もくじ
インフラエンジニアの業務内容と聞いても、全くわからないですよね?私もそうでした。と言うより、今もそんなにわかっていないのかもしれません。でも、就職活動で必要とされるレベルの知識は持っていた方がいい!ということでここでは簡単にインフラエンジニアの業務内容について解説していこうと思います。
インフラ設計
インフラ(ここではITインフラ)を作る際には、余程のインフラマニアではないからには、ただの趣味で作るということはないでしょう。だって、かなりお金がかかってしまいますもん。ということで、インフラを作る際には、必ず「目的」があります。まずは、その目的をしっかり考え、その目的をクリアできる「機能」や「性能」を「要件」として書き出します。これがたまに出てくる「要件定義」という作業になります。
要件が決まったら、次に行うことは「設計書」の作成です。なぜ書類を作るのかと言うと、自分の頭だけに情報があると、常に全体像がわかっているのは自分だけという状況になってしまいます。インフラを創り出す仕事は、大規模なプロジェクトになることがほとんどです。一人でできることなんて高が知れているのです。だから、プロジェクトメンバーが一つの仕事をするための共通項として設計書なるものが必要になるのです。 具体的に設計書にはどのようなことが書かれているのかと言うと、こんな感じのようです。
- どのようなインフラか?(インフラのスペック)
- どのくらいの予算か?(インフラ構築のコスト)
- どのくらいの期間か?(プロジェクト期間)
まとめると、何か作る際には、ちゃんと計画しないと上手くいかないので、まずはしっかり計画しましょうね!ってことみたいです。皆さんも今日の夕飯を考える時には、「今、何が食べたいか?」「予算はいくらか?」「調理する時間はどのくらいか?」を考えてからスーパーに買い出しに行きますよね?ざっくり言うと、それと同じだと考えてみてください。設計書はと言うと、例えば自分以外の人に買い出しを頼む時は材料をリスト化しますよね?それと同じことです。
インフラ設計に求められる能力(つまり身に付く能力)
- 1.クライアントから要件に繋がるニーズをヒアリングするための高いコミュニケーション能力
- 2.抽象的なニーズを具体的な要件に落とし込む企画力
- 3.誰が見てもわかりやすい設計書を書くためのドキュメント作成能力
- 4.もちろん高いレベルでのITインフラの専門知識と経験
インフラ構築
設計書が上がってきたら、いよいよ構築作業に入ります。設計書を元に必要な「機器」や「ソフトウェア」の発注を行うことから本格的な構築作業のスタートです。インフラを構成する「機器」や「ソフトウェア」をベンダー等に発注して、到着次第、作業開始となります。その後の作業フローは次のようになります。
- 機器の運搬(必要な機器を現場に運搬)
- 機器の組み立て(機器自体に組み立て作業が伴う場合)
- 機器の取り付け(機器同士を配線で接続)
- ソフトウェアのインストール・設定(必要な機能を追加する)
- 動作・負荷テスト(構築したインフラに対する機能の確認と限界点の把握)
結構盛りだくさんですよね?でも、考えてみてください。自分でPCを買っても、規模の大小は違えど、そんなにやっていることは変わらないんです。例えば、PCを買ったら、もちろん自宅へ持って帰りますよね?(機器の運搬)さらに、PC本体に何かしら取り付ける部品(マウス等)もあるかと思います。(機器の組み立て)そして、もちろんネットに繋げるためにLANケーブルなりWi-Fiなりと接続しますよね?(機器の取り付け)そして起動後には、使用したいソフトをインストールしますよね?アプリのダウンロードの方がイメージしやすいかもしれません。(ソフトウェアのインストール・設定)そして、何かソフトなりアプリなりを設定したら、ちゃんと設定されてるか確かめますよね?(動作・負荷テスト)インフラエンジニアの業務はもう少しスケールが大きいバージョンだと思ってください。
インフラ構築に求められる能力(つまり身に付く能力)
- 1.何と言ってもインフラ構築の経験から来る作業効率の高さ
- 2.現場では大人数での作業となりますので、管理能力は必須
- 3.ネットワーク、サーバともに広範囲を網羅する知識
- 4.意外とインフラ機器は重量物なので、体力も重要
インフラ運用
ITインフラは構築が完了しても、「はい、これで終わり!」とはいきません。実際、構築が完了し、いざ使い始めてからの方がむしろ仕事は多いのです。インフラはもちろん24時間365日稼働することを求められています。なので、間違ってもインフラが使えない時間帯、曜日があってはマズいのです。皆さんもネットに繋がらない時間帯、曜日があったら困りますよね?インフラを何事もなく24時間365日稼働させ続けることは、設計・構築以上に重要な仕事と言えるかもしれません。
