文部科学省の最新の統計によると大学中退者の人数は、令和3年度で57,875人。
学生数に占める割合では1.95%にのぼります。
同調査の過去3年の推移を見てみると、大学中退者は2%前後と一定数は存在することが分かります。
【大学中退者推移】
大学 | 令和3年度 | 令和2年度 | 令和元年度 |
---|---|---|---|
中退者数 | 57,875人 | 57,913人 | 74,192人 |
学生数に占める中退者の割合 | 1.95% | 1.95% | 2.50% |
参考:文部科学省「学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」
なぜ入学した大学を中退してしまうのでしょうか?
そして、大学中退を選んだ人はその後、どのような進路を歩んでいるのでしょうか?
ここでは大学中退後の進路先の例や中退後の対策を挙げながら、大学中退をした人のその後について紹介します。
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学生が大学を中退する理由とは?
大学を中退する人は、どのような理由があり中退の道を選んでしまうのでしょうか?
文部科学省の調査による、大学中退理由の集計を見てみましょう。
【大学中退理由(令和3年度)】
転学等 | 16.3% |
学生生活不適応・就学意欲低下 | 15.7% |
就職・起業等 | 14.3% |
経済的困窮 | 13.5% |
学力不振 | 7.7% |
心身耗弱・疾患 | 5.0% |
病気・けが・死亡 | 3.3% |
留学 | 0.6% |
参考:文部科学省「学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」
- 学費が払えなかった
- 健康を害して学業が続けられなくなった
- 家庭の事情で働かなくてはならなくなった
こうした、やむを得ない事情で中退する人も一定数いますが、多くの中退者が口にするのは以下のような中退理由です。
- 入学してみたら思っていた学部ではなかった
- 自分の勉強する内容が入学前のイメージと違っていた
- 学業に身が入らず単位が取得できなかった
上記の理由が挙がってしまう原因は「大学に入れたらどこでもいい」という考えを持つ人が多いことが挙げられます。
受かった大学に決めてしまったことでミスマッチが起こりやすいのです。
入学前のイメージと違っていたと感じる大学生は、大学で勉強する内容に対しても疑問を抱きやすくなります。
そして徐々に授業内容に興味が持てなくなり、講義を欠席しやすくなります。
欠席をすれば卒業への単位も足りなくなりますし、中退せざるを得ない状況になってしまうのです。
大学を中退…その後の不安点とは?
大学・学部の不一致や経済的理由から大学を中退した人はその後、どのような不安点を抱えるのでしょうか?
主に以下の2点が考えられます。
- 大学を辞めた後、生活のためのお金をどう工面したらいいのか?
- 大学中退という経歴は就職活動時にマイナス評価になるのか?
では、それぞれ細かく見ていきましょう。
大学を辞めた後、お金をどう工面するか
1つ目は大学を辞めた後の金銭的な不安です。
たとえ大学を中退して学費が浮いたとしても、生きていくためのお金は必要です。
大学を中退した後の何もしない時間にも生活は進むので、どのようにお金を工面すれば生活ができるのか考えて行動する必要があります。
“大学中退”は就活でマイナス評価になるのか
2つ目は「大学を中退したことで就職活動の時にマイナス評価を企業に与えてしまうのでは?」という不安です。
これは、経済的な問題などやむ負えない理由で中退する場合を除き、基本的にはマイナスの評価を与えてしまいます。
まず大学を中退してしまうと経歴が“高卒扱い”になり、そもそも受けられる求人が減ってしまいます。
さらに、大学を中退したことで企業に「1つのことを最後までやり遂げられない人なのかな?」という印象を与えてしまう恐れもあるのです。
大学を中退した後にはどのような道があるのか?
大学を中退した人たちはその後、どのような進路を辿っているのでしょうか?
