もくじ

確かに「空白期間があると面接官から突っ込まれるのではないか……」と不安を感じてしまいますよね。
でも、あまり心配することはありません。
空白期間があったとしても、その理由を面接官へ上手に伝えることで内定を勝ち取れるのです。
この記事では、具体例を交えながら空白期間の上手な伝え方を解説していきます。
空白期間のある既卒やニートの方は、ぜひ読んでみてください!
- 面接で「空白期間」を聞く意図とは?
- 既卒が空白期間を伝える時のポイント5つ
- 既卒の空白期間に許容レベルはあるか?
- 既卒が空白期間を伝える時の例文を紹介!
- 面接対策や空白期間の伝え方について学びたい!無料で教えてもらえるところは?
また、ブランク期間の答え方を含めて、内定を取るためのポイントをぎゅっとまとめた【面接対策動画】もあります!
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履歴書の空白期間とは

履歴書の職歴欄には、アルバイトの経験は書かないことが原則です。
学校を卒業した後、正社員として働いていない期間があれば履歴書に記載する内容がなくなるため、空白期間となってしまいます。
空白期間が生じてしまう理由は、人によって様々です。
資格取得を目指したり、視野を広げるために海外に長期滞在していたりと、ポジティブな動機によるものは面接でも話しやすいでしょう。
反対に、就職に失敗した、病気やケガ、家庭の事情など、ネガティブな印象を持たれる可能性のある理由は、面接で話す時に工夫が必要です。
既卒・ニートはどれくらいの割合でいるの?

総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の概要」では「若年無業者」というくくりで、ニートや既卒の動向を追っています。
この資料による「若年無業者」の定義は「15~34 歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者」となります。
【年齢階層別 若年無業者数 推移】 (単位:万人)
総数 | 15歳~24歳 | 25歳~34歳 | |
---|---|---|---|
2019年 | 56(2.2%) | 24(2.0%) | 32(2.4%) |
2020年 | 69(2.7%) | 37(3.1%) | 32(2.4%) |
2021年 | 58(2.3%) | 28(2.3%) | 31(2.4%) |
2022年 | 57(2.3%) | 26(2.2%) | 31(2.4%) |
2023年 | 59(2.4%) | 26(2.2%) | 33(2.6%) |
※カッコ内は各年層における若年無業者の人口に占める割合
参照:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の概要」 17P


労働政策研究・研修機構の発表した資料に、2014年から2020年までの集計で、若年の正社員入職者で、新卒と既卒の割合を示したものがあります。
それによると、新卒者は71%と多数であるものの、のこり29%は3年以内の既卒者が占めています。
参照:労働政策研究・研修機構「若年既卒者の雇用動向」 37P
就職できた人のうち、約3割はなんらかの履歴書の空白期間があったといえるのです。
この内定を勝ち取れる3割に入るには、空白期間の理由を上手に伝える必要があります。
面接で「空白期間」を聞く意図とは?

空白期間がある場合は、ほぼ確実にその理由を聞かれます。
面接官は空白期間について聞くことで、主に次のような内容を知ろうとしています。
- 空白期間が生じた理由
- 空白期間に何をしていたか
- 働く意欲があるかどうか
- 長期的に働いてくれるか
それぞれのポイントを詳しく解説していきましょう。
面接官は「なぜ空白期間が生じたか」を知りたい!
面接官は、そもそもなぜ空白期間が生じたのか、その理由を知りたいと考えています。
その理由によって、面接で確認するポイントが変わってくるからです。
例えば、病気やケガによる療養であれば、勤務に支障はないのかを確認しなくてはなりません。
就活に失敗したという理由であれば、内定が獲得できなかった原因を探り、自社に適応できるか確認したいと考えます。
そもそも、就活をしていなかったのであれば、まず働く意思があるのかを確認しなくてはなりません。
面接官は「空白期間に何をしていたか」を知りたい!
履歴書に空白期間がある場合、理由に加えてその期間に何をしていたかをほぼ全ての面接官が確認してくるでしょう。
面接官は応募者に対する疑問や不安を、できる限り解消したいと考えるからです。
複数回面接がある企業では次の面接官に申し送りするため、不明な点はなくしておきたいという側面もあります。
空白期間に何をしていたか、過ごし方を聞くことで、仕事に向き合う姿勢が垣間見えると考える面接官も多いのです。
面接官は「働く意欲があるか」を知りたい!
当たり前ですが、面接官は働く意欲がある人を採用したいと考えています。
同僚と協力しながら、前向きに仕事をしてくれる人材を採用したいのは当然ですよね。
でも、仕事をしていない空白期間があると、面接官は不安を感じてしまいます。
- 仕事をせずに遊んでばかりいたのでは?
- 仕事が続かない人間なのかな?
そこで空白期間に何をしていたのかを詳しく聞いて、働く意欲を確認しようとしているのです。

