もくじ

派遣社員にはその独特の立場や働き方から、正社員とは違った悩みがあり、それによって辞めたいと感じることもあるようです。
派遣社員は、具体的にどのようなことに悩んでいるのでしょうか?
契約途中でやめるにはどういう手順を踏めばいいのでしょうか?
派遣を辞めたくなる理由を見ていき、働き方について一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者

岡本啓毅
YouTube「ひろさんチャンネル」運営 / 株式会社UZUZ 代表取締役
北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職をサポート。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる”をミッションに、YouTubeでは「就職・転職で使えるノウハウ」を発信中。X、TikTokなどSNS等の累計フォロワー数は13万人を超える。
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派遣社員の仕組み

派遣社員は派遣会社に所属する社員のことを指します。
派遣会社に登録をし、派遣を探している受け入れ先企業に応募、採用されれば仕事を手に入れることができます。
正社員や契約社員、アルバイトは受け入れ先に所属しているので、その企業から直接給料をもらうことになります。
一方で派遣社員は、労働の対価がまず受け入れ先企業から派遣元へ支払われたのち、派遣会社を通じて給料として支払われます。
派遣会社が受入れ先と給与について交渉してくれることもあるため、時給がアルバイトの相場よりも高いことが多く、そういった点が派遣の魅力であるといえるでしょう。
監修者コメント
派遣社員が担当する業務の内容とは
派遣社員が派遣先企業で行う業務について、一般社団法人 日本人材派遣協会が行ったアンケート調査の結果を見てみましょう。
【派遣社員が担当している業務の特徴】
| 社員の補助的な仕事である | 57.0% |
| 繰り返しの多い単調な仕事である | 41.3% |
| 社員の協力や指示が必要な仕事である | 40.9% |
| 自身と同じ仕事をしている正社員がいる | 31.4% |
| スキルを活かせる仕事である | 23.8% |
| 他の派遣先で適用するスキルが身につく仕事である | 20.7% |
| あてはまるものはない | 5.7% |
参照:一般社団法人 日本人材派遣協会「派遣社員WEBアンケート調査」P9
派遣社員が担当する業務は、社員のサポートや、定型的で反復性の高い業務、社員の指示に応じて行う業務が多いです。
一方で、正社員と同じ業務をしているという回答もありました。
その場合、賃金と責任のバランスが取れず、不満の原因になることもあります。
また、自身のスキルを活かせたり、新たなスキルが身につく環境だと答えた人もいました。
派遣先によって、働く環境が大きく異なることが分かります。

岡本啓毅
派遣社員が仕事を辞めたいと感じる理由

株式会社ビズヒッツが派遣社員を対象に行ったアンケート調査によると、派遣社員として働くなかで「辞めたい」と思ったことがある人は、男女ともに70%を超えました。
画像引用:株式会社ビズヒッツ「派遣社員の7割が辞めたいと思ったことがある!派遣を辞めたい理由と対処方法」

