もくじ
入社試験において避けては通れないものといえば、「筆記試験」と「適性検査」ですよね。
新卒の就活時はもちろん、以下の方の転職活動でも筆記試験や適性検査を重視している企業はたくさんあります。
- フリーター
- 既卒
- 第二新卒
試験会場やWeb上のテストでライバルに差をつけるためには、事前にしっかりと対策しておくことが大切です。
そこで当記事では、筆記試験と適性検査の対策方法についてまとめました。
以下のような内容を紹介しますので、ぜひチェックしてください!
- 筆記試験や適性検査を行う企業の狙いとは?
- 筆記試験と適性検査の違いとは?
- 筆記試験や適性検査の対策のコツは?
UZUZが徹底サポート!
どれくらいの企業が「筆記試験」「適性検査」を実施しているの?
リクルート社が主催する「就職みらい研究所」の調査(新卒採用のデータ)によると、選考に筆記試験・適性検査を導入している企業の割合は以下の通りです。
【企業規模別 筆記試験・適性検査実施率】
企業規模 | 2024年度卒(実績) | 2025年度卒(予定) |
---|---|---|
全体 | 87.5% | 86.8% |
5,000人以上 | 94.6% | 93.5% |
1,000~4,999人 | 93.6% | 92.8% |
300~999人 | 88.9% | 88.6% |
300人未満 | 80.6% | 79.6% |
参考:就職みらい研究所「就職白書2024データ集」
従業員数5,000人以上の大企業では、ほぼ実施されているといってもよい割合です。
300人未満の比較的小規模な企業でも実施率は8割程度であるため、中途採用においても、多くの企業で筆記試験・適性検査が課される可能性は高いといえます。
対策は必須と考えておいた方がよさそうですね。
「筆記試験」と「適性検査」 3つの違い
企業の採用試験では、筆記試験と適性検査が行われることが多いです。
しかし、この2つの間には具体的にどのような違いがあるのか知らないという人もいるかもしれません。
そこでまずは、筆記試験と適性検査の3つの違いを解説していきます。
1.実施目的
筆記試験の実施目的は、応募者の基礎的な思考力や学力、一般常識を測ることにあります。
企業によって名称が異なるケースもあり、能力検査と呼ばれる場合も多いです。
一方、適性検査の実施目的は、応募者のパーソナリティを把握して、仕事への適性を判断することです。
適性検査は性格検査と呼ばれる場合もありますし、適性検査のなかに、性格検査と職務への適性検査、能力検査がすべて含まれているケースもあります。
また、筆記試験と適性検査にはどちらも、採用試験にかかるコストを削減する目的があります。
応募者一人ひとりと面接を行うのでは時間がかかりすぎてしまい、採用試験に多大なコストがかかる事態に。
そこで、筆記試験と適性検査を採用試験の序盤に行いふるいをかけて、企業が求める基準に達した応募者のみ次の選考に進んでもらうのです。
2.実施内容
筆記試験では、国語や数学、英語などの科目や、一般常識の有無を確かめるために時事問題が出題される傾向にあります。
主に、ペーパーテストやテストセンター、Webテストといった実施形態です。
一方、適性検査は、応募者の性格の特徴、職務・組織への適応性を測定するための質問が行われます。
企業によって質問内容は様々ですが、行動特性や意欲、ライスケールといった項目が出題されることが多いです。
3.採用判断における重要度
筆記試験と適性検査のいずれを重視しているかは、企業によって異なります。
そのため、どちらの方が重要度が高いとは一概には言えないのが実情です。
また、それぞれ実施目的が異なるため、採用試験対策ではどちらかをおろそかにすることなく、どちらも重要だと考えて対策することが重要です。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
企業によって試験や検査の呼び方は様々であることに注意!
本記事では、筆記試験=学力検査・能力検査、適性検査=性格検査として説明を行っています。
ただし、企業によってはこの限りではないこともあるようです。
例えば、適性検査のなかに性格検査と学力検査が含まれるケースや、能力検査がWebテストと呼ばれるケースが挙げられます。
したがって、試験や検査の名前だけで判断するのではなく、応募先で実施される試験や検査の内容をしっかりとチェックした上で、対策を行うのが重要です。
「筆記試験」や「適性検査」を行う企業の“狙い”とは?