不安になるかもしれませんが、心配しすぎる必要もありません!
そもそも面接官は、応募者を落とすためではなく、採用するために面接を行っています。
面接には時間も費用もかかるため、書類の段階で実際に会う人を厳選しているのですね。
質問に対する準備はもちろん大切ですが、書類選考には通ったわけですから、自信を持って面接に臨みましょう。
面接官は「長期的に働いてくれるか」を知りたい!
面接官が見ている2つ目のポイントは、長期的に働いてくれるかという点です。
新しい社員を採用すると、仕事を教える必要があります。
一人で仕事をこなせるようになるまでには、それなりの時間がかかりますよね。
せっかく採用して教育しても、すぐに辞められてしまうと会社にとっては大きな損失です。
そこで、面接官は質問を通して長く働く意思を確認しているのです。
空白期間について伝える時は、面接官の不安を払拭できるよう、長期的に働きたいことを積極的にアピールしましょう。
具体的な答え方については、次の章を参考にしてみてください。
監修者コメント
応募者のパーソナリティを知りたいという理由で空白期間を聞くことも!
空白期間には何をしていたのかを質問することで、応募者のパーソナリティをより深く理解したいと考える面接官は少なくありません。
応募者の内面をしっかり把握した上で採用すれば、入社前後のミスマッチを防げて早期離職率を下げられるという狙いがあるからです。
空白期間は一般的にはマイナス印象になりがちですが、空白期間を乗り越えたあるいは今後の人生の糧にした話をできれば、面接官へ好印象を与えられます。
応募者を責めようと思って空白期間について聞いているわけではないことを、覚えておきましょう。
既卒が空白期間を伝える時の5つのポイント

