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聞いたことない……けど、かっこよさそう!
この記事では、O&Mとは何か、その仕事内容や代表的な事業、そしてどのような人が向いているかについて解説していきます。
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O&Mとは
聞いたことないよ。どんな仕事をするの?
まずは、そもそもO&Mが何なのかから、詳しく解説していきますよ!
O&Mとは、オペレーション&メンテナンスの略称のことです。
メーカーやエンジニアリング会社などの事業者は、工場やプラントなどの設備を販売します。
O&Mとは、設備の販売だけでは終わらず、その運用(オペレーション)や保守管理(メンテナンス)も行うという業態を示しています。
工場は運用が複雑であり、なおかつ定期的なメンテナンスも必要不可欠です。
特にいくつもの工程を必要とする製造工場などでは、どこかのラインで運用が止まってしまうと連続した稼働ができず、工場全体の生産性が下がってしまいます。
ラインが止まる理由には、不慣れや不手際などの作業者に起因したものと、故障などの機械に起因したものの両方があります。
- 難しい運用手順をちゃんと教えてほしい
- できれば、運用できる人員の育成をしてほしい
- 施設が壊れる前にあらかじめメンテナンスして、生産性を上げたい
そのため上記のような要求があり、工場などの設備を造って売って終わりではなく、これらの要求を満たすために運用と保守管理まで手掛けるO&Mという業態が登場したのです。
O&Mの仕事内容
それぞれ解説していきますね。
O&Mはその名前のとおり、大きく分けて運用(オペレーション)の仕事と保守管理(メンテナンス)の仕事があります。
どんな仕事内容なのか、ここで確認しておきましょう。
運用(オペレーション)
運用(オペレーション)は、設備を正しく効率的に運用するための仕事です。
工場などの設備は、正しく運転するための手順が複雑であることも珍しくありません。
当然運用マニュアルもありますが、分量が多く、全てを覚えきるのは難しいのです。
加えて、環境などの変化による微調整は、どうしても経験と勘が役立つ場面も出てきます。
そのような設備の運用を行うためには、知識がゼロの状態である人員を投入するのではなく、ある程度の知識と経験をもった人材がいたほうが効率的です。
O&Mの運用では、納入後の設備あるいは自分たちが任された設備に対して、そのような初期運用を行います。
継続的に「運用人員」として契約が続くこともあれば、場合によっては顧客側の人員にレクチャーしたり、顧客側の運用人員の確保や配置などを行うこともあります。
保守管理(メンテナンス)
保守管理(メンテナンス)は、設備を保守してトラブルが起こるのを未然に防いだり、トラブルが起こった際の緊急対応を行う仕事です。
設備運用に入った人員がそのまま継続契約されているのであれば、設備側には常に自社の人員が配置されています。
そのような場合、保守管理用の人員ではなく運用人員が保守管理も行うこともあります。
あるいは定期的な点検だけで良いような設備であれば、そのときだけ保守管理を専門に請け負う人員を派遣し、設備側には常駐しない形で保守管理を行うこともあります。
- 運用作業をしながら、同時に機械の不調がないか、不調のサインは出ていないかに気を配る
- 機械を動かしたまま、運用人員とは別の保守管理専門の人員が稼働の状況を確認する
- 機械を停止させ、保守管理専門の人員がオーバーホール的に全体をメンテナンスする定期保守
上記のような保守管理方法があります。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
O&Mは顧客からの信頼が不可欠
O&Mでは、運用人員としてクライアント先に常駐したり、保守管理のために定期的に中長期で常駐するといった形態も多くなります。
O&Mにおける常駐者は、まるで自社の社員でありながら、クライアント先の業務を一緒に行っているようなものです。
クライアントが抱える問題や設備の課題を自分ごととして考え、自社の問題であるかのように親身に考えられるような人が好まれます。
そういった人員が配置されて信頼を高めていくと、例えば「今は保守しかお願いしていないが、運用もお願いしようか」といった形で、契約の拡大も狙えます。
そのためO&Mの常駐者は「クライアントから信頼されることが第一の仕事」といっても過言ではありません。
O&Mの代表的な事業
なかなかイメージできないんだけど。
