現在、「地方に就職し移住したい!」と考えている人が増えています。
しかし「職歴なしの場合、仕事を見つけることすら難しい・・・」と感じている人も多いのではないでしょうか。
しかし実は、職歴がなくても地方に就職することは可能です。
今回は職歴なしでも地方に就職できる4つの方法をご紹介します。
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地方就職するメリットとは?
地方に移住して働くメリットには主に以下の3つがあります。
ここでは、地方就職するメリットについて紹介していきます。
1.自然豊かな地方で生活ができる
常ににぎやかな都会に比べて、地方は自然が多く落ち着いている傾向があります。
そのため「ゆったりとした生活がしたい」という理由で地方就職をする人もいます。
ここで、高知市が2021年に実施した、地方移住した理由に関するアンケート結果を見ていきましょう。
高知市は、日本全国に住んでいる20代から60代の男女1,766名を対象として、地方移住に関するアンケートを実施しました。
このアンケートでは、「地方移住をした」もしくは「地方移住をしたいと思った」理由の第一位が「ゆとりのある生活をしたい」となっています。
1位 | ゆとりのある生活をしたい | 48.4% |
2位 | 自然の多い環境で生活したい | 42.8% |
3位 | 人が少ない安全な地域へいきたい | 18.6% |
4位 | 家族や友人の近くで生活したい | 17.2% |
5位 | テレワークなど働き方の変化 | 9.2% |
6位 | 金銭的理由 | 7.6% |
第二位は「自然の多い環境で生活したい」、第三位は「人が少ない安全な地域へ行きたい」です。
この結果から、地方移住を希望する人や地方移住をした人のなかには、自然が多く人が少ない地方でゆとりある生活をしたい人が多いことがわかります。
2.通勤ラッシュから解放される
通勤ラッシュの時間帯、都会の電車・バスはほぼ高確率で満員です。
国土交通省の「混雑率データ」によると、日本で一番混み合う路線は「東京メトロ 東西線」で、その混雑率は199%です。
しかし、地方によっては通勤ラッシュがない地域があります。
毎朝の人混みにストレスを感じ、ラッシュの少ない土地に移り住む人もいます。
また、総務省統計局が令和3年に実施した社会生活基本調査では、地方と首都圏の通勤時間に差があることが示されています。
この調査によると、通勤・通学時間の全国平均が1時間19分であるのに対し、神奈川県が1時間40分、千葉県と東京都が1時間35分となっています。
順位 | 都道府県名 | 時間.分 |
---|---|---|
1 | 神奈川県 | 1.4 |
2 | 千葉県 | 1.35 |
2 | 東京都 | 1.35 |
4 | 埼玉県 | 1.34 |
5 | 奈良県 | 1.28 |
参照元:総務省統計局「社会生活調査から分かる47都道府県ランキング」
さらに、通勤・通学時間の長さランキングでは首都圏の都道府県がランクインし、地方はその下位に続くという結果です。
最下位の宮崎県と山形県は56分で、最上位の神奈川県と44分もの差がついています。
順位 | 都道府県名 | 時間.分 |
---|---|---|
41 | 石川県 | 1 |
44 | 鳥取県 | 0.59 |
45 | 愛媛県 | 0.57 |
46 | 山形県 | 0.56 |
46 | 宮崎県 | 0.56 |
参照元:総務省統計局「社会生活調査から分かる47都道府県ランキング」
1日あたりでは大した差ではないように感じられるかもしれませんが、日々積み重ねていくと大きな差となります。
地方へ移住して通勤時間が短くなれば、その分プライベートで自由に使える時間が増えるメリットも期待できるのです。
参考:国土交通省「混雑率データ」
総務省統計局「社会生活調査から分かる47都道府県ランキング」
3.首都圏よりも家賃を抑えやすい
地方は都会と比べて家賃が安い傾向があります。
そのため、地方での生活は経済的余裕が生まれやすくなるのがメリットです。
実家に戻って暮らす場合、家賃に加え光熱費などを抑えることができます。
全国賃貸管理ビジネス協会の2023年7月調査によると、全国平均家賃は55,493円です。
それに対して東京都は72,212円、神奈川県は67,573円、埼玉県は60,845円と全国平均を上回っています。
一方、全国で最も平均家賃が低い鳥取県は43,650円、次いで山形県は44,792円、大分県は44,999円です。
このように、首都圏と地方とでは毎月の家賃に大きな差があり、地方移住をして家賃を抑えられれば経済的余裕が生まれやすくなると言えます。
参考:全国賃貸管理ビジネス協会「全国平均家賃による間取り別賃料の推移」
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
地方移住をするなら、移住支援金を活用するのもおすすめ!