- 採用試験の効率化
- 人材能力の数値化
ここでは、筆記試験や適性検査を行う企業の2つの狙いを解説していきます。
採用試験の効率化
1つ目の目的は、採用試験の効率化です。
本来であれば企業と応募者とがじっくり話し合い、理解を深めた上で合否を決めるのが、双方にとって理想的な採用試験といえるでしょう。
でも、
- 応募者が多くなるほど選考の時間もかかる
- 面接官ごとの評価の差が生まれやすい
- 採用業務と並行して通常の仕事も行う必要がある
といった理由もあるため、筆記試験や適性検査を行い、採用業務を効率化しているのです。
限られた時間とコストのなかで、ある程度の平等性をもって「自社に長く勤めてくれる優秀な人材」を選出するのが、企業の狙いです。
人材能力の数値化
2つ目の目的は、人材能力の数値化です。
多くの企業は、以下に挙げるような人事のノウハウを持つ会社が提供する適性検査を活用し、応募者の能力を数値化しています。
- リクルートグループのSPI3試験
- 日本エス・エイチ・エルの玉手箱
応募者全員に同じ試験を受けてもらうことで、企業側は応募者の客観的な評価を得た上で選考を進めることができるのです。
受験する側にとっても、以下のようなリスクを軽減できるメリットがあるといえるでしょう。
- 面接官の気分や好みに左右される不運
- 自分の性格に合わない企業に入社してしまうリスク
筆記試験の対策におけるポイントとは?
- 志望先企業でよく使われている試験をリサーチする
- 過去問題集を購入して繰り返し解く
- 本番と同じ時間で模擬問題を解いてみる
それでは、順番に詳しく見ていきましょう。
志望先企業でよく使われている試験をリサーチする
筆記試験と一口にいっても、企業によって使われる試験サービスは様々です。
そのため、自分が志望する業界でよく使われている試験サービスや、志望先の企業で過去に出題された試験サービスをリサーチするのがおすすめ。
一般的にはSPIや玉手箱が使われていますが、それぞれ出題傾向や回答のクセが異なります。
志望先に合った試験サービスを重点的に対策すると、筆記試験の本番でも落ち着いて問題を解けるようになるはずです。
就活中は、筆記試験以外にも面接やグループディスカッションなどの対策を行う必要があります。
志望先でよく使われている試験サービスをリサーチして、筆記試験ひいては就活全体の効率化を実現させてみてはいかがでしょうか。
過去問題集を購入して繰り返し解く
筆記試験では、過去問題から同じような問題が出題されることが多い傾向にあります。
そのため、過去問題集を購入して一巡し、間違えたところが解けるようになるまで繰り返し解く方法が基本となります。
つまずいた問題は解説をよく読んで、「なぜ間違えたのか?」「正しい解き方は?」などをしっかり確認するようにしましょう。
また過去問題集は何冊も購入する必要はないため、実際に書店で手に取ってみて、自分が読みやすいと感じる1冊を選ぶようにしてください。
本番と同じ時間で模擬問題を解いてみる
自分1人だけで行う筆記試験の勉強では、時間制限がなく自分のペースで問題を解くことができます。
一方、筆記試験本番では、決められた時間内で問題を解いていかなければいけません。
そのため、わからない問題は後回しにして、解ける問題からどんどん取り組んでいく姿勢も欠かせません。
本番でもスムーズに問題を解けるようになるためには、過去問題集のなかにある模擬試験を、本番と同じ時間で解いてみるのがおすすめです。
本番と同じ時間で実際に模擬問題を解いてみれば、時間配分のコツも掴めるようになるはずです。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
時事問題の対策は就活エージェントに頼るのがオススメ!
時事問題の出題数は、試験全体から見るとそこまで多くないといわれています。
時事問題にあまりにも時間をかけすぎると、他の部分の対策がおろそかになってしまうかもしれません。
定期的にニュースや経済誌をチェックする習慣があれば、特段対策は不要ですが、就活対策で忙しい毎日のなかで新しく習慣づけるのは現実的ではないですよね。
そのため、特に聞かれやすい時事問題だけに絞って対策するのをおすすめします。
時事問題の対策で、特に有効な手段は就活エージェントに頼ることです。
今年出題されやすい時事問題についてアドバイスをもらえて、効率よく対策できること間違いなし!
よく使われる「筆記試験」「適性検査」とは?
ここでは代表的な筆記試験・適性検査として知られる、以下の3つを紹介します。
- SPI3
- 玉手箱
- TG-WEB
それぞれについて、見ていきましょう!
