【イベントレポート】元テレ朝プロデューサーに聞いてみた。広報担当者が知りたいテレビ番組制作の裏側
コロナショックにより従来通りのやり方を見直す必要性に迫られている広報活動。そうはいっても中小企業やスタートアップが1社でできることには限界がありますよね。
株式会社UZUZでは同じような悩みを持つ広報担当者が集まり、お互いにつながり、協力し合うコミュニテイづくりを目的とした広報勉強会を定期開催しています。
今回のテーマは「 これからのテレビ露出とは」。元テレビ朝日プロデューサー鎮目博道さんをお招きし、広報担当者の知りたかった「テレビ番組制作の裏側」についてお話いただきました。(聞き手はUZUZ専務取締役 川畑翔太朗)
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■講師プロフィール
鎮目博道(しずめ・ひろみち)氏
昭和44年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒、デジタルハリウッド大学院修士課程修了。平成4年、テレビ朝日に入社。ニュース、情報番組の制作に携わり、ABEMA立ち上げに参画。昨年独立。上智大学文学部新聞学科非常勤講師。
公式HP https://shizume.themedia.jp/
■聞き手
株式会社UZUZ 専務取締役/広報責任者 川畑翔太郎
1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。
大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現:LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う筋トレの日々を送る。高校の同級生である今村邦之(現UZUZ会長)の誘いと自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画する。第二新卒・既卒・フリーターの就活支援実績は累計1,200名を超える。現在は経営企画と広報・PR全般に関わる。
株式会社UZUZ https://uzuz.jp/
テレビマンはココをチェックしている!SEO対策とSNS発信が効果的な理由
川畑:今年UZUZはNHK「おはよう日本」とNHK「Zの選択」、そしてBSテレ東「田村淳のBUSINESS BASIC」に取り上げてもらいました。自社がテレビに取り上げられるとすごく反響がありますね。最近だとテレビ放映を観た人から社員応募がありました。
鎮目さん(以下、敬称略):テレビの影響力はいまだに大きいですね。
川畑:今回のテーマは「これからのテレビ露出とは」ということで、まずはテレビマンの情報収集についてお聞きします。鎮目さんはテレビ番組を企画する上でどのように情報収集さされていますか?
鎮目: 私は報道番組を担当していたので、記者が掴んだ情報や通信社の配信するニュースから情報を得ることが多かったですね。とは言え、最近はほぼほぼググっています(笑)。
川畑:ググっている(笑)。それは普通に「若者 転職」のようなキーワード検索ですか?
鎮目:はい、そうです。あとは他の番組もチェックしています。
川畑:そうするとキーワード検索された時に検索上位にくるようなSEO対策が大事になりますね。他によく見ているWebメディアはありますか?
鎮目:Yahoo!ニュースは頻繁に見ていますよ。そこからコーポレートサイトを見にいきますね。
川畑:テレビに出たければ、Yahoo!ニュースへの掲載を狙いにいくのも戦略ですね。
鎮目:それは有効だと思います。ただ、「もったいないな」と感じてしまうコーポレートサイトがあって…。コーポレートサイト内の問合せ先をメールのみにしている企業が多く、せっかくメールをしてもその回答を待っているうちにタイミングを逃してしまうケースがよくあります。
テレビ番組制作は時間との勝負なので「〇〇の記事を見たんですが、もう少し詳しく教えてください」とすぐに状況を掴みたいんです。なので、テレビ露出を狙うのであれば問合せ先の電話番号も載せてほしいですね。
川畑:確かに問合せの機会を損失してるのはもったいないですね。では、TwitterやFacebookなどのSNSは見ていますか?
