もくじ


3年で転職を繰り返してしまう理由と繰り返さないための方法についても解説するので、参考にしてください。
この記事の監修者

岡本啓毅
YouTube「ひろさんチャンネル」運営 / 株式会社UZUZ 代表取締役
北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職をサポート。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる”をミッションに、YouTubeでは「就職・転職で使えるノウハウ」を発信中。X、TikTokなどSNS等の累計フォロワー数は13万人を超える。
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3年で転職を繰り返している人は採用されにくいのか

マイナビが実施した中途採用の実態調査の結果を確認しましょう。
「転職回数によって採用を躊躇するか」という設問に対する採用担当者の回答は、以下のようになっています。

参考:株式会社マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」
20代で3回以上転職している応募者を採用することに躊躇している割合が、実に6割を超えています。
転職に対するイメージは変わってきているものの、若いうちに転職を重ねると、採用されにくくなることはあるといえます。
しかし、転職回数が気になったとしても、最終的に採用したと答えた企業も43.7%あり、決定的に転職が難しくなるわけではなさそうです。
企業の側も、人手不足の問題や人柄重視の採用などで、多少懸念があったとしても採用しているケースが一定数あるのでしょう。
3年で転職を繰り返している人に対する企業のスタンス

ここでは、短期間で転職を繰り返している応募者に対して、企業がどのようなスタンスをとっているか見ていきましょう。
1.早期離職を警戒する
転職を繰り返している人は「また今度も短期間で辞めるのでは」と、警戒されてしまうことは仕方がありません。
「飽きっぽいのでは」「スキルが足りないのでは」「トラブルメーカーなのでは」と、様々な懸念が採用担当者の頭をよぎります。
採用や育成にはコストがかかるため、できるだけ長く自社で働いてくれる人を採用したいと考えるものです。
他に応募者がいて、実力が全く同じなら、あえて転職回数が多い方を採用するとは考えにくいでしょう。
2.転職理由に納得感があれば気にしない
これまで何度か転職してきた人は、面接で転職理由をかなり詳しく聞かれた経験があるのではないでしょうか。
これは、転職理由を聞くことにより、その応募者の仕事に対する考えや取り組み姿勢を確認しているからです。
転職理由が「スキルアップを求めて」など、前向きでかつ一貫性があれば、転職回数が多くてもさほど気にならない担当者もいます。
倒産やリストラなど、本人に責任がない、やむを得ない理由の場合も同様です。
3.幅広い経験を歓迎する
業界や職種によっては、多様な会社で経験を積み、幅広くスキルを身につけていると評価されるケースもあります。
多くの会社を経験し、それぞれの社風や働き方に適応してきた柔軟性を評価されることも。
IT系やベンチャー企業など、比較的働き方に新しい考えを取り入れている企業では、転職回数よりも経験してきた仕事の中身を重視する傾向があるようです。
3年で転職を繰り返してしまう理由6選

