就活で志望動機を聞かれる機会は、何度も訪れます。
しかしその中で、志望動機としてはNGな回答をしてしまい、評価を下げてしまうケースがよくあるのです。
この記事では、どんな間違いをしやすいのか、どうすれば改善できるのかを人材支援会社である株式会社UZUZの代表、岡本啓毅氏による解説動画を元にお伝えします。
NGな志望動機として代表的な5つの例を元にして解説するので、就活や転職がうまくいかない方、志望動機をブラッシュアップしたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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そもそも志望動機で伝えるべき内容とは

志望動機を作る際には、多くの方が頭を悩ませるのではないでしょうか。
結論としては、志望動機を人事が見た結果「この人を採用したい」「この人なら活躍してくれそう」と思われる内容を伝えることです。
その際のポイントは、双方についてのメリットを伝えること。
- 自分にとってその会社に入るメリット
- 会社にって自分を採用するメリット
この2つを伝えるのが重要です。
志望動機は一回作って就活中はずっと流用すれば大丈夫だと思うかもしれませんが、基本的には応募する企業1社ごとに作ることをおすすめします。
この記事で伝える内容を知っていれば、志望動機の軸になる部分を作ることができ、各社ごとにブラッシュアップする際にも考えやすくなります。
志望動機のよくある5つのNGパターン
志望動機でNGとなる5パターンを確認していきましょう。
- 自分のメリットしか伝えていない
- 「幸せにしたい」系でアピールしている
- 会社が求めるものとずれた内容になっている
- アピール内容が抽象的
- 理念共感アピールをする
どんな例がNGなのか知っておけば、自分の志望動機と照らし合わせて、より良い志望動機を作る際に役立ちます。
それぞれNG例には改善策も合わせて紹介しています。
もし自分がNGな志望動機を作っていた場合、どのようにブラッシュアップすればいいかを考える際に参考にしてくださいね。
1.自分のメリットしか伝えていない

1つめのNG例は、自分が働きたいということだけ伝えてしまい、採用企業側のメリットを伝えていない志望動機です。
志望動機は当然その会社を志望する動機を伝えることが目的ですが、志望動機“だけ”を伝えることに終始してしまうことがあります。
これでは会社側がその応募者を採用するメリットが伝わらないため、人事が「採用したい」と感じません。
このNG例であれば、エンジニアとして活躍するためにどんな勉強をしてきたか、どんな実績があるかを合わせて伝えるようにしましょう。
そうすれば「この人を採用すれば活躍してもらえそうだな」と感じ、会社にとってのメリットとして伝えることができます。
2.「幸せにしたい」系でアピールしている

「〇〇を幸せにしたい」「社会に貢献したい」「〇〇を豊かにしたい」など“幸せにしたい”系の志望動機になってしまうのはよくあるNG例です。
志望動機の中に盛り込むのは良いのですが、こればかりをアピールすると自分の想いがうまく伝わりません。
なぜなら〇〇業界を目指す人は、ほとんどの人が「〇〇を通じて人を幸せにしたい」と思っているからです。
「その業界を志望する人のほとんど全員と同じ志望動機です」と言っているに過ぎないため、差別化できず多くの応募者の中に埋もれてしまうことになります。
「〇〇を通じて幸せにしたい」と言うと埋もれてしまうので、同じようなニュアンスを別の切り口・言い方・表現方法で伝えると効果的です。
コツは、職種を深掘りすることです。
例えば、食品関係の企業でも、営業職であれば直接エンドユーザーに食を届ける職種ではありません。
相対するのはスーパーの仕入れ担当者などであり、決まったスーパーに定期的に訪問するルート営業が基本です。
食品営業で重要なのは、取引先の担当者にキャンペーンを提案するなどして協力し、少しでも取引額を上げたいと思われるような営業を行うことです。
「そういった泥臭い営業や、先方の担当者と一緒に売上を上げていくような営業ができる」というアピールを盛り込むようにしましょう。
3.会社が求めるものとずれた内容になっている

会社の事業や目的とずれた内容でを伝えてしまうというのも、NGの志望動機としてよくあります。
自分がやりたいことを基準にして志望動機を伝えるのではなく、採用される職種に沿った内容を伝えるようにすると改善できます。
大企業ほどSDGsに力を入れようという方針はありますし、SDGsはもちろん重要なことではあるものの、それは企業が目指しているメイントピックではありません。
企業にとっては、事業によって利益を上げることが最も重要です。
例えば家電メーカーであれば、家電を売って利益を上げるのがメイントピックであり、営業職は家電を販売できるように量販店の担当者とやり取りをすることが主業務です。
会社がSDGsを掲げているとして「持続可能な家電を作る」ことでSDGsに貢献することはできますし、営業はその家電を取り扱ってもらうことでSDGsを推進できるでしょう。
ですが、その家電メーカーの事業目的はSDGsに貢献することではないのです。
この点を間違えずに盛り込むことで、伝えたいことの主題は変えずにニュアンスを改善し、より良い印象を与えられるようになるでしょう。
監修者コメント
本当にやりたいことを伝えなかったとしても、それは嘘ではない
前述の「SDGsをやりたい」というケースを例にすると「本当はSDGsの推進をやりたいと思っているにも関わらずそれを言ってはいけないのか?」と感じるかもしれませんね。
しかし「自分が本当にやりたいこと」を伝えなかったとしても、それは決して嘘をついているということではありません。
例えば、外出するときに「素の自分」を見せるために、パジャマのままで着替えず寝癖も直さないということはないはずです。
その時と場に合った適切な“モード”に切り替えるでしょうし、特別な日にオシャレをすることもあるでしょう。
しかし、普段の自分と外見や振る舞い方が違うからといって、それは「嘘」ではありませんよね。
相手に興味をもってもらうために、そのときの“モード”に合わせた言動や態度を取るのは嘘をついているわけではなく、TPOに適切に合わせているに過ぎないのです。
そのため、志望動機で工夫することを「嘘をついているのではないか」と気に病むことはありませんよ。
4.アピール内容が抽象的


