もくじ

確かに、ホテル業界はサービス業の花形の印象がありますね。
そのイメージから「ホテルに就職したいけど高卒では難しいかも」と考えている人もいるかもしれません。
しかし、実際はそうではなく、ホテル業界は学歴がさほど重視されない傾向があります。
なぜなら接客スキルやホスピタリティ(おもてなしの心)が求められるホテルの仕事では、学歴よりも人柄が重視されるためです。
この記事では、高卒からホテルマンに就職した場合の年収事情や、求められるスキル、向いている人の特徴を解説します。
なお、ホテル業界の業界研究については以下の動画でも解説しています。
ぜひご覧ください!
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ホテル支配人のポジションは高卒が比較的多い


管理的なポジションを任されることもありますよ!
高卒だから管理職を目指せないかというと、そんなことはありません。
実はホテルの責任者である、支配人のポジションには高卒者が多いというデータがあります。
この資料(※)は、実際にホテル業界で働いている人が、各ポジションごとにどの学歴が多いか、調査したものです。
※複数回答のため合計値は100%になりません。
【ホテル内の役割と従事している人の学歴】
役割 | 高卒 | 専門卒 | 短大卒 | 大卒 |
---|---|---|---|---|
フロント | 31.6% | 31.6% | 15.8% | 50.9% |
接客担当 | 45.9% | 27.0% | 8.1% | 48.6% |
客室清掃・整備 | 55.8% | 16.3% | 4.7% | 7.0% |
支配人 | 44.6% | 25.0% | 14.3% | 46.4% |
参考:厚生労働省職業提供サイトjobtag「フロント(ホテル・旅館)」「接客担当(ホテル・旅館)」「客室清掃・整備担当(ホテル・旅館)」「ホテル・旅館支配人」
ホテルの仕事には様々な役割がありますが、どのポジションでも高卒の比率が高いのが特徴です。
このことからも高卒からホテルに就職し、活躍している人が多いことが伺えます。
特にホテルの総責任者である支配人のポジションでは、高卒と大卒の比率がほぼ同等です。
高卒から入社して様々なセクションを経験し管理職を経て、支配人として活躍できるチャンスは十分にあることを示しています。
高卒からホテルマンを目指すなら知りたい!基本的な業務内容

ホテルマンとは、ホテルにおける様々な業務に携わる全てのスタッフを指す言葉です。
性別に関わらず使われる言葉で、女性であってもホテルマンと呼称されます。
ここでは、高卒からホテルマンを目指すなら知っておきたい基本的な業務内容を解説します。
宿泊部門
ホテルマンと聞いてイメージする人が多いフロントスタッフは、宿泊部門の1つです。
宿泊部門ではフロント・ベルアテンダント・コンシェルジュといった宿泊客対応業務のほか、ハウスキーパーなど清掃業務も行います。
フロントはチェックイン・アウトの手続きや予約受付など、ベルアテンダントは宿泊客の荷物運搬、コンシェルジュは宿泊客のリクエストへの対応といった業務が一例です。
管理・営業部門
管理・営業部門は宿泊客と直接やり取りする場面は多くありませんが、裏方としてホテル経営を支える大切な仕事です。
管理部門は人事や経理、総務といった業務を、営業部門は広報活動や宿泊・宴会の営業活動を担当します。
また、営業部門ではディナーショーやパーティといったイベントを企画して、集客につなげる仕事を行うこともあります。
料飲部門
料飲部門は、ホテルにあるレストランで接客対応を行ったり、ルームサービスを提供したりする部門です。
例えば、レストランでは利用客を席へ案内する・メニューを説明する・オーダーを受ける・料理やドリンクを提供するといった業務が挙げられます。
その他、バーがあるホテルではバーテンダーやソムリエが活躍しているケースもあります。
宴会部門
宴会部門は、ホテル内で挙げる結婚式や披露宴、パーティーの手配や準備、本番のサービスを担当する仕事です。
手配や準備では、利用客のニーズに合わせて当日のプログラムや演出、レイアウトや料理を調整する必要があります。
また、当日は会場設営や料理・ドリンクの提供、利用客の手荷物や上着を預かるといったサービスを担当します。
調理部門
調理部門はその名の通り、ホテル内のレストランや宴会で提供する料理を調理する部門です。
調理スタッフの指揮を執るシェフや自家製パンを作るベーカー、デザートの調理・盛り付けを担当するペストリーなど、担当する料理によって呼び方が異なります。
その他にも、食肉の下処理を担当するブッチャーや、冷製料理を担当するガテマンジャーなどが存在する職場もあります。
気になるホテル業界の年収は?


