

カッコいいし、やりがいもありそう!!
1つのプロジェクトでも莫大な資金が投入され、たくさんの人や協力会社と関わって進めていく仕事です。
ではさっそくプラントエンジニアリングの概要や、プラントエンジニアの仕事内容を見ていきましょう。
プラントエンジニアリングとは
プラントエンジニアリングとは、工場や生産設備(プラント)を「企画・設計・建設・運用」まで一貫して手がける技術分野を指します。
この仕事に携わるのが「プラントエンジニア」です。
プラントエンジニアリングの対象となるのは、石油・化学・発電・製鉄・食品などの大規模な産業設備です。
そのため、プラントエンジニアはスケールの大きな仕事に関わることになります。
社会インフラを支えるプラント業界
最近は、工場見学が夜のデートコースとして人気があるそうです。
そのような工場のことを多くのエンジニアたちは「プラント」と呼んでいます。
プラントでは、日々、人々の生活を支えている石油製品などのエネルギー源や工業材料(Product)が生産されています。
これらがいわゆる「メーカー」と呼ばれる会社の仕事です。
それでは、その製品を生産する設備である「プラント」は一体どこが作っているのでしょう?
「そりゃ、製品に関する知見を多く持っているメーカーでしょ!」
半分正解で、半分不正解といったところです。
プラントを作るプラントエンジニアリング会社
製品について様々な知識や経験を持っているメーカーがプラントを造っているというのは、自然な考え方です。
しかしプラントは、数万から数十万という数の産業装置や部品(タービン、反応器、配管など)からなる複雑かつ巨大な製造施設です。
- 「機械・化学・電気・土木・情報」など様々な分野のエンジニア
- 卓越したプラント施工管理能力を持つプロジェクトマネジャー(PM)
その建設の力が結集してようやく実現する「非常に長い時間と経験豊富な人材を要する仕事」なのです。
そのため、プラント建設は「プラントを造ること」に特化した「プラントエンジニアリング会社」が行っているというのが正解です。
メーカーとの違い
確かにメーカーの中にはエンジニアリング部門を有する会社(三菱重工、IHIなど)もあります。
大概のメーカーはあくまでプラント運転のエキスパートであり、上述のようなプラント建設のエキスパートではありません。
したがって多くのメーカーは、プラントエンジニアリングに特化した子会社を持っています。(例:新日鉄住金エンジニアリング、東レエンジニアリングなど)
もちろんメーカーは、プラント運転のエキスパートとして「生産効率の最適化」あるいは「市場ニーズに応じた生産量調整」などのやりがいのある仕事を担っています。
メーカーとプラントエンジニアリング会社のどちらが優れているかは、一概に言えません。
今回はプラントを造る側、すなわち「プラントエンジニアリング業界のお仕事」についてのみ説明していきます。
監修者コメント
総合商社のプラント部門とプラントエンジニアリング会社の違い
総合商社にもプラントエンジニアリングに関わる部門がありますが、多くはプラントに関わる営業や投資を専門に行います。
プラントエンジニアリング会社のように、プラントの設計から施工といった技術面の介入をすることはありません。
そのため、プラントエンジニアとして働きたい人は、同じプラントに関わるにしても、プラントエンジニアリング会社を目指した方が良さそうです。
ただ、総合商社には圧倒的な情報収集力、営業力、ファイナンス力があり、技術面の介入はなくても、スケールの大きな仕事に携わることができます。
それぞれの領域をよく理解して、自身の目指すキャリアが実現できそうな会社を選びましょう。

