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派遣会社の正社員「常用型派遣」って実際どうなの!?【人材会社解説】

派遣会社の正社員「常用型派遣」 メリット・デメリット 解説!

 
派遣にも種類があって、正社員として扱われるパターンもあるって本当なの?
本当です!常用型派遣といって、派遣会社の正社員になる方法があります。

派遣社員から正社員に変わると、給料・待遇面だけでなく、生活そのものにも変化が生まれるかも……?!

ここでは、派遣社員が「常用型派遣」として働くためのメリット・デメリット、給料、求人募集に応募するための方法などをご紹介します。

この記事の監修者

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO

株式会社UZUZ 代表取締役

1986年生まれ、北海道出身。第二の就活を運営する「株式会社UZUZ」を立ち上げ、数多くの就職サポートを実施してきた。“自らと若者がウズウズ働ける世の中をつくる。”をミッションに、Twitterで「仕事をウズウズ楽しむ情報」を、YouTubeで「就職・転職で使える面接ノウハウ」を発信。SNSの累計フォロワー数は9万人を超える。

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そもそも派遣社員とは?3つの種類がある!

派遣の仕組みを説明している図

 
派遣社員ってどのくらいの種類があるの?
派遣社員には大きく2つの型があります。
さらに細かく種類に分けられるのでそれぞれきちんと理解しておきましょう。

そもそも派遣社員とは、契約した企業とは別の企業で働く人のことです。

派遣社員は、派遣元である人材派遣業者と雇用契約を結んだ上で、労働力を必要としている派遣先の企業に派遣されて働きます。

業務は派遣された企業で行い、指示を出すのも派遣先の企業ですが、給料を支払ったり社会保険などの手続きを行ったりするのは、雇用契約を結んでいる派遣元の企業です。

派遣元である派遣会社は、派遣先企業から派遣料を受け取り利益を得ます。

人材派遣は「派遣元の派遣会社」「派遣先企業」「派遣社員」、この3者間の関係で成り立っています。

登録型派遣とは

登録型派遣

一般的に派遣社員というと、「登録型派遣」をイメージすることが多いでしょう。

労働者は、まず人材派遣先企業に派遣登録を行い、派遣会社からの派遣先の紹介を待ちます。

派遣会社は労働者に適した派遣先があれば紹介し、双方の合意(労働者と労働力を欲している派遣先)の上で人材派遣が成立するのです。

登録型派遣では、派遣先が決定してはじめて、派遣元企業と労働者の間に雇用契約が締結されます。

派遣期間が終われば雇用契約は終了し、新たな派遣先が決まれば再び雇用契約を結ぶといった流れです。

そのため給与が発生するのは派遣期間のみですが、その分柔軟な働き方ができる雇用形態といえます。

常用型派遣とは

常用型派遣

常用型派遣とは派遣会社と労働者の間で、正社員(無期雇用)としての労働契約を結び、派遣先企業で働きます。

派遣期間が終了しても、派遣元企業との労働契約は継続されるのが、登録型派遣との違いです。

そのため、次の派遣先が決まっていない待機期間も給与が発生します。

人材派遣会社のレギュラーメンバーになるといったイメージで捉えるとよいでしょう。

当然、登録型派遣よりも待遇は良くなる反面、自由度は低くなります。

常用型派遣の働き方については以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ、合わせてお読みください。

紹介予定派遣とは

紹介予定派遣とは、派遣先の企業に正社員として雇用されることを前提に派遣される働き方です。

最長で6ヶ月間派遣先企業で働き、派遣期間の終了後、双方に問題がなければ派遣先企業の正社員として雇用されます。

お試し期間のある人材紹介」とイメージすると分かりやすいでしょうか。

派遣先企業は派遣期間中は派遣料を支払い、正社員としての雇用が決まれば紹介料を支払います。

紹介料は、想定年収の20~30%が相場といわれます。

紹介予定派遣は、派遣先、派遣社員双方に見極めをできる点がメリットといえるでしょう。

監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO

無期雇用派遣と派遣会社正社員(常用型派遣)の違い

常用型派遣と混同しやすい形態に無期雇用派遣があります。

いずれの契約も雇用期間の定めがないため、混同しやすくなるのでしょう。

無期雇用派遣も常用型派遣と同様、派遣されていない期間も雇用は継続されます。

しかし、必ずしも正社員(常用型派遣)と待遇が一緒というわけではありません。

例えば、賞与や福利厚生、退職金の有無等で待遇差が生じていることもあります。

この点は注意が必要で、雇用契約を結ぶ際にはよく確認するようにしましょう!