2023年8月現在、政府の取り組みで「地方創生移住支援事業」が行われていて、その一環として地方移住する人へ移住支援金が支給されています。
この事業は地方公共団体が実施するもので、実施期間や支給額については各地方公共団体が公表する情報を確認する必要があります。
自治体に寄らず、共通する条件が設定されていて、それが「移住直前の10年間で通算5年以上かつ直近1年以上、東京都23区内に在住または通勤している」ことです。
また、各地方公共団体によって金額は異なりますが、移住支援金には金額の上限がある点にも注意が必要です。
東京都23区やその周辺からの地方移住を検討している人は、この移住支援金を活用することをおすすめします。
詳細については、「地方創生移住支援事業」の公式サイトを確認してください。
参考URL:内閣官房・内閣府「移住支援金」
地方で就職するデメリットとは?
一方、地方で働くことにはデメリットも存在します。
理由として、主に以下の3つがあげられます。
1.希望する求人が見つからないおそれも
地方は都会と比べて企業数が多くありません。
そのため、希望する場所や職種の求人がない可能性があります。
地方で就職したいと思っている方は、事前に地方企業の求人情報を調べておく必要があるでしょう。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している「職業紹介-都道府県別有効求人倍率」によると、東京よりも有効求人倍率が低い、地方の都道府県が多いことがわかります。
有効求人倍率は、求職者ひとりに対して何件の求人があるかを示す指標です。
有効求人倍率が低いほど、求職者ひとりに対しての求人が少ないため、いわゆる買い手市場と言えます。
このデータでは、2023年6月の有効求人倍率において全国平均が1.30、東京都が1.78です。
対して1.04の北海道、1.08の滋賀県と沖縄県、1.12の奈良県をはじめとして、東京よりも有効求人倍率が低い都道府県が多いことがわかります。
例外的に福井県は1.80と東京都よりも高い数値になっていますが、それ以外の地方の都道府県においては、東京よりも有効求人倍率が低くなっているのです。
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「職業紹介-都道府県別有効求人倍率」
2.移動手段が少ないため自動車が必要
電車やバスなどの交通インフラが整っていない地方は、自動車での移動を必要とする場合があります。
スーパーやコンビニエンスストアが徒歩圏内にないときは、生活するためにも自動車が必要不可欠でしょう。
しかし自動車は決して安い買い物とはいえません。
また、ガソリン代・税金・保険料などもかかります。
家賃等の居住費は安く抑えられますが、“地方ならでは”の出費が増えることも覚えておきましょう。
3.首都圏よりも収入が少なくなるおそれも
都会の企業と比較すると、地方企業は給料が低い傾向があります。
「家賃が安いから生活費が下がる」といって移住しても、物価は都会とさほど変わらないのが現状です。
自動車を購入すれば、生活するための固定費はさらに上がってしまいます。
そのため地方へ移住する前に、その土地での生活費を計算して、予想の収入と照らし合わせる必要があるでしょう。
各都道府県の就職データも掲載しているので、「地方就職のメリットに魅力を感じる」と思われた方は情報収集をしてみてください。
また、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、地方よりも都市部のほうが年収が高いことがわかります。
都道府県別の平均賃金では、全国合計の311万8,000円よりも賃金が高かったのは、都市部と言える「東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県」です。
最も平均賃金が高かった東京都では375万5,000円となっていて、全国合計と大きな差が付いています。
これはあくまで1年間の差ですので、これが長年積み重ねられるとより大きな収入差につながります。
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
職歴なしでも地方に就職する4つの方法
内閣府が発表した調査によると、
2014年度の都市住民の農山漁村地域への定住願望は、20〜29歳で38.7%、30〜39歳で32.7%となっています。
2005年は20〜29歳で30.3%、30〜39歳で17.0%だったため、20代・30代ともに増加していることがわかります。
また、ふるさと回帰支援センターが公開している「移住に関する調査結果」によると、首都圏の地方移住希望者は推計309万人です。