短い期間で転職を繰り返してしまう原因は、もっと色々ありますので、自分に当てはまっていないか、考えてみてください。
1.企業研究が不十分
企業研究が不十分だと、応募先の企業の文化や業務内容が自分に合っているかどうかを判断できず、ミスマッチを生んでしまい、次のような状況が起こります。
- 企業の方針や将来の方向性が自分の価値観と合わない企業を選んでしまい、入社後に「思っていた会社と違う」と感じる
- 入社後に実際の仕事が自分のスキルや経験に合わない、または期待していた業務内容と異なるため、不満が生じる
- 企業の文化や職場の雰囲気が自分に合わず、人間関係や職場環境にストレスを感じる
これにより、早期退職や転職を繰り返すことになるのです。
2.自己成長への焦り
自己成長への強い欲求があるものの入社後すぐに成果やスキルの成長を感じられないと、焦りを感じてしまうことがあります。
このような状況では「もっと成長できる職場があるのではないか」という気持ちから転職を考えてしまいがちです。
具体的には、次のような事例が見られます。
- 短期間での昇進や高評価を期待していたものの、思った通りの結果が得られないため、成長の遅さに焦りを感じてしまう
- 3年間で自分のスキルが劇的に伸びないと感じ、今の職場では限界があると判断してしまう
- 同期や同年代の人が昇進しているのを見て、自分もそれに追いつかなければと焦り、転職を考える
このように焦って転職してしまうと、次の職場ではより多くの学びやキャリアの成長を期待してしまい、それが思ったものと違うとまた転職につながってしまうのです。
3.自己分析不足
自己分析が不十分だと、自分の強み・弱み、キャリアの目標、仕事への価値観などが明確でなく、何を求めて仕事をしているのかがあやふやな状態になります。
例えば、次のようなことが起こりえます。
- 自分がどのようなキャリアを築きたいのかが曖昧なため、転職の際に「とりあえず今より条件が良さそう」という理由だけで選んでしまうことがある
- 自分が本当にどのような仕事に情熱を持てるのかを理解していないため、働いているうちにモチベーションが低下する
その結果、自分に合わない職場や仕事を選んでしまい、入社後にミスマッチに気付いて不満を感じるようになってしまうのです。
4.職場の人間関係の問題
上司との信頼関係やコミュニケーションがうまく取れないと、仕事の指示が分かりにくかったり、評価に不満を感じたりすることがあるでしょう。
また、同僚との対人関係がうまくいかずに職場で孤立してしまったり、チームでの仕事がうまくいかなくなると、職場での居心地が悪くなり、働き続けるのが困難に感じます。
- 上司からの指示が不明確だったり、サポートが不十分で仕事がうまく進まず、結果的に評価が低くなることで不満が募る
- 上司が部下の意見を聞かずに一方的に指示を出す、フィードバックを与えないといった状況が続きモチベーションが下がりやすい
- チームメンバーとの協力がうまくいかず、仕事の負担が一人に集中するなどの状況が続くと不満が蓄積する
このような状態が続くと、ストレスがたまり、仕事に対する意欲が低下し、転職を繰り返すサイクルに陥ってしまいます。
5.給与や待遇への不満
面接時や入社前に提示された給与や待遇が、実際に入社してみると異なるというギャップが原因で不満を感じることもあります。
また入社当初に期待していた昇給や昇格が実現せず、キャリアや給与の伸び悩みを感じる状況も考えられるでしょう。
- 契約時に提示された給与やボーナス、福利厚生が、実際の条件と違った
- 入社前には説明されなかった過度な残業が発生し不満が生じる
- 昇給や昇格の基準が明確でない、もしくは不透明で、努力しても報われないと感じる
このような状況になると、会社への信頼感が損なわれ「他の企業ではもっと条件が良いのではないか」と考え、転職を繰り返すことにつながります。
6.キャリアアップの機会を求めて
現在の会社で昇進や昇格の機会が限られている、もしくは自分が望む役職に到達する見込みが低いと感じている場合、キャリアの成長を求めて転職を検討しやすくなります。
自分が伸ばしたいスキルや経験が、現在の職場では十分に身につかないと感じる場合も、より成長できる環境を求めることにつながるでしょう。
- 組織内で昇進できるポジションが限られていたり、上のポジションに空きがなかったりする
- 最新の技術や業界のトレンドに追いつくために、外部の企業でスキルを伸ばす必要があると感じる
- 日々の業務がルーティンワークに偏り、成長を促すプロジェクトや挑戦がない
このような場合、転職という手段を用いて自らのキャリアを築こうと判断することになるのです。
仕事が長続きしない原因と解決法、転職成功のポイントについてまとめたこちらの記事も参考に読んでくださいね。
3年で転職を繰り返すことのメリット

1.スキルと経験の幅を広げられる
短期間で転職を繰り返してきたケースでは、やはり不利になることは否めません。
しかし一つの会社で3年働いたのであれば、ある程度のスキルは身につき、担当者として独り立ちしていることが多いでしょう。
これは一定の業務に関しては、ある程度自分で判断して動ける状態です。
こうして身につけてきたスキルは無駄ではなく、他の会社でも応用が利くものです。
多くの会社と仕事を知ることにより視野も広くなるため、将来のキャリアの選択肢も広がりやすくなります。
2.自分に合った仕事や会社に出会える可能性がある
様々な会社や職種を経験することで、自分にぴったりな仕事や会社に出会えるチャンスは多くなります。
現職に明確な不満がなくても、なんとなく違和感を覚えたり、将来の不安がぬぐえなかったりすることはあるでしょう。
そうしたモヤモヤを抱え、気持ちが晴れないまま働くよりも、転職を繰り返していくうちに、自分の理想に近い仕事や会社に出会えるかもしれません。
転職を繰り返していくうちに、自分の望む働き方を実現できるかもしれないのです。
3.新たな分野にチャレンジできる
転職を繰り返し、定期的に新たな仕事にチャレンジできることは、刺激になり自己成長につながります。
常に新たなことにチャレンジしたい人にとって、転職で環境を変えることは大きなメリットといえるでしょう。
若いうちなら吸収力も高く、ジョブチェンジは自己成長に好影響をもたらします。
ただ年齢が上がると即戦力としての活躍を求められるため、チャレンジ目的の転職を繰り返すことはおすすめできません。
3年で転職を繰り返すことのデメリット