派遣会社正社員(常用型派遣)を取り巻く状況とは

派遣会社正社員(常用型派遣)を取り巻く状況とは

派遣社員といっても、いろんな働き方があることが分かったよ!
もうちょっと、常用型派遣社員のことを知りたいな!
それでは、統計資料を見ていきましょう。

東京労働局が実施した調査から、常用型派遣の実態を紐解いていきます。

まず、常用型派遣労働者の男女比から見てみましょう。

【性別分類】

男性女性
75.5%22.7%
へえ〜男性の方が多いんだ。
そうですね。けれど登録型派遣の場合は男女比が逆転する傾向にあるんですよ。

次に、年齢構成を見てみましょう。

【年齢構成】

年齢層10~20代30代40代50代60代以上
構成比22.0%37.8%22.5%8.5%9.2%
30代、40代も多いんだね。
正社員として安定した待遇があるためか、30代・40代の比率も高い傾向にあるようです。

次に、常用型派遣社員の学歴構成と直前の勤務形態を見てみましょう。

【最終学歴】

最終学歴高卒専門学校高専・短大大学大学院
構成比28.2%25.2%6.0%37.4%1.6%

【直前の勤務形態】

勤務形態正社員パート・
アルバイト
契約社員登録型派遣社員
構成比67.7%11.7%8.3%7.7%
大卒者が一番多いんだ!
そうですね、直前の雇用形態も正社員が67.7%です。

大学を卒業して正社員として就職後、なんらかの事情で退職し、常用型派遣で働いている人が多いようです。

最後に、常用型派遣を選んだ理由と派遣会社を決めた時に重視した点を見てみましょう。

【常用型派遣の仕事を選んだ理由】

理由割合
専門的な技術や資格が活かせるから50.9%
賃金水準が高いから14.7%
自分の都合に合わせて働けるから8.7%
わずらわしい人間関係が嫌いだから4.4%
知人に勧められたから9.2%
正社員としての適当な仕事がなかったから11.9%
スカウトされたから8.5%

【派遣会社を決めた時に重視した点】

重視した点割合
業務の種類66.7%
賃金23.9%
労働時間・休日12.8%
勤務場所23.2%
会社の規模6.4%
会社の業績4.6%
会社の評判5.7%
教育訓練の機会1.4%
なるほど!「専門的な技術や資格が活かせるから」という理由が5割以上なんだ!
重視した点も「業務の種類」が6割を超えていますね。

いずれも、2番目に賃金の項目が続いていることも興味深いポイントです。

常用型派遣を選ぶ人は、特定のスキルを身につけており、そのスキルを活かした仕事を続けたいと考えている傾向が強いことが読みとれます。

参考:東京労働局「派遣労働に関する実態調査 2010― 常用型派遣労働者を中心に ―報告書

派遣会社の正社員(常用型派遣)として働くメリット・デメリット

派遣会社の正社員(常用型派遣)として働くメリット・デメリット

 
派遣会社の正社員として働くのってどんないいことがあるの?
派遣会社の正社員として働く=常用型派遣には、様々なメリットがありますが、デメリットもあるのでどちらもチェックしておきましょう!

派遣会社の正社員として働くメリット

メリットには、以下の3点が考えられます。

  • 派遣会社の派遣社員より雇用が安定する
  • 給料や福利厚生などの待遇が派遣社員よりも良い
  • 専門性を活かしながらキャリアアップを目指せる

今まで派遣社員として働いていた状態からレベルアップできるのが、正社員です。

人材派遣会社の正社員として働くと、まずは無期雇用になり雇用が安定します。

また、給料面や福利厚生なども改善が見込まれます。

特に、給料面は大きな違いがでてくるでしょう。

なぜなら月収が上がるだけではなく、賞与の支払いがあるケースが多いからです。

そして、派遣会社で正社員として働く場合、あなたが今まで行ってきた専門業務や知識を活かして働くことができます。

その上、「派遣会社」に所属しているので、自分のキャリアプランに沿ったプロジェクトへの参画や、注目のベンチャー企業や大手企業など、多彩な会社で業務経験を積むことができるでしょう。