統計資料によると、全国平均の年収ベースで314万円、東京都に限定しても348万円と、決して高くはありません。
しかし、これは統計上の平均であって、ホテルの規模や役割、役職の有無によっても違ってきます。
資格手当やインセンティブの制度を設けているホテルもあり、管理職になれば相応の年収が見込めるでしょう。
実際、大手チェーンのビジネスホテルの支配人の求人の中には、年収1,000万以上を提示している企業もあります。
参考:厚生労働省職業提供サイトjobtag「ホテル・旅館支配人」
学歴よりも重要!ホテルマンに求められるスキルとは?


ホテルに宿泊するお客様は、旅行やレジャーなどの非日常を楽しんでいる方もいます。
また出張など仕事で利用するお客様は、自宅と同じようにくつろいで疲れをとりたいと考えています。
こうしたお客様をおもてなしして、心地よい時間を過ごしていただくのがホテルマンの役割です。
そのため、学歴よりも気遣いや思いやりといった、人柄に根ざしたスキルが重視されます。
コミュニケーションスキル
お客様と直接接する機会が多いため、コミュニケーションスキルは必須です。
しかも、ホテルにはさまざまなお客様がいらっしゃるため、各お客様の個性や特徴・要望に合わせたレベルの高いコミュニケーション力が必要になるでしょう。
また、質の良いサービスを提供するには、同僚同士のスムーズな連携が欠かせません。
お客様とのコミュニケーションはもちろんですが、同僚とも良好なコミュニケーションが必要です。
ホスピタリティ
ホテルで働く上で欠かせないスキルが、この「ホスピタリティ」です。
ホスピタリティとは日本語で「思いやり」「心のこもったおもてなし」「歓待」といった意味をもつ言葉。
まさしく、その人の人間性から発揮されるスキルといえるでしょう。
基本的な身だしなみや言葉遣いはもちろん、一人ひとりのお客様に寄り添った気配りが求められます。
ホテル全体のホスピタリティを形作るのは、個々のホテルマンのホスピタリティといっても過言ではありません。
語学力
ホテルは外国からの宿泊客も多いため、英会話のスキルは高い頻度で求められます。
特にフロント業務に従事する場合、英語のスキルは必須です。
昨今ではインバウンド需要により、英語圏以外の国からの訪日客も非常に多くなってきています。
英語の他に、韓国語や中国語のスキルがあると、かなり重宝されるでしょう。
体力
ホテルマンの業務は基本的に立ち仕事であり、宿泊客の荷物を運ぶシーンなどで体力が必要です。
また、長時間勤務や夜間勤務のほか変則的なシフトが多く、身体がもたないという人も少なくありません。
ホテルマンを目指すなら、体力や忍耐力が求められることを覚えておきましょう。
PCスキル
ホテルマンにPCスキルが必要なのは意外かもしれませんが、実は業務でPCを操作する機会があるのが特徴です。
予約情報や宿泊履歴についてデータ入力を行ったり、表計算ソフトを操作して出力したりと、基本的なPC操作スキルが求められます。
他にも、予約の管理や資材・食材の発注などパソコンを使う業務もありますので、基本的なPCスキルは習得しておくことをおすすめします。
基本的なビジネススキル
接客・サービスの比率が高い仕事のため、コミュニケーションやホスピタリティはかなり重視されます。
そのため、基本的なビジネスマナーは学生のうちに身につけておきましょう。
高卒からホテルマンを目指すのに向いている人の特徴


