もくじ
転職を考えた時「キャリアアップ」を退職理由に挙げる方は多いのではないでしょうか。
ネガティブな転職理由よりも聞こえはいいし、前向きな姿勢をアピールできますよね。
ところがキャリアアップは便利な言い訳として退職理由に用いられることも多く、正しく伝えないと不利になる可能性もあります。
「表面上だけの退職理由だな」と採用担当者には受け取られてしまい、逆効果になってしまうおそれがあるのです。
ここではキャリアアップのために転職したい方に向けて、好印象を持ってもらえる退職理由の作り方について紹介していきましょう!
キャリアアップを理由にして短期間で退職してしまう人もいますが、その場合は、また別の対策が必要です。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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そもそもなぜ面接で転職理由を質問されるのか
中途採用つまり転職時の面接では「なぜ前職を辞めたのか」「なぜ転職をするのか」といった転職理由を質問されることがほとんどです。
採用担当者は、入社した人材がすぐに辞めたり、業務に対応できなかったりすることを、最も避けたいと考えます。
その判断の材料として、前職がある場合には退職理由を尋ね、応募者の人間性や能力を確認するのです。
業務のミスマッチが生じないか、自社の雰囲気に馴染んでもらえるか、前職を辞めた本音の部分を探ることにより確認していきます。
転職理由を作る際には、採用担当が面接で転職理由を質問する理由を踏まえることで、好印象を与えやすくなるでしょう。
入社後に活躍できる人材か確認したい
中途採用の場合、多くは即戦力、もしくは短期間で戦力になってもらえることを期待します。
反対にトラブルを起こしたり、業務に適応できない場合、採用が失敗に終わるだけでなく、既存のメンバーにも悪影響を与え生産性を低下させます。
こうしたリスクを回避するため、退職理由を慎重に確認するのです。
もし、人間関係が理由であれば「コミュニケーションスキルに問題ないか?」「トラブルメーカーとはならないか?」などを確認するために慎重に質問されます。
前職で成果が出ていないようであれば、基本的なビジネススキルに問題はないかを確認されることもあるでしょう。
すぐに辞めるリスクがないか確認したい
採用担当者は退職理由の本音が垣間見えれば、応募者の仕事に対する姿勢が、ある程度、確認できると考えています。
早期離職は採用コストの無駄になるため「忍耐力があるか」「飽きっぽい性格ではないか」といったことを重点的に確認されるでしょう。
特に、転職回数が多い人や、期間が短い人に対しては、この点に関して慎重に確認されると覚悟しておきましょう。
採用担当者の不安を払拭するだけの、しっかりとした退職理由が必要になってくるのです。
転職理由を作る際に注意したい!転職理由の作り方における4つのポイント
転職理由を作る際には、決して嘘をついてはいけませんが、前向きな伝え方をすることが重要です。
その他にも、なぜその企業を志望するのかという点を明確に示すことも欠かせません。
それでは、転職理由を作る際に注意したい4つのポイントを解説していきます。
1.嘘をつくことなく転職理由を正直に伝える
転職理由においては、決して嘘をつくことなく、正直に伝えるようにしましょう。
嘘をついてしまうと、面接中に会話に矛盾が生まれてしまったり、入社後のミスマッチにつながったりするからです。
転職活動を行う以上、前職で何らかの不満やトラブルがあったことは採用担当も理解しています。
大切なのは嘘の転職理由を取り繕うのではなく、正直だけどポジティブな言い回しで転職理由を伝えることです。
2.転職理由に関して前向きな姿勢を示すようにする
転職理由を伝える際は、なるべく前向きな姿勢を示すことが重要です。
転職理由をただそのまま伝えるのではなく、その経験から何を学んだのか、その経験を活かして入社後はどのように業務を行うのかを話しましょう。
そして、転職理由に関して、前の会社へすべて責任転嫁するのではなく、自分にも至らなかった点があると話すことも必要です。
