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研究開発職とは?仕事内容や活かせる資格、転職する方法を解説

研究開発職って?

研究開発職になりたいんだけど、僕みたいに新卒じゃなくてもなれるかな?
結論として「無理ではない」ですが、かなり難しいですね。

研究開発職は、専門知識やスキルを必要とされる仕事です。

理系出身の人なら未経験でも応募できる求人はありますが、かなり少ないので、未経験だと厳しいでしょう。

大手企業は新卒者を採用するところが多いのも、研究開発職への転職を難しくしている一因です。

この記事では、研究開発職に活かせる資格や転職する方法を解説します。

魅力や注意点なども解説しているので、参考にしてみてください。

この記事の監修者

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO

株式会社UZUZ 代表取締役

1986年生まれ、北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職サポートを実施してきた。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる。”をミッションに、Twitterで「仕事をウズウズ楽しむ情報」を、YouTubeで「就職・転職で使える面接ノウハウ」を発信。SNSの累計フォロワー数は9万人を超える。

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研究開発職とは

研究開発職とは

さっき研究開発職になりたいな、って言ったんだけど。
言ったものの……そもそもどんな仕事なの?
簡潔に言うと、技術や知識の研究をする仕事ですよ。

R&Dと呼ばれることもある研究開発職。

R&Dとは、Research and Developmentの略で、直訳すると「研究開発」です。

日々の仕事の中で、製品開発に必要な分野の理論や現象、法則などを研究します。

例えば、勤め先が企業の場合は、新しく開発する製品の研究がメインとなり、研究結果は、製品開発に役立てられます。

<主な働き先>
  • 企業の研究所
  • 大学の研究室
  • 研究機関

働き先によって研究する内容や業務が異なります。

研究開発職の仕事内容

研究職と開発職に分かれていることもあるため、仕事内容は研究職と開発職に分けて解説します。

就職先によっては、分けずに研究開発職としてまとめて考えられることも。

混同されたり重なっている部分もあるため、完全に別ではなく、一緒の部署にまとめられていることもあることもあります。

研究職の仕事内容

研究職は、文字通り研究を行います。

日々の研究により、新しい概念や技術などを生み出すことが仕事内容です。

研究には基礎研究と応用研究の2種類があり、研究職は基礎研究を行います。

基礎研究は、新しい物質や原理を発見するための研究です(応用研究については「開発職の仕事内容」で後述します)。

研究職の仕事は、0から1を生み出し、土台を作り上げる仕事といえます。

開発職の仕事内容

研究職が研究によって0から1を生み出す仕事だとすると、開発職は1が10になるようにさらに研究を重ね、付加価値を生み出す仕事です。

研究職が行う研究が基礎研究なのに対し、開発職は応用研究を行います。

応用研究とは、基礎研究で得られた基礎的な知見を活用し、実用化するために研究を行うことです。

開発職の応用研究では、研究職が発見した成分や技術をどのように商品に取り入れたらいいのかなど、商品化するための具体的な方法が研究されます。

開発職の仕事は、研究職が作った土台をもとに商品を作り上げる仕事といえるでしょう。

商品開発職と技術開発職との違い

商品開発職と技術開発職との違い

研究開発職とよく似た職種に、商品開発職と技術開発職があるけど、どう違うの?
企業によって区分が違ったり、同じ部署でまとめられたりもしますが、厳密に分けると業務範囲の違いであるといえます。

