第二新卒は一般的に「学校卒業後3年以内」「一度でも就業経験がある」人のことを意味します。
就業経験がない場合は「学校卒業後3年以内」でも、既卒となります。
ただし、厚生労働省により、第二新卒は「企業の中での定義を優先とする」と定義づけられている通り、一般的な定義よりも企業側の定義が優先です。
あくまで、それぞれの企業がどのような人を募集しているのかに注目して求人を探すことが大切です。
この記事では、第二新卒が未経験職種に転職できる理由や転職を成功させるコツ、おすすめの職種などを解説していきます。
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第二新卒の転職の現状は?
第二新卒の条件を満たしているなら、有効活用しないと損ですよ!
新卒でないと転職に不利だと考える人もいると思いますが、そんなことはありません。
第二新卒の転職の現状を、以下で詳しく解説していきます。
新卒就職者のうち3人に1人は離職している
厚生労働省は、平成31年卒業者と令和2年卒業者を対象に、新規学卒就職者の離職状況を調査しました。
結果は、以下の通りです。
平成31年卒業者 | 令和2年卒業者 | |
---|---|---|
中学 | 57.8 % | 52.9% |
高校 | 35.9 % | 37.0% |
短大等 | 41.9 % | 42.6% |
大学 | 31.5 % | 32.3% |
中学卒業者の離職率のみ減っていますが、高校・短大等・大学の離職率は増加しています。
高校・短大等・大学ともに、令和2年の卒業者は、3人に1人以上が離職している状況です。
新卒者の3人に1人は辞める時代なので、企業側も無理に新卒にはこだわらず、積極的に第二新卒を採用する傾向にあります。
参照:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」
企業が積極的に採用を行っている
2016年にマイナビ転職が同サービスを利用して、中途採用を行う企業に対して実施した調査では、次のような結果が出ています。
- 本年よりも積極的に採用する予定である:18.1%
- 本年も変わらず積極的に採用する予定である:44.1%
つまり、調査対象となった企業のうち6割以上の企業が、第二新卒を「積極的に採用する」予定だということです。
なお、2023年11月段階にて、マイナビ転職で「第二新卒歓迎」というキーワードで求人検索をしてみました。
すると、全19,825件の求人のうち15,618件がヒットしました。
求人数の多さからも、第二新卒が企業に求められていることが分かります。
参照:マイナビジョブ20’s「【2021年更新】第二新卒とは?いつまで?転職市場で求められているのは本当か?」
第二新卒が未経験職種へ転職できる理由
でも、未経験だと厳しいよね。
新卒に比べ、第二新卒は未経験職種へのハードルが高いと考える人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
新卒と違って「社会経験」があり、若い分「将来性がある」のが、第二新卒の強み。
第二新卒ならではの強みを活かせるのが、未経験職種への転職だからです。
社会人経験がある
第二新卒は、社会人経験があるため「基本的なビジネスマナーが身についている」とプラスに捉えられる傾向にあります。
企業側としては、新卒に比べて教育の時間や手間が省けるため、第二新卒を雇うメリットとなるのです。
企業側は、第二新卒に即戦力になれる可能性も期待しています。
将来性がある
企業側は、第二新卒者の将来性を見込んで採用するため、未経験でも不利になりません。
経験が全くなくても、柔軟性や意欲の高さを示せば、企業へアピールできます。
企業側は、第二新卒者に、経験の有無ではなく「今後どう活躍してくれるか」を見ています。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
未経験職種への転職は第二新卒が有利
未経験歓迎の求人の場合、実務経験の不足分を、「若さ」「柔軟性」「将来性」などで補ってもらおうと考えている企業がほとんどです。
つまり、年を重ねるほど未経験職種への転職のハードルが上がると言えます。
第二新卒は、悪く言えば「新卒ほどのフレッシュさはなく、一人前の社会人といえるほどの経験はない」存在。