自分の状況を客観的に分析できると評価されて、印象がアップするかもしれません。
3.キャリアアップを理由にする場合は注意する
3年以上のキャリアのある方であればいいのですが、1年未満の第二新卒者が同じ様に伝えても「1年未満じゃまだ分からないのでは?」と、面接官は判断するでしょう。
そもそも、1年未満で短期離職してしまうのは根性が無いと面接官に思われてしまう可能性が高いんです。
事情はそれぞれあると思いますが、キャリアアップを挙げるにしてもより慎重に理由を伝える必要がありますね。
例えば、「入社時に説明を受けていた部署とは全然違う所に配属されて自分の能力を活かせる部署への異動が厳しいと上司に言われた」というケースです。
このような場合は、1年未満の退職であってもキャリアアップを理由にできます。
経験の少ない第二新卒者の場合、在職期間内で「本当に自分の能力は発揮できたのか」「まだ活躍の余地があるのではないのか」と問うようにしましょう。
4.なぜその企業なのかを明確にする
誰にでも共通して言えることですが「なぜその企業を志望するのか」ということを深く考えるようにしてください。
「なぜ転職先の企業として選んだのか」
これは、面接でもよく聞かれることです。
特にキャリアアップを転職理由とする場合、注意が必要です。
キャリアアップは転職しなくても自分の努力次第で可能なケースもありますし、志望先の企業以外でも同じようにキャリアアップできる企業があるかもしれません。
そこで「なぜ今の企業やほかの企業ではなく、その企業でのキャリアアップを望んでいるのか」ということを、明確に筋を通らせて説明する必要があります。
なぜその企業なのかを明確にするには、企業研究とキャリアプランの作成をしっかり行うことが大切です。
「転職理由の作り方」5つのステップ
転職理由を考える際は、自分の長期的なキャリアビジョンを明確にすることが重要です。
なぜなら、キャリアビジョンが明確になれば、自分のキャリア選択における価値観や優先事項が自ずと見えてくるからです。
その結果、採用担当に納得してもらいやすい筋の通った転職理由を作りやすくなります。
特に、キャリアアップを転職理由とする場合、キャリアプランを作成することが欠かせません。
また、自分の価値観と志望先の企業の価値観とが合致しているかどうかも確認するようにしましょう。
入社後のミスマッチを防ぎやすくなり、自分にとって大きなメリットがもたらされます。
それでは、転職理由を作る際の5つのステップを見ていきます。
ステップ1.自分の職歴を棚卸しする
まずは、自分のこれまでのキャリアを振り返って、職歴やスキルなどを棚卸ししましょう。
具体的には、下記のような項目に基づいて棚卸しするのが良いでしょう。
- これまでのキャリアでは、どんなことを学ぼうとしたのか、実際にどんなことが習得できたのか
- 「学びたかったけれど学べなかったこと」があるなら、なぜ学べなかったのか
- 今まで勤めた企業では、どのような業務を経験してきたのか
- これまで業務を行ううえでは、どのような工夫をしてきたのか
- 現在に至るまで、どのような目標に基づいてキャリアを積んできたのか
自分のこれまでのキャリアを振り返りながら書き出し、今の自分を把握するようにしてください。
このステップを踏むことで、将来の理想像を実現するために必要な行動やスキルが分かりやすくなります。
ステップ2.理想のキャリアビジョンを考える
次に、理想とするキャリアビジョンを考えます。
1年後・3年後・5年後・10年後において、自分はどのような仕事をしていたいのか、どのようなスキル・資格を持っていたいのかなどを書き出してください。
できれば「〇名規模のプロジェクトでリーダーを務めたい」「企画担当として〇億円規模のビジネスを創出したい」など、具体的な数値を交えた理想像にするのがおすすめです。
ただし、あまりにも現在の自分とかけ離れ過ぎた理想像を挙げると、キャリアプランを立てにくくなるため注意しましょう。
具体的な理想像が浮かばない場合、ざっくりとしたキャリアビジョンを考えておいて、企業研究後に各々の面接先に合わせて肉付けするのもひとつの手です。