1.キャリアの一貫性に欠ける
キャリアの一貫性は、長期間にわたって一つの職場や分野で達成してきた成果に基づいて評価されます。
しかし3年以内に転職を繰り返すと、プロジェクトに関わった実績など継続的な成果を示すことが難しくなり、信頼性が低下しかねません。
特に頻繁な転職の中で異なる業界や職種に移ると、経験やスキルの方向性がバラバラになりやすくなります。
専門性が分散してどの分野で特に強みを持っているのかが曖昧になり、一貫したキャリアパスが見えにくくなるため、次の転職時に不利になる可能性があります。
2.スキルが深まらない
専門的なスキルや知識を身につけるためには、時間をかけた経験が必要です。
仕事を通じて徐々に業務の深い部分を理解し、問題解決のスキルを磨くためには、一般的に数年単位の時間がかかります。
そのため3年以下の勤務では基礎的なスキルや知識の習得にとどまり、より高度なスキルや問題解決能力を深める時間が十分ではありません。
またスキルの向上には、自分の仕事に対して継続的なフィードバックを受けることも重要です。
一つの職場で長く働くことで自分のスキルやパフォーマンスに対する評価を受け、弱点を改善して強みを伸ばす機会が増えます。
しかし転職を繰り返すとそれぞれの職場でのフィードバックを受ける機会が減り、成長するための時間や環境が整いにくくなるのです。
結果的にスキルの習得が表面的なものにとどまることが多くなり、キャリアの成長が停滞するリスクが高まってしまいます。
3企業からの信頼が低下する
転職を繰り返すと、採用担当者や面接官は「またすぐに辞めてしまうのではないか」と懸念を抱くことがあります。
仕事には必ず課題やストレスが伴いますが、短期間で辞めてしまう人は「問題を乗り越える努力をせず、すぐに諦める」という印象を持たれやすいです。
また、仕事に対する責任感や、任された業務を最後まで遂行する意思が不足していると判断されてしまいます。
採用や研修にはコストがかかるため、企業側としては長期的に働いてくれる人材を求める傾向が強いです。
そのため、転職回数が多いと採用自体が厳しくなる可能性があります。
4.昇進や昇給の機会が少なくなる
企業内での昇進や昇給は、通常、長期間の貢献や実績に基づいて行われるため、短期間で退職してしまうと、各職場での業績や成果が不十分と見なされる可能性があります。
また昇進や昇給は業績だけでなく、上司や同僚との信頼関係、チームとの協力の度合いも重要です。
短期間で転職を繰り返すと、企業内での信頼関係やネットワークを構築できず、信頼される役割や責任あるポジションを任される機会が減ります。
周囲からの信頼関係が薄いと、昇進や昇給の候補に挙がりにくくなるのです。
5.給与が安定しにくい
頻繁に転職していると、転職先の企業から「継続力がない」「キャリアの一貫性がない」と見なされてしまいます。
そうすると前職での成果や貢献が十分に評価されないことが多く、給与の基準が低くなる傾向があります。
また短期間で転職を繰り返すと、スキルや専門性の市場価値が安定せず、スキルが常に最新の状態に保たれない可能性があるでしょう。
スキルや専門性が市場で高く評価されないと、給与が安定しません。
このように、短期間の転職を繰り返すと、入社時の給与が大幅増加はあまり期待できず給与アップの交渉もしづらくなるため、結果的に給与水準が停滞してしまうのです。
監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
転職を繰り返すと精神的なストレスが増える
一般的に、転職活動を行ったり新しい職場に適応することは、自覚している以上に精神的な負担が大きくなります。
短い期間で転職を繰り返すと、頻繁に転職活動を行ったり、新しい環境に飛び込むことになり、いつも不安を抱えながら過ごすことになりかねません。
ストレスや疲労が蓄積しやすくなって長期的なキャリアプランを描く心の余裕がなくなり、転職を繰り返すという悪循環になってしまう可能性もあります。
転職を繰り返す「ジョブホッパー」の末路は、こちらの記事で解説していますので、ぜひ合わせてお読みください。
3年で転職を繰り返さないためにやるべきこと