派遣会社の正社員として働くデメリット

正社員のデメリットには以下の3点が考えられます。

  • 自分のライフスタイルの変化に柔軟に対応できない
  • 派遣会社の仕事内容によってはイチから学び直す必要がある
  • 派遣会社の正社員枠に挑戦するのは難しいこともある

正社員になると給料の安定につながりますが、一方で自分の都合に合わせて働くのは難しくなるといえます。

正社員は基本的にフルタイムで常駐することが前提なので、派遣社員の時よりも就業時間が制限されがちです。

その分、派遣社員は労働時間の調節がしやすいため、プライベートを充実させることが可能です。

派遣社員から派遣会社の正社員になると、派遣先によってはあまり経験がない業務を担当する場合も……。

新しい技術や知識をイチから学ぶ必要があるケースも珍しくありません。

また、そもそも派遣会社の正社員募集の枠が少なくなっていたり、中途入社では即戦力を求められるケースも多くあります。

 
正社員になれるから、誰でもそのほうがいいってわけではないんだね。
そうですね。
とはいえ正社員を目指している方にとっては、派遣社員ではあるものの正社員として雇用される常用型派遣という選択肢があるのはうれしいですよね。

参考:一般社団法人 日本人材派遣協会「派遣の現状

派遣会社の正社員の給料・待遇は?

派遣会社の正社員の給料・待遇は?

 
派遣社員の正社員として働くメリットやデメリットは分かったけど、給料とか待遇ってどうなってるの?
では、派遣社員の「年収」や「月々の給料」や「待遇」を見てみましょう!

派遣会社の正社員の給料

東京労働局の調査を基に、常用型派遣の給与実態を見てみましょう。

同資料によると年収分布は以下のようになります。

【年収分布】

年齢年収
100万円未満1.1%
100万円~200万円未満5.7%
200万円~300万円未満21.6%
300万円~400万円未満28.4%
400万円~600万円未満31.9%
600万円~800万円未満7.6%
800万円~1,000万円未満2.1%
1,000万円以上0.9%

参考:東京労働局「派遣労働に関する実態調査 2010― 常用型派遣労働者を中心に ―報告書

結構高い印象!年収400~600万円の層が一番多いんだね!
やはり正社員であるため、ある程度の年収は確保できるようです。

スキルを活かして働くために、常用雇用派遣の働き方を選ぶ人が多い傾向は前述しました。

やはり専門性を活かす働き方であるため、高い年収が確保できるのでしょう。

派遣会社の正社員の待遇

登録型派遣の場合、派遣社員は一部の例外を除いて、3年を超えて同じ事業所に派遣してはいけないという「3年ルール」が適用されます。

しかし常用型派遣の場合、派遣元企業と無期雇用契約を締結しているので、このルールが適用されません。

慣れた職場で安定して働けるのは大きなメリットです。

そして、正社員の場合は、圧倒的に待遇が充実しています。

東京労働局の調査から、待遇面のデータも確認してみましょう。
  • 退職金制度:あり52.8%、なし43.6%
  • 昇給:変化なし59.6%、上がった22.0%、下がった16.7%
  • 教育訓練:あり72.2%、なし・無回答27.8%

 
やっぱり正社員になっていた方が、給料面でも待遇面でも良い。

参考:東京労働局「派遣労働に関する実態調査 2010― 常用型派遣労働者を中心に ―報告書

監修者コメント

岡本啓毅HIROKI OKAMOTO

登録型派遣に適用される3年ルールとは

派遣会社と有期雇用を結んでいる派遣労働者(登録型派遣労働者)は、一部の例外を除いて、同じ事業所で同じ業務に3年以上従事できません。

この期間を超えた場合は、派遣先企業に正社員としての雇用を努力義務としています。

このルールは、派遣社員の正規雇用促進を目的に、2015年に改正労働者派遣法が施行されたことによるものです。

慣れた職場で長く働き続けたいと考えるのであれば、派遣先企業に直接雇用してもらうか、派遣元企業に無期雇用に切り替えてもらう必要があります。

“派遣会社の正社員”の求人募集はどこで見つけられるの?

“派遣会社の正社員”の求人募集はどこで見つけられるの?