ステップ3.明確なキャリアプランを立てる
キャリアプランとは、今後の人生においてどのような業界・職種に就き、どのような職歴を積んでいきたいのかを明確にする計画書です。
そのほかにも、どのようなスキル・能力を身につけたいのか、そしてそのためにどのような行動を起こしていくのかまでキャリアプランに落とし込むのが理想的といわれています。
キャリアプランを作成することで自分のキャリアビジョンが明確になり、転職理由を面接で話す際にも、詳細に説明しやすくなります。
キャリアプランを作成する際は、1年後・3年後・5年後・10年後と具体的に期間を区切り、将来の理想像を実現するための計画を立ててください。
例えば「3年後には新規事業のプロジェクトチームに配属される」「5年後にはその経験を活かしてチームリーダーとして指揮を執る」などが挙げられます。
ここで挙げた理想像はあくまで例ですので、自分自身がどのような業務を行って、どのようなポジションに就きたいのかを理想像として描きましょう。
そして、10年後の理想像と逆算して、5年後・3年後・1年後にどのようなことができるようになっていれば良いのかを考えます。
例えば「5年後には部下へマネジメントを行えるようになる」「3年後には市場の状況を自分なりに分析して新規ビジネスを発案できるようになる」など。
また、それぞれの時点までにどのようなスキル・資格・業績が必要なのかも詳細に記すことが重要です。
これまでのステップで明確にした自分の現在の姿と、将来の理想像とを比較して、どのような行動が必要なのかを示すようにしましょう。
ステップ4.志望企業の研究を行い事業内容を確認する
転職に限った話ではありませんが、採用面接では「なぜウチを志望するのか」を採用担当は知りたがっています。
特に、キャリアアップを転職理由として挙げる場合、自分のキャリアビジョンを応募先の企業で実現できると説明することが欠かせません。
そのため、志望企業の研究を行い事業内容をしっかり把握した上で、自分の価値観やキャリアビジョンと合致するかを確認しておきましょう。
この過程を踏むことで、志望動機や転職理由を質問された時も、自信を持って回答できるようになります。
具体的には、企業のコーポレートサイトや経営者の取材記事・書籍を読んだり、企業説明会やインターンシップへ参加したりといった行動が企業研究に該当します。
現在の事業内容や業界内での立ち位置、強みやこれからの課題、今後の経営方針や事業展開といった項目で情報を収集していきましょう。
ステップ5.志望企業の事業内容とキャリアビジョンが合致するかどうかを確認する
応募先の企業研究が完了したら、自分のキャリアプランやキャリア選択における価値観と照らし合わせながら、合致する部分があるかどうかをチェックしましょう。
「私のキャリアプランはこうです」
「そして、御社ではこのような業務を経験してこのようなスキルを身につけられると考えます」
「御社に入社すれば私のキャリアプランを実現しやすくなると考えて、希望しました」
このような流れで、筋の通った志望動機を書きやすくなります。
また、せっかく転職するのであれば、転職先の企業でなるべく長く働きたいですよね。
そのためには、入社前に自分の価値観と志望先の企業とでミスマッチがないかどうか確認することが欠かせません。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
OB・OG訪問で先輩社員のキャリアプランを聞くのもおすすめ!
コーポレートサイトや企業説明会で情報収集するだけでは、入社後に経験できるキャリアや身につけられるスキルなど、実際の業務に関わる詳細な情報を得られないおそれもあります。
そのため、OB・OG訪問を行って、先輩社員がどのようなキャリアプランを描いているのかをヒアリングしましょう。
また、今携わっている業務では、そのキャリアプランを実現できそうかどうかも併せて質問してください。
OB・OG訪問は、志望企業へ相談したり、実際に勤めている知人や先輩がいれば直接お願いするのがおすすめです。
若手人材の本音の退職理由とは?