じゃあ、ホテル業界の仕事に向いている人の特徴を教えてほしいな。
ここからは、ホテルマンとして活躍できる人の特徴を紹介します。
あなた自身の特徴と照らし合わせながら見ていきましょう!
また、高卒からの就職におすすめな業界・職種については下記記事も読んでみてください!
人と接するのが好き・人を喜ばせるのが好き
人と接することが好き、喜ばせることが好きな人は、ホテルマンとして良い仕事ができるでしょう。
ホスピタリティが重視されるホテルの仕事では「人と接することが好き」「人を喜ばせることが好き」という2つはとても大切な資質です。
ホテルの仕事では常にお客様と接するため、人と関わることが好きであれば仕事自体を楽しめますし、お客様がどうしたら喜ぶか毎日ワクワクしながら仕事ができます。
臨機応変な対応ができる人
様々なイレギュラーに対応していくのが接客業の醍醐味ともいえます。
同じサービスをしても、お客様によって感じ方は人それぞれです。
「このお客様は、どのように接すれば喜んでくれるのか?」と、それぞれのお客様に合わせた臨機応変なサービスができる人は、ホテルマンに向いています。
臨機応変な対応をするためには、その時に何が最善か、自分で判断することが必要です。
逆にルールの範囲内でマニュアルに沿って着実に仕事をしたい人には向いていないといえるでしょう。
人の顔と名前を覚えるのが得意な人
ホテルには非常にたくさんのお客様が訪れます。
中にはそのホテルを、定宿としている常連のお客様もいらっしゃいます。
こうした常連客の顔と名前が一致していれば、名前でお呼びできるためサービスの格が1つ上がるでしょう。
それぞれのお客様の好みまで把握しておけば、よりプロフェッショナルなサービスが可能になります。
ストレス耐性の高い人
サービス業である以上、お客様からお叱りやクレームをいただくこともあります。
ときには、自分に直接関係ないことで怒られたり、理不尽なお叱りを受けたりしてしまうこともあるかもしれません。
こうしたストレスを上手く発散できる人は、ホテルマンに向いています。
ストレスをため込まず、発散させる自分なりの方法を身につけると良いでしょう。
監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
ホテルマンとして働く苦労とは?
ホテルマンは立ち仕事が多いため、意外と体力勝負な側面もあります。
そのため、慣れるまでは少し大変に感じる人も多い傾向です。
またサービス業であるため、勤務が不規則であることは否めません。
ホテルによっては夜間や土日出勤を求められたり、大型連休やお正月といった旅行シーズンこそ休みなく働くことが求められたりするケースも多いです。
そのため学生時代の友人と休みが合わず疎遠になることや、家族との時間がとりづらいこともあります。
こういった不規則な働き方でも上手にスケジュールを管理して、日常生活を楽しむスキルを身につけることも、ホテルマンには必要かもしれません。
高卒からホテルマンになるためにできること
学歴がさほど重視されず、活躍している人材が多いホテル業界は、高卒で就職する人にとって狙い目の仕事であるといえます。
ホテルマンを目指すなら、できるだけ有利に就活を進めたいものです。
ここでは、ホテルへの就職を有利に進めるために、しておいた方が良いことを解説します。
自分の強み・弱みを理解する
自分の強みを理解しておけば自己PRのポイントが見つかりますし、弱みを把握しておけば面接で深く質問されても今後の課題や克服するための努力をスムーズに説明できます。
また、自己分析を深めることで、そもそも自分にはホテル業界が合っているのか、その中でもどの業務が向いているのかを把握できます。
自己分析ツールや就職エージェントを利用したり、自分自身でSWOT分析や自分史の作成を通じて強み・弱みを理解しましょう。
業界への理解を深める
一口にホテルマンといっても、業務内容は職場によって様々です。
面接ではどの業務を希望するのかを聞かれることも多いため、自分にはどの業務が向いているのかを考えておきたいところ。
まずは業界への理解を深めて、どんな業務があるのか・どんなスキルが求められるのか・やりがいや大変さを学びましょう。
