もくじ
嘘をつく必要はありませんが、そのまま伝えるとマイナスイメージを持たれてしまう可能性があります。
じゃあ…言い換えたほうがいい?
ポジティブな理由に言い換えて伝えたほうが、転職先の企業に不信感を持たれず、良い結果につながると思いますよ!
この記事では、転職理由をポジティブに言い換えるための4つのステップと、退職理由をポジティブに伝える時のポイントについて解説します。
また、退職理由別の例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
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押さえておこう!なぜ企業は転職理由を聞くの?
理由1.長期的に働いてくれる人材かを見極めるため
まず企業は、応募者の転職理由と自社の状況と照らし合わせて、同じような理由ですぐにやめてしまわないかを確認しています。
企業は長期的に活躍してくれる人材を求めています。
なぜなら、人材を雇うには採用コストや教育コストがかかり、採用してもすぐに退職されると企業側は大きな損失を被ってしまいかねないからです。
長期的に働いてくれる人材であれば、将来的に責任のある重要なポジションを任せることも検討します。
そのため、転職理由とともに将来のキャリアプランなどについても聞かれることが多いのです。
将来的にどのように企業に貢献できるかを確認し、長期的に活躍できる人材かを確認しているのです。
理由2.本当に働く意欲を持っているかを知るため
次に、企業に本当に入社して働きたいという熱意を持っているか、やる気を持って業務に取り組んでくれそうかを見極めようとしています。
働く意欲が低い場合は、採用しても生産性が上がらず、職場の雰囲気を悪くしかねません。
前職に不満や不安があって退職した場合でも、その問題を解決するために何か行動したのかということを聞くことで、応募者の仕事への意欲を確認できます。
嫌なことがあったらすぐに逃げ出してしまうのではなく、仕事に対して責任感を持って取り組む意欲がある人物かどうかを知ろうとしているのです。
理由3.どんな性格の人物かを知るため
企業は応募者が話す転職理由から、どんな性格の人物であるかを知りたいと考えています。
仕事をするうえでは職場の同僚や上司とコミュニケーションをとり、良い人間関係を築くことが不可欠です。
また前職の愚痴や不満を言っている場合は「何でも人のせいにする人かもしれない」と思われるでしょう。
コミュニケーション能力に問題がない人物か、仕事に対する責任感があるかなどを知ることで、自社に馴染めそうな人であるかを知ろうとしています。
理由4.入社後のミスマッチを防ぐため
転職理由を確認することで、入社後のミスマッチをなくしたいと考えています。
採用担当者は長く意欲を持って働いてもらうために、社風や企業理念にあった人物を採用したいと考えています。
転職理由から応募者の考えや大切にしていることを聞き出し、自社との相性を確認し、前職で抱えていた問題が再び起こらないかを判断しているのです。
キャリアアップを理由に第二新卒が転職する際の転職理由の作り方については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
転職理由をポジティブに言い換える4つのステップ
じゃあ、面接官に良い印象を持ってもらうためには、転職理由をポジティブに言い換える方がいいね。
ステップ1.退職理由を深堀りして自分自身を見つめ直す
まずは、なぜその理由で退職したのかを以下の流れでもう1度見つめ直してみましょう。
- 退職した理由を明確に整理する:具体的な出来事や状況を挙げてみる
- 感情を整理する:退職に伴う感情や思いを整理しそれらの感情に対処するための戦略を考える
- 自己評価を行う:自分がどのような役割を果たし、成果を挙げたのかを振り返る
- 自己成長を見出す:これまでの経験で学んだことや成長したことを明確にし今後のキャリアに役立てる
- 目標や価値観の再確認:退職の理由と自己の目標や価値観を比較する
- 将来の方向性を検討する:将来のキャリアや人生の方向性を再検討する
退職理由を深堀することで、自分がこれまでの経験や学んだことを活かして、どんな仕事をしたいのかを明確に知ることができるようになります。
ステップ2.転職先で何を叶えたいかを明確にする
次に自己分析をもとに、転職先での具体的な目標を以下のような内容で設定します。
- どのようなキャリアやライフスタイルを実現したいのか
- どのような成果や経験を得たいのか
仕事において重要と考える価値観を踏まえて、将来のビジョンを考えてみることで自分に合った転職先の選定につながるはずです。
ステップ3.転職理由と志望動機をつなげて考える
ここまでできたら、転職理由を応募企業への志望動機に関連付けてみましょう。
その手順は以下の通りです。
- 転職理由と志望動機の中で共通点を見つける
- 前職で不満を感じた点が志望する新しい職場で解決されるかを考える
- 自分の経験や能力が新しい職場でどのように活かされるか考える
- 前職での経験・成果や新しい職場で達成したい目標・貢献などを具体的にする
転職理由と志望動機をつなげることで、より説得力のある志望動機をアピールでき、好印象を持ってもらうことができるでしょう。