仕事内容が合わなかった
仕事のイメージは始める前と後では変わるものではないでしょうか。
魅力的に思えた仕事でも、予想以上にクレーム対応が辛かったり、自分のスキル以上の成果を求められたりすると、強いプレッシャーを感じるでしょう。
派遣社員の場合、評価が下がると契約が更新されない可能性が高まるため、仕事に対してミスマッチを感じると正社員以上に大きな焦りを感じることになります。
契約内容や聞いていた話と実際の内容が違う
勤務時間や業務内容などの条件が契約と明らかに違うと、派遣先企業への不信感が募り、辞めたいと思う原因になります。
典型的な例としては、以下のケースが考えられます。
- 「データ入力中心の作業」→「クレーム対応を含む電話応対がある」
- 「9:00~18:00(休憩1時間)の固定シフト」→「シフト変更や残業が頻発」
- 「丁寧なサポート・教育体制が整っている」→「人手不足で放置される」
- 「営業事務担当」→「総務・人事・経理など業務範囲が広い」
こうしたことは、実際によく起こります。
原因の多くは、現場が派遣契約の内容をきちんと認識していないことです。
そのため、現場を預かる上長に悪気はなくても、派遣社員に契約外の対応を求めてしまうのです。
人間関係の問題
パワハラや八つ当たり、理不尽な要求が多い職場では働くことが辛くなります。
人間関係の問題は雇用形態に関わらず発生する問題です。
しかし、正社員に比べ弱い立場になりやすい派遣社員では「反論できない」と感じる人も多いでしょう。
我慢を続けるうちに「辞めたい」という気持ちが強くなるかもしれません。
雇用形態の違いによる見えない壁
正社員との接し方の違いに孤独感を覚え、それが耐えられないという人もいるようです。
また、正社員が特定の負担をしている施設(保養所やスポーツ施設、食堂など)は派遣社員だと使えない場合も…。
それが職場などであった場合、職場を変えたいという気持ちが強くなることがあります。
正社員との給料に差があることの不満と不安
派遣社員は多くの場合時給制であり、ボーナスが出ないケースがほとんどです。
そのため、正社員の人よりも月給が少なかったり、ボーナスシーズンに孤独を感じることがあります。
チームのメンバーがボーナスの使い道について話しているときに、話の輪に加わることができないと、このままの働き方でいいのか悩むことも珍しくありません。
監修者コメント
派遣社員の給料の実態とは
派遣社員の給料の実態はどうなっているのでしょうか。
アンケート調査から紐解いてみましょう。
一般社団法人日本人材派遣協会のWebアンケート調査によると、派遣社員の94.1%は時給制で、時給額の分布は以下の通りです。
画像引用:一般社団法人 日本人材派遣協会「派遣社員WEBアンケート調査結果2025年度」P18
これは東京都・愛知県・大阪府の水準であり、その他の地域は平均額で約300円ほど下回ります。
フルタイムで勤務した場合、東京都の2025年の平均時給が1,705円であれば月収は30万円を超え、決して低すぎる水準ではありません。
ただ、派遣社員には賞与がないため、正社員と比較すると、年収では低い水準になってしまいます。
ここが正社員との待遇差の不満につながる、大きな要因です。

岡本啓毅
派遣労働の構造から見るメリット・デメリット

しかし、実際に働いてみて待遇面での不満や、やりがいを感じられなくなり正社員になろうと考える人もいます。
派遣社員で働くメリットとデメリットを比較することで、自分にとって派遣は向いている働き方なのかどうかを知ることができます。
以下で詳しく見ていきましょう。
派遣社員として働くメリット
派遣だからこそのメリットは以下の通りです。
実績を積むことができる
正社員では未経験だとなかなか雇ってもらえないところでも、派遣社員なら合格できる可能性があります。
正社員になろうと思っても、業務経験を積むためには一度就職しないといけないことが多いでしょう。
そこで、実績を積むための仲立ちとなるのが派遣です。
業界内で経験を積み、人脈を作っていけることは大きな強みといえるのではないでしょうか。
次の正社員の面接を見越してしっかりと業務に励み、必要とされる知識やスキルを習得していくことで、新たなチャンスを獲得できます。
派遣会社の担当者に相談ができる
仕事をしていく中で、様々な疑問が出てくる場面も多いと思います。
そういった時、相談に乗ってくれる相手がいると安心できるものではないでしょうか。
派遣社員の場合、基礎的なことや常識というのは、職場のメンバーには聞きづらいこともありますし、業種によってもルールが異なることは珍しくありません。
そういった時に相談できる派遣会社の担当者は、心強い存在です。
派遣社員として働くデメリット
派遣では業務経験を積むことができますが、制約も多いのでデメリットについても確認しておきましょう。
出世ができない・リーダーになれない
派遣の業務内容や勤務地は契約で細かく決まっていることが多く、その範囲を越えての業務の割り振りは違反行為になります。
そのため、スキルアップのために難しい仕事を任されたり、リーダーになったりといったことはできません。
「仕事をどんどんこなして実績を上げていきたい」と考える時に、こうした壁にぶつかることになります。
契約が更新されるか分からないという不安がある
派遣社員の場合、次回の契約が更新される保証はなく、常に不安を抱えた状態で生活を送ることになります。
加えて求人数も景気の状況に強く影響を受けるため、契約が更新されなくなった時すぐに新しい仕事が見つかるか分からないリスクもあります。
派遣社員で働くメリットとデメリット、正社員との比較は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ合わせてお読みください。
派遣は契約期間中でも辞められる?

