もくじ

様々な事情により、仕事を急に辞めたくなることがあります。
本当に辞めなければならない状況になったとき、どうすればいいのでしょうか?
急に辞めてもいいのか、そして角が立たずに円満に解決するにはどうすればいいのか、その方法を解説していきます。
この記事の監修者

岡本啓毅
株式会社UZUZ 代表取締役
1986年生まれ、北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職サポートを実施してきた。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる。”をミッションに、Twitterで「仕事をウズウズ楽しむ情報」を、YouTubeで「就職・転職で使える面接ノウハウ」を発信。SNSの累計フォロワー数は9万人を超える。
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【結論】仕事を急に辞めることはできるが注意が必要

結論として、仕事を急に辞めることは可能です。

しかし、注意すべきポイントがあるんです。
ここでは、急に仕事を辞める際に気をつけておくべき点を確認していきましょう。
注意点①法律的には14日前に退職意思を伝えればOK
民法627条1項では、退職できる日程に関して以下のように示しています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:e-Gov法令検索「民法第六百二十七条」
すなわち「辞めたい日の2週間前に退職の意思を伝えればいい」とされているということです。
しかし民法は「任意法規」と呼ばれるものであり、会社の就業規則のほうが優先されます。
企業によって異なりますが、就業規則では多くの場合「退職意思は1か月以上前に連絡すること」と定めていることが多く、その場合は就業規則を守らなければなりません。
そのため、法律的には2週間前に退職意思を伝えればいいものの、基本的には就業規則に定められている期間、可能ならそれよりも余裕をもって伝えたほうが無難です。
注意点②会社側は退職そのものは受理しなければならない
その日のうちに退職をしたいと会社に伝えたとしても、就業規則や民法に照らし合わせると会社側はそれを受理しなくてもいいことになります。
ただし、会社側は「退職すること」自体を受理しないことはできません。
退職届を提出してから就業規則に照らし合わせた期間が経過したら、辞めたいと伝えた従業員側は辞めることができるのです。
なお、基本的に民法よりも就業規則が優先されるものの、一般的な企業で定められている期間と比べてあまりにも長すぎる場合は民法が優先されることもあります。
就業規則よりも優先される憲法で定められた「職業選択の自由」を侵害することになり、公序良俗の観点から就業規則が無効とされるためです。
- 退職意思を伝えたら、時期が来れば会社側に拒否権はなく辞められる
- 就業規則で決められた退職時期を守るべきだが、長すぎる場合は無効となる
退職する際には以上の2点を覚えておきましょう。
もし会社側がどうしても退職を受け入れてくれず、話がこじれそうなときは以下の記事も参考に対処してみてください。
参考:厚生労働省「憲法22条に規定する職業選択の自由について」
仕事を急に辞めるとトラブルになる?

退職代行サービス会社の調査によると、調査対象とした30代~40代の退職経験のあるビジネスパーソンのうち、退職時に「何らかのトラブルが生じた」と回答した人は43%に上りました。
そのトラブルの内容を見てみましょう。

参考:株式会社ベルクライン「退職時のトラブルに関する実態調査」
有給休暇の取得は働く人の権利であり、本来会社が拒否できるものではありません。
しかし、急に辞められることで「引継ぎの期間が確保できない」「他に担える人材がいない」といったことにより、取得できない状況が生じていると推察されます。
トラブル内容の「手続きの遅延」に関しては、急な退職により事務手続きが間に合わないことが原因かもしれません。
強引な引き止めや退職理由の説明の強要は、人手不足により辞められると業務が回らなくなることへの懸念によるものでしょう。
いずれにせよ、急な退職はトラブルの原因になりやすいようです。
円満に退職するためには、ある程度「早めに伝える」などの職場への配慮が必要になる可能性があることを覚えておきましょう。
監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
退職までの期間が短くても「損害賠償はない」が、懲罰的な措置を取られる可能性はある
急に辞めることで会社の業務に迷惑をかけてしまい、その際に生じた損害を賠償しろと言われるかもしれないという心配をする方がいるかもしれません。
しかし基本的には、従業員側に故意や重度の過失がない場合、事業で生じた不利益や損害を個人に損害賠償を請求することはできないのです。
急に辞めるとしても、就業規則や民法を守っていれば問題ないといえます。
ただし、まだ退職する時期が来ていないにもかかわらず仕事を放棄したときは、債務不履行や不法行為として賠償を請求される可能性があります。
加えて、引継ぎを受け入れなかったり、辞める前の勤務態度が悪かったりすると、就業規則違反を理由に減給されるなどの措置を取られる可能性もあるでしょう。
なるべく決められた手順を守って最後まで気を抜かずに仕事をすれば、結果的に損をすることがなくなります。
仕事を急に辞める人を会社が引き止める理由