しかし、フレッシュさも社会人経験も重宝される未経験歓迎の求人ならば、第二新卒が有利なのです。
第二新卒が未経験でも転職できる職種
第二新卒が未経験職種に転職する場合、職種選びを間違えると、第二新卒の強みを活かせず、スムーズに転職できない可能性があります。
職種選びのポイントは「需要が高い」「ポテンシャル次第で活躍できる」です。
以下は、第二新卒が転職しやすい職種の一例です。
- 販売職
- 介護職
- IT関連の技術職
- 事務職
- 営業職
販売職
職場によって多少の仕事内容の違いはありますが、主に、店舗でお客様向けに商品を販売する職種です。
専門スキルや資格を求められないケースが多く、未経験でも就職しやすい傾向にあります。
店舗への来客者に対し、接客・商品購入のサポートなどが主な業務です。
向いているのは、人と関わるのが好きな人や、コミュニケーション能力に長けている人。
似た職種にサービス職がありますが、サービス職は、商品ではなくサービスを提供します。
介護職
厚生労働省が行った調査によると、社会福祉施設の数は、平成24年〜令和3年の間に、42,850から82,611に増加。
10年間で施設の数が約2倍になり、従事者数も約40万人増えています。
毎年少しずつ増えており、今後も伸びていくことが予想されるため、慢性的に人手が足りていない職種です。
需要の高さから、未経験でも歓迎されるでしょう。
介護職は「人の役に立ちたい人」「社会貢献したい人」「人と関わるのが好きな人」に向いています。
転職後にキャリアアップしたい人は、資格取得支援制度を導入している職場への転職がおすすめです。
資格取得支援制度とは「介護福祉士」や「ケアマネージャー」などの取得にかかる費用を一部、もしくは全額負担してもらえたり、資格取得のための研修や講座を受けられるものです。
資格取得後は、資格手当の支給を受けられる場合もあります。
参照:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査(令和3年)」
参照:厚生労働省「社会福祉施設等調査(令和3年)」
IT関連の技術職
プログラマーやテストエンジニア、システムエンジニアなど、未経験可の求人がある職種のみ転職可能です。
IT業界は、近年拡大し続けている市場で、今後も伸び続けることが予想されています。
慢性的に人手不足なので、専門的な分野であるにもかかわらず、未経験の第二新卒者でも十分に挑戦できるのです。
IT関連の技術職に転職した場合、転職後に専門的な知識やスキルの習得が必須になるため、学ぶのが好きな人に向いています。
専門性の高い職種なので、キャリアアップしたい人にもおすすめです。
IT業界に興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。
事務職
企業により業務内容は多少異なりますが、書類の作成・処理・整理や電話対応、来客応対など、業務の事務全般を行う職種です。
業務内容は地味ですが、企業が活動するために欠かせない存在であり、どの企業にも事務職は存在します。
「未経験OK」の求人が多いため、実務経験がない第二新卒者でも、比較的転職しやすいです。
業務を通して得たパソコンスキルや専門知識を活かし、一般事務から営業事務や経理事務などへステップアップしたり、キャリアアップしたりすることもできます。
ルーティン化されている仕事が多いので、同じことをコツコツと続けられる人が向いているでしょう。
営業職
営業職は、顧客に商品やサービスをアピールし、契約を結ぶ仕事です。
転職後に活躍するためには、コミュニケーション能力や論理的思考が必要となります。
コミュニケーション能力がなければ、顧客と良い関係を築けず、契約成立に至りません。
論理的思考がなければ、商品やサービスが「なぜ」おすすめなのか、根拠を説明したり順序だてて説明したりすることができないでしょう。
営業職は、商品やサービスを提供している会社には欠かせない職種なので、求人が多く、常に需要があります。
企業によっては契約した分だけ報酬をもらえる営業職は「自分の頑張りを認められたい人」や「たくさん稼ぎたい人」などに向いています。
第二新卒が未経験職種への転職を成功させるコツ
転職を成功させるコツを知っていますか?
