もくじ

高卒を取り巻く採用事情は好転していますので、事務職に就くことは十分に可能だと思いますよ。
事務職に限らず、高卒者の採用を新たに始めたり、採用枠を増やしたいという企業は増加傾向にあります。
ただ、事務の仕事は、ワークライフバランスを充実させやすいことから人気の職種であるため、競争率が高くなりがちです。
そのため、高卒からのチャレンジでは「難しい」というイメージが、定着しているのでしょう。
しかし、事務職に求められるスキルをしっかり身につけ、資格を取得するなど準備をすることで、高卒からでも就活を有利に展開できます。
この記事では、事務職を目指す高卒の人へ向けて下記のお役立ち情報を解説していきます。
- 高卒事務職を取り巻く就活事情
- 高卒から目指せる事務職の種類
- 高卒事務職の給与事情
- 高卒事務職に求められるスキル
- 高卒事務職を目指す人におすすめな資格
最後まで読むことで、高卒事務職に関する就活事情だけでなく必要なスキルや取得するべき資格も知ることができます。
高卒から事務職を目指している人は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
この記事の監修者

岡本啓毅
株式会社UZUZ 代表取締役
1986年生まれ、北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職サポートを実施してきた。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる。”をミッションに、Twitterで「仕事をウズウズ楽しむ情報」を、YouTubeで「就職・転職で使える面接ノウハウ」を発信。SNSの累計フォロワー数は9万人を超える。
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決して難しいわけではない!高卒事務職を取り巻く就活事情

高校生に特化した、求職・キャリア支援を行う「株式会社ジンジブ」の実施したアンケート調査によると、状況の好転が見て取れます。

出典:株式会社ジンジブ「【24卒】高校新卒採用についての企業動向調査」
高卒の採用を実施する企業は調査対象全体の88.5%と、前年と比較すると4.2ポイント増加しています。
88.5%のうち、高卒採用を増やすと回答したのが31.6%、新たに始めるとした企業も1%と、高卒に対する採用意欲が高まっていることが分かるでしょう。
同調査には学歴別の採用実績も掲載されていますが、高卒は大卒に次ぐ採用対象となっています。
次に高卒がどのような職種で採用されているかを見てみましょう。

出典:株式会社ジンジブ「【24卒】高校新卒採用についての企業動向調査」
高校生をターゲットにした求人職種についても、事務・アシスタント職が37.7%と最も多いことに注目してください。
高卒全体で採用意欲が高まっており、かつ事務職の求人自体も多いことから、十分目指せるといえます。
高卒からの事務職にはどんな種類がある?