宿泊業に特化した合同説明会や企業説明会に参加したり、OB・OG訪問を行ったりして、業界分析を進めてください。
また、インターンシップに参加して実際に業務内容を体験し、自分の適性を考えるのも良いでしょう。
資格を取得する
サービス系の資格は狙い目です。
資格を持っているだけで「基礎的なサービスの知識を持っている」と評価されて、少し育成すれば短期間で戦力になってくれるのではと期待してもらえます。
具体的には、以下3つの資格を目指してみるのがおすすめです。
- サービス接遇検定
- ホテルビジネス実務検定(H検)
- TOEIC・英検
どれも、就職してからすぐにでも業務に活かせる内容のため、取得を検討してみてください。
サービス接遇検定
サービス接遇検定は、公益財団法人 実務技能検定協会が主催する「ビジネス系検定」の1つです。
サービス業に必要な心構えから、対人関係理解、応対や振る舞いが審査されます。
出題領域は以下の5つ。
- サービススタッフの資質
- 専門知識
- 一般知識
- 対人技能
- 実務技能
取得することで、サービス業に必要な基本的なスキルが備わっていることを証明できます。
参考:公益財団法人 実務技能検定協会「サービス接遇検定」
ホテルビジネス実務検定(H検)
ホテルビジネス実務検定(通称H検)は、一般社団法人日本ホテル教育センターが主催するホテル実務の体系的な理解度を測る資格です。
宿泊・飲食・宴会といった現場のオペレーションから、経理会計・人事総務といった管理系の業務まで、幅広い実務知識の習得を目的としています。
ホテルビジネスの知識・スキルを体系的に理解できていることを証明できる資格です。
参考:一般社団法人日本ホテル教育センター「ホテルビジネス実務検定試験(公式)」
TOEIC・英検
外国人観光客の利用も多いホテルで仕事をする上で、英語力は必須。
TOEIC・英検は学生のうちにとりやすい資格でもあるため、早めに取り組んで取得しておくことがおすすめです。
英語力の客観的な証明として、履歴書にも記載できます。
「ホテルで仕事をしたくて、在学中に英語を頑張りました!」というアピールポイントにも使えるので勉強を進めていきましょう。
接客業のアルバイトをしてみる
高卒でホテルマンを目指すなら、就活前に接客業のアルバイトをしてみるのがおすすめです。
ホテルマンは宿泊業に属しますが、接客対応を行うという点では接客業と共通しています。
接客業のアルバイトに挑戦することで、自分が接客業に向いているかどうかを試せますし、ホテルマンの業務で必要なスキルが育まれます。
さらに、面接で話せるようなエピソードを経験できる可能性もあるため、就活に有利です。
就職エージェントの力を借りる
ホテル業界への就職を目指すのであれば、就職エージェントの力を借りることも検討してみてください。
ホテル業界の情報を豊富に持っており、優良な求人を紹介してくれます。
また書類選考や面接の対策も、親身になって対応してくれるため、単独で就活するよりも成功の確率は高まるでしょう。
ホテル業界は勤務が不規則なので、ブラックな労働環境にあたってしまう可能性もあります。
しかし、確かな情報から適切なアドバイスがもらえれば、ブラック企業に就職してしまう事態も防げます。
監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
ホテル業界のブラック企業を見極めるポイント
ホテルマンの仕事は、どうしても勤務体系が不規則になりがちです。
人手不足もあり、会社によっては長時間労働や休日出勤が常態化しているかもしれません。
会社選びを間違うと、こうしたブラックな労働環境から抜け出せなくなり、体を壊してしまう恐れもあります。
そうならないよう見極めるには、以下のポイントを確認してください。
- 労務管理が徹底されているか
- 労働時間の管理方法、時間外手当の支給実績
- 離職率が高くないか
- 年間休日数(実績まで確認するとベスト)
- 健康管理上の取り組み
最低限、上記5つのポイントを確認した上で、応募先を選定しましょう。
まとめ

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