ほとんどの銀行員がこの道を辿る!一般的な銀行員の日常
「もしもあなたが銀行員になったら」とイメージしてください。入行1年目にはこのような生活が待っています。今持っている印象と、どれだけ違うのかをよくチェックしてみてください。そうすれば、本当に銀行に入行するべきなのかどうか、わかります。
銀行員一年目!あなたが任される仕事はこれだ!
新入社員には研修が待っています。研修を行うのは他の多くの企業でも一緒ですが、銀行業界の場合、他業種に比べて研修が少々ハードです。短期合宿で集団生活を叩き込まれます。自衛隊での研修を行うところも、珍しくありません。自衛隊に入隊し、集団生活を学びその後、通常の研修に入るというシステムを採用している銀行も多いのです。
研修が終わると、あなたは、銀行の三大業務と呼ばれる預金業務、貸付業務、為替業務、または外回りの営業のいずれかに配属されます。どの業務に配属されたとしても、覚えることは非常に多くあります。どの業務に配属されるかは、銀行によるとしか言いようがありません。
毎日がこのように繰り返される!出勤から退社までの流れ
一般的な企業よりも出社時間が早い銀行は、多くあります。他の業種の出社時間は9時以降が多いです。しかも、最近ではフレックスで余裕を持った出社時間にしている企業も少なくありません。しかし、銀行業界では早くからの出社が求められます。8時15分から8時45分に出社時間が設定されている銀行が多いです。
8時前には出社をし、掃除や朝の仕事を始めます。すぐに、朝礼が始まり、その後は銀行を開けるための準備です。そしていよいよ9時に開店します。窓口を中心に訪れたお客様を一人ずつ相手していきます。
11:00を回ると、交代で休憩時間を取ります。11:00から13:00の間に一時間の休憩がもらえますが、他の業種と大きく異なる点が一つあるのです。それは『銀行内から出られない』ということです。人によっては、非常に違和感を感じるかもしれません。行員の不正防止が目的なのですが、常に行内にいなくてはならないのは、非常に息が詰まります。
昼休みが終わると、また業務に戻ります。近くの企業に出向いて集金をすることもあります。この時だけは外に出られるので、開放感を味わうことができます。
さて、ご存知のように銀行の窓口は15:00に閉まります。「早く帰れていいな」と思うかもしれませんが、とんでもありません。本当に忙しくなるのは、ここからです。8:45から15:00までに手がけた仕事を処理していきます。その日に手がけた仕事は、その日のうちに終わらせなければなりません。
つまりは、こう考えてください。8:45から15:00までが受付の時間です。そしてその日に受付した業務は、その日のうちにこなすのが銀行業界です。何故、次の日以降に持ち越さないのかと言うと、その日に数字が合わないと困るからです。「1円でも合わないと帰れない」という言葉を聞いたことがあると思いますが、あの言葉は決して大げさではありません。
様々な業務を処理すると、退勤の時間は大体18:00から20:00になります。それでも他の業種に比べれば、退勤時間は早い方だと言えるでしょう。
お金や地位はやっぱり気になる!昇給や出世はどうなの?
続いては、あなたが気になる昇給や出世についてお話します。銀行によって異なりますが、多くの役職があります。支店内で一番偉いのは、支店長です。その下に、副支店長、次長、課長、支店長代理、係長、と続きます。彼らが役職持ちです。
もちろん、銀行によっては他にもいくつかの役職があることもあります。先程並べた役職のいくつかが欠けていることもあるでしょう。総じて言えるのは、どの銀行も上は詰まっている、ということです。入行から数年で役職がつくような世界ではありません。また、本当に出世したと言えるのは、支店長以上もしくは、本店勤務になってからです。
昇給は、年に一度基本給が上がります。これは他の業種と一緒です。基本給の数%昇給しますが、最初の基本給は他の業種と大差ありませんので、上がる金額自体は数年の間、微々たるものです。銀行業界で高給取りになるためには、長い間働く必要があります。出世や昇給のスピードが早い業界ではありません。ボーナスはしっかり出るところが多いので、その点は魅力の一つです。
慣れてきたあなたに待っているものは?
入行して数ヶ月もすれば、あなたは一連の業務に慣れてきます。しかし、「やっとこなせるようになってきたかな」とあなたが考える頃に、あなたには別の業務が与えられます。一つの業務を延々とできるような業界ではありませんので、気をつけてください。たとえば、預金業務だけをやっている行員などいない、ということです。
今まで預金業務を行っていたのであれば、融資業務に回されます。これはどの銀行も同じですので、覚悟してください。何故、このようなことをするのかというと、銀行はあなたに銀行業務の全体図を見て欲しいからです。将来、銀行全体を背負っていけるような人材が欲しいので、少なくても三大業務の全てを扱うことになります。よく言えば、それだけ期待されていることであり、全員に出世のチャンスがもらえるということです。
総合職に限りますが、銀行業界は非常に転勤が多い業種です。通常であれば一つの支店に2年から3年しかいません。一定の期間を勤めると別の支店に行くようになります。「それは非効率的だ」とあなたは感じますが、銀行側にとって大きなメリットがあるからこそ、異動が多いのです。
銀行は現金を扱うところです。そのため、不正については他業種以上にシビアに考えます。たとえば行員とお客様との癒着は、絶対に防がなければなりません。そのためには、長い間同じ支店で働いている人がいるのは、都合が悪いのです。長年、顔を合わせていればいる程、癒着は起こりやすくなってしまいます。『不正防止のために、異動はやむをえない世界である』と考えてください。