情報工学を専攻している大学院生が改めて就職先について考えた時、
- やりたいことを見つけたい
- どんな業界・職種を選んだらいいかわからない
- 具体的な就職活動の方法を知りたい
など様々な悩みや疑問が浮かんでくると思います。
情報工学は非常に幅広い分野との関連があるので、就職先の選択肢も多岐に渡るんです。
ここでは、情報工学を専攻した方の活躍の場・実際の就活方法・人気の職種について、様々な可能性を広げてご紹介します。
情報工学とは
まず原点に返り、「情報工学」についてもう一度考えてみましょう。
情報工学とは情報を工学的に利用する分野。
コンピュータ科学・メディア工学・通信工学を情報の観点から扱う学問です。
まず情報と通信の基礎である物理・数理的な理論を学び、その上でソフトウェアやハードウェアに関する知識や、情報システム・ネットワークに関する知識を深めていきます。
自分の興味や研究内容に合わせて深く掘り下げるだけではなく、関連する知識を取捨選択して学べるので、専門性を高めるだけではなく、幅広い知識の取得が可能ですよね。
例えばある大学の情報工学科には以下のような学科があり、これらを組み合わせた5つの分野に分かれています。
- 物理学科
- 物理情報工学科
- 電気情報工学科
- 機械工学科
- 情報工学科
- システムデザイン工学科
- 数理科学科
- 管理工学科
- 生命情報学科
- 化学科
- 応用化学科
情報工学は高度ではありますが身近な学問ともいえます。
これらを学び、さらには数式処理を組み込んだ計算機システムを構築したり、大規模なソフトウェアの開発、機械学習や自然言語処理を使った人工知能などの基盤技術を身につけたりします。
そこで、関連のある業界や職種を挙げてみました。
- IT
- ゲーム
- 医療
- 電子
- 電気機器
- 自動車
- コンサルティング
- スポーツ
- 百貨店
- 印刷
- 保険
- 金融
- ITエンジニア
- 機械設計技術者
- アナリスト
- 研究員
- 情報管理者
- コンサルタント
情報工学を専攻した大学院生の就活メリット
高度な専門知識・技術を学んだ情報工学の大学院生は、就活をする上で様々なメリットがあります。
それぞれのメリットを詳しくチェックしてみましょう。
国内だけでなく海外の求人にも応募できる
情報工学出身者の活躍の場は、日本国内だけではありません。
高度なIT技術を学んだ人材への需要が高いのは海外も同じ。
優秀なIT人材は世界中で取り合いの状態なんです。
そのため「グローバルに活躍したい」と考えているのであれば、海外の求人も視野に入れて就活を進めましょう。
例えば、リモートワークを活用して海外のプロジェクトに参加することもできますよね。
プログラミング言語は世界共通。
だからある程度の語学力があれば、在宅でプログラミングを組んだりすることも可能です。
幅広いニーズに応えられるため応募可能範囲が広い
前述した通り、情報工学を修了していると就職先の業界・職種の応募可能範囲はかなり広がります。
例えば先ほど挙げたような「コンサルタント職」は一見、文系の職種のようにも見えますが、高度な専門知識が求められるため理系出身者もたくさん活躍しているんです。
そもそも情報工学に限らず、理系の大学院を卒業すると文系・理系職種といった垣根を越えて就職口が広がります。
そのことについては、こちらの記事で詳しく説明しているのでぜひご覧ください。
技術職の推薦も狙える
ITが進んでいることもあり、情報工学出身者を欲しがる企業は少なくありません。
そのため、大学院には大手企業などから技術職の推薦オファーが届きます。
「あなたの大学院生の優秀な人材・あるいは希望者を推薦してください」というもの。
推薦は、一般の選考とは別枠で進められるので、かなりスムーズに就活が進みます。
実際「研究と就活の両立が難しい」と頭を悩ませる学生はたくさんいますよね。
厳しい研究室だと「就職活動の時間をあまり取らせてくれない」という所も。
教授をはじめ、周りの研究員に気を遣いながら就活を進めるのってしんどいですよね。
その点、学校推薦あるいは教授の推薦がもらえれば、サクっと就活を終わらせることができ、その後の大学院生活も研究に専念できます。
学生にとっても学校側にとってもメリットが大きいんです。
情報工学の就職活動方法
- 学校/教授推薦を使う
- インターンシップに参加する
- 普通に就活を行う
具体的な動きを見てみましょう!
学校/教授推薦を使う
前述した通り、情報工学の大学院にはメーカーの技術職を中心に多くの推薦が届きます。
学校にオファーが来るもの、直接教授のつながりで求人が寄せられるものなど。
いずれにせよ、学校あるいは教授が「この学生を推薦する」と保証するので企業側も安心して採用できます。
とはいえ、推薦だからといって「落ちない」わけではありません。
面接で自分の研究内容を上手く担当者に伝えられない場合などは、たとえ推薦枠でも採用を見送るケースがあります。
自己アピールはもちろん、自分の研究内容を分かりやすく伝えるプレゼンテーション能力を磨く必要があります。
「推薦枠」について詳しく知りたい方は、以下の記事もどうぞ。
インターンシップに参加する
「自分のやりたいことが分からない」「どんな職種を選んだらいいのか分からない」という人にはインターンシップへの参加がおすすめ。
実際の仕事を体験し、会社の雰囲気を感じて、総合的にその企業・業界・職種に就きたいかどうか判断できます。
いくら優秀な学生であっても企業との相性や仕事の向き不向きはあるので、仕事選びのミスマッチを避けるためにも有効な就活方法といえます。
また、インターンシップに参加することで早めに就活準備を開始できるというメリットも!