研究開発職は、新たな概念や技術を生み出したり、既存の技術をより高度に発展させるための基礎研究がメインの業務です。

商品開発職や技術開発職は、その基礎研究を具体化し進展させることが、主な業務となります。

商品開発職との違い

商品開発は基礎研究の成果を、実際の商品やサービスの形にして、世の中に送り出す仕事です。

既存の製品に研究成果を加味してリニューアルすることもあれば、新たな製品を生み出すこともあります。

マーケティング部門や商品企画部門と連携し新商品を具体化させ、そこに基礎研究の成果を盛り込むことで、他社製品との差別化を図っていくことが求められます。

技術開発職との違い

技術開発職は、研究部門と製造部門の橋渡しのような役割を担います。

研究成果を反映した試作品が出来上がったら、それを効率的に量産化するための技術を開発するのが主な仕事です。

具体的には、生産設備の企画や設計、生産ラインの構築や改良が主な業務となります。

企業によっては、商品開発部門に組み込まれている場合もあるようです。

研究開発職の年収

研究開発職の年収

ぶっちゃけ、研究開発職ってどれくらい稼げるの?
研究開発職の年収は、携わる分野により違いがありますが、総じて高い傾向にあります。

厚生労働省の職業情報提供サイト「Jobtag」から、研究開発職に該当する職業分類の年収をいくつか見てみましょう。

  • 医薬品や医療の研究開発に携わる「自然科学系研究者」
  • 産業用ロボットなど機械の研究開発に携わる「機械開発技術者」
  • 化学製品やバイオテクノロジーの研究開発に携わる「化学製品開発技術者」

上記3分野の年収水準を、年齢別に比較しました。

【研究開発職 分野別・年齢別年収比較】         (単位:万円)

年齢自然科学機械開発化学製品
20~24歳343.27359.34334.06
25~29歳486.42469.40471.16
30~34歳580.77548.23585.71
35~39歳678.83647.94634.74
40~44歳770.64658.94687.08
45~49歳839.36686.45707.43
50~54歳878.98740.62730.59
55~59歳972.51728.80806.11
60~64歳667.44557.45544.11

参考:厚生労働省「職業情報提供サイトJobtag:自然科学系研究者

参考:厚生労働省「職業情報提供サイトJobtag:機械開発技術者

参考:厚生労働省「職業情報提供サイトJobtag:化学製品開発技術者

高度な専門性を要する仕事であるため、分野によって差はあるものの、いずれもかなり高い水準であることが分かるでしょう。

なるほど、ますます魅力的な仕事だね!

研究開発職の魅力・注意点

研究開発職の魅力・注意点

研究開発職についてもっと知りたい!
働き始めてから後悔しないように、魅力と注意点を知っておいたほうがいいですよ。

魅力と注意点を知っていれば、研究開発職に就いてから、「期待してたのと違う」「こんなはずじゃなかった」という事態を防ぐことができます。

研究開発職への就職・転職を考えているなら、良い面も悪い面も両方考えることが大切です。

良い面を知っておけばモチベーションが上がるし、悪い面を知っておけば事前に心の準備をしたり対策したりすることができます。

研究開発職の魅力

研究開発職の魅力は、以下の4つです。

  • 最新技術や知識に触れられる
  • 世の中や人の役に立てる
  • 興味があることを仕事にできる
  • 達成感が感じられる

研究している分野の最新技術や知識に触れることができるのは、研究開発職ならではの魅力でしょう。

自分の研究により新しい技術や製品が開発されれば、新しい価値を創造して世の中や人の役に立つこともできます。

興味があることを仕事にできるのも、魅力の1つ。

好きな分野を研究している企業に転職すれば、毎日好きなことに触れられます。

結果を出すことを求められるシビアな仕事ですが、自分の研究で成果を出せたときには、大きな達成感を得られるでしょう。

研究開発職の注意点

先程紹介したように、研究開発職には魅力がたくさんあります。

しかし、働くうえで注意すべき点もあるので、理解した上で就職を目指しましょう。

  • 異業種に転職したら知識を活かせない
  • ゴールが見えない
  • 研究開発の途中で打ち切られる可能性がある

最大の注意点は、異業種への転職に活かせないことです。

高い専門性が求められる研究開発職は、いわば研究している分野のスペシャリスト。

専門的過ぎるがゆえに、他の分野では活かすことができないのです。

あとは、成果が出せなかった場合の研究打ち切りについても注意したほうがいいでしょう。

研究はいつ成果が出るか分かりません。

研究するにはコストがかかるので、企業によっては研究途中で打ち切りになってしまう場合もあります。

研究開発職に就いた場合の思わぬリスクについては、以下の動画で解説しています。

合わせてご覧ください。

監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO

研究開発職の将来性の高さも魅力

新しい技術や商品を生み出すためには研究開発職が必要不可欠なため、需要がなくなることはなく、将来性は高いでしょう。

0から1を生み出し、それを発展させる研究開発職の仕事は、AIの導入により脅かされる心配もありません。

より高い将来性を求めるのであれば、研究開発へ多額の投資をしている研究室や研究所などに転職するといいでしょう。

投資額が大きいところなら、研究環境が充実しており、新しい技術や商品の研究開発に期待が持てます。

研究開発職に就くには?