1.自己分析を徹底する
まずは、自分が本当に何を求めているのか、どんな強みや価値観を持っているのかを明確にすることが大切です。
- これまでのキャリアを振り返る
- どんな仕事や環境でやりがいを感じたかを分析する
- 自分の価値観や仕事に対する優先順位をリストアップする
このような自己分析を丁寧に行うことで、自分が働きたい環境や職種や企業文化を理解することで、ミスマッチを防げるでしょう。
2.キャリアプランを立てる
短期的な転職にとどまらず、中長期的なキャリアビジョンを描くことが大切です。
5年後、10年後にどうなりたいかを明確にし、そのために今どのようなスキルや経験が必要かを考えます。
- 長期的な目標を設定する
- 必要なスキルや経験をリストアップする
- その目標に向かってどのようなキャリアステップを踏むべきか計画を立てる
中長期的なキャリアビジョンを明確にすることで、自分がやるべきことや、今どの位置にいるのかを把握しながら業務を進めることができ、焦りや不安を払しょくできるでしょう。
3.企業や業界を徹底的にリサーチする
転職先の企業や業界の動向を深く理解することが、長期的に働ける環境を見極めるカギです。
- 企業の理念やビジョンが自分の考え方と一致しているか確認する
- 業界の成長性や将来性をリサーチし、自分のキャリアにフィットするか見極める
- 企業文化や働き方の実態を口コミや面接で確認する
企業の経営方針や業界の成長性、文化が自分に合っているかを確認することで、転職後のミスマッチを避けられます。
4.スキルの習得と成長を意識する
転職の動機が「成長できない」「スキルが習得できない」といった場合が多いため、現職で取り組める業務に積極的に挑戦しスキルを伸ばしましょう。
- 現職で新しいスキルやプロジェクトに挑戦する
- 自己学習や資格取得を通して市場価値を高める
- 上司にキャリア相談をして、自分の成長に貢献できる機会を増やす
自己成長の機会が見つからない場合でも、自己学習や社内での新しい役割を探してみることが大事です。
5.職場の人間関係や環境を改善する努力をする
転職理由の一つに「人間関係のトラブル」がありますが、まずは現職での人間関係や環境の改善を試みることが重要です。
- 上司や同僚と積極的にコミュニケーションをとる
- 問題がある場合、解決策を自ら提案し実行する
- チームワークを意識して職場環境の改善に努める
円滑にコミュニケーションをとる努力をすることで、今の職場でも十分満足感を得られる場合もあります。
以下の記事は20代で3回目の転職という、短期離職を繰り返している人が転職を成功させるためのポイントについて解説していますので、参考にしてください。
監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
転職する際はタイミングと本当の目的を考える
転職する際には、焦らず適切なタイミングで行動することが大切です。
今の職場でやり切ったと感じたら次のキャリアに進むべきですが、逆にまだ学ぶことがある場合はその環境を活かすべきです。
早まって転職を決断しないようにしましょう。
- 短期的な不満ではなく、長期的なビジョンで判断する
- 転職活動を始める前に、現職で解決できる問題がないか考える
- 次の職場で何を得たいかを具体的に明確にする
また転職する際に「今の仕事が嫌だから」という消極的な理由だけではなく「次の職場でどう成長したいか」「何を実現したいか」を明確にすることも大切です。
転職の目的が曖昧だと、次の職場でも同じ問題に直面し、再び転職を考えることになりかねません。
自分の目標と転職先の仕事が一致しているかを必ず確認するようにしましょう。
3年で転職を繰り返す人は転職エージェントに相談を
20代で3年くらいの間隔で転職を繰り返してきたなら、年齢も30歳近くなってきているはずです。
この先の転職では、即戦力としての活躍を求められるため、特に異業種への転職は難易度が上がります。
一つの企業で長く働ける仕事を探した方が良い時期かもしれません。
そんな時は、転職エージェントに相談することをおすすめします。
経験豊富なキャリアアドバイザーに相談にのってもらうことで、これからのキャリアについてじっくり考えられます。
第三者の冷静な意見を参考にすることで、意味のない転職を防ぎ、長期的なキャリアを描いていけるようになるでしょう。
まとめ
3年で転職を繰り返してしまう理由は焦りや不満、ミスマッチなど様々です。
しかし目的を持たず安易に転職してしまったり、何度も繰り返し転職してしまったりすると多くのデメリットがあるので要注意です。
3年で転職を繰り返さないためには、まず現職でスキルを磨いたり、環境を改善したりする努力をしましょう。
それでも転職したい場合は、転職したい理由を分析し、自己分析・企業研究を徹底して自分に合った仕事を見つけることが大切です。
なかなか自分に合った職場が見つけられなかったり、転職を繰り返したことで次の転職ができるか不安を感じている人は、ぜひUZUZに相談してください。
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