一般的な企業では夏と冬にインターンシップを実施するところが多いです。
ただ、研究をおろそかにしてインターンシップに重点を置くのはNG!
周りの様子も見ながら、要領よく就活することが大切です。
普通に就活を行う
「研究室が厳しくてインターンシップには参加できない」という学生さんもいるでしょう。
そんな場合は普通に就活を行えばOK!
例えば推薦枠を狙う場合は業界・職種の選択肢が限られていますよね。
しかも、内定をもらってから入社を辞退するのは基本的にご法度です。
特に教授推薦の場合、内定辞退なんかしてしまうと、その後の研究室生活が恐ろしいことになりかねない……。
その点、普通に就活すれば幅広い業界・職種の中からじっくり吟味できますよね。
インターンシップに参加して内定をもらう場合も同様です。
周りの同級生に比べて就活が早く終わり研究に専念できますが、後から「こんな職種もあったのか!受けたら良かった……」と思っても時遅し。
例えば金融業界の場合、メガバンクやインターネット銀行、そして証券会社などがフィンテックの導入を急ピッチに進めています。
そのため、自社のシステム開発・運用に必要なITエンジニアの需要が急激に高まっているのです。
普通に就活を行えば視野を広く持てるので、色んな可能性を考えながら就職先を見つけられます。
情報工学に人気の職業とは
ここからは、具体的に情報工学出身の大学院生の就職先として人気の職業を挙げていきます。
情報工学出身者はIT系企業に強い
やはり、情報工学と親和性が非常に高いIT業界に就職する人が多いです。
具体的な職種は以下の通り。
プログラマー
プログラマーはプログラミング言語を駆使してPCやスマホのソフトウェアやWEB上で必要なシステムの開発、家電などを動作させるプログラム開発などに従事します。
プログラマーは人手不足状態なので高収入を期待できますが、その分残業時間は多い企業も存在するためハードワークを覚悟した方がいいケースもあります。
システムエンジニア
システムエンジニアはシステム全体の仕様を決めて開発全体をマネジメントしていく職種。
システムエンジニアの設計書に沿ってプログラミングを担当するのがプログラマーの仕事なので、まずはプログラマーからスタートしてシステムエンジニアへとキャリアアップしていくITエンジニアが多いです。
システムエンジニアの場合、プログラミング技術はもちろん、高いコミュニケーション能力・マネジメント能力が求められるので、さらに高額な年収を目指せます。
インフラエンジニア
企業情報のインフラを支えるインフラエンジニアは、ネットワークの設計・構築やサーバーの運用・保守作業を担う仕事です。
運用や保守を担当していると、急なシステム障害やメンテナンスなどにより深夜勤務が発生することもある職種ですね。
また、近年巧妙化するマルウェアや不正アクセスなどにより、多くの企業でセキュリティに対する危機意識が高まっています。
そのため、サイバー攻撃への対処やセキュリティ対策技術を持ったインフラエンジニアは市場価値が高く、重宝されることでしょう。
ここまでITエンジニア職を紹介しました。
その他、電気電子系、研究開発・生産技術・組み込みエンジニア職について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてくださいね。
それぞれ詳しくまとめています!
IT系の企業について具体的に知りたい方は以下の記事をご覧ください。初任給から平均年収まで紹介していますよ!
ある有名大学院の修士修了者の就職状況
東京大学工学部の情報工学科と電気電子工学科の卒業生の就職先を覗いてみましょう。
誰もが知っている大手企業が名を連ねていますよね。
楽天・Yahoo・アマゾンといったIT業界をはじめ、
- 大手インフラ企業
- 公的機関
- コンサルティング
- 金融機関
など情報工学系以外の幅広い業界に就職口があるのが分かると思います。
今後はクラウド化が進む中でニーズが高まってきたクラウドコンピューティングや、ビックデータの分析知識を所持している有能な人材を求める企業が増えており、情報工学専攻者の活躍できるフィールドが更に広がり続けると予想されます。
まとめ:
情報工学を専攻しているあなたには豊富な就職先があることが分かってもらえたと思います。
同時に、推薦の利用・インターンシップの参加・通常の就活方法など就職活動のやり方についてもさまざまな方法があります。
たしかに、大学院生は研究をきちんとやってこそ。
でも、就活だって人生を左右するもの。
せっかくここ(大学院)まで来たのだから、どうせやるならきちんと就活をして「やりたい仕事」に就きたくありませんか?
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現在はUZUZ内一の癒し系キャリアカウンセラーとして活躍中!
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