色々なことをやりたいとアピールするのはよくあるNGの一例です。
グローバルに活躍したいというアピールも、この中に含まれます。
「色々やりたい」とアピールすることは、一方では「これがやりたい!というものがない」という印象を与えてしまうことになります。
「グローバルに活躍したい」というのも抽象度が高く具体性がないため「どんなことがやりたいか、イメージがついていないんだな」という印象になるでしょう。
対策としては、一本の軸を作り、その軸を元に活躍したいと伝えることが挙げられます。
営業職を志望しているのであれば、営業として活躍したいという軸をがぶれないようにするということです。
「営業職としてこういうことをやっていきたいです」と加えれば軸を持っていることが伝わり「やりたいことがないのではないか」という印象になるのを避けられます。
グローバルな市場で成果を出せそうな経験や長所があることや、売上アップにつながりそうな根拠を具体的に伝えるようにしましょう。
商品知識を覚えられるように努力できることや、過去に工夫して何か成果を上げたことなどを伝えるとより効果的になります。
5.理念共感アピールをする

企業の理念に共感していることをアピールするのも、よくやってしまうNG例です。
試しに、複数の会社の理念を確認してみてください。
「共感できない」と思うものがあるかと問われると、ほとんどないのではないでしょうか。
どの会社もそういった、共感できる理念を設定しているものなのです。
すなわち、会社の理念に共感したというアピールは、その会社を志望する人全員と同じことを言っているようなものなので、埋もれてしまうということです。
もし理念共感もアピールしたいのであれば、理念から読み取れる「活躍できそうな人材像」を盛り込むと効果的です。
また、以下の場合は理念共感アピールをしても問題ないケースです。
- 理念に共感している人を積極的に採用しているビジョン型の会社である
- 実績、根拠、過去のエピソードで具体的に理念に共感していることを伝えられる
ただしいずれの場合も、しっかりと理念を深掘りした上で理解していなければ「浅い共感度だな」と感じられて評価が下がってしまいます。
理念共感を盛り込むことは否定しませんが、それだけを主軸として志望動機を作るのはあまりおすすめしません。
監修者コメント
言い方の工夫は必要だが「嘘」になるのはNG
志望する会社に受かることは目的ではなく、あくまでも手段の一つです。
満足し、納得できる仕事をして充実感を持つことが目的といえます。
これまで解説してきたのは「志望動機の伝え方を工夫したほうが、より正しく伝わりやすいよ」というテクニックの話です。
間違えないでほしいのは「受かるために志望動機で嘘をつけ」ということではありません。
加工しすぎた内容で「嘘」の志望動機を作ると、結果的に企業とのミスマッチにつながってしまいます。
本音の志望動機で、しっかり伝え方も工夫して、それでも落ちるのはその企業とは相性が良いわけではないということです。
落ちても問題ありませんし、それほど落ち込む必要もありません。
むしろ相性が悪い企業に採用されて働いてしまうと、満足しながら働くことができず、苦しい思いをしてしまうことになります。
あまり企業に寄せすぎないように、決して「嘘」をつかないように志望動機を作っていきましょう。
まとめ
志望動機は、自分のメリットと企業のメリットの双方を伝えつつ、独りよがりにならないように広い視野で作ることが重要です。
ここで解説した志望動機のNG例と改善方法を元に、自分の志望動機をぜひプラッシュアップしてみてくださいね。
とはいっても、なかなか自分一人の力では志望動機をメンテナンスしにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな方はぜひ、キャリアのプロに相談することも検討してみてください。
私たちUZUZはキャリアのプロから就職サポートを受けられるエージェントサービスを提供しています。
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この記事の元になった動画に出演しているのは、私たちUZUZの代表ですが、UZUZにはこのようなキャリアのノウハウを数多くもったアドバイザーが多数在籍しています。
自分の志望動機がNGなものではないか心配な方、志望動機の作り方で悩みがある方、そもそもどんな企業を志望するか分からないという方も大歓迎です。
少しでも気になったなら、ぜひ一度私たちにご連絡ください。
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