もめたことが原因で、転職活動に影響が出てしまうことも避けたいですからね。
トラブルを避けるためには、会社側の都合も知った上で退職のアクションを起こすことが大切です。
次項から、会社が急に辞める人を引き止める理由を見てみましょう。
人手不足により業務に支障が出る
単純に人手が減ることにより、他の従業員の負担が増えたり、場合によっては業務が回らなくなったりする事態を懸念しているケースは多いようです。
その場合「後任が決まるまで在籍してくれないか」という、引き止め方をされる可能性があるでしょう。
また、重要なプロジェクトのキーパーソンであったり、顧客を多く持っているような人材の場合は、会社にとって損失となるため必死で引き止めるケースもあります。
こうした場合は、待遇面の改善(昇給や昇格など)を材料に交渉を持ち掛けられることもあるようです。
新たな採用・教育コストが発生する
新たに採用・教育コストが発生することを避けたい意識から、退職を引き止められることがあります。
資金面の理由から、潤沢に採用・教育にコストをかけられない事情がある中小企業では、こうした傾向は強くなるでしょう。
辞めた従業員の業務をすぐにカバーできる経験者を雇えればよいですが、採用環境が厳しい中、即戦力人材が入社してくれるとは限りません。
未経験者を採用し、前任者と同じレベルの仕事をこなせるようになるまでには、時間とコストがかかるため引き止めようとするのです。
残された従業員の士気が低下する
人が辞めることで、残された従業員の業務負担が増大してしまい、職場全体の士気が下がることはよくあります。
過剰に負荷が増えてしまえば、不満は高い確率で発生するでしょう。
もし、退職者が何らかの不満により辞めた場合、同じ不満を抱える従業員が大勢いるかもしれません。
1人が辞めることで不満が顕在化し、残されたメンバーの士気が低下した結果、連鎖的な退職に至ることも考えられます。
そうしたことを懸念して、退職を引き止めるケースもあるのです。
仕事を急に辞めたくなる人の理由