そして、地方移住に関心がある人のなかで最も多いのは「男性20-30代」で、若年層に地方移住希望者が多いと言えます。
地方に移住したいと考える人が多い中、職歴なしで地方就職を成功させるためにはどのような方法を取ればいいのでしょうか。
その方法を4つ紹介していきます。
参考:認定NPO法人ふるさと回帰支援センター「移住に関する調査結果」
1.アルバイトからスタートする
職歴がなくても就職することは可能です。
しかし卒業してから「職歴なし」の期間が長いと、就職が不利な状況になってしまうことは間違いありません。
そのため職歴なしの期間が長い場合は、企業のアルバイトやインターンシップからスタートしましょう。
希望する仕事でアルバイトやインターンシップをすることによって、経験値にカウントされる場合も多々あります。
結果的に自分のやりたい仕事に就ける可能性も高くなるので、まずは移住したい地域で希望職種のアルバイトスタッフやインターンシップ生の募集がないか調べてみましょう。
2.地方就職支援コーナーに相談する
現在都会に住んでいる方は「地方就職支援コーナー」の利用をおすすめします。
「地方就職支援コーナー」とは、東京都と大阪府のハローワークの中に設置された、地方就職専門の相談所です。
専門の相談員に就職相談ができたり、全国の地方の求人情報が確認できます。
また、求人に関することだけでなく、住宅や福祉、医療、教育などの生活関連の情報も手に入れることが可能です。
実際の移住をイメージしやすくなるのがメリットでしょう。
3.面接では自分を採用するメリットをアピールする
地方にある企業のなかには、都市部からの「Iターン就職」を希望する人を積極的に採用したいと考えている企業も存在します。
その背景には、都市部ならではの斬新なアイデアを取り入れたい、新しい風を社内に吹かせたいといった狙いがあるのです。
また、Iターン就職者を積極採用していなくても、地方からの移住者にはやはり地方では積みにくいような経験やスキルを期待する企業も少ないことでしょう。
この点を踏まえたうえで、面接では自分を採用するメリットを明確にアピールするようにしましょう。
学生時代のサークル・部活動の経験やアルバイト経験を通して身に付けたスキルをアピールするとともに、都市部出身者だからこその強みを伝えるようにしてください。
例えば、自分が生まれ育ってきた都市部の企業と比較したときの、志望先企業の強みと弱みを分析し、それを面接で伝えるのも良いでしょう。
自分を採用することで、自社にメリットがあることをアピールすることが重要です。
4.転職エージェントに相談する
「職歴がないから、就職について手厚いサポートをしてほしい」「近くに『地方就職支援コーナー』のような施設がない」方は、転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントは、求人の紹介だけでなく、履歴書や面接のアドバイスなど、就職に関するサポートを手厚く行ってくれます。
そのため、職歴がなくても就職活動に関するノウハウを押さえることが可能です。
また、地方であっても大きい都市ならば、転職エージェントが求人情報を持っている可能性があります。
企業が大きければ地方の支店で求人を出していることもあるので、一度転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
高齢化が進む地方では、介護・福祉分野の仕事を狙うのもひとつの手!
総務省が公表しているデータによると、地方と首都圏とでは高齢化の進み方が異なることがわかります。
2045年において、65歳以上人口の割合は首都圏で30%台、地方では40%を超えると予測されているのです。
高齢化が首都圏よりも進んでいる地方では、介護・福祉分野において急速に人手不足が進んでいくと考えられます。
そのため、地方では介護・福祉分野において競争率が低くなりやすく、職歴なしでも採用してもらえる可能性が高くなるかもしれません。
職歴なしの人が地方就職を希望する場合は、介護・福祉分野の仕事を狙うのもおすすめです。
参考:総務省「地方における少子高齢化」
まとめ
地方に移住する道を選択する人が増えている中で、「職歴なしでも地方就職する」という夢を叶えることができます。
地方ならではのメリット・デメリットをよく理解した上で、ご紹介した方法に挑戦してみてくださいね。
また「効率よく就活したい!」という方や「就活が終わらない……」と悩んでいる方は、既卒に強い就職エージェントを使用することをおすすめします。
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