ここからは、O&Mの代表的な事業について解説していきます。
製造事業
最も一般的なO&Mの事業は、おそらく製造業ではないでしょうか。
工場やプラントの設備など、大規模な設備を「メーカー向けに提供しているメーカー」がO&Mを手掛けています。
中には「ある会社が製造した設備を専門に、運用・保守を行っている」という、設備の製造者とO&M事業者が別であるケースもあります。
設備の運用に資格が必要な場合、運用人員も手配するケースがあり、場合によってはクライアントの社員教育を担うこともあるでしょう。
O&Mのクライアントの一つ、製造事業の中でも特に存在がある人気の電機メーカーについて知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
社会インフラ事業
電気・ガス・水道などの社会インフラもO&M事業者が担うことがあります。
これらのインフラは製造・設置された後、それらを各家庭や地域に向けて調整するなどの日々の運用を行ったり、定期メンテナンスを行う必要があります。
それらを、電気・ガス・水道の提供事業者から請け負って、O&M事業者が運用・保守管理を行う場合があるのです。
インフラに関連した建設業界が気になる方は、合わせて以下の記事もご確認ください。
太陽光発電事業
かつて、太陽光発電を設置するときに国からの補助があり、太陽光発電パネルを設置する事業が大流行した時期がありました。
現在は補助がなくなったため下火となっています。
そのような事情で設置された大量の太陽光発電パネルがありますが、これらはメンテナンスしなければ発電量が低下してしまいます。
そういった設置後のメンテナンスなどを、太陽光発電に特化したO&M事業者が対応しているのです。
特に「メガソーラー」と呼ばれるような大規模かつ広範囲の太陽光発電エリアの場合、専門的な運用や保守管理は不可欠のため、そういった場面でO&Mが活用されています。
O&Mのメリットとデメリット
ここからは、O&Mのメリットとデメリットを説明していきます。
O&Mや、それらに関わる業界を志望するならぜひ知っておきたい知識です。
提供側のメリット
まず最初に、O&Mを提供する側のメリットを見ていきましょう。
- オペレーションやメンテナンスで定期的にやりとりを行うため、定期的な収入になる
- 定期的な収入になり、顧客との関係が長く続く
- バージョンアップなどの更新でも利用してもらえる可能性がある
- 顧客を知ることができ、適切なサービスを提供できる
大きく分けて、上記の4つが挙げられます。
自社の定期収入になるため収益が安定する点、顧客と近くにいるために顧客の要望を素早くキャッチアップできる点が大きなメリットです。
提供側のデメリット
続いて、O&Mを提供する側のデメリットを見ていきましょう。
- 継続的な契約になるため契約金の最終的な金額が予測しにくく、最初の契約をしてもらうまでのハードルが高い
- 人員の教育や複雑な運用のマニュアル化など、コストがかかる部分を引き受けるため割に合わないことがある
なかなか契約してもらえず仕事につながらないことは、事業者として大きなデメリットです。
詳しくは後述しますが、基本的にクライアントがやりたくないような難しいことを任されることが多くなるため、金額の割に合わない仕事になってしまうこともあります。
利用する側のメリット
続いては、利用者側のメリットを見ていきましょう。
- 初期の設備運用までの立ち上げを安定化させられる
- 難易度が高い仕事を専門家に任せることができる
- 設備運用に関して、自社内には最低限の作業者を確保するのみでよい
- 人員教育やマニュアル化も任せることができ、最終的には自社内で運用する選択肢も取れる
特定の機械の運用や技術に特化した専門家を社内に維持するためには、ある程度のコストがかかってしまいます。
そのコストを外注できる点は大きな強みです。
また、自社内に人員を抱えているわけではないため、それらの機械や製造が不要になったのならば、社員を解雇することなく人員を整理できます。
利用する側のデメリット
最後に、利用者側のデメリットを見ていきましょう。
- 長期の契約になるため、最終的に契約金が大きなものになる
- 途中で解約すると違約金が発生する可能性がある
- 設備を買い切ってあとは自分たちで運用したほうが、見た目上の金額は安い
主にコスト面でのデメリットが多くなっています。
基本的に、設備を製造して納入してもらったら終わり、というほうが金額的なものは安くなります。
自社内に十分な運用と保守管理ができるメンバーがいるのであれば、あえてO&Mに頼る必要はないのです。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