一般事務
一般事務は事務職の中でも基本的な職種であり、多くの会社で求人があるとされます。
業務内容は企業によって異なるなど幅広く、OA事務とも呼ばれることもあります。
- 社内外で必要な書類の作成・整理
- システムへのデータ入力
- 電話やメールの対応
- 来客対応
- 郵便物の仕分けや発送
- 伝票処理・整理
- 備品管理・発注
一般事務ではパソコンを使用して業務を進めるため、基本的なパソコンスキルは必須です。
ただ、特別な専門的なスキルは必要なく、未経験でも始めやすいため人気の職種となっています。
アシスタントやサポート役としての業務も多いため、気配りや目配りが行き届いているなど、周囲の状況に合わせて動ける人は重宝されるでしょう。
営業事務
営業職のアシスタントとして、サポートを専門に行うのが営業事務です。
営業事務の主な業務内容は、下記の通りです。
- 取引先に提出する見積書の作成
- 営業担当者が使用するプレゼン資料の作成
- 売り上げの管理・伝票の処理
- 顧客管理・在庫管理
- 受注・出荷管理
一般事務と同様の業務にプラスして、売り上げの管理なども行い、伝票の処理などを経理部門と連携して行うこともあります。
営業担当者のサポートが中心業務となるため、気配りや目配りができ、先回りして行動できる人には向いている仕事です。
担当者の代わりに顧客と直接やり取りすることもあるため、コミュニケーション力も必須となるでしょう。
経理事務
会社の金銭の出納管理や、各種経理処理を専門に行う事務職が経理事務です。
経理事務の主な業務内容は、下記の通りです。
- 毎日の入出金管理
- 従業員の経費精算
- 簿記の記録・仕訳入力
- 伝票の発行
- 取引先への請求書作成
- 給与・社会保険料の計算
- 月次決算業務
- 年末調整・税務申告
上記に加えて、毎日行う日次業務のほか、月末などの締め日に行う月次業務、年に一度行う年次業務なども存在します。
事務職の中でも専門性が高い分野であり、簿記のスキルや資格を持っているとスムーズに仕事に入っていけるでしょう。
比較的、定型化された業務が多い仕事ですが、会社の数字やお金を扱うため、正確性が求められます。
ステップアップすれば、会社の決算や財務諸表の作成など、経営の根幹に関わることもあります。
総務・人事事務
総務事務は、社員が働きやすい環境を整えることがメインの業務です。
総務事務の主な業務内容は、下記の通りです。
- 福利厚生の運用
- 会社の備品の手配・管理
- オフィス・建物の管理
- 株主総会の企画・運営サポート
総務事務の業務には細かな管理が多いため、こまやかな気遣いができる人に向いている仕事といえます。
社内外の式典やイベントの企画・運営にあたることもあり、その際に司会を担当するなど、人前に立つこともあるようです。
一方、人事事務では下記のような業務内容を行います。
- 社員の勤怠管理
- 雇入・退職の手続き
- 給与計算・支払い
- 従業員情報の管理
人事事務は、社員の採用〜入社し、退職するまでの一連の事務を行います。
社員の個人情報や給与に関する情報を扱うため守秘義務があり、情報の取扱いに慎重さが求められる仕事でもあります。
秘書
秘書は、社長や役員がスムーズに仕事を進められるよう、サポートすることがメインの業務です。
秘書の主な業務内容は、下記の通りです。
- スケジュール管理
- 来客の応対
- 出張時の交通・宿泊手配
- 電話・メール対応
- 資料作成や情報収集
会社の代表もしくは重責を担う役員をサポートする業務であるため、しばしば臨機応変な対応を求められるでしょう。
気配りや目配りができ、かつ柔軟な対応ができる人には向いている仕事です。
貿易事務
商社など、海外との取引をしている会社で必要な事務職が貿易事務です。
貿易事務は、主に下記のような業務内容を行います。
- 貿易関係の書類作成
- 通関手続き
- 商品の受発注・発送手配
- 出荷・納入管理
貿易関係の業務では専門的な知識が求められるほか、海外との取引であるため語学力は必要になります。
ビジネスレベルの語学力、特に英語や中国語が堪能であれば重宝されるでしょう。
医療事務
医療事務は、病院やクリニックといった医療機関で働く事務職です。
- 受付・会計業務
- レセプトの作成
- カルテの整理
- 検査データの準備
医療事務は事務職の中でも特に、専門性が高く知識が求められる仕事でもあります。
基本的に病院が職場となり、医療法人や開業医に雇用され働くことになるでしょう。
医療機関の数だけ必要な職種であり、かつ専門性も求められるため、需要が高く求人も多い点が特徴です。
学校事務
学校事務は、小中学校・高校・専門学校・予備校・私立大学といった教育機関で事務業務を行う職種です。
学校事務の主な業務内容は、下記の通りです。
- 教員の給与計算
- 学校内の設備・備品の管理
- 入学試験の実施
- 授業・定期試験の運営
- 奨学金手続き
教師ではないものの学校の職員であるため、規律性が求められる側面もあります。
基本的に学校の休みに合わせて休日を取るため、土日祝の休みや長期休暇も取りやすい傾向にあり人気の職種です。
求人自体が少なく人気の職種のため競争率は高くなりますが、ワークライフバランスを重視している人にとって魅力的な仕事といえるでしょう。
就職が難しいとされる高卒事務職の給与事情

厚生労働省の調査によると、高卒の初任給は以下の通りとなっています。

参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
また、同じく厚生労働省の統計によると、事務職(一般事務)に限って見てみた場合、19歳までの平均年収は、約239万円となっています。
賞与が含まれると仮定した場合、17万円~18万円くらいが初任給になるのではと考えられるでしょう。
参考:厚生労働省「Jontag 一般事務」
監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
高卒初任給は上昇傾向にある
「賃金事情」という雑誌を発行している、産労総合研究所の調査によると、2024年入社の高卒者の初任給は、前年比で4.71%の増が見込まれています。
同じく大卒初任給も4.01%の増と、いずれも4%を超える伸びとなりました。
これは、物価上昇への対応や、若手人材を集める施策として、給与のベースアップが行われたことが要因です。
ただ、前出の【24卒】高校新卒採用についての企業動向調査によると「最低賃金の引き上げ」を理由に挙げた企業が半数を超えています。
依然として、高卒者の賃金は、最低賃金と同水準という側面も見えてきます。
高卒者が入社後に収入を上げていくためには、特に事務職で働く場合、資格取得などスキルを磨くことが必要です。
参考:産労総合研究所「2024年度 決定初任給調査 中間集計」
身につけるのは難しい?高卒事務に求められるスキル