研究開発職に就くには?

研究開発職に就くにはどうしたらいいの?コツみたいなものはあるのかな?
厳しいようですが研究開発職は、やはり狭き門のようです。

研究開発職は求人自体がそう多いわけではなく、募集があったとしても応募者が殺到し、競争率が高くなる傾向にあります。

やはり、研究開発職に就くには、専門的な知見を磨いておくことは必要なようです。

研究職に就くには

理系・文系問わず、幅広い分野で研究職の求人は出されているものの、少人数の採用のため倍率が高くなることは否めません。

狭き門を突破するには、やはり高度な専門知識を身につけて、その分野を狙い撃ちすることが求められるでしょう。

特に基礎研究に従事したい場合、修士号・博士号が条件となることも多いようです。

大学院に進み専門分野の知見を高め、研究室や教授の関係先に就職するのが近道かもしれません。

開発職に就くには

開発職にも専門的な知見が求められますが、分野によっては修士号・博士号が必須ではない求人もあります。

商品開発では、マーケティング部門や商品企画部門との連携が必要になります。

企業によっては、開発部門に包括されていることもあるため、マーケティング職・企画職から開発職に携わることも可能です。

消費者のニーズや世の中が求めているものを敏感に察知できる人は、こうしたアプローチも良いかもしれません。

ただ、研究開発職に就けたとしても、その後のキャリアパスを思い描いておくことは大切です。

研究開発職のキャリアパスについては、以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。

研究開発職で活躍できる人の特徴

研究開発職で活躍できる人の特徴

研究開発職で活躍できる人ってどんな人?
研究開発職に就きたいけど、自分が向いているのか分からなくて……。
自分に適性があるかないかは重要なポイントですよね……。

研究開発職は、研究と開発を繰り返し行う仕事です。

自身が専門とする研究開発そのものへの知識、意欲があるのは大前提として、ソフトスキルとして必要とされる特徴について説明します。

  • 専門分野に関する深い知見がある
  • 物事を多面的に考えられる
  • 計画性がある
  • 探求心がある
  • 粘り強さがある
  • コミュニケーション能力がある
  • 情報管理能力がある

