もくじ
就活において、もはや避けて通ることのできない「自己PR」の壁。
「ありきたりな内容になってしまう」「そもそもアピールすることがない」など、いまいち「これ!」といった自己PRをすることができない人も多いのではないでしょうか。
特に第二新卒の場合は「短期離職をしている」という意識が邪魔をして、自信を持ってアピールできないケースが少なくありません。
そこで今回は、第二新卒におすすめの自己PRの作り方についてテンプレートなどを交えながら詳しく解説します!
この記事を読めば、難しいと思っていた自己PRも意外と簡単に作れてしまうはずですよ!
1.面接官は第二新卒の自己PRで何をチェックしているのか
自己PRと聞くと、華々しい経歴や唯一無二のユニークな強みをイメージしがちですが、実はそのようなものが無くても問題はありません。
というのも、面接官は自己PRで応募者が自由に話せる時間を設けることで、次のような点を知りたいからです。
- 社会人としての基本的なマナーがあるか
- 問題にぶつかった時にどう乗り越える人なのか
- 自社の価値観や雰囲気に合うか
これらのポイントを踏まえた上で改めて考えてみると、自己PRではあくまでも「伝え方」が大切であり、経歴や資格などはあまり関係がないことがわかります。
「面接官に響く伝え方」をするために、以下では面接官がチェックするポイントについてさらに詳しく解説します。
社会人としての基本的なマナーがあるか
第二新卒の面接が新卒と違う点は、「社会人経験がある人」という前提で見られている点です。
そのため、在職期間の長さに関わらず、次のような基本的なことができていないと面接官に頼りない印象を与えてしまいます。
- 正しい言葉遣いができているか
- 相手の目を見て話せるか
- 落ち着いて話せるか
- 印象良く話せるか
- 限られた時間内に話をまとめられるか
- 相手にわかりやすく説明ができるか
これらは、決して特別なテクニックが必要なわけではなく、社会人として仕事をしていればどれもごく自然にできることです。
しかし、超短期離職しているなどの理由から難しく感じてしまう場合は、あらかじめ面接を想定して繰り返し話す練習をすることでカバーできます。
頭で考えるだけではなく、実際に「話す」というトレーニングをしてみましょう。
第二新卒の場合、緊張していたり多少不慣れな場面があっても、明るさと一生懸命伝えようとする姿勢で取り組めば面接官にもその気持ちは必ず伝わるはずです。
問題にぶつかった時にどう乗り越える人なのか
面接官は単純に「その人に何ができる(できた)のか」という結果を知りたいわけではありません。
面接官が知りたいことは、「その人が問題にぶつかった時にどう乗り越えるのか」という過程です。
つまり、仮に「○○の大会で優勝した」という同じアピールポイントを持つ人が複数いたとしても、優勝するに至るまでの過程によって面接官の評価は全く別のものになるのです。
具体的な自己PRの作り方については後ほどご紹介しますが、自己PRを考える際には、誰かのやり方に似せようとするのではなく、「自分はどうしたか」という点に着目してみましょう。
特に第二新卒の場合は、早期離職をしているという事実があることから、問題に対して向き合う姿勢は必ずチェックされるポイントです。
自社の価値観や雰囲気に合うか
自己PRでは、アピールポイントから伝わるその人の価値観や能力が、自社が求める人物像に近いか、合致しているかという点もチェックされています。
例えば「自社の伝統を大切に守り続けてくれる人が欲しい」と考えている企業に対して、「既存のやり方を全て壊して新しいことに挑戦した」とアピールしても、あまり共感は得られないでしょう。
また、コミュニケーションをそれほど必要としない職種に対してコミュニケーション能力の高さをアピールしても「うちには必要ないんだけどな」と思われてしまいます。
自己PRは自分をアピールする場ではありますが、あくまでも「全ての人に対して」ではなく、「その企業に対して」アピールする場であることを理解しておきましょう。
2.第二新卒におすすめな自己PRテンプレート
文章の組み立て方の一つに「起承転結」がありますが、これと同じように自己PRも次のテンプレートに沿って組み立てると相手に伝わりやすくなります。
- タイトル
- 前置き
- 課題(問題)+決意
- 具体的な解決策
- 結果
- タイトルを繰り返す
まず1の「タイトル」では「私の強みは○○です」「私は○○な人です」など、自分はどんな人なのかということを説明し、次に2の「前置き」でこれから話そうとする話の概要について触れます。