今度は仕事を急に辞めたくなる人の理由を見ていきましょう。
退職の申し出に至るのは、その人にとって耐えがたい理由があるからです。
会社は引き止めるかもしれませんが、心身の健康に影響が出るような状態であれば、すぐにでも辞めることをおすすめします。
仕事を断れずに急に容量オーバーになった
どのような仕事でも引き受けていた人が、ついに自分が受け入れられる容量をオーバーしてしまい、急に辞めたくなることがあります。
人からの依頼を断れずに引き受けてしまったり、誰かにお願いできずに抱え込んでしまう人が、このような理由で辞めたくなる傾向があります。
人間関係の悩みに耐えられなくなった
人間関係が理由で辞めたくなることも、よくあるケースです。
それまではなんとか耐えてきたものの、パワハラやセクハラ、あるいは小さな人間関係の不信が積み重なって耐えられないほどになってしまうことがあります。
ずっと耐え続けてきたものの、何かのきっかけで「もう耐えられない」と感じてしまうと「耐えて就業を続ける」という発想に戻れなくなってしまうものです。
人間関係に問題がある状況を放置している会社のことを信用できなくなっているため、その後で人間関係が改善されても、退職したい気持ちが固まってしまいます。
待遇の不満を解消したくなった
もともと給与や労働環境などに不満があったものの、仕事内容が好きであるという理由などから、それまではある程度は耐えられる状況だったかもしれません。
しかし、ライフステージの変化や今後の将来的な変化を見据えて、労働環境をより良くしたくなったためにそれまでの不満を解消したくなることがあります。
例えば「急に結婚することになった」「急に引っ越すことになった」などの理由から、急に給与を上げる必要が出てきたといった理由です。
待遇改善を考慮しはじめた段階で会社から心が離れてしまっているため、一刻も早く退職してより良い待遇の会社に転職したいと思うようになります。
仕事を急に辞めたくなったときに円満に解決する方法
ここでは、急に辞めたいと思ったときにどのように円満に解決するかを解説します。
転職は体力も精神力もかかってしまうため、できれば現職で満足いく働き方を探るほうが簡単です。
そのため以下のような流れが理想的ですが、なかなか理想通りの流れにするのが難しいのも事実です。
- まずは辞めずに解決できる方法を探す
- それでも解決しない、または退職したほうが自分の理想に近づけると分かった場合、次の転職先を探す
- 転職先を決める
- 退職の交渉を始める
理想的な流れを加味しつつ、ここで紹介する方法を取り入れるようにしてみてくださいね。
まずは同僚や先輩に相談してみる
まずは、会社の中で、自分の昇進や昇給に直接的な関係がない、他部署や自分の評価者以外の先輩や同僚に相談してみましょう。
上司に退職の意思を伝えた場合「急に辞めたいと言い出した」と思われてしまうかもしれませんが、実は本人にとっては”急に”ではないことも多いのです。
例えば、業務量が多くなってきて困っている、人間関係の悩みで少しずつ辛くなってきたなど、誰にも言わなかっただけで、本人はずっと悩んでいたという場合もあるでしょう。
大きなトラブルなどがあるわけではないため周りからは「大丈夫だ」と思われ、急なことのように見えてしまうのです。
しかし、限界が来る前に不満や不安を相談しておけば、退職の意思が固まる前に何らかの対処ができる場合もあります。
直接上司に相談すると「退職しようとしたメンバーだ」と思われるため、仮に退職しないにしても、その後の評価や関係性に影響する可能性があります。
そのため、少しでも気になることがあったら、まずは自身の評価に関係がない同僚や先輩に相談することから始めてみましょう。
家族や社外の友人に話を聞いてもらう
家族や他社の友人など、社外の人に話を聞いてもらうのも効果的です。
第三者の視点で何か解決の糸口を得られるかもしれませんし、退職したい理由によっては退職までの計画を一緒に立ててくれるかもしれません。
また、社内事情が分からない人に説明することで、自分の中で「退職したい理由」を整理することもできます。
明確に言語化することで悩みの本質を本当の意味で理解でき、結果的に退職しない選択をしたり、退職の意思をより明確にしたりすることにもつながるでしょう。
転職エージェントに相談する
転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。
転職エージェントとは、キャリアの悩み相談をしたり、転職先を紹介してもらったりできるサービスのこと。
面接や書類添削といった転職時の選考対策などのサービスを無料で受けられます。
キャリアのプロフェッショナルであるため、自分の悩みが他の人に比べてどの程度の問題なのか、どうすれば解決できるのかを相談するのに適しているのです。
エージェントに相談してみれば、どのような転職先がいいのかだけでなく、現職を続けたほうがいいかどうかもアドバイスをもらえます。
今すぐにではなくてもいつか転職するかもしれない場合も、まずは悩みを相談するところから始めてみてもいいのではないでしょうか。
退職に向けて地固めをする
仕事を辞めたいという気持ちが沸き起こるのは「急に」かもしれませんが、実際に退職するのはしっかりと地固めをしてからにしましょう。
- 資格取得などで転職を有利にする行動を起こす。
- 実際に転職活動をして転職先を決める。
- 実際に退職の意思を上司に相談する。
- 引継ぎ資料を作る。
- 自分の仕事の割り振り先や任せる先を考え始める。
- 今の会社で得られる知識や経験を存分に吸収する。
上記のような方法で堅実に退職までの準備を進めていくのがおすすめです。
その他、上司への伝え方などの円満退職のコツが知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
辞めたくなった原因を整理して転職を成功させる
転職先を決める際には、今の会社を辞めたくなった理由を整理して、同じ理由で辞めたくならないような会社を探しましょう。
急に辞めたくならないような会社に転職できたなら、それは転職成功といえます。
転職先を探す際は、前述した転職エージェントを活用するのも便利です。
辞めたくなった理由を言語化したり整理したりするサポートをしてくれますし、企業や業界の内部事情に詳しいため、転職先の候補を絞る際にも効果的なアドバイスをもらえます。
転職先を決めてから会社を辞める旨を伝えると円満退職しやすい
辞めようとアクションを起こした際に次の仕事が決まっていない場合、引き止めにあいやすい傾向です。
なぜなら、次が決まっていない場合「考え直してもらえる余地があるのでは」と思われてしまいがちだからです。
「次が決まるまでの間、仕事を続けながら転職活動すればよい」などと、中途半端な提案をされるかもしれません。
そうならないためにも、転職先を決めてからの退職の申し出がベストです。
会社も次の就職が決まっている人を、無理に引き止めようとはしません。
そこから、転職先の事情とすり合わせ、退職時期の交渉をすればよいでしょう。
ただ、その場合は在職中に転職活動を行い内定を得る必要があります。
時間的な制約がある中、内定を獲得するには転職エージェントをはじめとした転職支援を活用し、効率的に活動することが欠かせません。
監修者コメント
会社の就業規則に沿って円満に辞めることを目指そう
会社を辞めたいと感じた時点で、就業規則を守ったり、会社の人間に気を使ったりするのが面倒に感じてしまうかもしれません。
しかし、できる限り円満に退職することを目指しましょう。
転職先が異なる業界だったとしても、ゆるやかに各業界はつながっているので、意外と前職との関係があるものです。
加えて、上司や同僚なども転職する可能性がありますし、会社での人間関係が続いたり、思わぬところで切れたと思った関係性が再び戻ったりすることがあります。
会社で嫌な思いをして急に辞めたいと思った場合、どこかで「会社側に思い知らせてやろう」という気持ちが生まれるかもしれませんね。
しかし、そのような復讐めいたことはせずに円満に退職したほうが、結果的に自分にとっても利益になりやすいと覚えておきましょう。

岡本啓毅
まとめ
急に仕事を辞めたくなることは誰にでもあることですが、勢いのまま退職してしまうのはおすすめしません。
すぐに上司に退職の意思を伝えてしまうと「やっぱり辞めないほうがいい」と思ったときに引っ込みがつかなくなるため、やめておきましょう。
まずは思いとどまって、本当に退職すべきか考えたり、周囲の家族や友人に相談するところから始めてみてください。
特におすすめなのが、最初に転職エージェントに相談することです。
会社に退職の意思が漏れることはありませんし、退職することに決めた場合でもスムーズに求人紹介や選考対策ができるため、転職成功の可能性が高まるためです。
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仕事を急に辞めたくなったときには、まずは一度私たちにご連絡ください。
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