若年層(20~29歳)の退職理由をまとめた資料があります。
男女別に年齢層を区切ってランキング形式でまとめてみました。
20~24歳 男性 | ||
---|---|---|
1位 | 労働時間・休日等の労働条件の不満 | 14.2% |
2位 | 職場の人間関係への不満 | 12.8% |
3位 | 給料等待遇への不満 | 9.7% |
4位 | 会社の将来への不安 | 5.5% |
5位 | 能力・個性・資格を活かせない | 3.7% |
6位 | 仕事内容に興味が持てない | 3.6% |
25~29歳 男性 | ||
---|---|---|
1位 | 給料等待遇への不満 | 14.8% |
2位 | 仕事内容に興味が持てない | 10.1% |
3位 | 会社の将来への不安 | 9.5% |
4位 | 労働時間・休日等の労働条件の不満 | 7.2% |
5位 | 職場の人間関係への不満 | 6.3% |
6位 | 能力・個性・資格を活かせない | 4.7% |
20~24歳 女性 | ||
---|---|---|
1位 | 労働時間・休日等の労働条件の不満 | 14.3% |
2位 | 職場の人間関係への不満 | 9.3% |
3位 | 給料等待遇への不満 | 9.2% |
4位 | 会社の将来への不安 | 7.3% |
5位 | 能力・個性・資格を活かせない | 4.9% |
6位 | 仕事内容に興味が持てない | 4.2% |
25~29歳 女性 | ||
---|---|---|
1位 | 労働時間・休日等の労働条件の不満 | 14.8% |
2位 | 職場の人間関係への不満 | 7.9% |
3位 | 仕事内容に興味が持てない | 7.5% |
4位 | 給料等待遇への不満 | 6.3% |
5位 | 能力・個性・資格を活かせない | 6.2% |
6位 | 会社の将来への不安 | 6.1% |
参考:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」p17表6
このデータは、転職入職者(転職成功者)が前職を辞めた理由を調査したものです。
男女、20代の前半か後半かにより、順位は前後するものの、同じ理由で辞めている人が多いということが分かるでしょう。
- 労働時間・休日等の不満
- 職場の人間関係の不満
- 給与等待遇への不満
どの年代・性別においても、概ねこの3つが上位3位までを占めています。
前職に不満があって辞めたとしても、こうした理由はポジティブなものに言い換えなくてはなりません。
そのために、工夫が必要になるのです。
転職理由はどう伝えれば良いの?マイナスイメージを与えない転職理由の例を解説!
ここまで転職理由の作り方を紹介してきましたが、採用担当へマイナスイメージを与えないためには具体的にどのような伝え方をすれば良いのでしょうか。
ここからは、よくある転職理由ごとに、マイナスイメージを与えにくい転職理由の例を解説していきます。
また、新卒が退職する主な理由については「新卒の8割は就職した会社を辞めたい!?退職理由TOP5を徹底解説」をチェックしてみてください。
人間関係がうまくいかずに転職した場合
前職の職場で、上司や同僚との人間関係がうまくいかずに転職する人は多いものです。
いじめを受けていたケースがあれば、そこまで深刻ではないが何となくやりづらさを感じていたケースもあることでしょう。
この場合、下記のような流れで転職理由を作るのがおすすめです。
- 前の企業では、従業員個々人がそれぞれの判断で業務を進める、従業員同士が協力する機会が少ない社内風土でした。
- しかし、それだけでは自分のスキルアップやキャリアアップにつながらない、また良い商品・サービスを生み出すためには従業員同士の協力が必要と考えました。
- そのため、個々人ではなくチームで業務を進める経験ができる御社に入社したいと思ったのです。
労働時間や休日など労働条件の不満で転職した場合
労働条件の不満で退職した場合、自分の能力不足による長時間労働ではないことを伝える必要があります。
会社の体制や風土の問題で、長時間労働(違法な労働時間)が常態化していたことを伝えましょう。
改善を提案し動いたが、どうにもならなかったことも合わせて話せるとなお良いでしょう。
下記のような流れで退職理由を作るのがおすすめです。
- 前職で配属された部署では、長時間労働や休日出勤が常態化していました。
- 業務分担の見直しを提案しましたが、そもそもの業務量が多く、同じ部署の同僚・上司も常に残業しており、難しいとのことでした。
- それならば、重複した業務がないか、システムを導入して効率化できる部分はないか、業務を一度見直してみましょうと提案しましたが、今は手一杯で難しいという返答でした。
- 人間関係も良く、仕事内容にも満足していましたが、このままでは体調を崩してしまうと考え退職する決断をしました。
労働条件の不満により退職した場合の退職理由の作り方は、以下の動画で詳しく解説しています。
