もくじ
「組み込みエンジニア」という名前を聞いたことはありませんか?

システム開発と一口に言ってもその内容は様々。
その中でも、機械製品を動かすために組み込まれているシステムを作るのが、組み込みエンジニアです。
ここでは「組み込みエンジニアとはどんな仕事?」というシステム開発初心者の方向けに、仕事の流れや使用言語などを詳しくご紹介します。
システム開発の入門として、ぜひご一読ください!
この記事の監修者

岡本啓毅
YouTube「ひろさんチャンネル」運営 / 株式会社UZUZ 代表取締役
北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職をサポート。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる”をミッションに、YouTubeでは「就職・転職で使えるノウハウ」を発信中。X、TikTokなどSNS等の累計フォロワー数は13万人を超える。
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「組み込みエンジニア」とは
「組み込みエンジニア」とは、機械製品に“組み込まれている”ソフトウェアを作る仕事に従事するエンジニアのことです。
身の回りにある電化製品は、ソフトウェアが組み込まれているからこそ動かせています。
例えば、エアコンやスマートフォン、自動車、工場で部品を作る機械なども制御用のソフトウェアが組み込まれている製品です。
それらを作る組み込みエンジニアは、様々な製品に携わる職種といえます。

厳密に言うと組み込みエンジニアと呼ばれる職種は、以下の2つに分けられます。
- 機械を動かすソフトウェアを作る「組み込み系」
- 組み込まれたシステムを制御する「制御系」
単に「組み込みエンジニア」とだけ言われたら、組み込み系・制御系、どちらも含まれると考えておきましょう。

組込系エンジニアは、機械製品を動かすソフトウェア=プログラムを作って組み込んでいくため、IT分野というよりは機械電気分野に近い業務を担っています。
実際には、まずどんなソフトウェアを作成するのか要件定義をしてからプログラミングをし、テスト後に納品・アフターフォローを行うところまでが業務範囲です。
詳しい業務内容は仕事の流れに沿って、次の章で解説していきます。
組み込みエンジニアの仕事の流れ

仕事の流れを教えてもらうと分かりやすいかも。
組み込みエンジニアの仕事の流れは以下の4段階に分けられます。
- 要件定義・設計
- (実装)プログラミング
- デバッグ・テスト
- 運用保守・アフターサポート
それぞれの内容をチェックして、仕事内容を押さえておきましょう。
1.要件定義・設計
はじめに「どんな機能のついた製品を作りたいのか、クライアントの要望をヒアリングし、要件定義をします。
要件定義をつめていくためには、実際にプログラミングするソフトウェアに関する知識だけでなく、ハードウェア(=製品)の知識も持っていなければなりません。
定義された要件を設計に落とし込む必要があるため、プログラムだけでなくハードを含む幅広い知識が必要とされることも、組み込みエンジニアの特徴です。
2.実装(プログラミング)
この段階では、まず要件定義に基づいた設計通りにプログラミングを行います。
一度製品化されて販売を開始してしまうと不具合が見つかっても簡単には修正できないため、実装の段階から細心の注意が必要です。
万一、販売後に大きな問題が発見された時には、メーカーはリコールしなければならなくなり、大きな損失を生んでしまいます。

そのため、組み込みエンジニアには高いスキルが求められているのです。
設計後は、細かな部分までミスのないようにプログラミングをしていきます。
バグが出ないように、また反応が遅くならないように、特に気を配って作業しなければならないため、高い技術力と集中力が求められます。
3.デバッグ・テスト
ミスが許されない組み込み製品は、テストも重要な業務の1つ。
作成したプログラミング単体でのテストはもちろん、製品全体が正しく機能するかをチェックする段階です。
システムの質、完成度を厳しくチェックしてから納品へと進めるため、テストは慎重に行われます。
もちろんテスト段階でエラーが発生するため、デバック作業も並行して行います。
簡単な単体テストや動作確認であれば、経験の浅い人でも任せてもらいやすいのがテストフェーズです。
そのため「テストエンジニア」や「品質評価」といったテストフェーズに関する業務を専門として募集を行っている企業も多いです。
そのため、未経験者でも応募可能な求人も少なくありません。
企業によっては未経験の状態からテストエンジニアとして入社し、実績を積むことで組み込みエンジニアとしてキャリアアップするという選択肢もあります。

4.運用保守・アフターサポート
「これでもう完璧」と思って納品しても、不具合や修正箇所が出てくることはあるため、アフターサポートとして修正対応をすることも組み込みエンジニアの仕事に含まれます。
組み込みシステムは、様々なハードウェアに搭載されており、中には24時間365日休みなく稼働しているものもあります。
修理でシステムを止める時には、関係する部署すべての機能を一度停止させなければならないケースもあるため、できれば修理にならないように作ることが大切です。
アフターサポートとしての修理作業も仕事の範囲ではありますが、修正が必要なバグが起こらないように質の高いプログラムを作ることが、組み込みエンジニアの使命だといえます。