岡本啓毅
プラントエンジニアの仕事内容


プラントエンジニアの仕事は、以下3つの領域に分けることができます。
- プラント(工場)の設計
- 建設プロジェクトの管理
- プラント(工場)の保守運用
さっそく見ていきましょう。
プラント(工場)の設計
まずプラントエンジニアの大きな役割となるのが、工場や設備の設計です。
大規模なプラントの設計は「基本設計」と「詳細設計」の2つのプロセスを経ることが一般的です。
基本設計
様々な機械や設備の集合体として稼働するプラントの設計では、いきなり細部まで詰めた設計図を作成することは困難です。
そのため、大規模なプラントを設計するには、まず大まかな全体像を描くことが欠かせません。
この大枠を決めるのが「基本設計」です。
工場が効率的に稼働するように、必要な機器や設備を選び、大まかな配置を考えていきます。
詳細設計
プラントの大枠を決める基本設計の次は、基本設計で配置した各設備ごとの「詳細設計」に移ります。
- ボイラーや熱交換器などの設備そのものを設計する「機械設計」
- 原料などを効率的に運搬するための「配管設計」
- プラントの稼働に必要な電力をつかさどる「電力設備設計」
- タービンやコンプレッサーなどの回転設備を設計する「回転機械設計」
こうした機械・設備の設計を、それぞれの分野に特化したエンジニアが、分担して進めていきます。
建設プロジェクトの管理
設計が終わり実際に工場を建設していく段階では、プラントエンジニアは建設の施工管理の役割を担います。
建設プロジェクトの管理は、以下の2つのフェーズがあります。
部品・資材調達
詳細設計を基に作成した仕様書を用いて、それぞれの設備構築に必要な部品や資材を調達していきます。
まずは、機械メーカー各社に見積もりを依頼。
集まった見積もりから、費用と工期を比較して採用する機械メーカーを選定します。
発注したメーカーとは綿密に打ち合わせを重ね、設計通りの仕様であるか随時確認し、管理していきます。
建築・施工管理
設計図通りに工事が進んでいるかの確認や進捗管理、現場の安全対策など、工事に関わる全てのことを管理します。
工事中の作業員の安全衛生や、各工程の工期の管理、行政機関へ提出する書類の作成など、工事に関わる全てを把握しなければなりません。
また、予算内で工事を完了するために、綿密なコスト管理も重要な役割の1つです。
プラント(工場)の保守運用
工場が完成し稼働し始めると、プラントエンジニアは施設の保守・運用に携わることになります。
日常的な設備のメンテナンスから、トラブル発生時の対処、作業の安全確保など、工場が正常に稼働し生産効率を維持するための全てのことに関わっていきます。
生産効率を上げるための改善提案や、新しい技術の導入検討もプラントエンジニアの重要な役割です。
監修者コメント
プラントエンジニアに求められるスキル・知識
工場の設計から建設、保守運用に携わるプラントエンジニアには、多岐にわたるスキルと知識が求められます。
まず、工場や設備の設計・運用には、機械工学、電気工学、化学工学などの工学系の知識が不可欠です。
設計から運用までの全てのプロセスにおいて、なんらかの障害が発生することが想定されます。
そのため、障害の原因を特定し、すぐに対処する問題解決力も重要なスキルです。
また、プラントの建設は、多くの人々が関わるため、コミュニケーション力を発揮しながらのプロジェクト管理能力が求められます。
加えて安全管理のスキルも重要です。
プラントの建設から運用までのリスクマネジメントを行い、安心・安全に工事が進み工場が稼働するように管理しなければなりません。
プラントエンジニアリング業界で求められる人材像については、以下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてお読みください。

岡本啓毅
プラントエンジニアの年収水準は?

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」には、職業分類「プラント設計技術者」として、プラントエンジニアの年齢別年収分布が示されています。

| 年齢 | 平均年収 |
|---|---|
| 20~24歳 | 376万6800円 |
| 25~29歳 | 510万1000円 |
| 30~34歳 | 610万3900円 |
| 35~39歳 | 683万6400円 |
| 40~44歳 | 743万3000円 |
| 45~49歳 | 779万1100円 |
| 50~54歳 | 802万3300円 |
| 55~59歳 | 850万8700円 |
| 60~64歳 | 565万1800円 |
参照:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag プラント設計技術者」

