大学を中退してしまったとしても、その理由としっかり向き合い、選考で伝え方を工夫すれば就活を成功させることは可能です。
この記事では、大卒中退でも就活を成功させるためのコツを、履歴書の書き方や面接の伝え方を通じてお伝えします。
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大学中退は履歴書に書かなければならない
まず初めに、大前提としての注意点です。
大学を中退しているのならば、それは履歴書をはじめとした経歴に必ず書かなければなりません。
なかには、大学に入学したことを書かず、「〇〇高等学校卒業 以上」として履歴書の経歴欄を締めてしまえばいいのではないか、と考える方もいるかもしれません。
ですが、「大学に入学した事実」と「大学を中退した事実」を書かなければ、それは経歴詐称になってしまいます。
言いにくいことかもしれませんが、正直に伝えるようにしましょう。
大学中退の最終学歴は高卒になる
卒業したもっとも高い学歴が最終学歴になります。
大卒を中退した場合、基本的には最終学歴は「高校卒」となるでしょう。
もしも大学中退後に専門学校に入学し、そこを卒業していたとしたら専門学校卒となります。
経歴詐称は懲戒解雇の可能性も
高卒か大学中退かの違いなど、それほど重大な違いではないと感じるかもしれません。
しかし、経歴に関しては絶対に詐称してはいけません。
採用後に発覚してしまうと懲戒の対象になってしまうからです。
特に、「大学中退なのに大卒と偽る」という実際よりも高学歴に見せるタイプの詐称は解雇の可能性が高くなってしまいます。
必ず履歴書には正しい情報で書くようにしましょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
大学中退は珍しいわけではない
文部科学省によると、“全国の国立私立大学(短期大学を含む)及び高等専門学校”における令和3年の中退者はおよそ1%とのこと。
特に多いわけではありませんが、決して「中退者は珍しい存在」というわけでもありません。
大学中退だからといって、決して卑屈になったり、自信を失ったりしなくてもいいのです。
面接時に「なぜ中退したのか」「今後どうしたのか」をしっかり伝えれば、就職できる可能性は十分にあります。
参考:文部科学省「学校に関する状況調査、取組事例等」
大学中退理由を整理してみよう【3タイプ別に解説】
まずは大学を中退した理由について整理してみましょう。
タイプによって「中退理由の伝え方」が変わってきます。
ここでは以下のタイプにわけて説明します。
- やむ得ない理由
- ポジティブな理由
- ネガティブな理由
自分がどのタイプに当てはまるか知り、自分を取り巻く環境や精神状態としっかり向き合っておきましょう。
そうすれば、面接などの場で突っ込んだ質問をされたときにも、受け答えで困ってしまうことを減らせるようになります。
やむを得ない理由
多くの人が「それは仕方がない」と納得できるのが、やむを得ない理由のパターン。
- 親や祖父母など親族の介護
- 自分自身の病気
- 経済的な理由で大学を続けられない、または自分が一家の中心として働かなければならない
上記はやむを得ない理由と受け取られやすいでしょう。
ポジティブな理由
大学を辞めることが、自分にとって大きなプラスになるようなパターンです。
- やりたいことができたのですぐに就職して夢を叶えたい
- まったく異なる分野を学びたくなったため、大学を辞めて独学で勉強していた
- 見聞を広めるために留学した
「やりたいことが別にできて、それに挑戦する」というような前向きな理由であれば、「ポジティブな理由だな」と感じられやすいでしょう。
ネガティブな理由
以下のような、ネガティブな理由も大学を中退する理由になりえるでしょう。
- 大学が合わない
- 勉強がめんどくさくてやる気が出ない
- 授業をサボったなどの本人の怠慢で単位を落として卒業が危うい
- 留年するのがイヤでもう投げ出したい
ほかの「やむを得ない理由」や「ポジティブな理由」と違って、なかなか自分自身でも素直に受け入れるのは難しいものです。
しかし、まずはここでしっかりと「自分の本音としての中退理由は、ネガティブなものである」と認めておくことも重要です。
履歴書での大学中退の書き方
ここまでは、大学の中退理由について3つのタイプで見てきました。
次に、それぞれのタイプごとに履歴書に記載する方法を紹介していきます。
履歴書に中退理由は書いたほうがいい
前提としてですが、中退の理由は書いたほうが良いでしょう。
書かなくてもそれほど大きな問題はありませんが、書類審査を行う担当者はどうしても気になってしまうものです。
履歴書の段階で中退理由を確認できたほうがより丁寧なため、しっかりと理由をまとめられるのであれば書くことをおすすめします。
「やむを得ない理由」の履歴書の書き方
まずは、中退理由がやむを得ない理由の場合の書き方です。
この場合は非常に簡単。
「家庭の事情」「両親(または祖父母)の介護のため」など、そのまま正直に書きましょう。
履歴書を読む側も、「それならば仕方がないな」と納得し、書類審査の段階ではそれほど深掘りすることもありません。
「ポジティブな理由」の履歴書の書き方
ポジティブな中退理由についても、ストレートに伝えて大丈夫です。
コツとしては、「やりたいことができた」という旨と、「それをこの仕事で叶えたい」というように伝えること。
ただ「やりたいことができた」だけだと、「ウチで採用しても、また別のやりたいことができてすぐに辞めてしまうのでは?」と思われてしまう可能性があります。
そこで、「今やりたいことは、コレ」「そして、それを叶えるために御社を志望している」と伝えるのです。
そうすれば、ポジティブな中退理由と応募企業への志望動機がスムーズにつながり、担当者も好印象をもちやすくなります。
「ネガティブな理由」の履歴書の書き方
