「組込系エンジニア」という名前を聞いたことはありませんか?
システム開発と一口に言ってもその内容はさまざま。
その中でも、機械製品を動かすために組み込まれているシステムを作るのが、組込系エンジニアです。
ここでは「組込系とはどんな仕事?」というシステム開発初心者の方向けに、仕事の流れや使用言語などを詳しくご紹介します。
システム開発の入門として、ぜひご一読ください!
「組込系」とは
「組込系」とは、機械製品に“組み込まれている”ソフトウェアを作る仕事です。
身の回りにある電化製品は、ソフトウェアが組み込まれているからこそ動かせています。
たとえば、エアコンやスマートフォン、自動車、工場で部品を作る機械なども制御用のソフトウェアが組み込まれている製品であり、それらを作る組込系エンジニアは、さまざまな製品に携わる職種と言えます。
厳密に言うと組込系と呼ばれる職種は、
- 機械を動かすソフトウェアを作る「組込系」
- 組み込まれたシステムを制御する「制御系」
にわけられます。
「組込制御系」とまとめて呼ばれることもあったり、組込系と呼んでいても制御系のみを指すケースも見られます。
単に「組込系」とだけ言われたら、組込系・制御系、どちらも含まれると考えておきましょう。
業務内容
組込系エンジニアは、機械製品を動かすソフトウェア=プログラムを作り組み込んでいくため、IT分野というよりは機械電気分野に近い業務を担っています。
実際には、まずどんなソフトウェアを作成するのか要件定義をしてからプログラミングをし、テスト後に納品・アフターフォローを行うところまでが業務範囲です。
詳しい業務内容は仕事の流れに沿って、次の章で解説していきます。
組込系エンジニアの仕事の流れ
組込系エンジニアの仕事の流れは以下の4段階に分けられます。
- 要件定義
- プログラミング
- テスト
- アフターサポート
それぞれの内容をチェックして、仕事内容を押さえておきましょう。
1:要件定義
はじめに、「どんな機能のついた製品を作りたいのか」要件定義をします。
要件定義をつめていくためには、実際にプログラミングするソフトウェアに関する知識だけでなく、ハードウェア=製品の知識ももっていなければなりません。
幅広い知識が必要とされることも組込系エンジニアの特徴です。
2:プログラミング
この段階では、まず要件定義に基づいて作りたいものをどうプログラミングしていくか、設計を行います。
一度製品化されて販売を開始してしまうと不具合が見つかっても簡単には修正できないため、設計段階から細心の注意が必要です。
万一、販売後に大きな問題が発見されたときには、メーカーはリコールしなければならなくなり、大きな損失を生んでしまいます。
そのため、組込系エンジニアには高いスキルが求められているのです。
設計後は、細かな部分までミスのないようにプログラミングをしていきます。
バグが出ないように、また反応が遅くならないなどに、特に気を配って作業しなければならないため高い技術力と集中力が求められます。
3:テスト
ミスが許されない組込製品は、テストも重要な業務のひとつ。
作成したプログラミング単体でのテストはもちろん、製品全体が正しく機能するかをチェックする段階です。
システムの質、完成度を厳しくチェックしてから納品へと進めるため、テストは慎重かつ丁寧に行われます。
簡単な単体テストや動作確認であれば、経験の浅い人でも任せてもらいやすいのがテストフェーズです。
そのため、「テストエンジニア」や「品質評価」といったテストフェーズに関する業務を専門として募集を行っている企業も多く、当然実務経験者は歓迎されるものの、未経験者でも応募可能な求人も少なくありません。
企業によっては未経験の状態からテストエンジニアとして入社し、実績を積むことで組み込み系エンジニアとしてキャリアアップするという選択肢もあります。
4:アフターサポート
「これでもう完璧」と思って納品しても、不具合や修正箇所が出てくることはあるため、アフターサポートとして修正対応をすることも組込系エンジニアの仕事に含まれます。
組込システムは、さまざまなハードウェアに搭載されており、なかには365日24時間休みなく稼働しているものもあります。
修理でシステムを止めるときには、関係する部署すべての機能を一度停止させなければならないケースもあるため、できれば修理にならないように作ることが大切です。
アフターサポートとしての修理作業も仕事の範囲ではありますが、修正が必要なバグが起こらないように質の高いプログラムを作ることが、組込系エンジニアの使命だといえます。
組込系で使用するプログラミング言語
組込系エンジニアはプログラミングが主な仕事となるため、プログラミングに関する知識は必須です。
組込システムで使用されている言語の多くは、汎用性と互換性の高いC言語。
組込系エンジニアを目指しているなら、まずはC言語を学ぶようにしましょう。
さらに、C++も併せて学んでおくのがおすすめです。
C言語に近い処理ができるだけでなく、使用する可能性の高いもうひとつの言語JavaはC++の拡張言語であるため、続けて学びやすい特徴があります。
また、電卓など数字を扱う機械製品で使われているのがアセンブリ言語(アセンブラ)です。
アセンブリ言語は、機械に組み込む際、機械が理解できる言葉に変換するアセンブラを行います。
その変換作業から、通称「アセンブラ」と呼ばれることもあるため覚えておきましょう。
独学?通学?プログラミングの勉強法は?
