一般的に不動産業界は新卒でも中途採用でも、他業種に比べて未経験者を広く受け入れている業界です。
しかし、一口に不動産業界と言っても、さまざまな種類の不動産業があり、それぞれの分野でどのような働き方をするのかはイメージがしづらいかもしれません。
そこで、全8回にわたって未経験から不動産業界への就職を検討している方に向けて、
- 持っておくべき基礎知識
- 業界の中身(業務の種類など)
- 動向や展望
などなど、全てを教えます。
このシリーズを読破したら不動産業界が未経験の方でも、どのような仕事なのか理解できるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
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数字から抑えよう!不動産業界ってどういうところ?
国土交通省が平成21年に発表した数字によると、不動産業界の売上は年間約56兆円に上りました。
資産総額は約2,200兆円です。
非常に大きな規模ですよね?
この数字は、日本経済全体の約3%を占めています。
(※業界規模の数値は国土交通省不動産業課の発行した数値を元に、本記事内で試算しております。)
では、法人の数はどうでしょう?
不動産業界に関わっている法人は、実に日本国内だけで30万社以上あります。
この数字は、国内の法人数の約10%です。
つまり、10社に1社は不動産業だと考えてください。
これだけ多くの不動産会社があるのですから、誰もが不動産業界に関わる機会も当然多くなります。
また、国内の銀行が不動産業界に融資した金額は、1990年代後半からほぼ横ばいになっています。
これは何を表しているのかと言いますと、安定した業界だということです。
銀行は回収の見込みがない法人には、融資をしません。
約60兆円が1990年代後半から変わらずに融資されている事実は、見逃せないことです。
なぜなら、他の業種は軒並み融資額が下がっているからです。
結果的には、国内銀行の融資先の不動産業界が占める割合は大きくなっています。
実に、全融資額の14%を不動産業界が占めているのです。
参考元:国土交通省 不動産業課「不動産業の動向と施策」
今はどうなの?不動産業界の現在の動向
不動産業界は、人の『衣食住』の『住』に関わる業界です。
当然、世間の目はシビアになり、不祥事があるとニュースで取りあげられることも少なくありません。
例えば、2015年10月に、三井不動産レジデンシャルが販売した横浜のマンションが傾いたことが、大きな話題になりました…。
建設時に必要なマンションを支える杭を打つのを怠ったことと、杭に関するデータを改ざんしたことが、この事件の発端です。
この事件を販売側の三井不動産レジデンシャルは素直に認め、謝罪し、マンションの住民に1人あたり300万円の慰謝料を払うことを決めました。
また、マンションを出て行く人に向けては、建て替えた際に想定される分譲マンションの新築価格で、買い取る方針も打ち出しています。
つまり、「住人が納得できるだろう」と予測される金額と方針を、企業側から先に提示している、ということです。
もちろん、この事件の後始末にかかる金額は莫大です。
それでも、企業がこの決断をしたことには大きな意味があります。
そう、『信用』を得るために一時的な損失を選んだのです。
大手の企業がこの判断をしたことには、大きな意味があります。
「大手の判断」は、これからの業界のスタンダードになっていきます。
業界全体の意向として、不動産業は「信用第一」で動いているのです。
参考元:日テレニュース24「一律300万円 販売会社側が慰謝料を提示」
これからどうなる不動産業!業界全体の今後の展望
2008年のリーマンショック以降、地価の下落が続いていました。
しかし、それも収まり現在では横ばい状態が続いているので、地価の底は脱したと考えていいでしょう。
また、2020年に東京オリンピックが開催されます。
そこで東京という地、ならびに日本という国が世界から注目の的に!
不動産業界は良い意味で、影響を受けるのは間違いありません。
ただし、新築住宅着工数は数年前から100万戸割れが続いています。
郊外の建売住宅の販売も苦戦が続いています。
なぜなら一戸建てを買うのではなく、マンション購入や賃貸で済ませる人が増加しているからです。
今後もこの流れは止まらないと予想されています。
ですから、同じ不動産業でも賃貸と一戸建ての販売とでは、明暗が分かれます。
また、大手ハウスメーカーが取り組んでいる、古い住宅をリフォームして安く販売するという手法が、既に注目されています。
リフォーム販売に関しては、今後もさらに注目されていくと予想できます。
それでは次の記事でまたお会いしましょう!
全8回:不動産業界知識シリーズ
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