、やりたいことが漠然としていたり、どうやって目標を叶えるか分からないまま転職を繰り返すと、キャリアを築くのがどんどん難しくなってしまいます。
転職するたびに待遇が悪くなる可能性がある
ジョブホッパーは、キャリアアップできる可能性があるというメリットをもっています。
しかしそれは、計画的に自分のキャリアを棚卸しをしながら、キャリアアップにつながる転職ができた場合の成功例です。
うまくキャリアに一貫性をもたせる転職ができればいいですが、無計画に転職するとどんどん待遇が悪くなっていく可能性もあります。
例えば正社員雇用から非正規雇用になってしまう、役職者から役職のない社員になってしまう、年収が下がってしまうなど待遇が悪くなるケースがあります。
その場合、例えば「目標のためには〇〇業界の現場経験が必要だから、あえて中小企業の非正規雇用に転職して経験と人脈を得る」という理由があるなら別です。
そういった将来的な計画もなく、なんとなく退職して、なんとなく採用された企業に転職するといったことを繰り返すと、どんどん待遇が悪くなってしまうでしょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
日本全体ではまだ、転職を成功させられていない人も多い
昨今、すでに終身雇用を維持できる体力をもった企業は少なく、副業や転職が当たり前の時代になってきています。
一方で、厚生労働省が調査したキャリアの現状を報告する資料では、以下のように言及されています。
“一つの職場で長期間勤務するような長期雇用キャリアが、我が国の男性の職業キャリアとして多くみられる。” |
また同じく厚生労働省が調査した転職者の賃金を見てみると、前職と比較して「増加した割合が34.6%」だったのと比べて、「減少した割合は35.2%」とわずかに多くなっています。
納得して賃金が下がったのなら良いですが、なかには転職先から現職を超える好条件を提示されず、やむを得ない形で転職している人もいる可能性が考えられるでしょう。
やむを得ない転職をしないよう、転職活動は計画的にキャリアプランを立てながら実行していくべきです。
参考:厚生労働省「職業生涯を通じた キャリア形成」
参考:厚生労働省「-令和3年雇用動向調査結果の概況-」
ジョブホッパーが転職に成功するためのコツ
ここからは、ジョブホッパーが転職に成功するためのコツを3つ、解説していきます。
キャリアやスキルに一貫性をもたせる
転職する際、キャリアやスキルには一貫性をもたせるようにしましょう。
キャリアやスキルに軸をもたせず、無計画にフラフラと転職してしまうと、ジョブホッパーのデメリットを大きく受けてしまうかもしれません。
どこかで自分のキャリアやスキルの軸となるものを見つけ、計画的に転職するようにしましょう。
例えば「コンサルタントになりたい」と軸を決めたとします。
コンサルタントになる前段階として、マーケティングスキルや営業力を身につけるためにマーケターや営業職を経験したとしたら、それは一貫性があるキャリアです。
何も考えずにマーケターに転職し、その後たまたま採用された人事を経験し、その後はサービス販売業へ……と進んでしまうと、軸がブレブレになってしまうので、計画的に転職した人と比べて最終的に辿り着ける目標地点は大きく変わってしまうのです。
転職理由を振り返りポジティブな言葉で整理する
ジョブホッパーは、どうしても転職回数が増えるため人事から「なぜこんなに転職しているのか?」「転職理由は何か?」と聞かれる機会が多くなるでしょう。
その際、それぞれの転職理由を振り返って、ポジティブな言葉で説明できるように整理しておきましょう。
自分の転職理由が一貫しており、キャリアアップにつながってきたことを示すことができれば、転職回数は不利に働きません。
もちろん、すべての転職が計画通りではなかったかもしれません。
たとえそうだったとしても、転職理由を振り返って、結果的にどんな経験やスキルを得られて今の自分につながっているのかを前向きな理由に言い換えてみましょう。
面接の場でスムーズに話せるようになるだけでなく、何度も確認することで自分の目標や夢を明確にイメージできるようになり、モチベーションアップにもつながりますよ。
キャリアの軸となる仕事を見つける
キャリアやスキルに一貫性をもたせ、それを定着させて発揮するためには、どこかでキャリアの軸になる仕事を見つけることが重要です。
例えば、1〜2回程度転職を繰り返したら、「自分に合う仕事」「自分に合う働き方」「自分に合う価値観」が少しずつ見えてくるはずです。
「自分に合っている」ことを見つけ、例えばそれが「人と話す仕事」なのであれば、コミュニケーションスキルを高められることを軸に置くことができます。
上記のように自分の「軸」を見つけてキャリアを形成していきましょう。
いわゆる「青い鳥症候群」のように、「自分が求める理想の会社がどこかにあるはずだ」と、理想を外部に求めすぎると足元をすくわれることになりかねません。
外部に理想を求めるのではなく、現状を自分の手で作り変える努力をしていきましょう。
ジョブホッパーといえども、時には多少腰を据えて会社で働いてみることで、ある程度の職位や権限をもつ経験を得られるので、より今後のキャリア形成に力を発揮してくれる可能性もあります。
現状を良くするためにも、まずは自分の軸を見つけていきましょう!
「自分の軸を作る方法」に関しては、下記記事も参考になるため合わせて読んでみてください。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
「キャリアビルダー」というジョブホッパーに似た概念もある
ジョブホッパーの他に、「キャリアビルダー」という呼び方もあります。
キャリアビルダーはジョブホッパーよりもポジティブな印象が強く、転職に対する主体が自分自身であり、「自分のキャリアを積極的に形成している」というニュアンスのある呼び方です。
ジョブホッパーが「繰り返し転職する(ジョブホッピングする)人」という意味であるのに対し、キャリアビルダーは「キャリアを構築する人」という意味で着目点が異なるうえ、英語圏で使われる「スキルアップ、地位向上、収入増のために短期間で転職する人」というジョブホッパー本来の意味により近い呼び方ではないでしょうか。
ジョブホッパーではなくキャリアビルダーを意識してみることで、転職を進めやすくなる可能性もありますから、取り組みやすい呼び方を選んでみてくださいね。
まとめ
ジョブホッパーとは、短い期間で転職を繰り返す人のことです。
ジョブホッパーには、人脈や経験を得てキャリアアップしたり、自分のこだわりを貫けたりするメリットがあります。
一方で計画的にキャリアプランを練らないと行き当たりばったりの転職になり、結果的に待遇がどんどん悪くなり、しかも採用されにくくなってしまいます。
もし自分が今ジョブホッパーの状態になっていたり、なりそうに感じていたりする方は、ぜひUZUZに相談してみてください。
私たちUZUZは転職エージェントを運営しており、キャリアアドバイザーによる無料相談を行っています。
どうやってキャリアに一貫性をもたせるべきか分からない方、キャリアの軸になるような仕事の探し方が分からない方へも、アドバイスを行うことができます。
今後の転職理由のまとめ方やうまい伝え方をキャリアのプロに聞いてみたい、というだけでもかまいません。
気になった方はぜひ一度ご連絡ください!
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