この記事では、社会人二年目の平均年収を皮切りとして、社会人二年目がどういった実態をもっているのか、仕事内容の傾向も含めて解説していきます。
これから社会人二年目になるという方は、ぜひ確認してみてください。
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社会人二年目の平均年収は約262万円
厚生労働省の調査をまとめると、社会人二年目が属していると考えられる20歳~24歳の平均年収は約262万円ほどでした。
これは単純に、平均月収を12か月分で計算したもので賞与は入っていないため、実際にはもう少し上がります。
まずは実態として、社会人二年目はこのくらいの平均年収であることを知っておきましょう。
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査:学歴別」
学歴別の社会人二年目の平均年収
続いて、学歴別に見た社会人二年目の年収について確認していきましょう。
高卒 | 約246万円 |
専門卒 | 約264万円 |
高専・短大卒 | 約258万円 |
大卒 | 約280万円 |
社会人二年目の全体平均年収は約262万円。
ですが、社会人二年目のなかでも最終学歴が上がっていくほどに平均年収が上がっている傾向が見られますね。
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査:学歴別」
業界別の社会人二年目の平均年収
続いて、業界別に社会人二年目の平均年収を確認していきましょう。
上位3位の結果は以下の通りです。
1位:不動産業、物品賃貸業 | 約280万円 |
2位:学術研究、専門・技術サービス業 | 約279万円 |
3位:情報通信業 | 約278万円 |
特に不動産業は、そもそも年収が高いイメージを持っていた方も多いのではないでしょうか。
学歴だけでなく産業によっても、社会人二年目の平均年収に差が生まれることが分かりますね。
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査:産業別」
社会人二年目は手取りが減るのは本当か
なぜ、社会人二年目の手取りが減るといわれているのでしょうか。
その理由を詳しく解説していきます。
住民税が天引きされるため月給の手取りが減る
給与について話されるとき、「額面金額」や「手取り」と呼ばれることがありますよね。
総支給額から税金などの各種控除を引いた金額が、手取りの給料として手元に残る金額です。
この天引きされる税金のうち、住民税は前年の所得に対して課されています。
社会人一年目は、当然働いた経験がないため、「前年の所得」なんてありませんよね。
だから、社会人一年目は、住民税を支払う必要がなかったのです。
ですが二年目になると、「前年の所得」が生じるため、住民税を納める義務が発生し、その額だけ手取りが少なくなってしまうのです。
そのため、社会人一年目から昇給していたとしても、多くの場合は月収としての手取りが減ってしまうと感じてしまいます。
賞与が本格的に付与されるので年収は増える場合もある
会社によっては、半年に1回などの期間で賞与(ボーナス)の支給があります。
金額が決まっている場合もあれば、業績制や出来高制で上限する会社もあるでしょう。
多くの場合、賞与は半年間の労働の成果に対して与えられます。
社会人一年目の前半の期間は研修期間であるため、賞与がないか、あったとしても満額よりも割引されていることが多いものです。
社会人二年目の途中くらいから業績に貢献しているとして、二年目の冬季賞与から本格的に支給されるという会社もあり、そのような賞与がある場合は、結果的に手取りとしての年収も増えることもあります。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
給与・給料・手取りの違いとは
給金を意味する言葉としてたびたび登場する給与・給料・手取りという言葉の違いをきちんと理解しているでしょうか?