続いて、3ではその話の課題(問題)となる部分と、その問題をどうしたいかという決意を話します。
さらに、4では3の課題(問題)を解決するために行ったことを説明しましょう。
そして、5で結果を伝え、最後にもう一度タイトルを繰り返して完成です。
なお、ここでのポイントは、エピソードにストーリー性を持たせることです。
これは映画やドラマと同じで、最終的にはハッピーエンドだったとしても、その前に問題がなければストーリーとしての面白みを感じないためです。
3.第二新卒における自己PRの組み立て方
自己PRを話す順番は先ほどお伝えしたとおりですが、それぞれの項目を作る順番は違っていても構いません。
そこで、ここからは自己PRがよりスムーズに作りやすくなる5つのステップに沿って、それぞれの項目について具体的に解説していきます。
STEP1:結果を考える
まず最初のステップは「結果」です。
結果は基本的にどんなものでも構いませんが、次の2点を意識しながら探してみましょう。
- 客観的に見て「すごい」と思われそうなこと
- 数字で示せること
第二新卒の場合は社会人経験がありますので、理想としては「○ヶ月で売上を△%アップさせた」など、仕事に関する内容の方が面接官の「採用後のイメージ」が湧きやすいのでおすすめです。
ただ、短期離職のため仕事でこれといった実績が残せていないのであれば仕事以外のことでも構いません。
- 以前は人と話すことが苦手だったが、今では好きになった
- 転職活動中に○○の資格を取得した
- インスタグラムのフォロワーを○ヶ月で△人まで増やした
など、なるべく最近起こった出来事の中から「仕事に繋がりそうなこと」「話が膨らみそうなこと」がないかを考えてみましょう。
STEP2:解決策をまとめる
次のステップでは「解決策」についてまとめていきます。
先ほど考えた「結果」が出るために自分がとった行動を具体的に3つほど思い出してみましょう。
もし「特に努力はしていないが結果が出てしまった」「気付いたら結果が出ていた」という場合は、第三者に「どうしてこうなったと思う?」と客観的な意見を聞いてみるのもひとつの手です。
ここで具体的な解決策を考える理由は、面接官に「うちで働いた場合にこういう働きをしてくれそう」というイメージを持ってもらうためです。
例えばSTEP1で例に挙げた「以前は人と話すことが苦手だったが、今では好きになった」というケースであれば、次のような具体策を挙げると採用後のイメージに繋がりやすいでしょう。
- なぜ人と話すことが苦手だと思うようになったのか、原因をじっくり考えた
- 上手に話すことを意識しすぎていたので、会話を楽しむことに意識を向けた
- 相手とより深い話ができるように、相手の話をよく聞くことも意識した
STEP3:どんな問題が起こったのか振り返る
続いては、結果に至るまでにどのような問題や課題があったのか、そこでどのような決意をしたかについて振り返ります。
問題、つまりは「壁」は高ければ高い方が、ストーリーとしては面白く感じるものです。
話を盛る必要はありませんが「たいしたことない問題」にならないように意識をしましょう。
また、話がチグハグにならないように「決意」は「結果」や「解決策」と繋がりを持たせることを意識してください。
例えばSTEP1の「人と話すことが苦手」の例であれば、次のような課題と決意が考えられるでしょう。
STEP4:前置きを考える
STEP4では前置き、つまり「今から○○について話をします」という予告的な部分について考えます。
前置きは、短い文章ではあるものの、ないといきなり本題を話し始めることになり、面接官を混乱させてしまいます。
「この間○○と△△に行った時の話なんだけどさ〜」と、本題の背景をサラッと伝えるようなイメージで必ず入れるようにしましょう。
「人と話すことが苦手」の例であれば、次のような前置きが考えられます。
なお、ここでのポイントは可能な限り在職期間を盛り込むこと。
第二新卒の場合は、在職期間が長ければ長いほど短期離職のマイナスイメージを払拭することができます。
STEP5:タイトルを決める
最後にタイトルを決めます。
これまでのステップで考えたエピソードをもとに、「私の強みは○○です」「私は○○な人です」に当てはまる言葉を考えてみましょう。
ここまでご紹介してきた「人と話すことが苦手」の例では、次のようなタイトルが考えられるでしょう。
このように、まずタイトルを1に掲げ、最後に6で以下のようにもう一度タイトルで締めれば完成です!