合わせてご覧ください。
給与面の待遇が不満で転職した場合
給与面の待遇が不満で転職した場合、給与アップを会社頼りにするのではなく、自分もスキルアップして昇給を狙いたいという姿勢を示すことが重要です。
この場合、下記のような流れで転職理由を作るのがおすすめです。
- 正直に申し上げますと、前職の給与では自分の実績に見合わない、そして生活が厳しいと思い転職するに至りました。
- 前職ではおよそ月収〇万円でしたが、同居している母親の介護費用を支払っていくには足りない金額でした。
- 御社では業務成績に応じてインセンティブの支給があるだけではなく、昇進昇級も積極的に実施していると伺っております。
- 御社へ入社したらスキルアップをして貢献しつつ、自分自身の給与も伸ばしていきたいと考えています。
思うような成果が出ずに転職した場合
「思うような成果が出なかった」場合、前職の職場における業務の進め方が自分に合っていなかったことが考えられます。
まずは、前職ではどのような業務の進め方が主流だったのか、そして自分の業務の進め方はどのようなものであるのかを明確にしてください。
思うような成果が出ずに転職した場合、特に前職における業務方針が自分に合っていなかったケースでは、下記のような流れで転職理由を作るのがおすすめです。
- (営業職の場合)前職の職場における方針では、自分が担当している顧客一人ひとりとじっくり向き合いながら業務を進められず、不満に思っていました。
- (事務職の場合)前職の職場における方針では、社内の従業員一人ひとりへ丁寧なサポートを行うことができず、不満を抱えていました。
- なぜなら、私は業務においては顧客or従業員一人ひとりへきちんと向き合いながら、信頼関係を築きたいと思っているからです。
- 「〇〇という社風の」or「〇〇という実績がある」御社であれば、前職では実現できなかった、一人ひとりへ向き合いながら業務を行うことが可能と考えています。
希望と違う配属になったため転職した場合
希望と違う配属になったため転職する場合、そのまま転職理由を伝えてしまうと、採用担当へマイナスイメージを与える可能性があります。
なぜなら、転職先の企業でも、必ずしも希望通りの業務を担当できるとは限らないからです。
希望通りの配属とならなかった場合、早期に離職してしまうのではないかと思われてしまいます。
そのため、希望と違う配属になって転職する場合は、伝え方に注意が必要です。
具体的には、下記のような例が良いでしょう。
- 前職では入社後すぐに営業職となり、見込み顧客へ飛び込み営業を行う毎日を過ごしていました。その中ではコミュニケーションスキルや提案力、商品に関する知識が身につきました。
- しかし営業職としてスキルアップはできても、自分が思い描くキャリアビジョンは叶えられないと思い転職を決断しました。
- 私は、将来的にシステムエンジニアになるというキャリアビジョンを持っています。そのために、まずは社内のシステム担当部門でスキルアップをしたいと考えています。
- 御社のシステム担当部門では、システム開発に関する知識を学びながらスキルアップができると伺い、御社を志望するに至りました。
自分の体調不良が原因で転職した場合
体調不良が原因で転職する場合、病名や症状を正確に伝えるとともに、今は体調に問題がないことをしっかり話すようにしましょう。
もし、業務を行う上で「長時間の立ち仕事はつらい」「定期的な通院がある」など、注意すべきことがあれば、必ず伝えるようにしましょう。
具体的には、下記のような伝え方がおすすめです。
- 前職では、一日中立ちっぱなしの販売職を担当していました。しかし〇〇を患ってからは、仕事を休んで通院することが多くなりました。
- 担当医からは、しばらくは休職して治療に専念したほうが良いと言われて、上司とも相談を重ねました。しかし、復帰の時期に目途が立たないことがあり、治療が終わっても以前のような業務を行えるかがわからず、企業へこれ以上の迷惑をかけないよう退職を選択しました。
- 退職後は〇年の治療を続けて今は無事治りましたが、まだ立ち仕事はつらい状態です。このような経緯があり、今後のことも考えて、デスクワークがメインとなる御社の〇部門を希望しております。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
転職回数が多い場合は転職理由に一貫性を持たせる
転職回数が多い場合、それぞれの転職理由がバラバラでは、場当たり的な転職を繰り返してきた人物と見られてしまう恐れがあります。
複数回転職してきた事実は変えられないので、そこに一貫したストーリー性を持たせられるとベストです。
例えば、こうした流れでストーリー性を持たせていきます。
- A社では小売業の現場で接客に従事し、お客様に喜んでいただけることのうれしさを経験できました。
- 日々接客をする中で、より深く顧客と関わりたいという思いが強くなったためA社を退職。個人顧客を対象に、営業職として活躍できるB社とC社で経験を積ませていただきました。