専門分野に関する深い知見がある

先にも述べた通り、専門分野に関する高度な知識があることは大前提です。

修士号・博士号を条件にしている求人が多いのは、そのためといっても過言ではないでしょう。

ただし、実際に活躍できるかどうかは、専門分野の知見だけでは判断できません。

最新の情報を常にアップデートする姿勢や、他の分野にも興味を示す好奇心を合わせ持つことで、専門分野の知見が活きてくるのです。

物事を多面的に考えられる

研究開発職として成果を出すためには、自分の頭で考え抜くことが求められます。

仮説を立て実験や調査を経ての検証、理論構築など、研究開発のプロセスでは多くのことを自分で考えて判断しなくてはなりません。

物事を一面的にしか捉えられないと、すぐにでも研究に行き詰まり、時間ばかりが経過してしまいます。

そうならないためには、物事を多面的に捉える習慣を身につけ、論理的な思考力と合わせて発想を柔軟にする訓練が必要です。

計画性がある

民間企業の研究開発職として働く場合は、限られた予算や期間で成果を求められます。

もちろん大学の研究室でも、時間やコストを際限なくかけられるわけではありません。

期限や予算から逆算して、必要なリソースを調達したり、実現可能なスケジュールを作成しなくては満足な成果は残せないでしょう。

綿密で無駄のない計画性は、成果を残す研究開発職に必須の資質といえます。

探求心がある

納得できる答えが出るまで探求できる人は、研究開発職に向いています。

答えを自分で出さなければいけない研究開発の場では、何でも深掘りして研究しようと考えることができるはずです。

粘り強さがある

研究開発職の仕事のメインは、研究と開発です。

はっきりとした答えが用意されていない研究開発では、ひたすら実験と研究を繰り返す根気が必要となります。

粘り強さを持っている人は、失敗が続いても諦めずに取り組むことができるでしょう。

コミュニケーション能力がある

研究は1人ではなくチームで行うため、コミュニケーション能力が必要不可欠です。

他部署との関わりも多いため、周囲の人とコミュニケーションは取れたほうがいいでしょう。

専門的なことを経営者や他部署に説明することもあるため、専門知識がない人にも分かりやすく説明できる能力があるとなおいいでしょう。

転職者は「短期離職している=使えない」と思われてしまうこともありますが、コミュニケーション能力があれば、悪いイメージを払拭することも可能です。

第二新卒が「使えない」と思われる原因TOP5について以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

情報管理能力がある

機密情報を取り扱うことが多いので、情報管理能力が求められます。

情報を適切に管理できず紛失すると研究に支障をきたすし、漏洩させると企業に大きなダメージを与えることになります。

情報管理能力があれば、重要な情報を適切に管理することができ、信頼度をアップさせることも可能です。

監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO

プレッシャーに屈しないメンタルも重要

決められた予算と期間で、研究結果を出さなければいけない場合が多い研究開発職。

期限内に結果を出さなければいけないというプレッシャーを負担に感じ、メンタルに支障をきたしたりストレスを感じたりしてしまう場合があります。

プレッシャーに屈しないメンタルを持っている方は、どの仕事においてもそうともいえますが、研究開発職にも向いているといえるでしょう。

研究開発職に活かせる資格

研究開発職に活かせる資格

研究開発職に役立つ資格はあるの?
主に4つあります。
どの資格も、取っておけば実際の業務に活かすことができますよ。

研究開発職は、一部の例外を除いては、資格がなくても就ける仕事ではあります。

以下の資格はあくまでも一例ですが、持っていれば、就職が有利になったり、より即戦力として働けることもあります。

  • 危険物取扱者
  • 知的財産管理技能士
  • 弁理士
  • 技術士

ただし、希望する企業や応募内容によって、求められるスキル・資格は異なりますので、注意しておきましょう。

危険物取扱者

国家資格である危険物取扱者の資格。

資格保有者は、消防法で定められている危険物を扱うことができます。

化学研究所や食品研究所など、研究する過程で危険物の取扱が必要になる職場に就職を考えている場合は、取得しておくといいでしょう。

資格取得のための試験は、甲種・乙種・丙種の3種類に分類されており、それぞれ取り扱える危険物の種類が異なります。

甲種・乙種・丙種で合格率が異なり、令和5年度の合格率は以下の通りです。

  • 危険物取扱者甲種 32.8%
  • 危険物取扱者乙種 38.8%
  • 危険物取扱者丙種 48.4%

危険物取扱者甲種は、大学で科学分野を専攻する人でも3人に1人しか受からず、かなり難易度が高いといわれています。

参考:生涯学習のユーキャン「危険物取扱者の難易度とは?甲種・乙種・丙種それぞれについて徹底解説

資格の種類取り扱える危険物
甲種すべての種類の危険物
乙種第1類 酸化性固体(塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類等)第2類 可燃性固体(硫化リン、赤リン、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム等)第3類 自然発火性物質及び禁水性物質(カリウム、アルキルアルミニウム、黄リン等)第4類 引火性液体(ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類等)第5類 自己反応性物質(有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物等)第6類 酸化性液体(過塩素酸、過酸化水素、硝酸等)
丙種引火性液体

参考:一般社団法人 消防試験研究センター「危険物取扱者試験

乙種・丙種はどなたでも受験できますが、甲種については以下のいずれかの受験資格が必要です。

  • 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
  • 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
  • 乙種危険物取扱者免状を有する者
  • 修士・博士の学位を有する者