ステップ4.実際に転職理由をポジティブな表現に換えて書いてみる
最後に、1〜3のステップでピックアップした内容をふまえて、実際に書いてみましょう。
ネガティブな理由での退職であったとしても、そこから得た学びや経験を強調し、応募先の企業でのポジティブな目標や期待に焦点を当て、具体的に説明することが大切です。
誠実さを保ち、事実を曲げず、前向きな言葉で自分の考えを表現しましょう。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
「転職理由」は「退職理由」とは違うことを押さえておこう
「退職理由」とは「前職を辞めた原因」のことで「転職理由」とは「退職理由を踏まえて、応募している企業でなぜ働きたいのか」ということです。
面接において「転職理由」を聞いているにも関わらず「退職理由」しか述べられていない人もいます。
そうすると企業側は「自社は数ある転職候補の中の1社にしか過ぎないのかな」「本当に自社に転職したいのだろうか」と不信感を抱いてしまいます。
「転職理由」を聞かれたら前職を辞めた理由だけではなく「なぜこの企業に応募したのか」そして「入職したらどんな活躍ができるか」を明確に伝えることが大切です。
転職理由をポジティブに伝えるための4つのポイント
このポジティブに言い換えた転職理由を、後は面接で伝えればいいんだね。
1.気持ちを偽らず、正直に伝える
転職理由を伝える際はポジティブな表現に変換することが大切ですが、嘘をつく必要はありません。
事実を隠して嘘の転職理由を話して入社したとしても、根本的な問題解決にはならないため、同じ原因でまた退職してしまうことになるかもしれません。
そうすると自分にとっても企業にとっても、良い結果にはなりませんよね。
言い方に工夫は必要ですが、転職に至った経緯については事実を隠さず正直に話し、自分の考えや感情を伝えることが大切です。
正直で透明性のあるコミュニケーションを行うことで、企業の応募者に対する信頼を高めることになり、高評価につながるでしょう。
2.愚痴や不満はできる限り言わない
正直に転職理由を伝えることは大切ですが、前の職場の愚痴や不満ばかり伝えてしまうと、当然マイナスイメージを持たれてしまいます。
愚痴や不満はできる限り言わないようにしつつ、前職でのネガティブな事実を述べる際は、漠然と伝えるだけではなく、客観的に判断できるように具体的に伝えることが大切です。
例えば「毎月の残業時間が〇時間を超えていた」などと、好ましくないことが明らかに分かるような数字を挙げて説明すると効果的でしょう。
3.自分の責任を明確にする
前職でのネガティブな事実を伝える際は、その問題を解決するために自分自身がどう行動して解決を試みたのかということも伝えるようにしましょう。
退職の責任は全て前の会社側にあったとしても、面接で前職の悪い点だけを伝えてしまうと「何でも周囲のせいにする人なのかも」と思われ、不信感を持たれるかもしれません。
自分自身の解決努力や責任意識も明確にし、転職先ではその反省を活かしたいということを伝えましょう。
4.前向きな姿勢と熱意をアピールする
面接ではその人の態度も見られています。
転職理由がネガティブな内容の場合、どうしても話し方が暗くなってしまったり、自信を持って話すことが難しくなるかもしれません。
明るく積極的な態度で受け答えをし、自分自身を成長させる意欲があることを伝えましょう。
「その経験があったからこそ御社に入りたい、御社で頑張りたい」と言葉にして、前向きな姿勢と熱意を表現することで良い印象につながります。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
やむを得ない退職理由の場合も正直に伝えよう
転職を希望する人の中には、病気やけが、育児や介護など、やむを得ない理由で退職したという人もいるはずです。
その場合の転職理由はプライバシーに問題のない範囲で、正直に伝えるようにしましょう。
自分の立場や家庭の事情を理解してもらえれば、早期離職であっても採用に不利になることはありません。
ただ企業としては、また同じ理由で退職したり、休職したりする可能性がないかを心配しているので、今は問題なく働くことができることをしっかりアピールしましょう。
【転職理由別】ポジティブな転職理由の例文5選
「令和4年雇用動向調査」の結果で転職理由の上位5つそれぞれについて、ポジティブに言い換えた転職理由の例文を紹介します。
転職理由の上位5つは以下の通りです。
- 労働時間・休日等の労働条件が悪かった
- 職場の人間関係が好ましくなかった
- 給料等収入が少なかった
- 会社の将来が不安だった
- 仕事の内容に興味を持てなかった
それぞれの理由別にポジティブな転職理由の例文を紹介します。
「労働条件・休日等の労働条件が悪かった」が理由のポジティブ例文
会社で立ち上げたプロジェクトの責任者として、新規事業の開発や成長に携わり、成果を上げてきました。 ただ、責任のある立場として仕事優先の日々が続いたことで、家族にも大きな負担を掛けてしまったこともあります。 もっと家庭と仕事のバランスを大切にし、家族と過ごす時間も確保したいと考え転職を希望しました。 業務効率化に積極的に取り組んでいる御社で、前職で培ったスキルやチームビルディングのスキルを活かし、効率的に業務をこなしながら貢献していきたいと思います。 |