組み込みエンジニアの年収水準

厚生労働省の職業情報提供サイト「Jobtag」をもとに、組み込みエンジニアに該当する職業分類「システムエンジニア(組み込み・IoT)」の年齢別年収分布を紹介します。

| 年齢 | 年収 |
|---|---|
| 20~24歳 | 347万7800円 |
| 25~29歳 | 469万6000円 |
| 30~34歳 | 541万1400円 |
| 35~39歳 | 631万3500円 |
| 40~44歳 | 650万5200円 |
| 45~49歳 | 737万9800円 |
| 50~54歳 | 695万4300円 |
| 55~59歳 | 730万7600円 |
| 60~64歳 | 557万600円 |
参照:厚生労働省「職業情報提供サイトJobtag システムエンジニア(組み込み・IoT)」

監修者コメント
組み込みエンジニアは「やめとけ」と言われる理由
組み込みエンジニアの仕事に興味を持って調べていくと「きつい」「やめとけ」というワードを目にすることもあると思います。
組み込みエンジニアの仕事が「きつい」と思われるのには、いくつかの理由があるからです。
まずは人手不足が挙げられます。
多くの企業で戦力となるエンジニアが不足しており、一人当たりの負担が重く長時間労働になりがちです。
また、納期のプレッシャーもあります。
クライアントや案件によっては厳しい納品スケジュールを課されることもあり、間に合わせるために無理をしなければならない局面があるからです。
また、技術進歩が著しい分野のため、継続的に新しい技術を学び続けなくてはならない大変さもあります。
しかし、大変さがある一方で、やりがいを感じられる仕事であることも事実です。
自分のプログラミングによって意図したとおりに機械が動作した時、達成感を覚えます。
また、自身が関わった製品が世に出て、人々の役に立っていることを実感できるのは、なにものにも代えがたい喜びなのではないでしょうか。

岡本啓毅
組み込みエンジニアに必要なスキルや知識


じゃあ、組み込みエンジニアになるには、どんなスキルを身につけたらいいの?
では、組み込みエンジニアに求められるスキルを見ていきましょう。
プログラミング言語の知識
組み込みエンジニアはプログラミングが主な仕事となるため、プログラミングに関する知識は必須です。
組み込みシステムで使用されている言語の多くは、汎用性と互換性の高いC言語です。
組み込みエンジニアを目指しているなら、まずはC言語を学ぶようにしましょう。
加えて、C++も合わせて学んでおくのがおすすめです。
C言語に近い処理ができるだけでなく、使用する可能性の高いもう1つの言語JavaはC++の拡張言語であるため、続けて学びやすい特徴があります。
また、電卓など数字を扱う機械製品で使われているのがアセンブリ言語(アセンブラ)です。
ハードウェアに関する知識
組み込みエンジニアの仕事の目的は、プログラムによって機械を動かすことです。
そのため、動かす機械(ハードウェア)の知識も必須となります。
プログラム通りにハードウェアを動かすには、適切な回路や基板の設計も欠かせません。
組み込みエンジニアの仕事の本質は、機械の物理的な動きを最適化することにあります。
そのため、ハードとソフトの両面からのアプローチが求められるのです。
コミュニケーションスキル
組み込みエンジニアの仕事の多くは、プロジェクト形式で進められます。
そのため、他の開発者と適切にコミュニケーションを取り、連携することが円滑なプロジェクト運営には欠かせません。
プログラミングの作業分担や、システムの仕様設計において、コミュニケーションが不足し情報に偏りがあると、後に大きな問題につながりプロジェクトが頓挫することもあります。
常に関係者とコミュニケーションを密にし、情報共有を怠らない姿勢が求められるのです。
英語力
英語力は必須ではありませんが、身につけておくと仕事がやりやすくなります。
組み込みシステムに使用される部品には海外製のものも多く、英語の仕様書を読み込む機会も多いためです。
また、近年の製造業では海外に生産拠点を移す企業も多く、海外赴任を命じられるケースもあります。
英語力を身につけておけば、仕事の幅が広がり、キャリアアップにつながりやすくなるでしょう。
組み込みエンジニアの難易度や、必要スキルについては以下の記事でも解説していますので、ぜひ合わせてお読みください。
監修者コメント
プログラミングの勉強は独学と通学どちらが良いのか?
プログラミングの勉強方法は、主に以下の4つです。
- 参考書籍を読む
- ネットで調べる
- 有料の通信講座を利用する
- スクールに通う
参考書やネットの情報をもとに勉強を進めるメリットは、費用がさほどかからない点です。
しかし、情報が断片的になりがちで、体系的に必要な知識を身につけていくのが難しい側面があります。
有料の通信講座は自分のペースで、カリキュラムに沿って学べるメリットはありますが、お金がかかる点とモチベーションの維持が難しい点がデメリットです。
スクールに通えば、費用と時間はかかりますが、スクールに通えば、分からないことがあればすぐに講師へ質問でき、疑問点を解消できます。
ただ、他の方法のデメリットを解消できるものの、通学の時間を取られ費用が高額になりがちな点がネックといえます。
短期的に集中して成果を出したいのであれば、スクールやeラーニングで学べる通信講座がおすすめです。
かけられる時間と費用、自分の性格やライフスタイルによって、勉強方法を選びましょう。
組み込みエンジニアに必要な知識を学べるスクールの選び方は、以下の記事でも解説しています。
ぜひ合わせてお読みください。

