もくじ
GNT(グローバルニッチトップ)企業って何なのさ?
現代の競争の激しい市場では、安定した経営を持続できる企業はそんなに多くない。そんな状況でも市場をグローバルに捉え、ニッチな商品で圧倒的なシェアを確保することで安定した経営を実現している企業がある。その名は「GNT(グローバルニッチトップ)企業」。あまり聞き慣れないこの企業にこそ、大企業やベンチャー企業に合わない人材が生きる道があるのかもしれない。そんなGNT企業のベールに包まれた真の姿をここでご紹介。
GNT(グローバルニッチトップ)企業ってどんな会社があるの?
1.株式会社東和電機製作所(北海道/中小企業)
1963年12月23日創業、社員数52名の北海道にある主にイカ釣機を作っている中小メーカー。漁師のノウハウをシステム化した全自動イカ釣機によって世界トップシェアを誇る。イカ釣機にITをいち早く導入した経営者の手腕がきらりと光る会社。1996年にはなんと常夏の島ハワイへ社員旅行にも行っている。私たちが酒の肴にイカを食べられるのは、大部分がこの会社のおかげと言っても過言ではないはず。
2.株式会社冨士製作所(群馬県/中小企業)
1946年8月8日創業、社員数91名の即席麺製造ラインを主に手がける老舗メーカー。即席麺の製造ラインを作らせたら右に出る会社はいないと言われている。カップラーメン好きを支える会社、それが株式会社冨士製作所なのだ。即席麺の製造ラインがどんなものか知りたいあなたには株式会社冨士製作所のWebサイトをご覧あれ。
3.株式会社マスダック(埼玉県/中小企業)
1957年3月創業、社員数267名のどら焼機(英名「Sandwich Pancake Machine」)を製造しているメーカー。高価格帯の製品は何と全自動でどら焼きを大量生産できるらしい。ドラえもんの四次元ポケットに入っていないのは確実だが、たぶん本人は他のどんな道具を担保に入れてでも欲しがるであろう。しかし、これは特にニッチだな…。
4.コジマ技研工業有限会社(神奈川県/中小企業)
1981年5月創業、社員数12名の万能自動串刺機及び卓上串刺機の製造メーカー。僕らの大好きな焼き鳥はこうやってできていたんですね?この機械があれば、間違って自分の指を突き刺しちゃうなんて事故はなくなるはず。この機械を導入してしまえば、焼き鳥屋は遅刻しがちな学生アルバイトを雇わなくてすむかもしれない。商品名が「ちびすけJr.」ってところに開発者の遊び心が現れている。
5.株式会社エンジニア(大阪府/中小企業)
1948年4月創業、社員数30名の老舗工具メーカー。商品名の「ネジザウルス(ネジの頭を掴んで外す工具)」には大阪のネーミングセンスが凝縮している。
6.株式会社ヤナギヤ(山口県/中小企業)
1916年創業、社員数150名のカマボコ、カニカマ、海苔等のような海産物加工装置のメーカー。一度テレビで見たことあるのですが、カニカマをカニっぽく見せるために何度も何度も試行錯誤して開発されているようで、プロの漁師でも見分けがつかないでき。カニカマのほとんどはこのヤナギヤの製品が作り出していると言っても過言ではない。
7.株式会社西村鐵工所(佐賀県/中小企業)
1920年創業、社員数非公開の佐賀県小城市(大学時代の先輩の地元)にあるCD用のドライヤー(乾燥機)メーカー。何となくピンとこないかもしれないが、CDも乾かしてもらいらいんです。その乾燥性能は、水蒸発テストにおいて200kg/m2h(20℃水)以上の蒸発能力、統括伝熱係数は2,300W/m2Kという驚異的な数値をたたき出している佐賀県の雄。
目立ちはしないけど堅実な経営のGNT(グローバルニッチトップ)企業は意外と狙い目?
このようにGNT(グローバルニッチトップ)企業は決して目立つ製品を作ってはいない。でも、世界市場で圧倒的なトップシェアをたたき出している企業はプロ意識が強く、実質的に経営が安定している。どの企業も創業からの歴史が長く、実直に自分たちらしさを追っかけている。言うなれば、日本らしい企業なのである。大企業ばかりだけでなく、GNT(グローバルニッチトップ)企業にも目を向けてみると意外は掘り出し物があるかもしれませんよ。