既卒が面接で空白期間に触れる際は、嘘をつかないことや今の取り組みをアピールすることなど、いくつかのポイントに注意しましょう。
ここでは、既卒が空白期間を伝える時のポイントを5つ紹介していきます。
また、もっと詳しい内容を知りたいという人は、【完全版】「空白期間は?」で落ちない回答を徹底解説【転職面接対策】をぜひ視聴してみてください。
1.前向きな理由は積極的にアピールする
資格取得などの前向きな理由がある場合は、積極的にアピールするようにしましょう。
物事へ一生懸命に取り組む熱意や意欲が面接官に伝わり、印象アップにつながるはずです。
また、資格取得だけではなく、仕事に関連する情報収集や勉強もアピールポイントになるためしっかり伝えましょう。
伝える際は、空白期間に取り組んでいた内容をなるべく詳細に伝えるのがポイントです。
場合によっては面接官からさらなる質問を受けることもあるため、あらかじめ答えを想定して用意しておくと安心ですよ。
2.空白期間は嘘をつかず正直に伝える
なぜ空白期間ができたのか、また空白期間には何をしていたのかなどは、嘘をつかず正直に伝えることが重要です。
「やりたいことが分からなかった」
「就活がうまくいかず落ち込んでいた」
このような伝えづらいことほど、自分から正直に伝えた方が後で自分の首を絞めるリスクを低減できます。
下手に隠そうとしてしまうと、面接官から必要以上に深掘りされる可能性が高まってしまいます。
嘘をついたり、ごまかしたりしているのが伝わってしまい、かえって印象が悪くなってしまう可能性が高いです。
また、伝えにくい話も正直に伝えられる人柄と捉えられて好印象になることも。
自分が掘り下げられたくない話こそ、自分から正直かつ手短に伝えて、今努力していることや将来の話などプラスな話題を中心に話すようにしたいものです。
3.空白期間を乗り越えようと思ったきっかけを話す
空白期間を乗り越えたきっかけに触れず、空白期間があった事実だけ話すのは得策ではありません。
なぜなら、空白期間を乗り越えようと思ったきっかけにこそ、あなたの内面を掴むためのヒントが隠れているからです。
あなた自身が空白期間を失敗と捉えていても、失敗自体は悪いことではなく、失敗から学び改善できれば成功につながるものです。
空白期間を乗り越えるきっかけを伝えることで、失敗した事実だけではなく、失敗から何を学びどんな価値観の変化があったのかを面接官にアピールすることができます。
4.今の就活に対する意欲や行動をアピールする
面接で空白期間に触れる際は、まず「空白期間に関する事実」「空白期間を乗り越えようと思ったきっかけ」を伝えた後に「今の就活に対する意欲や行動」を話しましょう。
この流れがおすすめな理由は、マイナスな状態からプラスな状態へ話を持っていくことで、変化量をつけて効果的にアピールすることができるからです。
空白期間に関する事実や乗り越えようと思ったきっかけだけではなく、そこから何を学んだのか、また今の就活に対する意欲や行動を必ずアピールするようにしてください。
5.病気で休養していた場合は業務に支障がないことを伝える
病気や怪我で休養していた場合は、今後の業務に支障がないことを伝えましょう。
面接では、休養していたことは素直に伝えて問題ありません。
ただし、面接官は今後働いていけるかどうかを気にしています。
- 今は完治したので業務には支障がない
- 休養しながらも資格の勉強は続けていた
このように、働く意欲があることや、体調が戻っていることも伝えておきましょう。
監修者コメント
空白期間が複数年にわたる場合、その中でステップアップしたことを伝えよう!
一般的には、数ヶ月や半年程度の空白期間であれば、大きなマイナスイメージを面接官に与えにくいようです。
しかし、1年や2年などの空白期間になると「期間が長い……」と考える面接官も増えてきます。
空白期間が複数年にわたる場合「卒業後1年後は〇〇していて、卒業後2年目△△していた」など時系列に順序立てて説明するようにしましょう。
空白期間に何をしていたのかを分かりやすく伝えられること、空白期間の中でも自分のペースで少しずつステップアップしていたことをアピールできるためです。
複数年の空白期間で特に変化がなかった場合は、まとめて伝えてもOKです。
この場合、年ごとの心境の変化に触れてもよいでしょう。
そして、空白期間が長ければ長いほどマイナス印象を抱かれやすいため、意欲の高さを伝えることを意識するのがおすすめです。
既卒の空白期間をよいイメージで伝えるための3ステップ