岡本啓毅
組み込みエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴

向いていない人の特徴ってあるのかな?
ここでは、組み込みエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴を見ていきましょう。
組み込みエンジニアに向いている人の特徴
組み込みエンジニアに向いている人に共通する素養として、高い論理的思考力が挙げられます。
製品を問題なく動かすには、論理的な筋道を立てながらハード・ソフト両面の設計をする必要があるためです。
その他、以下の特徴にあてはまる人も向いています。
- ハードウェアに興味がある
- 持続的な学習意欲がある
- チームワークを発揮できる
- プロジェクトを適切に管理できる
また、ちょっとしたプログラミングのミスで、製品が正しく動かなくなることもあるため、細部にまで緻密に注意を払える人には向いています。
組み込みエンジニアに向いていない人の特徴
組み込みエンジニアに向いていない人の特徴としては、プログラミングに対するこだわりが強すぎることが挙げられます。
組み込みエンジニアがプログラミングをする際は、ハードウェアの制約を受けるため、その時々に応じて柔軟に対応することが求められます。
この他、組み込みエンジニアに向いていない人の特徴として、以下が考えられます。
- 地道なデバッグ作業が苦手
- 仕様や制約に縛られるのが苦手
- 新しい技術や知識の継続的な学習が苦手
- チームで仕事を進めるのが苦手
当てはまる項目が1つでもある場合は、自分に向いているかどうかをよく考えてみた方が良さそうです。
組み込みエンジニアの今後のニーズ
組み込みエンジニアは、今後、ますますニーズの高まる職種だといわれており、その背景にはIoT化や機械製品の電装化・自動化があります。
IoT化には組み込みエンジニアが必要
IoTとはInternet of Thingsの略称で、モノをインターネットにつなぎスマホなどと連携させる技術のことです。
外出先からエアコンを起動させて帰宅時に部屋を快適な温度にしておくことができるのも、IoTによってエアコンに通信機能が組み込まれているためです。
モノに通信機能を持たせるためには、通信機能のあるハードウェアとそのハードウェアを制御するソフトウェアを製品に組み込まなければなりません。
そこで必要となるのが組み込みエンジニアです。
今後ますますIoT化が進んでいくといわれている中で、組み込みエンジニアのニーズはどんどん高まっています。

機械製品の電装化・自動化で組み込みエンジニアが求められている!
IoT以外でも、機械製品の電装化や自動化が進むことで組み込みエンジニアを求める企業が増えています。
特に自動車業界は技術の進歩がめざましく、自動運転システムの導入が始まれば、さらに電装化・自動化が進むと予測されています。
- キーを差して回す必要のないキーレスエントリ
- パワースライドドアの挟み込み防止装置
このようなものからも、自動車の電装化が加速度的に進んでいることを実感できるのではないでしょうか。
自動車以外の機械製品も電装化・自動化が進んでいるため、組み込みエンジニア不足が深刻化するともいわれています。
「組み込みエンジニアを目指すなら今!」と言えるほどに、ニーズが高まっている職種です。

まとめ
製品に組み込まれるソフトウェアを作る組み込みエンジニアは、現在ニーズが高まっているため引く手あまたな職種です。
一方で、高い技術力を求められることから、未経験者には難しいのでは…と敬遠されてしまいがちな仕事でもあります。

確かにプログラムの質や完成度は問われますが、人手不足ということもあり、教育体制が整っている企業であれば、未経験者であっても積極的に採用しています。
組み込みエンジニアを目指すことは誰にでもできます。
まずはプログラミングの知識を身につけて、徐々にステップアップしていきましょう。

そして、未経験からプログラミングを学ぶには、スクールでしっかり指導してもらうのがおすすめです。
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「ただプログラミングの知識と技術を身につけただけ」では終わらず、仕事にしていくことができます。
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