第二新卒が未経験職種へ転職しやすいのは、ここまで説明してきた通りです。
しかし、「転職を成功させるコツ」を知らないと、転職がスムーズに進まなかったり失敗したりしてしまうことがあります。
第二新卒は、「学校卒業後3年以内」という制限があるので、ゆっくり転職活動をしていると、第二新卒の枠から外れてしまい、転職先の幅が狭まる可能性も。
第二新卒枠で転職を考えているのならば、早めに転職活動をスタートし、以下の「転職を成功させるコツ」を活かすことが大切です。
- 自己分析をしてアピールポイントを考える
- 未経験歓迎の求人を探す
- 嫌なイメージを払拭できるようにしておく
- 面接対策を行う
- 転職エージェントを利用する
自己分析をしてアピールポイントを考える
自己分析とは、より自分について深く知れる方法のこと。
「自分のことは自分が1番分かっている」と思っていても、知らない部分や勘違いしている部分がある場合もあります。
アピールポイントを考えるためには、まず自分のことを知らなければなりません。
自己分析ができたら、自分にはどんなアピールポイントがあるのかを考えましょう。
自己分析は、面接で主張の一貫性を保つためにも重要です。
もっと自己分析方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
こちらのYouTube動画では、自己分析についてより詳しく簡単に解説されています。
未経験歓迎の求人を探す
「未経験歓迎」と明記されている求人なら、スキルや知識がなくても応募できます。
しかし、何も準備せず応募するのはNG。
ある程度、その業界や職種のことについて学び、スキルや知識を習得しておくといいでしょう。
ネガティブなイメージを払拭できるようにしておく
第二新卒の強みを上述しましたが、第二新卒にはネガティブなイメージもあります。
前職を早期離職していることから「また早期離職するのでは」と懸念されがち。
ネガティブなイメージについては、面接時にしっかりと払拭しておきましょう。
また退職理由を聞かれた場合は、理由を伝えるだけに留まらず、ポジティブな内容に変換することをおすすめします。
例えば「給与が低い」という理由で前職を離職している人の場合、以下のように言い換えるのがよいでしょう。
「前職は、自分が意欲的に業務に取り組んでも昇給が見込めませんでした。どうせ頑張るなら、貴社のような可能性のある場所で働きたいと感じ、離職しました」 |
面接対策を行う
強みをアピールしたり嫌なイメージを払拭したりできるのが、面接の場。
事前に準備をしておき、面接官からの質問に適切に答えましょう。
面接官に良い印象を与えるためには、事前の面接対策が必須です。
面接対策とは、質問されるであろう内容に関して回答を準備しておき、実際に答える練習を行うこと。
可能であれば、第三者に面接官役を演じてもらうと良いでしょう。
第二新卒者が採用選考で重視される項目については、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が調査を行っています。
- 1位:熱意・意欲 60.5%
- 2位:コミュニケーション力 47.7%
- 3位:協調性 32.8%
会社の規模が大きくなるほど「コミュニケーション力」が重視され、規模が小さくなるほど「一般常識・教養」「実務経験」「創造力・企画力」が重視される傾向にあるようです。
以上の結果から、面接では「熱意・意欲」「コミュニケーション力」「協調性」もアピールすることが重要と言えるでしょう。
参照:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「企業における若年層の募集・採用等に関する実態調査(2008年)」
転職エージェントを利用する
自分だけで転職を成功させるのが難しいと考える人、または転職をスムーズに進めたい人は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントを利用すれば「そもそもどんな職種を選べばいいのか」というところから相談に乗ってもらえます。
転職エージェントを選ぶ際は、面接対策サポートや転職後のフォローも受けられるところが良いでしょう。
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転職活動中の面接対策はもちろん、転職後までもサポートが可能です。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
第二新卒枠を狙うなら急いだ方がいい
転職活動に時間がかかり、第二新卒の定義である「学校卒業後3年」という期限を過ぎた場合、第二新卒枠での応募はできなくなります。
第二新卒でなくなると、求人数がぐんと減る可能性があるため、転職活動は早めに行った方がいいでしょう。
年齢が上がるほど求人数が減るので、第二新卒枠を狙わないとしても、転職活動を始めるなら早いに越したことはありません。
まとめ
「学校卒業後3年以内」かつ「就業経験あり」の人は、第二新卒枠での転職活動をおすすめします。
第二新卒は企業からの需要が高いため、未経験職種への転職も可能です。
しかし第二新卒の期間は短いため、転職を考えているのであれば、早めに始めてスムーズに転職活動を行うと良いでしょう。
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「転職活動をスムーズに進めたい」「転職に不安がある」という方は、お気軽に相談してみてください。
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