でも、いずれの事務職でも、共通して求められるスキルってあるのかな?
ここでは、事務職全般に求められるスキルを見ていきましょう。
コミュニケーションスキル
事務職はパソコンに向かい黙々と作業するイメージがあるため、人と関わることが少ない仕事と考える人も多いでしょう。
しかし、実際は事務職は、コミュニケーションスキルが必要な仕事なのです。
例えば、上司からの指示を正確に理解することや、指示の内容に不明点があれば的確に質問するスキルが必要です。
また、基本的に単独で完結する業務はないため、事務職ではチームワークが発揮されないと業務がうまく回りません。
自身の業務の前工程・後工程を担当する同僚と、こまめな進捗確認を行うなど、細かなコミュニケーションが求められる場面は多くあります。
パソコンスキル
パソコンを使う業務が大半を占めるため、基本的なパソコンスキルは必須であるといっても過言ではありません。
ExcelやwordなどのMicrosoft Ofiiceソフトの基本的な機能を使いこなせる状態だと、スムーズに仕事に入っていけるでしょう。
社内システムへの入力作業などもあるため、最低でもキーボードの扱いに慣れておく必要があります。
正確に作業を進める能力
事務職では、作業の正確性も求められます。
例えば、資料作成業務では経営に関わる数値を扱うこともあるため、誤った数値資料を作成すると、社内外に事実と異なる情報を出してしまうことになります。
こうした間違いは、経営判断を狂わせる結果にもなりかねません。
また、個人情報や機密情報を扱うケースもあり、正確な作業をルール通りに行わなければ漏洩のリスクがあります。
決められた作業を、決められた手順で行う正確性が求められるのです。
コツコツと作業する能力
特に仕事を始めたばかりのころは、上司の指示のもと定型的な業務を行うことが中心になります。
基本的に毎日同じルーティーンを繰り返すため、飽きっぽい人には向いていないかもしれません。
毎日、同じ作業でも気を抜かず、コツコツと続けられる人には向いているでしょう。
高卒で事務職を目指す際に有利になる資格とは?


ただ、やはり資格を持っていた方が有利にはなるでしょう。
高卒からでも取得できる資格や勉強方法は、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ合わせてお読みください。