具体的には以下のような進路が挙げられます。
【 大学中退者の進路】
大学を中退した人たちは中退後の不安を解消するための行動を起こします。
「すぐに仕事を始める人」と「就職までの準備期間を設ける人」の2つのタイプに分けられるようです。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
転学・再入学する
自分が学びたかったこととミスマッチが生じ中退したのであれば、学業を途中で辞めたことを後悔してしまうかもしれません。
こうした人には、他の大学に入りなおしたり、専門学校に再入学するという方法もあります。
もちろん卒業時の年齢が上がってしまうことや経済的負担が増すデメリットはありますが、納得のいく学生生活が送れることは大きなメリットです。
健康面や経済的理由でやむなく中退した場合は、再入学制度を利用して学業を全うする道もあります。
資格を取得する
将来就きたい仕事が明確で、その仕事に必要な資格がある場合は、資格取得を目指すのも良いでしょう。
たとえば就きたい仕事に国家資格が必須なのであれば、専門学校に通い集中して勉強するのも1つの方法です。
公務員を目指す
公務員は学歴の制限がないので、大学を中退したとしても目指しやすい進路です。
「絶対に公務員になりたい!」という強い気持ちがあるならば、中退して公務員試験に向けた勉強に集中するのも良いでしょう。
ただ、この場合は短期間で合格することが大切です。
勉強に時間をかけた上で結果が出ず民間企業に進路変更した場合、就活は相当に不利になってしまいます。
正社員として就職する
正社員としての就職を目指す場合は、新卒枠での応募ができなくなることは覚悟しておかなくてはなりません。
学歴としては高卒、しかも既卒の就職活動となるからです。
しかし、独自の対策をすれば活路は必ず見出せるでしょう。
いきなり正社員になることにハードルの高さを感じる場合は、契約社員で入社してステップアップを目指す方法もあります。
その場合は、正社員への登用制度があるかどうか、さらに正社員登用実績の有無まで、きちんと調べた上で応募先を選定しましょう。
起業やフリーランスを目指す
日本ではまだ少数派ですが、海外では起業を理由に大学を中退する学生もいます。
在学中に起業の準備をして、準備が整ってから中退するパターンが多く、海外では盛んに行われているようです。
また昨今の日本ではフリーランスも目指しやすい環境になっており、社会的にも働き方の1つとして受け入れられ始めています。
しかし起業やフリーランスという選択肢は、収入が保証される働き方ではありません。
ある程度の覚悟とリスクを持って臨む必要があることをしっかり理解するようにしましょう。
フリーターとして働く
正社員や契約社員として働くことに自信がなかったり、当面の生活費のためにすぐに仕事をしなくてはならなかったりする場合は、アルバイトも1つの選択肢です。
フリーターとして生活費を稼ぎながら、就職のチャンスを伺っていきましょう。
もしアルバイト先で正社員登用制度があれば、それを目指すのもよいでしょう。
ただしフリーター期間は履歴書では空白期間となってしまうため、「就活意欲がわかずなにも行動しないままフリーター期間が長期に及ぶ」状態はおすすめできません。
監修者コメント
岡本啓毅HIROKI OKAMOTO
正社員を目指すなら若手人材を歓迎してくれる業種・職種を狙い撃ちする
中退後の進路は人によって様々ですが、生活面や将来の安定性を考えた場合、正社員として就職するのがベターです。
ただ応募先企業の選択肢が狭くなることは否めず、無策で就活に臨んだ場合、かなりの苦戦が予想されるでしょう。
たとえば就職活動を成功させるには、人手不足が慢性化している業界など、若手人材を歓迎してくれる業界に的を絞るといった戦略が有効です。
宿泊・飲食・小売等のサービス業、介護業界、タクシーや運送会社などの運輸業は狙い目ですよ。
大学中退から就職を成功させるポイントは?
中退した事実は変えようがないことですが、どうしても大学中退から就活しようとすると新卒者と比較した場合、不利な立場になってしまいます。
けれど、中退してすぐに就職するということは、同級生が大学を卒業して就職する頃には、すでに社会人経験を積んでいるというアドバンテージを得られる、という見方もできるでしょう。
そのため不利な立場であったとしても、前向きな気持ちで就活に臨んでいくことが大切です。
成功を引き寄せられるよう、以下のポイントに注意しながら頑張りましょう!
できるだけ早く活動を始める
大学中退後の空白期間が長くなるほど、就活は不利になっていきます。
中退後すぐ、あるいは中退する前からでも、すぐに就活を始めましょう。
少なくとも情報収集は、中退前からでもできるはずです。
退学後「いつまでに内定を獲得する」と期限を決めて臨みましょう。
また退学する時期を決める時は、企業の求人が多くなる時期を見越して設定するのも良い方法です。
学歴・経験不問の求人を選ぶ
大学中退の場合は、応募条件が大卒以上の求人には応募できません。
もし応募できたとしても、かなりの確率で落とされてしまうでしょう。
そのため学歴・経験不問の求人を集中して探すことをおすすめします。
とくに学歴重視ではなく、人柄やポテンシャルを採用基準にしている企業は採用されるチャンスも大きいです。
また人手不足が深刻な業界であれば、貴重な若手人材として歓迎してもらえるでしょう。
転職エージェントの力を借りる
大学を中退してからの就活は、孤独な戦いとなるでしょう。
同じ境遇の就活生も少なく、情報収集にも苦戦し相談相手も見つけにくいためです。
実際に内定までの主な流れは以下のようになります。
- 求人サイトや求人情報誌から仕事を探す
- あなたの情報を入力する(年齢や興味ある分野、自己PRなど)
- 履歴書や自己PRを書く
- 企業にエントリーして応募
- 書類(履歴書・エントリーシート)の選考
- 書類審査が通過後に面接(複数回あり)
- 内定
この長い行程を、大学中退した人が全てひとりで行うことはかなり大変なのではないでしょうか。
具体的な解決策としては、就活のプロの力を借りることです。
実績豊富な転職エージェントに相談すれば、1人で悩まず効果的な対策が打てるようになるのです。
大学中退者の書類選考や面接への対策は、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
大学中退した人たちは周りに同じような境遇の人が少ないため、孤独で「どうすればいいのか」と悩んでしまいます。
また、大学生なら大学の就職課などに相談できますよね?
しかし、中退後は身近に相談できる専門家がいません。
悩んでストレスを抱え込まないためにも、専門のサポートを受けることができれば心強いと思います。
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先ほども言いましたが、大学を中退した事実は変えられません。
前向きな気持ちで就活に臨むことが、成功を引き寄せるのです。
まずは、すぐにできることから始めましょう!
あなたからのお問合わせを、お待ちしております!
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