SPI3
SPI3は株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供する適性検査で、多くの企業に導入されています。
SPI3は応募者の性格傾向や基礎的な知的能力が測定でき、業務の進め方や職場での行動の基礎となる資質を測定するものです。
試験内容は「能力検査」と「性格検査」の2つのパートに分かれます。
能力検査
能力検査では、職種の違いを超えて多くの仕事で必要とされる普遍的な「知的能力」を測定することが目的です。
試験内容はさらに「言語分野」と「非言語分野」で構成されます。
言語分野 | 「言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できるかどうか」を測定することが目的 |
非言語分野 | 「数的な処理能力があるか」「論理的思考力があるか」を測定することが目的 |
企業によっては、物事の背景にある関係性や共通性を把握する「構造把握力検査」や、「英語」が追加されます。
SPI3の能力検査は一概に高得点を目指せばよい検査ではなく、企業によって求める得点水準は異なるため、その企業が求めるレベルに達していればよいとされます。
性格検査
SPI3の性格検査とは、普段の行動や考え方を問う300の質問に対する回答から、対人姿勢や仕事への取り組み方、目標に対する考え方といった性格特性を診断するものです。
問題数の割に回答時間が短いため、設問には時間をかけずに直感的に答えなくてはなりません。
応募者の性格特性だけでなく、向いている業務や馴染みやすい職場風土まで細かに把握できる検査です。
企業は性格検査の結果から、求める人物像に合致しているかどうかの判断材料としたり、面接での印象と性格検査の結果を照らし合わせたりして、採否判断の精度向上を図りたいと考えています。
SPI3の実施形態
SPI3の実施形態は4つあり、企業が指定した方法で受験することになります。
受験方法は以下の4つです。
テストセンター | 専用会場に設置されたパソコンで試験監督のもとで受験する自宅PCなどから専用システムを介し試験監督のもと受験する |
Webテスティング | 自宅や学校などオンライン環境にあるパソコンから、指定された期間内に受験する |
ペーパーテスティング | 応募先企業が用意した会場でペーパーテストを受験する |
インハウスCBT | 応募先の企業に出向き用意されたパソコンで受験する |
ペーパーテスティング以外は、パソコンを使っての受験です。
ほぼ、パソコンを使っての受験となることが多いと思われるので、事前に操作には慣れておいた方が間違いないでしょう。
転職者向けのSPIの対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
玉手箱Ⅲ
玉手箱Ⅲは、日本エス・エイチ・エル社が提供する筆記・適性検査で、SPI3に次いで多くの企業で導入されています。
SPI同様、能力検査と性格検査で構成され、応募者の基礎学力や性格傾向を読み取ることが目的です。
ただ、SPIよりも論理的思考力が重視される傾向が強いようです。
従来はWebテストで実施されることが多くありましたが、昨今ではテストセンターでの受験も増えてきました。
SPI3と並行して対策を進めておいた方がよいでしょう。
TG-WEB
TG-WEBはSPI3・玉手箱Ⅲと並び、高いシェアを持つ適性検査です。
株式会社ヒューマネージが開発・提供するもので、やや難易度が高い点が特徴で、外資系企業で採用される割合が高いようです。
問題数が少なくじっくりと回答を考える従来型と、問題数が多く回答にスピードが要求される新型の2通りの出題形式があります。
出題内容は以下の通りです。
- 言語問題
- 非言語問題
- 英語問題
- 性格適性検査
外資系で多く採用されている理由かもしれませんが、英語問題は難易度が高い傾向にあります。
英語が苦手な人は、早めに対策をしておいた方がよさそうです。
また、初見では戸惑ってしまうような特殊な問題がでることも特徴で、非言語問題では暗号解読のような出題もあります。
そのため事前の対策は必須であり、志望企業がTG-WEBを使用しているか、事前に確認しておくことをおすすめします。
適性検査に「正解」ってあるの?
適性検査には、どう答えるのが「正解」なのかわからないという人もいることでしょう。
適性検査の正解とは、あくまでそれぞれの企業が設定するものですので、企業によって正解は異なるのが実情です。
適性検査は、大勢の応募者の中から自社に合った人材を見つける「指針」として活用されています。
「企業が欲しい人物像」がまず先にあり、適性検査によって、より企業の方針に近い人物を選出しているのです。
適性検査に合格するためには、まずはしっかりと企業研究に取り組むことが大切です!