例:このように、私は自分の弱みにも正面から向き合い、客観的な視点から問題解決に取り組むことができます。
ちなみに、1〜5までのステップなど詳しい自己PRの作り方についてはこちらの動画でわかりやすく解説していますので、是非ご覧ください!
4.第二新卒の自己PR「作成時」の注意点5つ
前半でお伝えしたとおり、面接官は自己PRで「自社の価値観に合う人物か」という点もチェックしています。
そのため、自己PRは一つだけ作って終わりにするのではなく、会社のカラー別に考えておくとより効果的です。
そして、さらに効果的な自己PRにするために、作成時には次の点にも注意しましょう。
1つの自己PRに使うエピソードは1つまで
自己PRを作る際にありがちなことが、一つの自己PRに「◯◯と△△と□□を頑張った」というように、いくつもエピソードを盛り込んでしまうことです。
エピソードが豊富にあることは良いですが、一つの自己PRに色々な情報を盛り込んでしまうと、反対に内容がぼやけてしまいがちです。
そのため、基本的に一つの自己PRには一つのエピソードを入れることにして、その中で、「目標を達成するためにAやBやCを行った」といったように、具体的な解決策を濃いめに盛り込むようにしましょう。
問題を解決した具体的な話が必要
自己PRの「結果」の部分では、「◯◯といった考え方ができるようになった」といった話を持って来る人が少なくありません。
しかし、この場合は具体的に「◯◯ができるようになった」といったことを示すようにしましょう。
なぜなら、面接官によっては「◯◯といった考え方ができるようになった」だけでは、「考えただけであって、結果は出せてないよね」と捉えられてしまうことがあるからです。
考え方やモノの見方が変わることは決して悪いことではなく、むしろ視野が広がる良いことです。
しかし、自己PRの場面においては、説得力を持たせるために結果がきちんと示せるエピソードを選びましょう。
客観的に「いいね」と思ってもらえそうなエピソードを選ぶ
例えば、自分がすごく頑張ったのに結果が出せなかったことと、それほど頑張ったつもりはないのになぜか良い結果が出たという2つのエピソードがあるとします。
自己PRでは、自分が色々と頑張ったエピソードのある前者について語りたくなってしまいますが、もし後者の結果が客観的に見て評価されるのであれば、自己PRには後者を選ぶようにしましょう。
その時、「具体的な解決策」が特に思い浮かばない場合は、先の「4.具体的な解決策」で解説したように、第三者に「どうして良い結果が出せたか」について聞いてみましょう。
PR内容は応募先企業が求める条件に合っているか
先ほどもお伝えしたとおり、面接官は自己PRの中でその人が持つ価値観や人柄を探り、自社とのマッチ度もチェックしています。
しかし、本当はマッチ度が高くても、自己PRの内容次第では「企業研究をしていないのでは?」「この人はちょっと違うな」と判断されてしまう可能性もあります。
そもそも、マッチ度が低い企業に就職してしまうと結果的に短期離職に繋がるため、就活では応募以前にまず自己分析や企業研究はしっかりと行っておくべきです。
せっかくのチャンスを逃さないためにも、自己PRを考える際には、「チームワークを大切にできる人」「失敗を恐れず挑戦する人」など、必ず応募企業が求める人物像をしっかりと把握しておきましょう。
応募先企業でどう貢献できるのかを伝える
例えば語学力よりも体力が求められる企業に対して、単純に語学力の高さをアピールしても高い評価は得られにくいと考えられます。
自己PRを考える際、特に「結果」と「解決策」の過程では、その企業にどのように貢献できるのかをイメージすることが大切です。
また、仮に自分の持っている実績が直接その企業の業務内容とは関係がなかったとしても、そこで諦めてしまう必要はありません。
直接業務とは関係のない資格を持っている場合は、「コツコツと日々の積み重ねができる」という部分に焦点を当てることで、企業が求める条件に近づけられる可能性もあります。
アピールポイントが浮かんだ時は「私の○○の部分は、御社の△△に活かせると思います」という言葉で締めくくれるかを考えてみましょう。
5.書類で自己PRを「書く時」の注意点4つ
自己PRは面接だけではなく、エントリーシートなどの書類に記載することも少なくありません。
1.なくても伝わる部分は削る
特に文章を普段書き慣れていない人の場合、自己PRを書く時は、最初から綺麗にまとめようとすると時間だけがかかってしまい、最後まで形になりません。
そのような場合は、まずは書きたいことをどんどん書いてしまい、全て書き終わったら読み返して、その言葉がなくても相手に伝わると思う部分は削っていきましょう。
その際、一つの文には一つの内容、一文はなるべく短くすることを意識してみると良いでしょう。