プログラミングの勉強法としては、主に次の4つの方法が挙げられます。
- 参考書を読む
- ネットで調べる
- 有料の通信講座を利用する
- スクールに通う
1~3までの方法については、自分のペースで学習ができ、スクールに通った場合と比較すると勉強にかかる費用を大幅に抑えることも可能です。
しかし、スケジュール管理やモチベーションの維持などが難しいことや、疑問点が出てきた場合にすぐに解決できないことがあるといったデメリットもあります。
4のスクールに通う方法は、1~3までのデメリットをカバーできる反面、通学の手間がかかったり、費用が高額になりがちというデメリットがあります。
そのため、それぞれの勉強法のメリット・デメリットをよく理解し、自分の性格やライフスタイルに合わせた勉強法を選択することが大切です。
また、いくつかの勉強法を組み合わせてみても良いかもしれません。
組込系の今後のニーズ
組込系エンジニアは今後、ますますニーズの高まる職種だといわれており、その背景にはIoT化や機械製品の電装化・自動化があります。
IoT化には組込系エンジニアが必要
IoTとはInternet of Thingsの略称で、モノをインターネットにつなぎスマホなどと連携させる技術のことです。
外出先からエアコンを起動させて帰宅時に部屋を快適な温度にしておくことができるのも、IoTによってエアコンに通信機能が組み込まれているためです。
モノに通信機能をもたせるためには、通信機能のあるハードウェアとそのハードウェアを制御するソフトウェアを製品に組み込まなければなりません。
そこで必要となるのが組込系エンジニアです。
今後ますますIoT化が進んでいくといわれているなかで、組込系エンジニアのニーズはどんどん高まっています。
機械製品の電装化・自動化でエンジニアが求められている!
IoT以外でも、機械製品の電装化や自動化が進むことで組込系エンジニアを求める企業が増えています。
特に自動車業界は技術の進歩がめざましく、自動運転システムの導入が始まればさらに電装化・自動化が進むと予測されています。
キーを差して回す必要のないキーレスエントリや、パワースライドドアの挟み込み防止装置などをイメージすると、自動車の電装化が加速度的に進んでいることを実感できるのではないでしょうか。
自動車以外の機械製品も電装化・自動化が進んでいるため、組込系エンジニア不足が深刻化するともいわれています。
「組込系エンジニアを目指すなら今!」と言えるほどに、ニーズが高まっている職種です。
まとめ
製品に組み込まれるソフトウェアを作る組込系エンジニアは、現在ニーズが高まっているため引く手数多な職種です。
一方で、高い技術力を求められることから、未経験者には難しいのでは…と敬遠されてしまいがちな仕事でもあります。
確かにプログラムの質や完成度は問われますが、人手不足ということもあり、教育体制が整っている企業であれば、未経験者であっても積極的に採用しています。
組込系エンジニアを目指すことは誰にでもできます。
まずはプログラミングの知識を身につけて、徐々にステップアップしていきましょう。
そして、未経験からプログラミングを学ぶには、スクールでしっかり指導してもらうのがおすすめです。
UZUZが開講しているウズウズカレッジ「プログラマーコース」では、就職支援も行っているため、「ただプログラミングの知識と技術を身につけただけ」では終わらず、仕事にしていくことができます。
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この記事に登場したキャリアカウンセラー
新卒時は、IT機器・ITシステムなどの新規提案を行う企業に営業職として入社。その後、企業の採用問題に向き合いたいと考え、UZUZへの転職を決意。
現在はUZUZ内一の癒し系キャリアカウンセラーとして活躍中!
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