給与とは、労働の対価として支払われるものすべてを指しており、給料や賞与、厳密に言うなら現物支給された物も含まれます。
給料と手取りはほぼ同じで、支給された給与のうち税金や諸手当が差し引かれたもので、実際に自由に使える金額のことです。
これらの定義が気になっている方は、以下の記事でもう少し詳しく知ることができます。
社会人二年目で年収に影響を与える変化とは
ここからは、社会人二年目で起こる、今後の年収にも大きな影響を与えかねない変化について確認していきます。
一人前になりつつあると見なされる
社会人一年目のうちは、まだ「社会そのもの」や仕事に慣れるための期間だと思われています。
一人立ちし、一人前の社会人に近づいていると見なされるのは、社会人二年目からです。
例えば営業職であれば、先輩社員との同行でなく自分だけでクライアントと商談しはじめるようになります。
提案資料を作る際にも上司からのサポートがだんだんと減っていくでしょう。
年収アップのためには、社会人として一人前だと思われるようになるのは大前提として必要ですよね。
ジョブローテーションの結果で適性が分かりはじめる
総合職採用などの場合、新卒社員はジョブローテーションなどで数か月単位で部署移動を行い、適正を確認することがあります。
またジョブローテーションがない場合でも、配属された部署内で様々な業務を経験する機会が与えられ、どのような仕事に適性があるかを確認されていきます。
社会人二年目はその結果が分かりはじめる頃です。
総合職採用で進む道が分かれている場合、ゼネラリストかスペシャリストか選んだり、あるいはどのような部署に定着するかが決まったりしてくるでしょう。
会社によっては、いわゆる出世街道とされるようなエリートコースもあれば、そうでない部署もあるのではないでしょうか。
配属先によって、今後の年収の上がり幅も変わってくるでしょう。
後輩ができ指導する機会も生じる
社会人二年目は、当然ながら新卒ではなくなります。
新しく入って来た社会人一年目の新卒社員たちに指導をする立場になっていくのです。
だんだんとリーダーシップの片鱗を見せなければならなくなっていきます。
特にゼネラリストになって部下をもち、ゆくゆくは管理職になっていきたいのであれば後輩に適切に指導し、成長させていく能力は必須です。
だんだん社会人の基本知識について質問しにくくなる
新卒ではなくなっているので、もはや社会人二年目の時期を過ぎると、「新社会人」ではなく「まだ経験が浅いものの一人前の社会人」になっていきます。
すなわち、「まだ新人です」という顔をしにくくなってくるのが二年目からです。
気兼ねなく社会人の基本やビジネスマナーについて先輩社員に質問できる最後のチャンスなので、今のうちに社会人としての基礎力をしっかりと身につけておきましょう。
どのようなビジネスマナーがあり、新人はどのようなミスをしやすいのか知りたい方は、以下の記事も確認してみてください。
良い面も悪い面も自社についての理解が深まる
社会人二年目は、これまで1年間働いてきたことで、自社の良い面も悪い面も分かるようになってきます。
- 尊敬していた先輩が、実はそれほど実力がなさそう
- あまり目立っていなかった同期が、実はすごい実力をもっていた!
- 会社の軸となる事業に、ちょっと不安がある
- 自分なら、もっといろいろな業務に挑戦できるかもしれない
1年間やりきってきた自信も後押しして、少し気が大きくなってしまうかもしれませんね。
年収に関係することとしては、給与体系の詳細や実態、昇給のしやすさや上がり幅などが見えてくるでしょう。
場合によっては、給与の上がりにくさが悩みになってしまうかもしれません。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
「同じ会社に最低3年」は根拠がないので気にしなくていい
給与の上がり方を示す給与テーブルについても分かってきて、会社の体質も分かってくるのが社会人二年目です。
それに伴って、悪い面も見えてくるかもしれません。
かつての日本では、「同じ会社には最低3年は在籍すべき」という論調がありました。
ですが、変化が激しい現代ではこの考え方は通用しなくなってきています。
つけ加えるなら、そもそも「最低3年」とされたことにも、特に明確な根拠はありません。
もし働き方が思っていたのと違うと感じ、このままでは自分のためにならないと気づいたのなら、3年を待たずに転職を考えてもいいでしょう。
少なくとも、転職を検討するだけなら何の影響もありません。
社会人としての経験を積んだうえで、改めて外部の会社を精査してみることで、逆に自社への愛着が湧くということもありえます。
まとめ
社会人二年目の年収を確認しつつ、給与を軸として手取りの実態や二年目で起こる変化などを見てきました。
社会人二年目は様々な変化が起こりつつも、安定して働けるようになってくる時期でもあります。
それに伴って、就活で大変だった学生の時期や、慣れるので精一杯だった一年目には気づかなかったキャリアの悩みも出てくるかもしれません。
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