2.数字を入れるなど具体的に表現する
説得力のある文章にするためには、数字などの具体的なデータを入れることが効果的です。
数字で表現できない場合は、実際に言われた言葉や、その時の情景などを詳細に書いてみるのも一つの手です。
また、自分は理解していても、相手には伝わらない言葉もありますので、専門用語やビジネス用語などをわざわざ用いることは避け、誰にでも伝わりやすい言葉を選びましょう。
3.数字は半角に統一するなど、「表記ゆれ」をなくす
数字が全角と半角になっていたり、「出来る/できる」や「◯ヵ月/◯ヶ月」など、同じ意味ではあるものの、二つの表記が混じってしまっている「表記ゆれ」も起こりがちなミスです。
Wordの「検索」や「置換」などの機能を使ったり、何度も文章を読み返してチェックするだけでも「表記ゆれ」は随分解消されます。
4.声に出して読む
読みやすい文章は、声に出して読んだ時も流れるようにスムーズに読むことができます。
自己PRがひととおり書けたら、実際に声に出して読んでみるか、難しい場合は心の中で声に出して読んでみましょう。
また、Wordの「音声読み上げ」などの機能を使って、第三者が読み上げる文章を聞いてみることで誤字や脱字に気付くことも少なくありません。
6.自己PRやその他のよくある質問
Q1.履歴書で書いた内容と、面接で話す内容は変わっても大丈夫?
結論から言うと、大丈夫です!
ただし、万が一面接で「履歴書に書いてあることと違うけど、何で?」と聞かれた際には、その理由をきちんと伝えられるようにしておく必要はあります。
また、エピソードが違うものになる程度なら許容範囲内ですが、言っていることが180度違うような変え方は避けましょう。
また、履歴書に書いてある内容にも質問で深掘りされたら答えられるよう準備しておくことも大切です。
Q2.第二新卒だけど学生時代のエピソードなどを使っても良いの?
入社後数週間や数ヶ月で退職したような超短期離職の場合は、学生時代のエピソードを使っても全く問題ありません。
しかし、第二新卒ですでに入社後2年~3年程度経っている場合は、なるべくその会社の在職中に起こったことをエピソードにすることをおすすめします。
というのも「その会社で何も学ばなかったの?」と思われてしまうこともあるからです。
2~3年在職していれば、社会人としての基本的なマナーなども身に付いている状態なので、むしろビジネスマンだからこその経験を積極的にアピールしていきましょう。
Q3.PRできることが本当にない…
第二新卒の場合は「短期離職してしまったし、自分は駄目だ」と自分に自信を持てなくなっている人も多いでしょう。
そんな時は、友達や家族、知人など、周りの人に相談してみることをおすすめします。
すると、自分では思ってもみなかったようなことを褒められたりすることがあるはずです。
「そんなこと恥ずかしくて周りの人には聞けない……」という人は、転職のプロであるキャリアカウンセラーと話してみるのも一つの手です。
例えば転職エージェントのウズキャリでも、無料でキャリアカウンセリングを受けることが可能です。
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Q4.退職理由や志望動機もよくわからない
第二新卒では、これといってはっきりとした理由がなく退職してしまった人や、応募したい企業はあっても、退職理由から志望動機にうまく結び付けられなかったりする人も多いものです。
退職理由や志望動機の考え方についてはこちらの動画で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
7.この記事のまとめ
自己PRで重要なことは、華々しい経歴やユニークな強みではありません。
面接官が見ているのは、話し方などの社会人としての基本的なマナーや、問題や課題に対しての取り組み方など、その人から滲み出る人物像です。
第二新卒の「短期離職をしている」という事実は一見マイナスポイントに見えますが、視点を変えればそれは「課題」であり、今再び就活をしようと行動している姿も「解決策」の一つと考えられます。
誰にでもアピールできることはたくさんあるものです。
どうぞポジティブな気持ちで「伝え方」を意識した自己PRを考えてみてくださいね!
また、自己PRは自己完結してしまうと、単なる「自慢」のように捉えられてしまうこともあります。
そのため、可能な限り自己完結せず、第三者にフィードバックしてもらうことをおすすめします。
例えば転職エージェントは、無料で就活のプロによる添削指導や面接対策を受けることが可能です。
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