「働く意欲」をしっかり伝えることを意識して臨みましょう。
ステップ1.空白期間を具体的に説明する
正直かつ具体的に、空白期間にしていたことを伝えましょう。
相手の知りたいことを、端的に結論から話すと好印象を与えます。
ごまかしたい気持ちから言葉を並べすぎてしまうと、あまり良い印象は持ってもらえません。
どんな理由であれ空白期間を生じた過去の事実は変えられないので、ネガティブな理由であっても、正直に潔く話すことで誠実な印象を持ってもらうことを意識しましょう。
ステップ2.就職しようと思った理由や経緯を伝える
ステップ1がネガティブな内容であっても、ここを工夫することで挽回できるので大丈夫です。
面接官は、応募者の働く意欲を確認したいと思っており、空白期間がある応募者に対しては、特にきちんと確かめたいと考えるものです。
就職しようと思った理由や経緯を、ポジティブに話せるように準備しましょう。
働きたい気持ちが強いことが伝われば、マイナスの印象をカバーできるはずです。
ステップ3.働く意欲をアピールする
空白期間がある場合、面接官は「ちゃんと働いてくれるのか」という懸念を抱くものです。
その不安を完全に払拭するためには、熱意で働く意欲をアピールするしかありません。
その際は、正社員で働くことに対する意欲だけでなく、なぜその会社で正社員になりたいのかまできちんと伝えましょう。
そのためには、企業研究が必要です。
「自社のことをよく調べている」と感じてもらえれば、働く意欲と熱心さの格好のアピールになるでしょう。
既卒が空白期間を伝える時の例文を紹介!
既卒が空白期間を伝える際のポイントを理解したところで、実際にはどのような伝え方をすれば良いのか例文を紹介していきます。
ここで紹介するのはあくまで例文ですので、自分の状況に当てはめて伝え方を考えてみてください。
空白期間にフリーターをしていた場合
空白期間にフリーターをしていた場合、下記の例文が考えられます。
例文
私は大学在学中に就職活動をしていましたが、本当にやりたいことが分からず、結局数年間ダラダラとフリーターをしていました。
しかしフリーター生活3年目、久しぶりに学生時代の友人と話した時、自分だけが成長せずに取り残されていると焦りを感じました。
このことがきっかけとなり、フリーターをただ続けているだけの生活に終止符を打ちたいと思うようになったのです。
就職活動の中で、様々な人へ相談したり企業説明会へ参加したりした結果、私はシステムエンジニアという仕事に興味を持ちました。
そして、通信講座でプログラミングスキルを学びながら半年間スキルを磨き、今就職活動を行っています。
ポイント解説
この例文でのポイントは、空白期間を乗り越えようと思ったきっかけを盛り込むこと、現在進行形で努力していることを話すことです。
まずは、卒業後に数年間フリーターをしていた事実を話してください。
そして、空白期間を乗り越えようと思ったきっかけを伝え、その後、空白期間で取った行動や努力をアピールしましょう。
空白期間に資格試験へ挑戦していた場合
空白期間に資格試験へ挑戦していた場合、下記の例文が考えられます。
例文
私は大学を卒業してから去年いっぱいまで、大学在学中からの目標であった司法試験の合格を目指して勉強をしていました。
司法試験では短答式試験と論文式試験の2種類があるのですが、1年目は短答式試験で不合格となり、その反省点を活かして勉強方法を見直しました。
2年目は短答式試験に合格したものの論文式試験で合格に至りませんでした。
2回試験に落ちたことをきっかけに、今後自分はこのまま試験に挑戦し続けるのか、それとも就活して民間企業に勤めるのかを考えるようになりました。
そんな中「法律の知識を持っていれば法曹という仕事だけではなく、あらゆる業界で貢献できる」という先輩の言葉を聞いて就活をする決意をしたのです。
それと同時に、インターネットが急速に普及する中で、情報通信業界ではこれまでになかった問題が表面化していると知りました。
今後法整備が進んでいくこの業界において、自分の法律の知識を活かして企業へ貢献したいと思っています。
ポイント解説
この例文でのポイントは、空白期間が複数年にわたる場合、その中でステップアップしたことを伝えること、志望業界に対する意欲や行動をアピールすることです。
司法試験の勉強を複数年行っていた今回のケースでは、年ごとにステップアップしていたことを伝えつつ、空白期間を時系列で話します。
また、空白期間を乗り越えようと思ったきっかけや、空白期間に身につけた法律の知識が志望先の業界でどのように役立つのかを伝えることもポイントです。
体調不良で空白期間に休養していた場合
空白期間に休養していた場合、下記の例文が考えられます。
例文
職に就いていなかったのは、大学在学中に持病が発覚し、通院して治療しながら通学していましたが就活を行える体調ではなく、卒業後は休養していたことが理由です。
卒業1年後には手術を受けて、その後1年間はリハビリを行っていました。
リハビリが進むごとに体調が良くなり就活できる状態になったため、就活をスタートしたのです。
その中で、既卒を対象とした合同説明会で医療機器メーカーという業界を知りました。
自分自身も休養中に医療機器をたくさん利用し救われました。
自分と同じように病気で困っている人の役に立ちたいという思いがあり、それが医療機器メーカーの営業職を希望した理由です。
そこからはOB訪問や企業説明会への参加を通じて業界への理解を深めつつ、ビジネス書や専門書を読んで営業スキルを学んでいます。
現在、持病は完治に近い状態で、体調不良で動けない日はほとんどありません。
ポイント解説
この例文でのポイントは、空白期間にはできる範囲で勉強などに取り組んでいたことやステップアップしたことを伝えることです。
また、病気で休養していた場合は業務に支障がないことを伝えることです。
空白期間に休養をしていた事実を時系列で説明することに加えて、休養期間に経験を受けて取るようになった行動や今後の目標に触れます。
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