売り切りや買い切りではない「サブスク型ビジネス」の要求が高まっている
サブスク(サブスクリプション)とは、あるサービスを一定の期間利用することに対して料金を支払う、いわば「利用する権利を購入する」タイプのビジネスです。
O&Mも、ある意味ではサブスク型のビジネスといえるでしょう。
昨今の人件費削減の流れのなかで、人員までもすべて内部に抱えるのではなく、可能な人員は外注するという考え方が生じています。
そのなかで、限られた用途にしか利用できない専門的なプロセスは、その道のプロに任せたいと考える企業が多くなってきました。
「Aという商品の製造に特化した人材」は、Aという商品が売れなくなってきたら別の業務を見つけなければなりません。
ですが流行変遷や商品寿命が短いスパンになってきたため「特定の商品や業務に特化した人材」の価値が薄くなってきています。
また「大きな製造物を造って納入し、1回の納品で大きな金額を稼ぐ」という業態が、あまり現代社会に向かなくなってきました。
それが売れなければ収入は入りませんし、最悪の場合、相手先が料金を支払う前に倒産してしまうかもしれません。
それよりは、少ない金額だとしても確実に毎月の収入があるほうが安心できます。
専門業務は専門家に任せ、できれば外注したい工場側と、定期的な固定収入を積み上げる方式を求める提供者側の意向が合致した形で、現在のO&Mの形態が成り立っているのです。
O&M業務に向いている人
僕にもできるかな?
ここからは、O&M業務に向いている人がどのような人なのか、解説していきます。
顧客の立場に立って考えられる
O&Mの現場にいる人は、基本的には「自社ではないところ」で作業を行うことになります。
クライアントの設備を運用したり、クライアントの設備を保守管理するわけです。
それらの問題を自分ごととして考え、顧客の立場に立って考えられる人はO&M業務に向いているといえるでしょう。
責任感がある
O&M業務を行う人は、トラブルが起こったときの緊急対応はもちろん、常日頃から「問題なく運転できているか」を意識しなければなりません。
そのため、責任感がある人は向いているといえるでしょう。
特に、定期的なメンテナンスを行うだけではなく、クライアント先に常駐して日々の運用を担当する人であれば「責任感があること」の重要性はより大きな比重を占めます。
自社製品に対する専門的な知識が豊富で学び続けられる
多くの場合、販売した自社の設備についてO&M業務を行うことになります。
そのため、当然ながら、自社の設備に対するプロフェッショナルである必要があります。
顧客は「この設備のプロ」という目線で、O&Mの現場担当者を見ています。
その期待に応えられるよう、常に学び続けなければならないのです。
それができ、なおかつ自社製品への知識が豊富な人や、そういった勉強の積み重ねができる人は向いているといえるでしょう。
まとめ
ここまでは、O&Mについて確認してきました。
O&Mとは、販売された設備の運用と保守管理を担う仕事です。
主に製造業で多く利用されており、工場設備に対して行われるケースが多くあります。
提供側、利用者側にそれぞれメリットとデメリットがあり、それは以下のとおりでした。
- オペレーションやメンテナンスで定期的にやりとりを行うため、定期的な収入になる。
- 定期的な収入になり、顧客との関係が長く続く。
- バージョンアップなどの更新でも利用してもらえる可能性がある。
- 顧客を知ることができ、適切なサービスを提供できる。
- 継続的な契約になるため契約金の最終的な金額が予測しにくく、最初の契約をしてもらうまでのハードルが高い。
- 人員の教育や複雑な運用のマニュアル化など、コストがかかる部分を引き受けるため割に合わないことがある。
- 初期の設備運用までの立ち上げを安定化させられる。
- 難易度が高い仕事を専門家に任せることができる。
- 設備運用に関して、自社内には最低限の作業者を確保するのみでよい。
- 人員教育やマニュアル化も任せることができ、最終的には自社内で運用する選択肢も取れる。
- 長期の契約になるため、最終的に契約金が大きなものになる。
- 途中で解約すると違約金が発生する可能性がある。
- 設備を買い切ってあとは自分たちで運用したほうが、見た目上の金額は安い。
O&Mは、利用者側と提供者側の双方の要求から生まれて来た業態であり、社会的にも必要なものであると考えられます。
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