もっとも難しいのが、ネガティブな理由で中退する場合です。
なるべく「一身上の都合」など、深掘りせずに書くようにしましょう。
「授業がダルくて、サボっていたら単位を落としてしまって……」というところまで書く必要はありません。
ただし、この時点で中退の原因はしっかりと整理しておくこと。
自分に不利になりそうな情報まですべて伝える必要はありませんが、「そういう事実があった」ということは自分のなかで覚えておきましょう。
ここでしっかりとネガティブな中退理由に向き合っておけば、面接などでの受け答えの際に対策できます。
面接での大学中退の伝え方
それではここからは、中退理由別の面接での伝え方について紹介します。
「やむを得ない理由」の面接での伝え方
履歴書の場合と同じく、正直に伝えるようにしましょう。
このとき、悲劇的になってしまったり、現状への不満を語り過ぎないようにするのも重要なポイント。
自分の力ではどうしようもない理由によって大学を中退しなければならないのは、悔しいと思います。
ですが、面接の場で不満や愚痴ばかりを伝えてしまうと、暗い印象で面接が終わってしまい、不利な印象を与えかねません。
一方で、状況を淡々と説明するに留めれば、与えられた状況で精一杯できることをやっている、と好意的な印象で終えられるでしょう。
「ポジティブな理由」の面接での伝え方
こちらも履歴書と同じく、自分がもっている夢や、やりたいことに向かっていることについて話せば問題ありません。
ですが、想いが強いとついつい話し過ぎてしまうもの。
熱くなって自分ばかりが一方的に話してしまったり、やりたいことの話だけをしすぎないようにしましょう。
また面接の場でも履歴書の書き方と同様に、「自分が目指すやりたいことと、応募企業でできることは合致している」という点を強調してアピールするとより効果的です。
「ネガティブな理由」の面接での伝え方
やはりもっとも難しいのが、ネガティブな理由での中退についてです。
言いにくいかもしれませんが、正直に伝えるのがおすすめ。
このとき、中退時の反省を今の就活にどう活かしているか、就職後にどう活かしていきたいかについても話すようにしましょう。
- 大学が合わなかった場合→「進学時点でしっかりと選べなかったことを後悔している」
- 自分の怠慢の場合→「このような失敗を二度としないように心を入れ替えたい」
- 単位を落としてしまった場合→「計画的に物事を進められるようにしたい」
上記のように、まずは真面目に正直に、「自分の過ちと向き合っている」ことを示します。
次に、その過ちから何を学んだか、そしてそれをどう活かしているか、これから活かしていきたいかについて話すようにしましょう。
できるなら、より具体的に「今、どのように実践的に取り入れているか」まで話せるとなお良くなります。
【具体的な失敗の活かし方の説明例】 大学では無計画に単位申請をした結果、取るべき時期に単位を取得できず留年し、最終的に中退してしまいました。 スケジュール管理の甘さにより、このような結果となってしまったことを非常に反省しております。 今の就活ではその時の反省を活かし、スケジュールを日・週・月で分けて管理しています。 それぞれ数か月先まで、「この週にはどの程度まで進んでいる」「この月末にはどこまで完了している」といったように、時期ごとに小目標や中目標を設けてスケジュールを管理することで、計画的に進めています。 |
ネガティブな理由についても、あまり深掘りしすぎるとこの話だけで面接の時間を使ってしまう上、ネガティブなトーンになって面接全体が暗くなってしまいます。
どこまで話すか、どの程度であれば暗くならないかなどは、事前に第三者を交えて面接の練習をしておくと良いでしょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
ネガティブな理由による中退者も意外と多い
前途した文部科学省の調査では、中退者の中退理由についても聞き取りを行っています。
「学生生活不適応・修学意欲低下」は、中退者全体のおよそ20%ほど。
これは、この記事でお伝えしている「ネガティブな中退理由」に当たります。
2割の人がネガティブな理由で中退しているのは、意外と多いと感じるかもしれません。
それもそのはず。ほとんどの人にとって、大学を選んで入学するのは、人生で初めての行為です。
基本的に高校在学中に志望大学を決める方が多いと思いますが、その時期であればまだ親や学校の意向が大きく影響しいているでしょう。
「経済的な事情で行ける場所が決まっている」「受かる大学のうち、一番偏差値が高い大学に行け、と親に言われた」という方もいるのではないでしょうか。
むしろ、将来設計をしっかり立て、主体的に大学を選んで決めたという高校生のほうが少ないはず。
ネガティブな理由で中退したとしても、それほど悲観的になる必要はありません。
まとめ
大学を中退しているからといって、それが理由で就職できないということは決してありません。
ただし、しっかりと履歴書には記載し、伝え方も工夫するようにしましょう。
- やむを得ない中退理由
- ポジティブな中退理由
- ネガティブな中退理由
それぞれについて、書き方や伝え方は異なります。
特にネガティブな理由で中退した方は、履歴書添削や面接練習をして対策しておいたほうがいいでしょう。
もちろん、やむを得ない理由の方やポジティブな理由の方も練習しておいて損はありません。
もし、自分の力だけで練習するのが不安だという方がいるなら、就活のプロであるエージェントを頼ってみるのもおすすめ。
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まずは自分の状況を整理するために相談するだけでも大丈夫です。気になる方は、ぜひ利用してみてください。
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