残業や休日の出勤が多かったという場合は「効率的に働きたい」「ワークライフバランスを大切にしたい」とポジティブに言い換えることができます。
前職での経験やスキルが明確になっており、価値ある人材をアピールできています。
また応募先の企業で叶えたいことや、貢献できることを伝えることなど志望動機ともつなげられており、前向きな姿勢が評価されるでしょう。
「職場の人間関係が好ましくなかった」が理由のポジティブ例文
前の職場では、個人の売上が重視されていたため、個別で行動することが多く、情報を共有して効率的に業務を進めることは、ほぼありませんでした。 しかし、周囲とコミュニケーションを取りながらチームで仕事を進めることで、個人の力がより発揮されると考えています。 御社のプロジェクトの一員として、チームで目標に向かって一致団結して取り組み、周囲と意思疎通を図りながら、成果につなげたいと考えたため、転職を希望しました。 |
職場の同僚や上司との人間関係がうまくいかず、退職した場合は、単純に「人間関係が上手くいかなかったので」と伝えることは避けましょう。
なぜなら「コミュニケーション能力に欠けるのではないか」「協調性がないのではないか」と面接官が不信感を抱いてしまうからです。
例文のように「コミュニケーションを取りながらチームで仕事を進めたい」と前向きな表現で伝えると、協調性をアピールすることができます。
「給料・収入が少なかった」が理由のポジティブ例文
前の会社は年功序列の給与体系だったので、営業でトップの成績を挙げてもなかなか給与に反映されませんでした。 仕事は好きで、やりがいも感じていましたが、良い評価をいただけないために、モチベーションが下がってしまうこともありました。 そのため、実力や成果が正当に評価され、給与にも反映される御社のような実力主義の会社で働き、これまで学んだ営業のスキルを思う存分発揮して活躍したいと考えています。 |
転職理由が「給料が少ない」という場合は「実力や成果が正当に評価される会社で働きたい」とポジティブな表現に置き換えることができます。
これまでの営業スキルも伝えられており、転職先での活躍が期待でき、面接官にも良い印象を持ってもらえるでしょう。
「会社の将来が不安だった」が理由のポジティブ例文
前職では事業所閉鎖や売上減少などの影響で、エンジニア職から営業職へと異動になりました。 営業職としてエンジニア職とは違う立場に立つと、また違った観点で業務を見れるようになり、業務改善策を提案しましたが、受け入れていただけませんでした。 さらに自分としてはエンジニア職として働きたいという希望がありましたので、これを機に転職を希望しました。 昨年、IT分野に進出した御社でこれまでの知識や経験・スキルを活かし、役に立ちたいと考え、応募いたしました。 |
「会社の将来が不安だった」場合の転職理由では「現状を改善しようと行動した」ことを伝えることが大切です。
そのうえで、例文のように志望動機とつなげて、応募先での業務に興味をもった理由などを前向きに伝えるようにすると良いでしょう。
「仕事の内容に興味を持てなかった」が理由のポジティブ例文
私は商品開発の仕事を希望していたのですが、入社して配属された部署は営業部門でした。 与えられた場所で努力し、営業成績もしっかり挙げてきましたが、やはり商品開発をやりたいという気持ちは変わりませんでした。 商品開発の部署への異動の希望を出しましたが叶えられず、このままでは自分の考えるキャリアが築けないと考え、転職を希望しました。 御社の商品開発部門への求人を知り、御社の役に立てるよう学びながら、持ち前の情報収集力・観察力を活かして、キャリアを積んでいきたいと考えたので、応募いたしました。 |
「仕事の内容に興味を持てなかった」場合は、他にやりたい仕事があり、その仕事を具体的に伝え、やってみたいという熱意を伝えることが大切です。
また、経験のない職種への応募であっても、その仕事に向いている自分の良さをアピールすると、説得力が増します。
第二新卒の退職・転職理由の作り方や例文は、以下の記事にも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
転職理由を伝える時には、例えネガティブな理由で退職したとしても、それをポジティブな表現に換えて伝える必要があります。
転職者を面接する場合、企業側も「何らかの不満やミスマッチがあって退職しているかもしれない」ということは想定しているはずです。
それを踏まえて前職ではどんな学びがあったのか、自分はどんな成長ができたのかにポイントをおいて伝えるようにしましょう。
また転職希望先の企業でどう活躍できるか、将来的にどう貢献できるかというキャリアビジョンについても伝えると、長期的に活躍してくれる人材だと考えてくれるはずです。
採用担当者の不安を払しょくし、活躍への期待を持ってもらえるようなポジティブな転職理由を伝えられると、転職活動もきっと成功するはずです。
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