甲種受験資格の詳細について知りたい方は、一般社団法人消防試験研究センターの「危険物取扱者試験受験資格」をご覧ください。

知的財産管理技能士

働く上で必要とされる技能の習得レベルを評価する技能検定の中の、知的財産管理技能検定を受けて取得する国家資格です。

資格を持っていれば、知的財産を管理するスキルを習得していると証明できます。

1〜3級があり、それぞれの級で学科試験と実技試験が課されます。

学科試験と実技試験の両方に合格した人のみ、資格を取得可能です。

合格率は3級が約60~70%、2級が約30~40%です。

3級は、難易度は比較的低いといえるでしょう。

知的財産とは、人類が発明したアイディアや技術など、価値のあるもののことを指します。

知的財産に関する知識は、研究開発したものを守ったり、技術の盗用を防いだりするのに大切です。

様々な製品や技術を研究して生み出す研究開発職の仕事をするなら、知的財産の知識を身につけておくといいでしょう。

参考:国家資格「知的財産管理士検定

弁理士

知的財産のスペシャリストである国家資格の弁理士。

弁理士になるためには、弁理士試験を受けて合格する必要があります。

弁理士試験の最終合格率は、2022年度(令和4年度)で6.1%。

3,177人の受験者のうち193人しか合格できておらず、かなり取得が難しい資格です。

資格を取得すると、以下のことを行えるようになります。

  • 特許の代理出願
  • 実用新案の代理出願
  • 特許申請

知的財産管理技士検定と弁理士試験では、出題内容が大きく異なります。

知的財産管理技士検定では知的財産に関する実務的な知識を問われるのに対し、弁理士試験では法律を中心に問われます。

弁理士試験では、知識だけではなく、法律家としての素養も試されるのです。

どちらの資格も、持っていれば、知的財産について知見があると証明することが可能です。

参考:特許庁「令和4年度弁理士試験の結果について

技術士

国家資格に合格・登録した技術者を指します。

技術士の資格を取得すれば、科学技術に関する専門知識を持ち、高度な専門的応用能力を備え、実務経験があると証明することが可能です。

技術士資格には、専門性に応じて以下の通り21もの技術部門があります。

<技術士試験の部門一覧>

機械部門船舶・海洋部門航空・宇宙部門
電気電子部門化学部門繊維部門
金属部門資源工学部門建設部門
上下水道部門衛生工学部門農業部門
森林部門水産部門経営工学部門
生物工学部門応用理学部問生物工学部門
環境部門原子力・放射線部門総合技術監理部門

参考:公益社団法人 日本技術士会「技術士になるには

試験は、技術士第一次試験と技術士第二次試験の2段階形式で実施されます。

技術士第二次試験を受験するには一定期間の実務経験が必要ですが、技術士第一次試験合格後に実務経験を行えば問題ありません。

技術士第二次試験の合格率は、以下の通りです。

<技術士第二次試験合格状況の推移>全部門

年度受験者数合格者数合格率
2017(平成29)年26,2533,50113.3%
2018(平成30)年25,9142,3559.1%
2019(令和元)年24,3262,81911.6%
2020(令和2)年20,3652,42311.9%
2021(令和3)年22,9032,65911.6%
2022年度(令和4年)22,4892,63211.7%

参考:公益社団法人日本技術士会「技術士第二次試験統計情報

過去6年間の合格率を見ると、どの年も10人に1人ほどしか合格していないのが分かり、難易度の高さが伺えます。

研究開発職に活かせる検定試験

研究開発職に活かせる検定試験

資格は取るのが難しそう……。
資格以外に研究開発職に役立つ検定試験とかってないの?
2つあります。
どちらの試験も、受かれば資格と同じように業務に活かすことができますよ。

国家資格以外にも、以下の検定試験に合格していれば、研究開発職への転職が有利になったり就職後に活かせる場合もあります。

  • TOEIC
  • QC検定

こちらも、希望する企業や応募内容によって、求められるスキル・資格は異なりますので、注意しておきましょう。

TOEIC

英語力を証明できる検定試験の1つで「トーイック」または「トイック」と読みます。

160カ国で導入されている世界共通の試験です。

研究開発職として働く場合、英語の論文を読んだり研究内容を英語で話したりする場面があるため、英語力が必要となります。

TOEICテストはTOEICTestsとTOEICBridgeの2つのブランドがあり、それぞれの試験で4つのスキルを測定します。

日本で広く知られている990点満点のTOEICは、TOEICTestsの中でも、聞く力と読む力を測定するTOEIC Listening&Reading Testです。

英語力を証明するだけであれば、日本で最もメジャーなTOEIC Listening&Reading Testを受けるといいでしょう。

TOEICTestsには、話す力と書く力を測定するTOEIC Speaking&Writing Testsと、話す力だけを測定するTOEIC Speaking Testもあります。