派遣社員は、契約期間満了まで働くことが原則とされています。
ただし、どうしてもやむを得ない事情がある場合は、契約期間中でも辞められます。
例えば、以下のようなケースです。
- 体調・持病の悪化
- ストレスによる心身の不調
- 配偶者の転勤による転居
- 家族の介護が必要になった
「業務継続が困難」と、合理的に判断できる理由であれば、辞めることができます。
また、契約外業務の常態化やハラスメントなど、派遣先企業に明確な落ち度がある場合は、合理的な理由として判断されやすいです。
ただ、上記のような理由があっても、できるだけトラブルにならないように、派遣元と協議した上で慎重に進めましょう。
契約期間中に仕事を辞めるにはどうすればいいのか?【手順を解説】


業務内容に我慢ができなかったり、人間関係に問題が生じたりして辞めたいと思った時、派遣先企業の上司に直接話をするのはNG行為です。
何らかの理由でどうしても辞めたくなった時、トラブルにならないために、退職のプロセスを学んでおきましょう。
まずは派遣元の担当に連絡する
派遣会社の営業担当が受け入れ先との交渉にあたるため、まずは営業担当に連絡を取りましょう。
引き留められることが多いと思います。
しかし、はっきりとした意思表示をすれば退職することは可能です。
まずは営業担当と意見交換を行い、受け入れ先と話し合うことで、スムーズに交渉できます。
退職のタイミングを調整する
退職が決まった場合、次に決めるのは退職日です。
「後任が決まるまでの間は働いて欲しい」と言われることもあります。
その場合、自分の希望を伝えつつも少しでも気持ち良い状態で退職できるよう、派遣会社や受け入れ先企業としっかり話し合いましょう。
派遣先の企業に迷惑をかけないよう、最大限配慮することが原則です。
どうしても派遣先の意向に沿えない時は、派遣元に少しでも早く後任を見つけてもらうなどの交渉をしてみてください。
引き止められた場合も真摯に対応する
派遣先の企業にも業務や人員の都合があるため、退職を引き止められるかもしれません。
派遣先にとって貴重な戦力となっていた場合は、なおさら引き止められるでしょう。
引き止められた場合は感謝を伝えつつ、辞めなければならない理由を丁寧に説明します。
派遣先に対してネガティブな理由で辞める場合は、派遣元と相談し、伝え方(建前の理由)を一緒に考えてもらいましょう。
引き止めがしつこいからといって、無断で出社を拒否することは絶対にしてはいけません。
退職日までに引き継ぎを済ませる
後任が決まり退職の日程が確定したら、退職日までにしっかり引き継ぎをしてください。
派遣先の業務が滞らないように、確実に対応します。
引き継ぎは口頭での説明だけでなく、メモやマニュアルの形で残しておくと、後任の人も助かります。
丁寧な引き継ぎをすることにより、良い印象を持ってもらうことができ、円満退職につながるでしょう。
私物などを整理し、あいさつをして退職する
退職日が決まったら、最後の勤務まで誠実に勤務してください。
「もう関係なくなるから」と同僚に対して、そっけない態度をとることも避けましょう。
自分の後任が、自身の所属する派遣会社から派遣されることもあります。
悪い評判が立つと、後任の人が仕事をしにくくなったり、所属する派遣会社そのものが契約を切られる恐れがあります。
そうなれば、自分と派遣会社の関係も悪化し、今後、派遣先を紹介してもらえなくなるかもしれません。
勤務最終日には私物を整理し、貸与物があれば返却、お世話になった上司・同僚に丁寧に挨拶して職場を去るようにしてください。
まとめ:やっぱり派遣社員ではなく正社員を目指したい!と思ったら…
正社員だけが、幸せな働き方だとはいえません。
しかし、より難しい業務を行って成長していくことを望んだり、安定した生活を送りたいのであれば、正社員を目指すほうが合理的です。
派遣社員では年齢が上がった時、仕事を新しく手に入れられるのかという点に不安が残ります。
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