もくじ
多くの実験や研究を積んできた皆さんにとって、医薬品業界は今までの経験を生かしつつ、社会に貢献できる分野の一つともいえるのではないでしょうか。
医薬品業界も年々注目度が高まってきています。得意分野や好きなことを仕事にできる喜びは、実は簡単なように見えて難しいもの。そこで、憧れの医薬品業界に就職するための基礎や傾向などをチェックしていきましょう。
「医薬品」業界のシェア
まずは、基本となる業界全体の分類から見ていきましょう。医薬品業界は国内資本を基本とした内資系と、外国系の企業が資本投資を行う外資の2つに分けられます。
これらの産業は、医薬品の製造や卸売、そして小売業から成り立っており、最近では兼業系として、主軸の事業はある中でも、得意とする事業のノウハウを生かして医薬品業界として参入する企業も増えてきました。
また、ジェネリック医薬品のニーズも高まってきていることからジェリック系を専門として研究開発をする企業も増えてきています。
医薬品業界は日々開発研究を通して、社会貢献を担っており、全世界における医薬品の売上高のランキングでは、武田薬品工業が世界第15位にランキングしています。そして20位以内にも三共、エーザイ、山之内製薬、塩野義製薬、第一製薬など日本のそうそうたる企業が6社もランキングしているのです。
日本が世界に誇る医薬品の開発や研究、販売の強みを知ることができるのではないでしょうか。
(参考元:首相官邸「医薬品産業の現状と課題」)
「医薬品」業界では職種選びも重要なキーワード
薬品業界は研究や開発職、そしてMRなど多岐に渡ります。開発した商品を生産するラインを考えるのも医薬品業界では大事な仕事の一つ。専門的な知識を有したプロ(MR)として、商品や製品を伝える営業活動など、同じ医薬品業界の中でも全く違う働き方やキャリアを積むことができるのは大きな特徴といえるのではないでしょうか。
そこで重要になってくるのが、漠然と医薬品業界で働きたいという希望を持つのではなく、業務の内容なども踏まえて、将来的にはどんな職種を目指したいのかという明確な目標を持つことです。なぜこの職種を選んだのかというのは、面接では志望動機と同じくらい聞かれる項目なので、慎重に選ぶことが重要です。
「医薬品」業界ならでは、薬にまつわる質問
書類選考、筆記試験と進んだ先に待ち受けるのは面接です。ここでは個人面接で聞かれることについて少し掘り下げて解説していきたいと思います。まずは自己PRについてです。医薬品の開発や製造は、日本のみならず全世界でもシェアあることが先ほどの説明で理解していただけたことと思います。
そこで重要になってくるのが志望動機の他、「会社が社会に貢献していくための方法や考え」についての質問です。また、「あなたの健康に対する取り組みや考え方」、そして「漢方薬のメリットやデメリットについて」など学んだ知識プラス価値観を見られる質問もあるのです。
もちろん、応募するにあたっては、職種を選んでいるので、職種に対する理解や自分ならどのように取り組んでいきたいのかという具体的な質問まで聞かれるというケースもあります。
薬やサプリメント、健康への関心などもあなたの価値観として、面接では評価されるのです。
「医薬品」業界では一番を目指す意識が試される
医薬品業界は新しいものを作り続けているため、終わりはありません。新薬が開発されても、新しいウィルスなどが発見されると、それに伴う研究や開発、治験を通して世に送り出していきます。
毎日地道な作業ですが、多くの人の命や健康に関わる仕事と思えば、相当なやりがいにつながるのではないでしょうか。研究者としては、常に一番を求める気質がなければ挫折してしまいますし、商品として形にすることはできません。
そのため面接では、「医療機器のあり方についての考え」や「医薬品が将来どのように変わっていくと思うか」といった質問から、時間や努力を惜しまず一番を目指す意識があるかどうかを見られる傾向があります。
一見薬とは関係ない質問のように感じるかもしれませんが、改善点を見出し、時代や顧客に応じたモノを作り上げていく、上昇志向があるかどうかを見られているのです。
医薬品業界の面接は、簡単な質問のように見えて、実は奥が深い項目が多いという傾向も。想定問答集でのシミレーションはもちろんですが、身の回りにある医薬品に関して、自分の考えや将来性などを考える習慣をつけておくと、自分の言葉で答える力がつくのではないでしょうか。
地方勤務可能性にまつわる質問
医薬品業界は全国に事業所や営業所を持っている企業も多く存在します。海外の拠点など、働く場所が日本にとらわれないという点は、魅力的なポイントといえます。20代での転勤や異動ならあまり影響はありませんが、結婚や出産、子育てを伴うと転勤に対する抵抗感やデメリットが増えてくるのも現実です。
医薬品業界では全国に拠点があることから、地方勤務についての考え方や希望についての質問もあります。入社したいという強い思いから、「地方勤務も可能です」「ぜひ地方でも経験を積みたいと考えております」という回答は一般的ですが、その裏に研究職として長く働き続けたいと思う気持ちも確認されます。
若いうちから積極的に転勤を希望するのか、それとも、ある程度キャリアを積んでから幅を広げていくのか。あなたのキャリアプランや将来設計なども仕事に対する姿勢として評価されるケースもあるのです。
大切なのは、一側面だけの判断ではなく、自分の将来について考え、譲れない部分は言葉を選びながら明確に答えること。そして嘘や偽りを話さないということです。働きながら、10年後、20年後、自分はどうしていたいのかを明確にすることが、面接突破のキーワードになるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。新しいものを作り出す喜びはもちろんですが、その過程こそが大きなやりがいにつながる医薬品業界。あなたの将来に対する考え方や、医薬品についてどれだけ自分の考えを持っているのかが面接ではポイントになるかもしれません。
固い文章で話さなくても大丈夫。気持ちや思い入れがあればそれが言葉として伝わります。それを信じて日頃からトレーニングしてみることをおすすめします。