企業の求める人物像を応募者自身が考えて、アピールしていくことが重要といえます。
適性検査で審査されやすいポイントは以下の通りです。
- 仕事への興味や意欲
- 社会常識
- パーソナリティ(性格の傾向)
- 基礎学力・基礎作業能力
「会社が求めている人物像」をふまえた回答を心がけるようにしましょう。
適性検査で注意すべきポイント3つ
適性検査では、ついつい見栄を張って回答してしまったり、考えすぎるあまりに時間がかかってしまったりというケースもしばしばあります。
しかし、このようなケースではかえって悪い印象を企業へ与えてしまうおそれや、未回答の時間が多くなってしまうおそれが懸念されます。
適性検査におけるこうしたリスクを低減するためには、いくつかのポイントに注意するのが重要です。
それでは、適性検査で注意すべきポイントを3つ紹介していきます。
- 見栄を張ったり嘘をついたりしない
- 一つひとつの回答に時間をかけすぎない
- 回答内容に一貫性が保たれるようにする
見栄を張ったり嘘をついたりしない
適性検査では、ライスケール問題という、嘘をついているかを見抜く問題も出題されます。
- 一度も嘘をついたことがない
- 一度も陰口を言ったことがない
などのように強く身の潔白を問う質問は、ライスケール問題と捉えて慎重に答えましょう。
見栄を張ったり嘘をついたりしても、好印象を与えられるどころか、嘘を見抜かれて悪いイメージを与えてしまうおそれがあります。
仮に、適性検査で自分に嘘をついて採用されたとしても、入社先とミスマッチが起こり、早期離職につながるかもしれません。
自分に本当に合う職務、企業に就くためには、自分へ正直になって回答することが重要です。
一つひとつの回答に時間をかけすぎない
適性検査では、とても多くの問題数が出題されるケースがあります。
一つひとつの回答に時間をかけすぎてしまうと、未回答の問題が多くなってしまい、やる気がないと採用担当者に判断されてしまう可能性もあるのです。
適性検査においてはあまり深く考えすぎずに、ある程度は直感でテンポよく回答していきましょう。
適性検査の本番でスムーズに回答するためには、自己分析をあらかじめ行っておいて、自分のパーソナリティを明確にしておくのがおすすめです。
回答内容に一貫性が保たれるようにする
問題には直感的に答えていくことは重要ですが、回答内容が質問によって大幅に異なる場合、一貫性がないと思われてしまいます。
その結果、採用担当者へ不誠実な印象を与えてしまい、採用において不利になるおそれも。
例えば、以下の質問を見てみましょう。
- 数分なら遅刻をしてもかまわないと思っている
- 几帳面なので、時間は守る方だ
- 待ち合わせ時間にはいつも遅れてしまう
すべて「時間管理能力」について聞いていますが、言い回しが異なりますよね。
これらの質問の回答に一貫性がなければ、「その場のノリで答えている」と判断されやすく、不誠実な評価となってしまいます。
性格検査は出題数が多いため、つじつまを合わせる時間も取りにくいでしょう。
誠実さを演じるあまり、不誠実な回答をしないよう注意することがポイントです。
もちろん、人間は多面性がある生き物ですので、質問によって多少は回答が異なることもあります。
しかし、自分のパーソナリティを企業へ正しく把握してもらうためには、大幅に回答が異なるリスクを避けることは重要です。
事前に自分の内面を書き出してみて、一貫性をある程度保つようにしましょう。
まとめ
この記事では、筆記試験・適性検査の対策方法や注意点についてご紹介しました。
最後に、もう一度記事の内容をおさらいしましょう!
- 筆記試験は志望企業の傾向をふまえた上で、早めの対策が吉
- 新聞やテレビを活用し、時事の流れを把握しよう
- 企業研究を行い、「会社が求める人物像」を知ろう
- 性格検査には正直に答えることが大切。ライスケール問題には特に注意
筆記試験・適性検査の対策をしっかり行って、選考を乗り切りましょう。
UZUZなら「専任のキャリアカウンセラー」が平均20時間以上かけて、あなたの就職活動をお手伝いします。
情報が豊富で優良企業の求人を紹介できるだけでなく、適性試験・面接・書類選考対策も手厚くサポートさせていただきます。
不安になって悩むより、まずは就活のプロにご相談を。
登録料・サービス利用料は、一切かかりません!
UZUZが徹底サポート!