日商簿記検定試験
日本商工会議所が主催する検定で、事務職を目指すのであれば、必ず取っておきたい資格です。
日商簿記検定は、初級・3級・2級・1級と難易度が設定されており、一般的には2級レベルが取得できると有利になるといわれています。
2級でも難易度が低いわけではないので、初級・3級からコツコツと勉強していく必要があります。
参考:日本商工会議所「簿記 日本商工会議所の検定試験」
日商PC検定
日商PC検定も日本商工会議が主催する検定試験で、パソコンの実践的なスキルを有していることを証明してくれる資格です。
試験内容は以下の3分野に分かれています。
- 文書作成(word)
- データ活用(Excel)
- プレゼン資料作成(PowerPoint)
それぞれ、ベーシック・3級・2級・1級とレベルがあり、一般的には2級を取得すれば実務に対応できるレベルとされています。
取得するのであれば、2級以上を目指していきましょう。
参考:日本商工会議所「日商PC 日本商工会議所の検定試験」
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
マイクロソフト社の「Microsoft Office」の活用スキルを証明する資格です。
多くの職場で使用されている「Word」「Excel」「PowerPoint」これら3つのソフトの活用スキルを測定する検定です。
Word・Excelについては「一般レベル」と「上級レベル(エキスパート)」の2段階のレベルが設定されています。
比較的合格しやすい資格であるため、就活でのアピール力は乏しい側面があります。
しかし、基本的なパソコンスキルがあることを証明できるので、取っておいて損はない資格といえるでしょう。
参考:株式会社オデッセイ「MOS公式サイト」
文書情報管理士検定試験
公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が主催する検定で、電子化された書類の保管や個人情報の取扱い知識を証明する資格です。
2級・1級・上級の3段階のレベルが設定されており、2級に合格することが上位級の受験資格となります。
事務職は従業員やクライアントの個人情報を扱う業務も多く、扱いがずさんであれば、企業は大きなダメージを被る可能性があります。
事務職として文書情報の安全な取扱いを熟知していることは強みとなるため、選考において有利になりやすい資格といえるでしょう。
参考:公益社団法人日本文書情報マネジメント協会「文書情報管理士検定試験について」
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定は、東京商工会議所が主催する検定試験で、実務レベルで必要な法律知識を有することを証明する資格です。
ビジネスの現場では、法律の知識が求められる場面が多くあります。
例えば、人事部門では労働基準法に基づいた労務管理、財務部門では会社法に基づいた財産管理などが挙げられるでしょう。
コンプライアンスに対する意識の高まりから、正しい法律知識を持つ人材に対する需要が高まっています。
取得すれば、就活を有利に進められる資格といえるでしょう。
参考:東京商工会議所「ビジネス実務法務検定試験®とは」
秘書検定
秘書検定は、秘書に求められる知識や技能を有していることを証明する資格です。
3級・2級・準1級・1級の4段階のレベルが設定されています。
3級は基本的なビジネスマナーや一般常識を問う内容なので、高校生でも合格しやすいレベルの試験です。
級が上がるほど難易度が高く、1級では実務経験が豊富な現役秘書でも合格が難しいレベルといわれています。
2級は基本的なビジネスマナーに加えて、電話・来客応対などより実務に近い知識を求められます。
秘書を目指す人は、最低でも3級は取得しておきたいものです。
2級にチャレンジし合格すれば、かなり有利になるでしょう。
参考:公益財団法人 実務技能検定協会「秘書検定」
難しいとされる高卒からの事務職就職を成功させるポイント
難しいといわれることもある高卒からの事務職就職ですが、ポイントをおさえれば決して不可能ではありません!
ここからは、高卒から事務職に就職したい人が実践すべきポイントを解説していきます。
また、事務職への就活方法については下記記事も合わせて読んでみてください。
職種への理解を深めておく
一口に事務職といっても、一般事務・医療事務・総務事務・学校事務など職種は細分化されます。
また、同じ職種名でも、企業によって業務範囲や役割などは異なってくるものです。
応募先への熱意や志望度の高さをアピールするためにも、職種全体および企業それぞれの業務内容について理解を深めておきましょう。
企業が求める人材像を明確にする
事務職は数少ない採用枠に多くの応募者が殺到するケースもあるため、いかに採用担当者の印象に残るアピールを行うかが重要です。
そのためには、企業が求める人材像やスキルを明確にしたうえで、それに沿う形で自分の強みをアピールする必要があります。
このポイントを実践すると、採用担当者が「採用方針と合う人材」だと判断して印象が良くなるだけでなく、「企業研究をしっかり行っている」と感じてもらえるメリットもあります。
企業説明会やリクルートサイト、OB・OG訪問やインターンといった方法で企業が求める人材像やスキルを把握しておきましょう。
就職エージェントで情報収集を行う
高卒が事務職の求人を探す方法として、ハローワークや求人サイトがあります。
ただ、企業の内情など踏み込んだ情報までは得られません。
そこでおすすめなのが、就職エージェントの力を借りることです。
就職エージェントは、企業の採用担当者との接点を持っていたり、多様な就活生の相談実績があるため、様々な情報が集まっています。
ミスマッチを防ぎ長く働ける仕事に就くには、応募する企業の実態を知ることは非常に大事。
就職エージェントには活きた情報が集まっているため、活用しない手はないでしょう。
監修者コメント
新卒の場合は特に情報収集が大切
高校生が新卒で就活する場合、学校を経由してハローワークに出されている高卒求人に応募する流れが一般的です。
そのため、就職担当の先生の情報収集力が、応募企業の選定に大きく影響してしまうことが否めません。
先輩が入社している企業から直接アプローチを受けているなど、実態が分かるメリットもありますが、幅広い求人から検討しにくい状況にもなってしまいます。
就職エージェントを活用すれば、学校だけの情報に頼らなくてよくなります。
幅広く求人を探し、自分の興味がある求人があれば、就職担当の先生と相談してみるとよいでしょう。

岡本啓毅
まとめ

私たちUZUZは、若年層の就職に特化した就職エージェントです。
多くの優良企業の情報や求人を持っているため、高卒から事務職を目指す人にとっても、きっとお役に立てるでしょう。
経験豊富なキャリアアドバイザーが情報提供から、応募書類の作成・面接対策など選考のお手伝いまで、丁寧に対応させていただきます。
もちろん、登録・相談はすべて無料です。
まずは、情報収集からでも構いません。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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