 
でもさ、派遣会社の正社員の求人なんて見たことなかったよ。
派遣会社の正社員は、大手求人サイト・人材派遣会社のWEBサイトで求人情報を探すか、所属する派遣会社の紹介を受ける方法の3つがあるよ。
 

派遣会社の正社員の求人を探す方法

  1. 大手求人サイトをチェックする
  2. 人材派遣会社のホームページをチェックする
  3. 所属する派遣会社に紹介してもらう

大手求人サイト

大手求人サイトは要チェック。

人材派遣会社の求人募集は、小規模の求人サイトより多く掲載されているため、会社の選択肢が多いのが特徴です。

また、大手ということもあり、長年の実績と信頼があるため、安心して応募ができますね。

人材派遣会社のホームページ

直接、人材派遣会社のホームページに掲載されている求人をチェックしてみるのもひとつの手です。

特徴として、人材派遣会社の求人情報は中身が非常に充実していて、採用情報だけでなく社員インタビューなど、働いている人の顔が見えるように工夫されています。

「ここで働きたい」という人材派遣会社がある場合、自分自身が働くイメージを描きやすいのがポイントです。

所属する派遣会社の紹介

現在登録している派遣会社の紹介で、人材派遣会社に入社する方法もあります。

登録している派遣会社に社員として入るには、その会社が「派遣社員を正社員にする制度」がある事業所であるかを、まずはチェックしましょう。

ただ、この方法はあまり現実的ではなく、制度を設けていない可能性も高いので注意が必要です。

厚生労働省が出している「雇用の構造に関する実態調査(派遣労働者実態調査)」によると、派遣社員を正社員に採用する制度がある事業所の割合は13%でした。

その中でも正社員採用した割合が1.7%という厳しい結果もでています。

この方法はあくまで、レアケースと考えた方が良いでしょう。

参考:厚生労働省「雇用の構造に関する実態調査(派遣労働者実態調査)

人材派遣業界の業界研究については、以下の動画で解説しているので、ぜひご覧ください!

派遣社員が派遣会社の正社員になるための方法

派遣社員が派遣会社の正社員になるための方法

 
じゃあどうしたら、派遣社員が派遣会社の正社員になれるの?
派遣会社の正社員になるために必要なことを3つ教えますね。
 

派遣社員が派遣会社の正社員になるために必要な3つのポイント

  1. 必要な資格・スキルを身につける
  2. 求人情報サイト・人材派遣会社の求人情報を使う
  3. 就職・転職サポートを利用する

必要な資格・スキルを身につける

人材派遣会社は業務内容によってはデスクワークが多くなる傾向があるため、パソコンに強い資格を持っておくと有利になります。

例えば、MOS(Microsoft Office Specialist)検定の資格や、エクセルやワードがしっかり使える資格などがおすすめ。

また、人材派遣会社で実際に行うような事務処理の経験や営業経験があると、アピールポイントになります。

求人情報サイト・人材派遣会社の求人情報を使う

必要なスキルや資格を取得が完了したら、求人情報サイトや人材派遣会社の求人情報も活用しましょう。

多くの採用情報が掲載されているため、「実際にどのような人材派遣会社があるのか」や、「どのような仕事内容なのか」が細かく書かれています。

イメージを掴んでからの応募が可能な点がポイントです。

就職・転職サポートを利用する

また、就職・転職サポートを利用するのも手です。

これまで紹介した方法とは違い、サポートするカウンセラーと一緒に相談し合いながら、戦略的に派遣会社の正社員求人に応募できる点が最大のメリットです。

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まとめ

もし今あなたが派遣社員として働いているのであれば、

  • 派遣社員の契約期間が終了するタイミング
  • 派遣社員の契約期間を延長するタイミング

上記のタイミングで、次を考えるひとつとして、人材派遣会社の正社員への応募も検討してみるのもよいと思います!

「派遣会社の正社員」として働くと、いろいろなスキルを身につけることが可能です。

雇用が安定していてかつ様々なスキルの身につく“派遣会社の正社員”は、普通の派遣社員よりも断然おすすめ。

派遣会社の正社員……いいかも!

とはいえ、もしあなたが“なんとなく”派遣社員の正社員を目指しているのであればちょっと待ってください!

たしかに派遣会社の正社員ももちろんおすすめなのですが、他にもスキルの身につく職種で正社員を募集している企業はたっくさんあります!

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執筆・編集

第二の就活 編集部

「“はたらく”をもっと身近に」をテーマに、就活=不安・やりたくないと感じる気持ちを変えるコンテンツを発信しています。編集部のメンバーは、全員が既卒や第二新卒の経験者です。だからこそわかる「就活に対する怖さ・逃げたい気持ち」に寄り添い、正しい情報をイラストや動画を用いてわかりやすく伝えていきます。

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