インフラ運用業務は大きく分けると「障害対応」「キャパシティ管理」「インフラ起因でない原因の切り分け」の3つがあります。その3つの業務について、少し詳しく解説していきます。
障害対応
障害対応では大半の業務が、ハードウェア(サーバ、スイッチ等の機器)の故障対応、急激なアクセス増への対策、不適切な権限設定(間違えてアクセス権限を剥奪する等)によるアクセス不可への対応となります。つまり、何かインフラに不具合が発生した際に対応するトラブルシューティングのような業務となります。ホントにインフラってのは、放っとけないヤツですね。
キャパシティ管理
キャパシティ管理業務は、インフラを設計した際に想定していたアクセス数、データ量と実際にインフラを稼働してからのアクセス数、データ量の間にギャップが発生したときの対応業務です。具体的には、インフラ全体のキャパシティが不足している場合はインフラを増強し、逆にキャパシティが余っている場合は縮小します。簡単に言うと、設計時に予想していた使用環境と実際の使用環境のギャップを逐一埋める業務ということですね。使用環境にちょうど良いインフラになるように調整してるんです。
インフラ起因でない原因の切り分け
この業務はシステムに障害(トラブル)が発生した場合、コールセンターや他部署からインフラエンジニアに問い合わせがあった際にインフラ起因ではない障害を切り分ける作業になります。システム障害には、大きく分けて「インフラ起因の障害」と「インフラ起因ではない障害」の2つがあります。ここで言う「インフラ起因ではない障害」とは、プログラムのバグ(間違い)やアプリケーションの設定ミス等が原因で発生する障害のことです。つまり、インフラとは全く関係がない障害ということになります。インフラエンジニアと関係のない障害をインフラエンジニアが担当する必要がないので、切り分けているということですね。
ITのシステムというものは、インフラという基盤の上にアプリケーションやプログラムが動いています。例ええるなら車道や歩道(インフラ)の上を車やバイク、自転車、人が移動している光景を想像してみてください。自転車が赤信号を無視して車と事故を起こしたのに、「道路の構造が悪い」「信号の時間設定が悪い」という話にならないように、インフラに関係のある仕事だけを主に担当するのがインフラエンジニアの業務となります。
何でインフラ運用は未経験採用をしているの?
インフラ運用業務は大規模インフラの場合、かなり大人数のプロジェクトチームを組む必要があります。ほとんどの企業では自社内で運用チームを編成して対応するというよりも、ITインフラの運用管理会社にアウトソース(外注)しているケースが多いようです。近年、より大規模なインフラの需要が増えており、構築業務だけでなく運用業務も慢性的に増えてきております。インフラ構築はほとんどが一回限りの仕事になりますが、インフラ運用はインフラが稼働する限り仕事はなくならないのです。ほぼ半永久的に仕事が続いていくということでは、実は公務員並みに安定している仕事でもあるのです。
インフラ運用管理会社での未経験採用が増えている背景には、年々増加していくインフラ需要とその運用業務のアウトソースがかなり影響していると言えます。各インフラ運用管理会社では、未経験者の採用を積極的に実施していますが、アウトソースすることを前提としているからこそ、しっかりと研修してからチームを編成して、派遣先に送り出すというスタンスの会社がシェアを伸ばしています。長期的にクライアントと付き合うからこそ、教育不十分な人材を派遣しないことがこれからのインフラ運営会社には求められているみたいです。未経験からスタートするには、結構恵まれているのかなと思います。
インフラ運用に求められる能力(つまり身に付く能力)
- 1.インフラ運用はチームで行う業務が多いので、チームに溶け込む社交性
- 2.チームで行う業務だからこそ、頻度と質が高い報告・連絡
- 3.ITインフラに関する基礎的な専門知識全般
参考書籍
今回の記事を書く上で参考にさせてもらいました書籍は下記となります。どれも初心者にわかりやすく書かれているので、皆さんも一度読んでみてはいかがでしょう?
- インフラエンジニアの教科書(C&R研究所)
- 世界一わかりやすいIT業界の「しくみ」と「ながれ」(自由国民社)
- 3分間ネットワーク基礎講座(技術評論社)
私はインフラエンジニアとして働いたこともないし、仕事風景も見たことはありません。でも、インフラエンジニアとしてキャリアをスタートするための情報提供くらいはできないといけないなと感じ、参考書籍やネットでの情報収集だけでなく実際に働いているエンジニアの方から話を聞くようにしています。これからも少しでも多くの情報をお伝えできるようにせっせと情報収集に明け暮れていきます。
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