鎮目:TwitterもFacebookもよく見ますよ。特にTwitterの「話題を検索」は必ず見ています。メディア担当者も個人名でSNS発信している人も多いですし、Twitterで先に話題になるとテレビから声がかかりやすくなるでしょうね。
川畑:早速、メディアの方のTwitterアカウントをフォローします(笑)。フォローバックしてもらえれば自分達の情報もキャッチされそうですね。
鎮目:そう思います。SNSはいろんな業界の人とつながれますし、ネタの宝庫です。Facebookの友人限定投稿は独自ネタにつながることもよくありますね。公開されていない情報をいち早くキャッチし、そのまますぐメッセンジャーで詳細を聞いて企画を進められるので助かります。
川畑:メッセンジャーでのやり取りは私も嬉しいです。ただ、すごく忙しいと思うので迷惑にならない時間帯があれば教えてください。
鎮目:そうですね・・・担当している番組によって連絡の取りやすい時間帯は変わるので、時間帯を気にしていただくよりも用件を手短に書いてもらいたいです。
「鎮目さん、こんにちは。こんな話があるのですが興味ありますか?」くらいのメッセージで大丈夫ですよ。時間ができた時に一気に返信するので、そのタイミングで次のやり取りが進むとありがたいですね。
喜ばれる企画書とは、とにかく分かりやすいこと!
川畑:定番の質問になりますが、プレスリリースってぶっちゃけ見てますか?
鎮目:大変申し上げにくいのですが、メールでいただいたプレスリリースはほとんど見ないです。FAXで届いたプレスリリースもテレビ番組のスタッフルームに山のようにたまっていましたが、よっぽど面白いものじゃないと手に取らないですね。
川畑:となると、自分達から直接企画を持ち込まないとなかなか取り上げてもらえなさそうですね。では、どんな企画書なら「読んでみよう」と思えますか?
鎮目:「テレビ番組制作は時間との勝負」と先ほどお伝えしましたが、ぱっと見で全体が分かる企画書が喜ばれますね。
普段映像で伝える仕事をしているので、たくさんの字でびっしり埋まっている企画書だと途中で読む気持ちが萎えてしまうんです(笑)。あとは、自社の情報だけではなく業界の傾向や他社の事例も含めて載せてくれると嬉しいですね。
川畑:これからはぱっと見で全体が分かる企画書作りをします。また、よく「テレビ的に欲しい画(え)」と言われますが、派手な映像は必要ですか?
鎮目:映像が派手なものが「テレビ的」と思われていますが、決して派手でなくても視聴者から求めるられるものはたくさんあります。例えば、人生の感動ストーリー。また「●×の裏側を公開」のような企画も増えてますね。
テレビ業界は村。第一村人を発見せよ!
川畑:番組の誰宛に企画を持ち込むのがベストなんでしょうか?
鎮目:皆さん「番組プロデューサーに持ち込まないといけない」と思いがちですが、一番良いのは過去に取材してくれたテレビ関係者に連絡してみることですね。仮に提案した企画がその人の手掛けている番組と合わなくても、別の番組担当者を紹介してもらえることもあるので。
川畑:別の番組担当者と情報共有し合うんですね。意外でした!
鎮目:テレビ業界って皆さんがイメージしているよりも狭い世界なんですよ(笑)。数年ごとに転職しているので、他社に仲間がいっぱいいて、みんなで助け合っています。
特に現場の若い子たちはいろんな番組に関わっているので「この新商品に詳しい人知りません?」「その会社の広報さん知っていますよ。紹介しますね」とよく情報交換しています。
テレビ業界は言ってみれば「村」なので、「第一村人」となる一人とつながるのがポイントです(笑)。ですので、テレビ取材がきた時は「今後も面白い情報があればお伝えしていいですか?」と積極的に連絡してみてください。そこからどんどんリレーションが広がると思いますよ。
『テレビプロデューサーと考える UZUZ広報勉強会』を終えて
「テレビ業界は村。第一村人を発見せよ!」が全参加者の合言葉となった今回の広報勉強会。笑い溢れる和やかな雰囲気の中、広報担当者の知りたかった「テレビ露出につなげるためのヒント」をたくさんお話いただきました。
また、この広報勉強会は皆さんの交流を深め、お互いに助け合う関係づくりを目的とした参加者限定のFacebookグループを用意しています。今後は他社広報担当者さんとのコラボ企画も計画していますので、ぜひお気軽にご参加ください。
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