- B社とC社の提供するサービスは全く異なりましたが、多くの顧客と良好な関係を築く中で、喜んでいただくには製品やサービスの質が重要であることを実感しました。
- 自分の中で、企画段階からサービスの開発に携わりたいという思いが強くなり、御社の企画職に応募した次第です。
「お客様に喜んでいただくことが仕事の目的である」と、一貫性を持たせられています。
その上で、携わるフェーズを変えることで、ステップアップしてきたという印象を与えられる退職理由になっています。
面接で企業に敬遠されやすい転職理由 4つのNG例
本人は「キャリアアップが転職の理由」だとアピールしたとしても、実際には企業に伝わっていない場合もあります。
そこでここでは、具体的なキャリアアップ関連の退職理由NG例を紹介していきます。
このNG例を避けつつ「キャリアアップのための退職理由」を企業に説明できるようにしましょう。
前職の悪口が含まれている
前述した通り、前職の悪口を言うのは良くありません。
また、この回答では自分本位な印象を与えるので、
前職での経験を活かして、ベンチャー企業である御社で○○や○○など様々な経験を積みたいと考えています。そしてマネージャーとしてチームを引っ張っていけるリーダーに成長していきたいです。
このようにポジティブに答えるのが好ましいでしょう。
キャリアプランが明確でない
そこで、営業担当者として新しい会社でどのようにキャリアプランを描いているのか具体的に説明できるといいです。
達成不可能なことばかり書いている
目標設定の読みが甘いと、以下のようなマイナスイメージを与えてしまいます。
- きちんと自己分析・企業研究ができていない
- 仕事ができないんじゃないか
このような場合は「3年以内に御社の中核人材となって貢献したいと考えています。」というような表現に変えたほうがいいですね。
NG例を見るとどのような所に気をつけるべきかがよく分かったのではないでしょうか。
企業へ貢献する姿勢が感じられない
転職理由でキャリアアップを挙げる場合、ついつい自分のキャリアビジョンや希望ばかり話してしまいがちです。
例えば、自分が転職先でどのようなスキルを身につけたいのか、どのような業務を経験したいのかなど。
しかし、それだけでは応募者を採用する企業側のメリットを感じることができず、採用に至らないおそれもあります。
自分を採用することで、どのようなメリットがあるのか、どのような形で企業へ貢献できるのかを併せて説明することを意識しましょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
キャリアアップした後に離職するのでは?と思われないように注意!
キャリアアップを転職理由とする場合、キャリアアップした後に離職するのではないかと思われないように注意してください。
希望するスキルを身につけたり、業務を経験したりした後、さらなるキャリアアップを求めて離職するかも……と面接官に思われるかもしれません。
いずれ離職すると分かっている人を、わざわざコストをかけて採用する企業は多くはありません。
たとえ内心では「何年かこの企業で経験を積んだ後はまた転職をしよう」と思う部分もあるかもしれません。
面接官には「御社で身につけたスキルを活かして、さらに御社へ貢献していきたい」と伝えることが重要です。
「面接が不安」という人は転職エージェントの活用もアリ
ここで様々な注意点やポイントを紹介しましたが、あなたの転職理由が採用担当者に正しく伝わるかは本人では分かりませんよね。
そんな時は、転職のプロにお任せください!
転職エージェントであるUZUZであれば、プロのキャリアカウンセラーが客観的に退職理由をチェック。
不安なまま就活を進めていくよりも、アドバイスやサポートを受けながら選考を進めたほうが自信を持って挑めるでしょう。
志望企業やあなたの経歴に合わせて面接で想定される質問をカスタマイズして対策を実施。
選考が入る度に2時間の面接対策を行います!
また、模擬面接を行って繰り返しトレーニングするので、「面接が苦手」という方でも本番までに克服可能です。
まとめ
「キャリアアップ」は好印象な転職理由である一方で、下手に利用するとマイナス評価につながってしまうリスクを伴います。
ここで説明したことをまとめると、以下のようになります。
- 本当にキャリアアップが目的の場合にのみ転職理由に挙げる
- 明確なキャリアプランを持ち、現職ではなく転職先でなら達成できることをアピールする
- キャリアの短い第二新卒の場合は、キャリアアップを理由に挙げる上で矛盾がないか確認する
- キャリアアップを転職理由とする中で、前職の悪口や達成不可能なキャリアプランを言わない
もしも転職理由に自信を持てなかったり、不安がある場合は気軽にUZUZにご相談くださいね。
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