プラントエンジニアの将来性
プラントエンジニアは、エネルギー転換や老朽インフラ更新、海外プラント需要の拡大により今後も高い需要が見込まれています。
特に再生可能エネルギーや水素関連分野では案件が増加しており、長期的な成長が見込まれることは間違いなさそうです。
また、今後はシェール革命関連のプラント建設案件が増えていくという見通しがあります。
そのため、アメリカやカナダなどの北米を中心とした国での仕事が増加していくという予想もあります。
いずれにせよ、専門性が高く代替されにくいため、経験を積むほど市場価値も上がりやすい職種といえるでしょう。
プラントエンジニアとして働くメリット
単刀直入に申し上げますと、プラントエンジニアリング会社で働くメリットとしては下記のようなことが挙げられます。
- 社員育成に力を入れている
- 望むキャリアをパスを実現しやすい
- グローバルに活躍できるチャンスがある
- 社会に貢献していることを実感できる
「グローバルででっかい仕事をして社会に大きなインパクトを残したい!」という方にとっては非常に魅力的な業界といえます。
社員育成に力を入れている
プラントエンジニアリング会社のホームページを見ると「社員が唯一の資産です!」というフレーズが高い頻度で使われています。
このフレーズの意図を汲み取ると、どれほどプラントエンジニアリング会社が「人材育成にお金をかけているか?」ということが分かるでしょう。
例えば、日揮や千代田化工などのプラントエンジニアリング会社は、実際に新入社員を入社1年以内に最低6か月間(場合によってはそれ以上)の海外現場研修に派遣しています。
これは、エンジニアが担当する業務が、EPCの最終工程である建設現場で、どういった形になっていくのかということを体感させることが目的です。
そしてそれを「今後の設計に活かしてもらう」という意図もあります。
従業員教育にコストをかけ、注力していることを示す事例といえるでしょう。
望むキャリアをパスを実現しやすい
社員一人ひとりに与えられる業務の幅が広いため、フレキシブルなジョブローテーション制度を導入している会社が多いというのもエンジ業界の特徴です。
例えば、プラントエンジニアリング会社の営業活動には技術的な知識がかなり求められるため営業志向の高いエンジニアはジョブローテーション制度を使って営業部に移れます。
もし、適性があれば、そのまま営業部配属になることも可能です。
社員各々が望むキャリアパスを描くことができるというのも、エンジ会社で働く利点といえます。
グローバルに活躍できるチャンスがある
プラントの寿命はかなり長いです。メンテナンス次第で100年以上は持つといわれています。
そのため、日本のように既に産業が発達している国では、プラント建設のニーズがあまりありません。
またニーズがあったとしても、日本のように国土が狭い国では、採算性に乏しく、建設が見送られるケースが多いです。
したがって、多くのプラントエンジニアリング会社は数十年前から海外進出を余儀なくされました。
プラントエンジニアリング会社の社員が頻繁に海外出張に行ったり、海外駐在員になるのはこのためです。
プラント建設ニーズの高い国としては、石油資源がたくさん掘れる中東諸国や肥料やエネルギーに乏しい発展途上国(東南アジア、南米諸国)が挙げられます。
- 普通の海外旅行では間違っても行けない所に行きたい!
- 様々な文化・価値観を持つ人と仕事をしたい!
- 砂漠などの過酷な場所にでっかいものを建ててみたい!
こうした、チャレンジ精神や、バイタリティーある方には理想的な職業であるといえます。
社会に貢献していることを実感しやすい
プラントエンジニアは、社会のインフラを支える仕事であるため、社会貢献を実感しやすい仕事といえます。
エネルギー・化学など分野を問わず、自身が建設に携わったプラントが、多くの人々の生活に役立つ製品を生み続けているからです。
また、水素プラントエンジニアは、脱酸素社会の実現に直結するインフラ構築に携われます。
つまり、地球規模の環境問題解決に貢献するのです。
自らが携わった設備が、人々に安全で豊かな生活をもたらし、それが次世代まで受け継がれると考えると、とても魅力的な仕事といえます。
まとめ

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