転職先が、英語でスピーチをしたり論文を書いたりする必要がある企業ならばTOEIC Speaking&Writing Testsがおすすめです。

また、海外の企業と直接やり取りする企業ならばTOEIC Speaking Testを選ぶのもおすすめです。

QC検定

品質管理検定とも呼ばれ、合格していれば、品質管理に知見があると証明することが可能です。

第1回試験は2005年に行われ、現在では毎年9月と3月の日曜日に実施されています。

1〜4級まで4つの級が設けられており、試験で問われるのは品質管理全般についての知識です。

品質管理とは、商品やサービスを提供する際に、一定の品質を保証するために検査・検証することを指します。

日本のほとんどの企業で品質管理が行われていますが、正しく実施するためには、品質管理に関する知識が必要です。

研究開発する場でも当然ながら、品質管理は重要と考えられており、品質管理をきちんと行うことで品質の保証につながっています。

研究開発段階においても、適正な品質管理によって、早期に異常を発見する際にも役立てることが可能です。

品質管理ができていない場合、品質の異常を見逃すリスクが高まり、製品の質が落ちたり納期までに納品できなくなったりなどのトラブルを引き起こす可能性が高まります。

どんなに優れた製品を研究・開発できても、品質管理ができなくては台無しであるからです。

研究開発職に転職するには

研究開発職に転職するには?

結局、研究開発職に転職するには経験や知識がないと無理ってこと?
その通りです。

理系出身者でも、未経験からの転職だと難しいでしょう。

理系出身者なら未経験でも採用している企業がありますが、かなり選択肢が狭くなります。

とはいえ、少なからず求人はあるので、転職エージェントなどを利用して探してみるといいでしょう。

企業により研究している分野や内容が異なるので、もし就職したい企業があるなら、学びたい分野を絞って勉強してから就職活動を始めると効率的です。

役立つ資格を取得する

研究開発職に役立つ資格を取得することで、転職を有利に進めることが可能です。

求められる資格は企業により異なるため、志望する転職先が求める資格を取得するといいでしょう。

例えば、海外で研究が進んでいる分野を研究するなら「TOEIC」、化学メーカーで研究するなら「危険物取扱者」などです。

英語力を身につける

研究開発職は、英語の論文を読んだり英語で研究成果を発表したりする機会がある職種です。

英語力を身につけておけば、研究開発職に就いた後、役立つことも多いでしょう。

未経験者歓迎の求人を探す

特に資格がなくても働ける職種なので、未経験でも就職することは可能です。

理系出身者なら、未経験者歓迎の求人を探して応募してみてもいいでしょう。

しかし、大手など新卒者を採用する企業が多いため、未経験者歓迎の求人は少ないのが現状です。

未経験者歓迎の求人を探したいなら、自分で探すよりも転職サイトや転職エージェントを頼ったほうがいいでしょう。

未経験歓迎の職場なら、働きながら研究開発する分野の知識や技術を学んだり、経験を積んだりすることができます。

研究開発に役立つ資格を、働きながら取得することも可能です。

転職エージェントを活用する

大手企業は新卒で採用することが多いため、転職者向けの求人は多くありません。

少ない求人を自力で探すのは難しいので、転職エージェントの活用がおすすめです。

転職エージェントならどこでもいいわけではなく、理系に強く、登録企業が多くなくては意味がありません。

理系の転職に特化しているUZUZなら、大手上場企業からベンチャー企業まで優良企業が多数揃っています。

厳しい自社基準でブラック企業を徹底排除しているので、ホワイトな企業への転職が期待できるのもメリットです。

まとめ

研究開発職は、専門的な知識や技術が必要とされる上、転職者向けの求人自体がほとんどないため、自力での転職はかなり難しいでしょう。

少ない求人を効率的に探したい人は、ぜひUZUZ(ウズウズ)に相談だけでもお声がけください。

UZUZでは、転職先探しだけでなく、研究開発職向けの履歴書添削や面接練習などのサポートも行っています。

「第二新卒専用の履歴書の書き方」については、以下の記事で解説しています。

こちらの記事では、履歴書とセットで必要となる「職務経歴書」の書き方を解説しており、フォーマットと書き方サンプルのダウンロードもできます。

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執筆・編集

第二の就活 編集部

「“はたらく”をもっと身近に」をテーマに、就活=不安・やりたくないと感じる気持ちを変えるコンテンツを発信しています。編集部のメンバーは、全員が既卒や第二新卒の経験者です。だからこそわかる「就活に対する怖さ・逃げたい気持ち」に寄り添い、正しい情報をイラストや動画を用いてわかりやすく伝えていきます。

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